JP2978609B2 - カリウムを含有する呈塩味料の製造法 - Google Patents
カリウムを含有する呈塩味料の製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は呈塩味料の製造法に関す
る。さらに詳しくは、天然物である糖蜜に由来するカリ
ウムを含有する呈塩味料の製造法に関する。
る。さらに詳しくは、天然物である糖蜜に由来するカリ
ウムを含有する呈塩味料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃糖蜜は発酵原料として主に使用されて
きたが、発酵廃液の処理が困難であるという難点を有し
ている。特開昭53−43079号公報には、糖蜜発酵
廃液に野生酵母の一種もしくは二種以上、例えばパン酵
母を存在させて開放系で、pH4.0〜5.5の条件下
で、好気的に培養し、培養中には系外から取り込んだ細
菌群、例えばキャンディタ・トロピカリスAHU341
0を共生培養することによって、糖蜜発酵廃液を浄化せ
しめる、糖蜜発酵廃液の処理方法が開示されている。
きたが、発酵廃液の処理が困難であるという難点を有し
ている。特開昭53−43079号公報には、糖蜜発酵
廃液に野生酵母の一種もしくは二種以上、例えばパン酵
母を存在させて開放系で、pH4.0〜5.5の条件下
で、好気的に培養し、培養中には系外から取り込んだ細
菌群、例えばキャンディタ・トロピカリスAHU341
0を共生培養することによって、糖蜜発酵廃液を浄化せ
しめる、糖蜜発酵廃液の処理方法が開示されている。
【0003】同公報の記載によれば、上記処理方法によ
り夾雑物、特に非発酵性糖類の少ない培養液が得られ、
濾過処理等が容易なだけでなく、濃縮物はそのまま肥料
や飼料にすることが可能である。しかしながら、発酵廃
液の処理には未だ難点が存在し、わが国ではその使用量
は減少している。また飼料としての利用もあるが、含ま
れるミネラルが多いために、配合量が制限されており、
段々廃棄物的存在になりつつある。しかし、廃糖蜜には
まだ有用な成分が多く含まれており、特にミネラルにお
いては今まで見逃されていた。廃糖蜜のミネラルにはカ
リウムが多く含まれており、その利用が期待される。
り夾雑物、特に非発酵性糖類の少ない培養液が得られ、
濾過処理等が容易なだけでなく、濃縮物はそのまま肥料
や飼料にすることが可能である。しかしながら、発酵廃
液の処理には未だ難点が存在し、わが国ではその使用量
は減少している。また飼料としての利用もあるが、含ま
れるミネラルが多いために、配合量が制限されており、
段々廃棄物的存在になりつつある。しかし、廃糖蜜には
まだ有用な成分が多く含まれており、特にミネラルにお
いては今まで見逃されていた。廃糖蜜のミネラルにはカ
リウムが多く含まれており、その利用が期待される。
【0004】一方、食塩の過剰摂取により引き起こされ
る疾患である高血圧症、動脈硬化は近年増加しており、
食塩の摂取量の引き下げが強く望まれている。しかし、
食塩は最高の調味料であり、全ての食品の味付けには食
塩が関与しているために、薄味が叫ばれながら、わが国
ではまだ一日当たり摂取量上限の10gに達することな
く12.2g/日に留まっている。すなわち、食品を薄
味にする事のみでは、現状以上の食塩の摂取量引き下げ
は困難で、血圧降下に効果のある塩味料の普及が必要で
あることを示している。
る疾患である高血圧症、動脈硬化は近年増加しており、
食塩の摂取量の引き下げが強く望まれている。しかし、
食塩は最高の調味料であり、全ての食品の味付けには食
塩が関与しているために、薄味が叫ばれながら、わが国
ではまだ一日当たり摂取量上限の10gに達することな
く12.2g/日に留まっている。すなわち、食品を薄
味にする事のみでは、現状以上の食塩の摂取量引き下げ
は困難で、血圧降下に効果のある塩味料の普及が必要で
あることを示している。
【0005】カリウムは血圧降下の効能を有しており、
初期の患者の降圧剤としても利用されている。各種カリ
塩の中で、塩化カリウムは苦味などのいや味を有してい
るが、塩味もあり、食塩と混合することにより好ましい
塩味を示すことが知られている。
初期の患者の降圧剤としても利用されている。各種カリ
