JP2633607B2 - Ｘ線ｃｔスキャナ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、Ｘ線CTスキャナ装置や磁気共鳴イメージン
グ装置等のように使用に際して複雑且つ多岐の条件を設
定する必要がある医用機器システムに関し、特に、操作
に習熟していない術者であっても容易に使用できるよう
にした医用機器システムに関する。

（従来の技術） この種の医用システムとしてＸ線CTスキャナ装置を一
例として説明する。例えば、第３世代の装置を例にする
と、ガントリ内にあるＸ線源と検出器とは、寝台により
導入された被検体を挟んで対抗配置され、このＸ線源と
検出器との組は対抗関係を保って回転することにより、
被検体に対する多方向からの透過Ｘ線に基づく投影デー
タを、検出器多びデータ収集部により収集して再構成処
理を施すことにより再構成スライス像を得るようにして
いる。

上記においてＸ線源と検出器を収容しているガントリ
と寝台とは装置本体を構成し、その装置本体の他にコン
ソール及びこれに連携し装置本体を制御すると共に収集
データにより画像構成処理及び各種の画像処理を行うＸ
線発生制御機器やコンピュータ等よりなる要素等を以て
この種のＸ線CTスキャナ装置は成立っている。

そして、撮影の手順としては、先ず、被検者を寝台に
乗せ、コンソール又は寝台上のスイッチを操作して寝台
の天板をスライドさせることにより被検者の所望撮影部
を撮影領域に位置決めし、予め定まっているか又は逐次
設定する撮影条件の下でコンソールのスキャンセット押
ボタンを押し、次にスキャンスタートを押ボタンを押し
てスキャンを行うようにしている。以上は、撮影手順と
して最も簡単な事例を説明したものであるが、術者がコ
ンソールを操作することにより設定する撮影条件及び画
像処理・表示・出力に対応する選択肢としては例えば次
のようなものがある。

すなわち、CT撮影であるかスキャノ像生成であるか、
Ｘ線曝射のパルス数（357,600,800）、撮影領域（160,2
10,240,300,350,400mmφ）、スライス厚（2,5,10mm）,X
線管電流（120,250,400mA）、ウインドウレベルWL及び
ウインドウ幅WW、各種の画像処理・表示メニュー等の他
に、寝台廻りでは天板のスライドリンクリメント量等が
ある。

以上のような各種の撮影条件及び画像処理・表示・出
力に対応する選択肢はそれぞれ密接な関係があり、ま
た、撮影部位によってもその選択肢は適切なものである
ので、実際の選択肢設定のためのボタン（スイッチ）操
作は非常に難しくあり、また面倒でもある。

このような選択肢設定における不具合を解消する目的
で、数多くの選択肢をなるべく少なくするためある程度
のセットメニー（PASスイッチ）をつくり、そのうちの
いずれかを選択するという方式を用いたり、次に操作す
べき選択肢をランプの点滅等により術者に知らせたりし
て操作の簡易化を行っていた。

しかしながら、上述の操作の簡易化のための装置構成
上の努力はなされても未だコンソール上にはいくつもの
スイッチ類があり、術者にとっては間違って操作したら
どうしよう、何か異常な事態に遭遇したらどうしよう、
という不慣れな術者の不安はぬぐいきれなかった。それ
がため、例えば、夜中に緊急患者が運び込まれ、操作に
不慣れな術者が撮影を行なわなければならない事態にな
っても失敗を恐れるがあまり、慎重になりすぎて撮影に
至るまでに非常に時間を要したり、撮影を行なえないこ
とも多々あった。

（発明が解決しようとする課題） このように従来の技術においては、適切な医用行為を
実施するための各種各様の多くの選択肢を有するもので
あるため、操作が非常に難解且つ面倒である。従って、
操作に不慣れな術者にとっては操作を行ないつつも不安
を生じ、また適切な医用行為を行うことができない、と
いう問題点があった。

そこで本発明の目的は、操作に不慣れな術者であって
も適切且つ容易に医用行為を行なうことができるように
したＸ線CTスキャナ装置を提供することにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明は上記課題を解決し且つ目的を達成するために
次のような手段を講じた構成としている。すなわち、請
求項１に記載の本発明は、複数の撮影条件が設定され、
前記複数の撮影条件にしたがって被検体の撮影を実行す
るＸ線CTスキャナ装置において、前記撮影条件を全て個
々に設定する通常モードを作用させる主制御手段と、断
層的構造を有する複数種のメニュー情報を表示して該メ
ニューの選択操作に共し得るようにし、かつ前記複数の
撮影条件のうち所定数の条件を設定するだけで前記所定
数の条件以外の各条件をそれぞれ標準値に自動設定する
簡易モードを作用させる簡易制御手段と、この簡易制御
手段或いは前記主制御手段のいずれかを作用させるかを
選択的に切換える切換手段と、この切換手段により選択
された前記簡易制御手段或いは前記主制御手段における
いずれかのモードにしたがって撮影を実行する撮影制御
手段とを具備することを特徴とする。

