JP2631155B2 - 低ナトリウム粉乳の製造法 - Google Patents

低ナトリウム粉乳の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ナトリウム含量のみを選択的に低下せしめ
た低ナトリウム粉乳及びそれを製造するための工業的製
法に関するものである。
(従来の技術) 循環器系、代謝系等の各種疾患に重大な影響を与える
高血圧症において、その最大の原因は、食塩の過剰摂取
つまりナトリウムの過度の摂取である。
しかして牛乳は、きわめてすぐれ栄養食品ではある
が、牛乳からナトリウムのみを選択的に除去ないし不溶
化して低ナトリウム牛乳とすることができれば、牛乳の
栄養価値は更に高まることになる。
牛乳は、乳幼児にとって重要な栄養源であるととも
に、成人ないし老人にとってもカルシウムや良質のたん
ぱく質の給源としてその重要性が見直されてきている。
しかしながら、通常の牛乳は多量のナトリウムを含有し
ているために高血圧症の面では好ましくなく、しかも特
に高血圧症は加齢を伴うものであるから、老人に通常の
牛乳を摂取させることは好ましくないことになる。そこ
で、ナトリウムのみを除去し、他の重要な成分はそのま
ま維持されている牛乳、特に保存性や取扱性にすぐれた
粉乳への開発が業界において強く要望されているのであ
る。
この点に関してわずかに、Y.Nakayama,et al.,Milchw
issenschaft44(1)29〜31(1989)及び特開昭62−220
144号が知られているにすぎないが、本発明に係る低ナ
トリウム粉乳については何も教示するところがない。
すなわち前者にあっては、ナトリウムを低減した牛乳
を開示するにとどまり、その利用については何の教示も
なされていない。粉乳については何も触れるところがな
く、ましてや抗高血圧症老人用粉乳として特に有用であ
ること等については示唆の示唆すらない。また後者にあ
っては、従来の電気透析又はイオン交換樹脂処理によっ
て、ナトリウムのみでなく他のミネラルも全般的に除去
してしまうものであり、しかも粉乳とは全く相違する酸
乳に関するものであるから、本発明とは技術分野を全く
異にするものであり、本発明とは関係のない文献であ
る。
このように、本発明の主題であるところのナトリウム
のみを選択的に低減した低ナトリウム粉乳は、従来全く
知られておらず、新規な食品である。
(発明が解決すべき問題点) 本発明は、上記した従来の現状に鑑み、ナトリウム含
量のみを選択的に低減せしめた粉乳の開発という新規技
術課題を設定し、そしてこれを解決することを目的とす
るものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するためになされたものであ
って、先に述べた低ナトリウム牛乳の開発にひき続き本
発明は、その利用について広範な研究を行い、各種の食
品について検討した結果、低ナトリウム牛乳を粉乳にす
ることが可能であること、得られた粉乳は美味であって
牛乳嫌いの老人にあっても充分に飲用できるのみでなく
予想外に血圧の上昇を抑制防止できることを併せ確認
し、本発明の完成に到ったものである。
本発明を実施するに当っては、牛乳をイオン交換処理
するのであるが、それにはイオン交換樹脂に通液してイ
オン交換乳とすればよく、具体的には表1に示した工程
によるのが良い。
本発明においては、イオン交換樹脂としては陽イオン
交換樹脂(例えばアンバーライトIR−120B)を用いるの
がよく、これに生乳(変質、腐敗を防止するために冷却
しておくのがよい)を通液して接触させることにより、
他のミネラルを保持しつつナトリウムのみを選択的に除
去するのである。但し、その際、生乳を通液接触させる
のに先立ち、イオン交換樹脂を再生液で処理することに
よりこれを再生しておくことが必要である。再生液とし
ては、5〜10%の塩酸溶液又は混合金属イオン液が使用
され、その濃度や金属イオンの種類を変えることによっ
て、各種のイオン交換牛乳を自由に製造することができ
る。混合金属イオンとは、カリウム、マグネシウム、カ
ルシウム等の牛乳の処理に悪影響がなくまた人体に対し
ても毒性のない各種の金属イオンの混合物を指す。
イオン交換樹脂としては、使用後の再生用樹脂も使用
することができるので、樹脂は再生液を使用することに
よって循環使用することが可能である。再生の際の速度
はSV1〜10程度が好適である。
再生処理した後、生乳を再生したイオン交換樹脂にSV
10〜30程度で通液して接触させることにより、ナトリウ
ムの可溶性画分が除去され低ナトリウム化されたイオン
交換乳が得られるのである。
本発明によって得られたイオン交換乳は、濃縮した後
に噴霧乾燥等粉乳製造の常法にしたがって処理すれば良
く、このようにして従来の粉乳に比してナトリウム含量
を実質的に10〜60%未満に低減し、カリウム含量、カル
シウム含量及びマグネシウム含量を90%以上保持してな
る、従来製造できなかった新規な低ナトリウム粉乳を得
ることができる。
ちなみに、従来の粉乳におけるミネラル含量は、メー
カーや製品によって多少の差はあるものの、100g当りほ
ぼ次のとおりである(日本食品成分表(医歯薬出版株式
会社);なお、カッコ内は国産脱脂粉乳の1例を示