塩の中で、塩化カリウムは苦味などのいや味を有してい
るが、塩味もあり、食塩と混合することにより好ましい
塩味を示すことが知られている。
【0006】特開昭58−209956号公報には、塩
化ナトリウム80〜30重量%と塩化カリウム20〜7
0重量%の混合物100重量部当り塩化カルシウム及び
/又は塩化マグネシウムを0.2〜1重量部混合した、
食塩の摂取量を低減させることを目的とした辛味組成物
が開示されている。
化ナトリウム80〜30重量%と塩化カリウム20〜7
0重量%の混合物100重量部当り塩化カルシウム及び
/又は塩化マグネシウムを0.2〜1重量部混合した、
食塩の摂取量を低減させることを目的とした辛味組成物
が開示されている。
【0007】特開昭58−212764号公報には、塩
化カリを約20%以上の塩化カリと食塩の混合物に対
し、クエン酸、酒石酸、酢酸のアルカリ塩類及びグリシ
ンの少なくとも1種を加えた調味組成物が開示されてい
る。同公報には、この調味料は苦味が除去されていると
記載されている。
化カリを約20%以上の塩化カリと食塩の混合物に対
し、クエン酸、酒石酸、酢酸のアルカリ塩類及びグリシ
ンの少なくとも1種を加えた調味組成物が開示されてい
る。同公報には、この調味料は苦味が除去されていると
記載されている。
【0008】特開昭58−89160号公報には、塩化
ナトリウム40〜80重量%、塩化カリウム15〜40
重量%およびグルタミン酸塩5〜40重量%を含有して
なる調味組成物が開示されている。
ナトリウム40〜80重量%、塩化カリウム15〜40
重量%およびグルタミン酸塩5〜40重量%を含有して
なる調味組成物が開示されている。
【0009】特開昭59−21372号公報には、当量
化でNa:K=0〜3.5:1、Ca:K=0〜1.5:
1、且つ(グルタミン酸のモル数):(K、Na、Ca
のグラム当量数の合計)=0.4〜1.2:1の範囲にあ
る汎用性複合調味組成物が開示されている。
化でNa:K=0〜3.5:1、Ca:K=0〜1.5:
1、且つ(グルタミン酸のモル数):(K、Na、Ca
のグラム当量数の合計)=0.4〜1.2:1の範囲にあ
る汎用性複合調味組成物が開示されている。
【0010】特公昭61−39022号公報には、塩化
カリウムに対しキレート作用を有するアミノ酸またはア
ミノ酸混合含有物を重量比1/3以上添加してこれを水
溶液となし、しかるのちキレート作用を有する有機酸を
添加してpH4.5以下の弱酸性に調節して塩化カリウ
ム含有水溶液を得、必要に応じて乾燥する、塩化カリウ
ムの風味改善法が開示されている。
カリウムに対しキレート作用を有するアミノ酸またはア
ミノ酸混合含有物を重量比1/3以上添加してこれを水
溶液となし、しかるのちキレート作用を有する有機酸を
添加してpH4.5以下の弱酸性に調節して塩化カリウ
ム含有水溶液を得、必要に応じて乾燥する、塩化カリウ
ムの風味改善法が開示されている。
【0011】特開平1−191659号公報には、乳清
ミネラルと塩化カリウムの混合物に酸類及び/又は酸性
塩の少なくとも1種を併用した、保存性に富む低ナトリ
ウム食塩代替物が開示されている。
ミネラルと塩化カリウムの混合物に酸類及び/又は酸性
塩の少なくとも1種を併用した、保存性に富む低ナトリ
ウム食塩代替物が開示されている。
【0012】特開昭57−22666号公報には、塩化
カリウム60〜85重量%、アジピン酸カリウム10〜
30重量%、酒石酸カリウム2〜5重量%、グルタミン
酸カリウム0.5〜2重量%、アジピン酸0.5〜2重量
%、イノシン酸カリウム及び/又はグアニル酸カリウム
0.004〜0.006重量%からなる厳密にナトリウム
の乏しい食養生用塩が開示されている。
カリウム60〜85重量%、アジピン酸カリウム10〜
30重量%、酒石酸カリウム2〜5重量%、グルタミン
酸カリウム0.5〜2重量%、アジピン酸0.5〜2重量
%、イノシン酸カリウム及び/又はグアニル酸カリウム
0.004〜0.006重量%からなる厳密にナトリウム
の乏しい食養生用塩が開示されている。
【0013】特開昭62−7624号公報には、塩化カ
リウムを水に溶解させ、次いでこの溶液の水分を蒸散さ