また、請求項２に記載の本発明は、複数の撮影条件が
設定され、前記複数の撮影条件にしたがって被検体の撮
影を実行するＸ線CTスキャナ装置において、前記撮影条
件を全て個々に設定する通常モードを作用させる主制御
手段と、階層的構造を有する複数種のメニュー情報を表
示して該メニューの選択操作に共し得るようにし、かつ
前記複数の撮影条件のうち所定数の条件を設定するだけ
で前記所定数の条件以外の各条件をそれぞれ標準値に自
動設定する簡易モードを作用させる簡易制御手段と、こ
の簡易制御手段或いは前記主制御手段のいずれかを作用
させるかを選択的に切換える切換手段と、この切換手段
による前記簡易制御手段或いは前記主制御手段のいずれ
かへの選択的な切換えを所定の時刻情報に基づいて行う
ためのタイマ手段と、このタイマ手段の作用により、前
記切換手段にて選択された前記簡易制御手段或いは前記
主制御手段におけるいずれかのモードにしたがって撮影
を実行する撮影制御手段とを具備することを特徴とす
る。

（作用） このような構成によれば、起動スイッチを起動するこ
とにより簡易制御器を動作可能とすることができ、この
簡易制御器は医用機器を少ない選択肢の下で制御するこ
とができるので、操作に不慣れな術者であってもこの少
ない選択肢の下で適切且つ容易に医用行為を行なえる。

（実施例） 以下本発明にかかる医用機器システムの一実施例を、
Ｘ線CTスキャナ装置に適用した例について図面を参照し
て説明する。

第１図は本実施例のＸ線CTスキャナ装置の要部構成を
示す斜視図、第２図は第１図における簡易コンソールの
外観構成を示す斜視図、第３図は同実施例の電気回路の
ブロック図、第４図〜第10図は簡易コンソールの表示例
を示す図である。

第１図に示すように、検査室TR内にはガントリ1,寝台
２からなる装置本体が設置されている。操作室OR内には
通常のコンソール（以下「主コンソール」と称する。）
３と、主コンソール３で行なえる撮影条件，画像処理・
表示・出力の操作の選択肢のうちで必要最低限の選択肢
だけを持たせた簡易コンソール４とが設置されており、
図示では簡易コンソール４を主コンソール３上に設置し
ている。また、撮影した画像や主コンソール３の操作メ
ッセージ等を表示するディスプレイ５を持ち、画像保存
等に使用するディスク記憶装置６を有している。

また、主コンソール３はキースイッチ，押しボタンス
イッチやCRTディスプレイ等を備えて通常の選択肢の設
定を行ない得るようになっているが、第２図に示すよう
に、簡易コンソール４は、選択肢設定のためのスイッチ
類は設けていない。つまり、簡易コンソール４は例えば
表示ディバイスとしてプラズマディスプレイ素子を用い
たものであり、その表示面4aには透明シートスイッチ
（タッチパネル）4bが設けられている。また、フレーム
には電源スイッチ4c,電源スイッチ4cによりオンすると
点灯するンランプ4d,輝度調製ボリューム4eが設けられ
ている。そして、簡易コンソール４は、操作手順毎に逐
次切換わり表示がなされる画面中にスイッチ等に相当す
るものをガイダンスと共に表示し、スイッチ操作を透明
シートスイッチ4bに対する術者の指接触にて行ない得る
ようになっている。さらに、図示しない機械室内には図
示しないＸ線発生制御機器やコンピュータ等が設置され
ている。

第３図に示すように、主コンソール３と簡易コンソー
ル４とは、切換器７を介してＸ線CTスキャナ装置の主要
部（第１図に示すガントリ寝台２等の装置本体やＸ線発
生制御機器やコンピュータ等）８に接続されている。こ
こで、切換器７は簡易コンソール４からの切換信号によ
り起動して簡易コンソール４とＸ線CTスキャナ装置の主
要部８信号授受を行ない得るようになっている。

ここで、簡易コンソール４が持っている選択肢につい
て説明する。すなわち、ここで言う所の必要最低限の選
択肢とは、CT撮影であるかスキャノの像生成であるか、
撮影部位は頭部であるか腹部であるか、CT値の関心領域
ROI設定等であり、これらの選択肢について操作手順毎
に逐次切換わり表示がなされる画面中にスイッチ等に相
当するものをガイダンスと共に表示し、スイッチ操作つ
まり選択肢の選定を透明シートスイッチ4bに対する術者
の指接触にて行なう。