す):ナトリウム含量400〜600mg(570mg)、カリウム
含量1.400〜2,000mg(1,800mg)、カルシウム含量1,000
〜1,400mg(1,100mg)、マグネシウム含量90〜130mg(1
10mg)。
得られた低ナトリウム粉乳は、ナトリウム含量が低下
しただけでなくカリウム含量が増加して結局Na/K比が低
下することになり、高血圧症の予防に好適である。そし
てイオン交換して得た低ナトリウム化イオン交換乳は、
UHT殺菌等を行っても低ナトリウム化、高カリウム化に
変化はなく、したがって高温殺菌処理を経て得た粉乳も
すぐれた低ナトリウム粉乳となる。
このようにして得た低ナトリウム粉乳はNa/K比が低下
するという機能性からみた著効のほかに、これに加水し
て還元した場合、もとの生乳よりもむしろ飲みやすく且
つ美味であって、牛乳嫌いの老人でも充分に飲用が可能
であるとの著効も得た。したがって本発明は、高血圧症
の危険性を伴うことなく高機能性食品である粉乳を多量
に飲用することを可能にしたものであって、人類の健康
維持に大きな寄与をなすものである。以下、本発明の実
施例について述べる。
実施例1 表1に示した工程にしたがって、表2に示す性質(生
乳中の金属の分布)を有する生乳100kg(10℃に冷却)
をイオン交換処理した。
陽イオン交換樹脂としては、Amberlite IR−120B
(ロームアンドハース社、商品名)を10充填した直径
15cmのカラムを使用し、再生液としては5%塩酸水溶液
を使用した。なお再生時の通液速度はSV5とし、イオン
交換時の通液速度はSV10とした。その結果、表3に示す
性質(生乳のイオン交換後のコロイド相と可溶性相にお
ける金属分布)を有するイオン交換乳(モデルA)を得
た。なお、ナトリウムを半分除去した場合も(モデル
E)参考として示した。
このようにして得たイオン交換乳を、粉乳製造の常法
にしたがって真空濃縮した後に噴霧乾燥処理し、ナトリ
ウム含量が従来の粉乳の10.04%の低ナトリウム粉乳を
得た。
実施例2 生乳として下記表4の対照乳を使用しそして再生液に
混合金属イオン(カリウム802.6meq/1,マグネシウム14
4.0meq/1、カルシウム425.0meq/1の混合溶液)を用いた
ほかは実施例1と同様の処理を行って、イオン交換乳を
得た。
得られたイオン交換乳を、UHT殺菌条件(120℃、2
秒)で加熱処理し、表4に示す性質(イオン交換乳の加
熱処理後における金属分布)を有する加熱処理したイオ
ン交換乳(モデルA)を得た。なお、対照乳とモデルA
との等量混合物であってナトリウムを半分除去した場合
も、参考として表4に示した。
このようにして得た加熱済のイオン交換乳を、粉乳製
造の常法にしたがって処理し、ナトリウム含量が従来の
粉乳の11.86%の低ナトリウム粉乳を得た。
(発明の効果) 本発明によって、粉乳についてはじめてそのナトリウ
ム含量のみを低減化するのに成功したものであり、した
がって、各種の有用成分に富むきわめてすぐれた食品で
ある粉乳を、高血圧症を懸念することなく大量に摂取す
ることが可能となった。
しかも生乳よりも飲み易くなったので、幼児用の粉ミ
ルクはもとより、病人や老人用の粉ミルクとしても非常
に有用である。そして、高血圧症は加齢を伴うものであ
るから、本発明に係る低ナトリウム粉乳は、高血圧症の
危険性が高い老人用の栄養食品として特にすぐれてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−220144(JP,A) 特開 昭57−18943(JP,A) 特開 昭59−102351(JP,A) 「母乳と乳児用調製乳」同文書院、第 46−48頁(昭62.1.5)発行

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽イオン交換樹脂を、金属イオンの種類と
    濃度を調整した混合金属イオン液からなる再生液で処理
    した後、牛乳を加えてイオン交換してイオン交換乳を得
    ることを特徴とする、従来の粉乳(100g当り、ナトリウ
    ム含量400〜600mg、カリウム含量1,400〜2,000mg、カル
    シウム含量1,000〜1,400mg、マグネシウム含量90〜130m
    g)のナトリウム含量を10〜60%に低減し、カリウム含
    量、カルシウム含量及びマグネシウム含量を90%以上に
    保持してなる低ナトリウム粉乳の製造法。
JP2197895A 1990-07-27 1990-07-27 低ナトリウム粉乳の製造法 Expired - Lifetime JP2631155B2 (ja)

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GB8604041D0 (en) * 1986-02-19 1986-03-26 Unilever Plc Fermented milk products

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「母乳と乳児用調製乳」同文書院、第46−48頁(昭62.1.5)発行

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