せて、塩化カリウムが有する苦味等の不快な呈味を大巾
に緩和ないし消失せしめる、塩化カリウムの処理方法が
開示されている。
リウムを水に溶解させ、次いでこの溶液の水分を蒸散さ
せて、塩化カリウムが有する苦味等の不快な呈味を大巾
に緩和ないし消失せしめる、塩化カリウムの処理方法が
開示されている。
【0014】特開平1−304860号公報には、塩化
ナトリウム78〜57重量%、塩化カリウム20〜30
重量%、クエン酸ナトリウム1〜10重量%及び硫酸マ
グネシウム1〜3重量%からなる、減塩塩味組成物が開
示されている。
ナトリウム78〜57重量%、塩化カリウム20〜30
重量%、クエン酸ナトリウム1〜10重量%及び硫酸マ
グネシウム1〜3重量%からなる、減塩塩味組成物が開
示されている。
【0015】特開平3−67561号公報には、食塩、
野菜処理物及び/又は果物処理物の乳酸発酵処理物を含
有する調味塩が開示されている。
野菜処理物及び/又は果物処理物の乳酸発酵処理物を含
有する調味塩が開示されている。
【0016】特開昭63−141561号公報には、乳
又はチーズ製造時に得られるホエーから限外濾過及び晶
析操作によって乳ミネラル成分を多く含む濃縮物を得、
これを食塩の代替として使用した減塩食品の製造法が開
示されている。
又はチーズ製造時に得られるホエーから限外濾過及び晶
析操作によって乳ミネラル成分を多く含む濃縮物を得、
これを食塩の代替として使用した減塩食品の製造法が開
示されている。
【0017】また、特開昭63−287460号公報に
は、乳清ミネラルに塩化カリウム及び場合によりさらに
蛋白質、蛋白質分解物、アミノ酸、核酸関連物質の少な
くとも1種を併用した、低ナトリウム食塩代替物が開示
されている。
は、乳清ミネラルに塩化カリウム及び場合によりさらに
蛋白質、蛋白質分解物、アミノ酸、核酸関連物質の少な
くとも1種を併用した、低ナトリウム食塩代替物が開示
されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カリ
ウムを含有する呈塩味料を製造する方法を提供すること
にある。本発明の他の目的は、糖蜜、特に利用されずに
廃棄されたり、廃棄同様に処理されている廃糖蜜を利用
した、カリウムを含有する呈塩味料の製造法を提供する
ことにある。
ウムを含有する呈塩味料を製造する方法を提供すること
にある。本発明の他の目的は、糖蜜、特に利用されずに
廃棄されたり、廃棄同様に処理されている廃糖蜜を利用
した、カリウムを含有する呈塩味料の製造法を提供する
ことにある。
【0019】本発明のさらに他の目的は、カリウム以外
にも天然物由来のミネラル成分を含有し、カリウムによ
る刺激味や苦味が著しく緩和されしかも優れた味を呈す
る呈塩味料の製造法を提供することにある。本発明のさ
らに他の目的および利点は以下の説明から明らかとなろ
う。
にも天然物由来のミネラル成分を含有し、カリウムによ
る刺激味や苦味が著しく緩和されしかも優れた味を呈す
る呈塩味料の製造法を提供することにある。本発明のさ
らに他の目的および利点は以下の説明から明らかとなろ
う。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、(1)糖蜜をパン酵母で発酵
処理し、(2)発酵処理液を機械的分離操作に付し、
(3)得られた母液を脱色操作に付し、そして(4)脱
色された母液から水分を除去して固化する、ことを特徴
とするカリウムを含有する呈塩味料の製造法によって達
成される。
の上記目的および利点は、(1)糖蜜をパン酵母で発酵
処理し、(2)発酵処理液を機械的分離操作に付し、
(3)得られた母液を脱色操作に付し、そして(4)脱
色された母液から水分を除去して固化する、ことを特徴
とするカリウムを含有する呈塩味料の製造法によって達
成される。
【0021】本発明方法は上記(1)〜(4)の4工程
から基本的になる。工程(1)では、糖蜜をパン酵母で
発酵処理する。糖蜜としては、好ましくは食用糖蜜、廃
糖蜜またはそれらの混合物が用いられる。これらのう
ち、廃糖蜜が特に好適に用いられる。パン酵母としては
乾燥パン酵母および生パン酵母のいずれを使用すること
もできる。パン酵母は発酵処理液中に、好ましくは0.