次に上記の如く構成された本実施例の動作を、簡易コ
ンソール４の表示例を示す第３図〜第10図を参照して説
明する。すなわち、術者が簡易コンソール４の電源スイ
ッチ４をオンすると、第４図に示すような表示画面が現
われる。ここで、術者が画面上の の場所を指で軽く触れると切換信号が切換器７に与えら
れ、切換器７は主コンソール３とＸ線CTスキャナ装置の
主要部８と信号授受可能関係を断って簡易コンソール４
とＸ線CTスキャナ装置の主要部８とが信号授受可能とな
るように接続を行なう。

上述の操作により簡易コンソール４の操作が可能にな
ると、第５図に示すような画像面に切替わる。ここで、 に触れると、第４図の画面に戻り、切換信号が切換器７
に伝わり、簡易コンソール４により制御は不能になり、
再び主易コンソール３による制御が可能になる。

第５図の画面が表示されているとき、スキャン に触れると、予め定められている撮影条件が設定され、
第６図の画面に切換わり、 に触れると、第10図の画面に切替わって待機メッセージ
を表示し、撮影前の準備が終わり次第に第７図の画面に
切替わり、 に触れると撮影が行なわれ、第１のディスプレイ５上に
撮影した画像が表示される。このとき、寝台２の天板は
上述した撮影条件に基づいて定まっている距離分だけ移
動し、これにより次に撮影すべき位置に被検者が設定さ
れ、第６図の画面に切替わって必要な回数だけ上記と同
じ条件にて撮影が行なわれる。そして、上述した撮影条
件により画像の保存が必要であると指定されていればデ
ィスク記録装置６に画像が記録されるようになる。

一方、第５図の画像が表示されているとき、スキャノ に触れると、スキャノを撮影するための撮影条件が設定
され、スキャノ像がディスプレイ５に現れると、これと
同時に第６図から第７図，第８図へと順次画面は切替わ
る。第８図の画面が現われているとき に触れると、寝台２の天板は移動する。この天板の移動
は、ディスプレイ５のスキャノ像上に設定されるカーソ
ル線の位置がスキャン位置となるように移動される。こ
の移動が完了すると、スキャンのための条件への変更が
自動的に行なわれ、次いで第６図の画面に切替わり、上
述したスキャンが行なわれるようになる。

上記において、第５図の画面で に触れると、第９図のような画面に切替わってCT値の測
定を行うことができる。

第６図の画面上で に触れると、一つ前の画面第５図又は第８図の画面に戻
って操作のやり直しを行なえる。

第６図の画面上で に触れると、自動的に次の受診者（患者）の受診者番号
を発番して登録される。後で画像を見たいときには、こ
の受診者番号で検索することができるようになる。この
発番は、最初に を触れた時にも同様に自動発番がなされる。

以上のように本実施例によれば、電源スイッチ４のオ
ン操作及び簡易コンソール４の画面上のッチパネルスイ
ッチである を触れることにより、簡易コンソール４の選択肢設定動
作を可能とすることができ、この簡易コンソール４はＸ
線CTスキャナ装置の主要部８を少ない選択肢の下で制御
することができるので、操作に不慣れな術者であっても
この少ない選択肢の下で適切且つ容易に画像診断を行う
ことができるようになる。

また、簡易コンソール４は選択肢設定のためのスイッ
チ類は設けないで、選択肢の選定及びそのメッセージ表
示を表示面4a及びシートスイッチ（タッチパネル）4bに
より行なうようにしているので、術者は表示面4aだけ関
心に払って診断手順を逐次実行することができる。この
場合、選択肢を選定する操作の手順毎に画面が入替わる
ようにしているので、また間違った操作や再設定の必要
があるときには画面を元に戻すことができ、術者が抱く
操作進行に伴う不安を解消することができる。もちろ
ん、簡易コンソール４にスイッチ類を主コンソール３よ
りは少なく設け、このスイッチ類により選択肢の選択を
行なうようにしてもよい。

尚、上記実施例では主コンソール３とＸ線CTスキャナ
装置の主要部８と信号授受可能関係を断って簡易コンソ
ール４とＸ線CTスキャナ装置の主要部８とを信号授受可
能とするための構成としては、術者が簡易コンソール４
の電源スイッチ４をオンし、その表示画面上の を触れることにより、切換器７を起動するようにしてい
るが、これに限定されるものではなく、例えば、Ｘ線CT
スキャナ装置の主要部６に内蔵しているタイマ6aからの
信号によっても起動させるようにすることができる。す
なわち、タイマ6aは夜間たとえば午後６時から午前８時
までの間にあって切換器５に対して切換信号を与えるよ
うにすることにより、自動的に簡易コンソール４を動作
可能とすることができる。