1〜0.6重量%で加える。発酵処理は、好ましくはp
H3.5〜6、温度20〜35℃で、好気的に実施され
る。発酵処理液中の固形分濃度は20〜75重量%が好
ましく、20〜25重量%がより好ましい。発酵処理液
は攪拌下に行っても静置して行ってもよい。発酵処理は
通常2〜3日間実施するのが好ましい。例えば、生パン
酵母を0.6%加え攪拌培養により2日間で糖蜜中の蔗
糖、グルコース、フラクトース等の少糖類を消化させる
ことができる。
から基本的になる。工程(1)では、糖蜜をパン酵母で
発酵処理する。糖蜜としては、好ましくは食用糖蜜、廃
糖蜜またはそれらの混合物が用いられる。これらのう
ち、廃糖蜜が特に好適に用いられる。パン酵母としては
乾燥パン酵母および生パン酵母のいずれを使用すること
もできる。パン酵母は発酵処理液中に、好ましくは0.
1〜0.6重量%で加える。発酵処理は、好ましくはp
H3.5〜6、温度20〜35℃で、好気的に実施され
る。発酵処理液中の固形分濃度は20〜75重量%が好
ましく、20〜25重量%がより好ましい。発酵処理液
は攪拌下に行っても静置して行ってもよい。発酵処理は
通常2〜3日間実施するのが好ましい。例えば、生パン
酵母を0.6%加え攪拌培養により2日間で糖蜜中の蔗
糖、グルコース、フラクトース等の少糖類を消化させる
ことができる。
【0022】工程(2)では、工程(1)で得られた発
酵処理液を機械的分離操作に付す。機械的分離により、
発酵処理液を固液に分離する。機械的分離操作として
は、遠心分離、濾過、デカンテーションまたは沈降を挙
げることができる。
酵処理液を機械的分離操作に付す。機械的分離により、
発酵処理液を固液に分離する。機械的分離操作として
は、遠心分離、濾過、デカンテーションまたは沈降を挙
げることができる。
【0023】遠心分離は、例えば4,000〜10,00
0×gで好ましく実施される。濾過は、例えばフィルタ
ープレスにより好ましく実施され、デカンテーション
は、例えばスクリューデカンターにより好ましく実施さ
れる。沈降はタンク内で静置し、底部から沈降した固体
を取出し、上部から上澄液(母液)を取出すことにより
実施しうる。
0×gで好ましく実施される。濾過は、例えばフィルタ
ープレスにより好ましく実施され、デカンテーション
は、例えばスクリューデカンターにより好ましく実施さ
れる。沈降はタンク内で静置し、底部から沈降した固体
を取出し、上部から上澄液(母液)を取出すことにより
実施しうる。
【0024】工程(3)において、工程(2)で得られ
た母液を脱色操作に付す。脱色操作としては、例えば活
性炭処理、モレキュラーシーブ処理、イオン交換処理、
または限外濾過を挙げることができる。これらはそれ自
体公知の処理操作と同様にして実施される。例えば活性
炭処理では母液に対し5%の粉末活性炭を充填したカラ
ムを通過させることにより実施できる。
た母液を脱色操作に付す。脱色操作としては、例えば活
性炭処理、モレキュラーシーブ処理、イオン交換処理、
または限外濾過を挙げることができる。これらはそれ自
体公知の処理操作と同様にして実施される。例えば活性
炭処理では母液に対し5%の粉末活性炭を充填したカラ
ムを通過させることにより実施できる。
【0025】工程(4)では、工程(3)により脱色さ
れた母液から水分を除去して母液を固化せしめる。固化
は、例えば濃縮乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥または流動乾
燥により行なわれる。具体例に、例えば脱色された母液
を減圧濃縮、あるいは凍結濃縮により濃縮後、噴霧乾
燥、凍結乾燥、流動乾燥、あるいは再結晶法により固形
化することができる。例えば、脱色液を55℃、50m
mHgの減圧下で4倍濃縮後、4L/hrの処理速度で
噴霧乾燥する。
れた母液から水分を除去して母液を固化せしめる。固化
は、例えば濃縮乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥または流動乾
燥により行なわれる。具体例に、例えば脱色された母液
を減圧濃縮、あるいは凍結濃縮により濃縮後、噴霧乾
燥、凍結乾燥、流動乾燥、あるいは再結晶法により固形
化することができる。例えば、脱色液を55℃、50m
mHgの減圧下で4倍濃縮後、4L/hrの処理速度で
噴霧乾燥する。
【0026】以上の如くして、本発明方法によれば、カ
リウムを含有する固化物を得ることができる。この固化
物はそのままで呈塩味料として使用できる。この固化物
は、使用する原料糖蜜及び各工程の処理条件に依存し
て、例えば灰分50〜80重量%及び有機物20〜50
重量%からなる。灰分中のナトリウム含量は通常1〜1
0重量%であり、またカリウム含量は通常10〜30重
量%である。上記固化物には、必要に応じて、食塩を添
加し、例えばカリウム対ナトリウムの割合を重量比で約
7〜4:3〜6に調整して、呈塩味料として好適な割合
とすることができる。食塩の添加は、工程(3)と工程
(4)の間で、工程(3)で得られた脱色された母液に
行うこともできる。
リウムを含有する固化物を得ることができる。この固化
物はそのままで呈塩味料として使用できる。この固化物
は、使用する原料糖蜜及び各工程の処理条件に依存し
て、例えば灰分50〜80重量%及び有機物20〜50
重量%からなる。灰分中のナトリウム含量は通常1〜1
0重量%であり、またカリウム含量は通常10〜30重
量%である。上記固化物には、必要に応じて、食塩を添
加し、例えばカリウム対ナトリウムの割合を重量比で約
7〜4:3〜6に調整して、呈塩味料として好適な割合
とすることができる。食塩の添加は、工程(3)と工程
(4)の間で、工程(3)で得られた脱色された母液に
行うこともできる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述する。な
お、実施例中の分析は次のようにして行った。
お、実施例中の分析は次のようにして行った。
【0028】灰分:磁製るつぼにサンプルを一定量採
り、必要に応じて70℃で固化後、550℃のマッフル
中にて7〜10時間乾式灰化した。
り、必要に応じて70℃で固化後、550℃のマッフル
中にて7〜10時間乾式灰化した。
【0029】ナトリウム:サンプル中のナトリウム濃度
を0.5〜2.0ppmの範囲になる様に1%塩酸で希釈
後、Z−8100形偏光ゼーマン原子吸光分光光度計
(日立製作所製)にて測定した。
を0.5〜2.0ppmの範囲になる様に1%塩酸で希釈
後、Z−8100形偏光ゼーマン原子吸光分光光度計
(日立製作所製)にて測定した。
【0030】カリウム:サンプル中のカリウム濃度を
1.0〜4.0ppmの範囲になる様に1%塩酸で希釈
後、Z−8100形偏光ゼーマン原子吸光分光光度計に
て測定した。
1.0〜4.0ppmの範囲になる様に1%塩酸で希釈
後、Z−8100形偏光ゼーマン原子吸光分光光度計に
て測定した。
【0031】有機物:固形分から灰分を差し引いた分を
有機物とした。
有機物とした。
【0032】総アミノ酸:サンプルをpH2.0の塩酸
溶液で希釈後、日立モデル835アミノ酸分析計にて測
定した。
溶液で希釈後、日立モデル835アミノ酸分析計にて測
定した。
【0033】総有機酸:粉状品1〜2gを採り、蒸留水
に溶解後、H型強力カチオン交換樹脂に通過させた。通
過液の一定量を採り、0.1N−NaOHで中和滴定し
た。得られた滴定曲線から総有機酸量を求め、NaOH
相当量として表示した。