また、主コンソール３とＸ線CTスキャナ装置の主要部
８と信号授受可能関係を断って簡易コンソール４とＸ線
CTスキャナ装置の主要部８とを信号授受可能とするため
の構成とを、簡易コンソール４側でなくして主コンソー
ル３側や検査室入口等の術者が操作を行ない易い所に設
置するようにしてもよい。

さらにデイスク記憶装置６の制御形態を、簡易コンソ
ール４の制御動作にあっては主コンソール３とは異なる
形態としておくことにより、都合が良い場合がある。例
えば簡易コンソール４の動作時ではデイスク記憶装置６
は古い画像から順次消去するようにしておくことによ
り、保存容量が一杯になったときでも、面倒な操作を必
要としないで自動的に古い画像を消去して必要な画像を
保存することができる。

また、簡易コンソール４の制御形態について習熟度の
レベルや診断形態に応じた複数のものを用意しておき、
術者の選択性を広げるようにしてもよい。

さらに、簡易コンソール４の画面の入替わり毎に次の
操作を促すように発光や発音を行なうようにしてもよ
い。もちろん、Ｘ線CTスキャナ装置に特定されず、磁器
共鳴イメージング装置や放射線診断装置等の医用機器シ
ステムに適用できる。

この他本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して
実施できるものである。

［発明の効果］ 以上記載したように、請求項１記載の発明では、Ｘ線
CTスキャナ装置の操作に不慣れな者でもスキャン撮影を
実行することができ、また通常モードのもとで撮影条件
を個々に設定することも可能なＸ線CTスキャナ装置を提
供できる。また、請求項２記載の発明では、Ｘ線CTスキ
ャナ装置の操作に不慣れな者でもスキャン撮影を実行す
ることができる簡易モードを、自動的に動作可能とする
ことができるＸ線CTスキャナ装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる医用機器システムの一実施例と
してＸ線CTスキャナ装置の要部構成を示す斜視図、第２
図は第１図における簡易コンソールの外観構成を示す斜
視図、第３図は同実施例の電気回路のブロック図、第４
図〜第10図は簡易コンソールの表示例を示す図である。 １……ガントリ、２……寝台、３……主コンソール、４
……簡易コンソール、５……デイスプレイ、６……ディ
スク記憶装置、７……切換器、８……Ｘ線CTスキャナ装
置の主要部。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の撮影条件が設定され、前記複数の撮
   影条件にしたがって被検体の撮影を実行するＸ線CTスキ
   ャナ装置において、前記撮影条件を全て個々に設定する
   通常モードを作用させる主制御手段と、階層的構造を有
   する複数種のメニュー情報を表示して該メニューの選択
   操作に共し得るようにし、かつ前記複数の撮影条件のう
   ち所定数の条件を設定するだけで前記所定数の条件以外
   の各条件をそれぞれ標準値に自動設定する簡易モードを
   作用させる簡易制御手段と、この簡易制御手段或いは前
   記主制御手段のいずれかを作用させるかを選択的に切換
   える切換手段と、この切換手段により選択された前記簡
   易制御手段或いは前記主制御手段におけるいずれかのモ
   ードにしたがって撮影を実行する撮影制御手段とを具備
   することを特徴とするＸ線CTスキャナ装置。
2. 【請求項２】複数の撮影条件が設定され、前記複数の撮
   影条件にしたがって被検体の撮影を実行するＸ線CTスキ
   ャナ装置において、前記撮影条件を全て個々に設定する
   通常モード作用させる主制御手段と、階層的構造を有す
   る複数種のメニュー情報を表示して該メニュー選択操作
   に供し得るようにし、かつ前記複数の撮影条件のうち所
   定数の条件を設定するだけで前記所定数の条件以外の各
   条件をそれぞれ標準値に自動設定する簡易モードを作用
   させる簡易制御手段と、この簡易制御手段或いは前記主
   制御手段のいずれかを作用させるかを選択的に切換える
   切換手段と、この切換手段による前記簡易制御手段或い
   は前記主制御手段のいずれかへの選択的な切換えを所定
   の時刻情報に基づいて行うためのタイマ手段と、このタ
   イマ手段の作用により、前記切換手段にて選択的にて選
   択された前記簡易制御手段或いは前記主制御手段におけ
   るいずれかのモードにしたがって撮影を実行する撮影制
   御手段とを具備することを特徴とするＸ線CTスキャナ装
   置。
3. 【請求項３】前記所定の時刻情報は、午後６時から午前
   ８時までの夜間であり、この時間帯は切換手段は簡易制
   御手段における簡易モードを選択することを特徴とする
   請求項２記載のＸ線CTスキャナ装置。