に溶解後、H型強力カチオン交換樹脂に通過させた。通
過液の一定量を採り、0.1N−NaOHで中和滴定し
た。得られた滴定曲線から総有機酸量を求め、NaOH
相当量として表示した。
【0034】実施例1 (1). 固形分濃度25%の廃糖蜜20Lに生パン酵母を
120g添加し、室温(25℃)にて2日間静置培養し
て糖蜜中の蔗糖、グルコース、フラクトース等の糖分を
消化させた。菌体及び廃糖蜜中の固形分を10,000
×g、15分遠心分離し、粉末活性炭5%を充填したカ
ラムとCl型強塩基性アニオン交換樹脂に通し脱色し
た。糖蜜の脱色率は99.4%であった。脱色処理液を
55℃で、減圧下(50mmHg)、濃縮後、噴霧乾燥
し451.6gの調味料を得た。 調味料の分析結果:灰分52.2%、Na8.0%、K1
9.7%、有機物45.7%、総アミノ酸(組成は表1に
記載のとおり)12.0%、総有機酸12.6%(NaO
H滴定量);色価8.5。
120g添加し、室温(25℃)にて2日間静置培養し
て糖蜜中の蔗糖、グルコース、フラクトース等の糖分を
消化させた。菌体及び廃糖蜜中の固形分を10,000
×g、15分遠心分離し、粉末活性炭5%を充填したカ
ラムとCl型強塩基性アニオン交換樹脂に通し脱色し
た。糖蜜の脱色率は99.4%であった。脱色処理液を
55℃で、減圧下(50mmHg)、濃縮後、噴霧乾燥
し451.6gの調味料を得た。 調味料の分析結果:灰分52.2%、Na8.0%、K1
9.7%、有機物45.7%、総アミノ酸(組成は表1に
記載のとおり)12.0%、総有機酸12.6%(NaO
H滴定量);色価8.5。
【0035】
【表1】
【0036】(2). 対照として、NaCl、KCl及び
NaCl:KCl=3.5:6.5(NaCl/KCl)
を用い、二点比較法(サンプルと直嘗)による官能評価
を行った。結果を表2と表3に示す。
NaCl:KCl=3.5:6.5(NaCl/KCl)
を用い、二点比較法(サンプルと直嘗)による官能評価
を行った。結果を表2と表3に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】実施例2 (1). 実施例1と同様に廃糖蜜20Lを処理して得た濃
縮液に食塩をNa:K比で5.2:4.8になるように添
加後、噴霧乾燥し1,381.8gの調味料を得た。 調味料の分析結果:灰分77.1%、Na14.8%、K
13.7%、有機物22.9%、総アミノ酸7.1%、総
有機酸10.0%(NaOH滴定量);色価12.5。
縮液に食塩をNa:K比で5.2:4.8になるように添
加後、噴霧乾燥し1,381.8gの調味料を得た。 調味料の分析結果:灰分77.1%、Na14.8%、K
13.7%、有機物22.9%、総アミノ酸7.1%、総
有機酸10.0%(NaOH滴定量);色価12.5。
【0040】(2). 対照として、NaCl、KCl及び
NaCl:KCl=6:4(NaCl/KCl)を用
い、二点比較法(サンプルと直嘗)による官能評価を行
った。結果を表4と表5に示す。
NaCl:KCl=6:4(NaCl/KCl)を用
い、二点比較法(サンプルと直嘗)による官能評価を行
った。結果を表4と表5に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】実施例3 実施例1と同様に廃糖蜜1.7Lをパン酵母処理後、菌
体及び懸濁物を遠心分離して得た上澄を分画分子量5,
000のフォロファイバー型限外濾過膜に通した。通過
液を粉末活性炭5%を充填したカラムに通した後、通過
液をCl型強塩基性アニオン交換樹脂に通し脱色した。
処理液の脱色率は92.1%であった。脱色液を55℃
で減圧下(50mmHg)、濃縮後、噴霧乾燥し21.
5gの調味料を得た。 調味料の分析結果:灰分65.1%、Na9.6%、K2
3.1%、有機物34.4%、総アミノ酸6.9%、総有
機酸9.6%(NaOH滴定量);色価16.7。
体及び懸濁物を遠心分離して得た上澄を分画分子量5,
000のフォロファイバー型限外濾過膜に通した。通過
液を粉末活性炭5%を充填したカラムに通した後、通過
液をCl型強塩基性アニオン交換樹脂に通し脱色した。
処理液の脱色率は92.1%であった。脱色液を55℃
で減圧下(50mmHg)、濃縮後、噴霧乾燥し21.
5gの調味料を得た。 調味料の分析結果:灰分65.1%、Na9.6%、K2
3.1%、有機物34.4%、総アミノ酸6.9%、総有
機酸9.6%(NaOH滴定量);色価16.7。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、糖蜜、特に利用されず
に廃棄されたり、廃棄同様に処理されている廃糖蜜を利
用して、カリウム以外にも天然物由来のミネラル成分を
含有し、カリウムによる刺激味や苦味が著しく緩和され
しかも優れた味を呈する呈塩味料を製造することができ
る。
に廃棄されたり、廃棄同様に処理されている廃糖蜜を利
用して、カリウム以外にも天然物由来のミネラル成分を
含有し、カリウムによる刺激味や苦味が著しく緩和され
しかも優れた味を呈する呈塩味料を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24
Claims (7)
- 【請求項1】 (1)糖蜜をパン酵母で発酵処理し、 (2)発酵処理液を機械的分離操作に付し、 (3)得られた母液を脱色操作に付し、そして (4)脱色された母液から水分を除去して固化する、 ことを特徴とするカリウムを含有する呈塩味料の製造
法。 - 【請求項2】 工程(1)の糖蜜が食用糖蜜、廃糖蜜ま
たはそれらの混合物である請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 工程(2)の機械的分離操作が遠心分
離、濾過、デカンテーションまたは沈降である請求項1
に記載の方法。 - 【請求項4】 工程(3)の脱色操作が活性炭処理、モ
レキュラーシーブ処理、イオン交換処理、または限外濾
過である請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 工程(4)の固化を、濃縮乾燥、噴霧乾
燥、凍結乾燥または流動乾燥により行なう請求項1に記
載の方法。 - 【請求項6】 工程(3)と工程(4)の間に、工程
(3)で得られた脱色された母液に食塩を添加する工程
をさらに含む請求項1に記載の方法。 - 【請求項7】 灰分中のカリウム含量が10〜30重量
%の範囲にある呈塩味料を製造する請求項1に記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3244278A JP2978609B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | カリウムを含有する呈塩味料の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3244278A JP2978609B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | カリウムを含有する呈塩味料の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0556764A JPH0556764A (ja) | 1993-03-09 |
JP2978609B2 true JP2978609B2 (ja) | 1999-11-15 |
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ID=17116370
Family Applications (1)
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JP3244278A Expired - Fee Related JP2978609B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | カリウムを含有する呈塩味料の製造法 |
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---|---|
JP (1) | JP2978609B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2750400B2 (ja) * | 1992-05-08 | 1998-05-13 | 寳酒造株式会社 | 呈味改良剤 |
KR20040026455A (ko) * | 2002-09-24 | 2004-03-31 | 김점선 | 발효소금의 제조방법 |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP3244278A patent/JP2978609B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0556764A (ja) | 1993-03-09 |
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