JP2629851B2 - ポリエステル系樹脂積層フィルム - Google Patents

ポリエステル系樹脂積層フィルム

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱接着性(ヒートシール性)に優れ,包装用
フィルムや各種工業用フィルムとして有用なポリエステ
ル系樹脂積層フィルムに関する。
(従来の技術) ポリエステル系樹脂フィルム(以下,フィルムはシー
トをも包含していう)は,機械的強度,耐熱性,耐寒
性,耐薬品性,絶縁性,寸法安定性などに優れ,包装用
フィルム,電気絶縁テープ,写真フィルム,トレーシン
グフィルムなど各種用途に利用されている。特に,食品
をはじめ各種製品を包装するために熱接着性を備えたポ
リエステル系樹脂フィルムが汎用されるようになった。
しかし,ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリ
エステル系樹脂は一般に融点が高く,そのままでは熱接
着させることが難しいため,ポリエステル系樹脂フィル
ム表面に融点のやや低い樹脂を用いた熱接着層(シーラ
ント層)をコーティング,共押出しなどにより形成する
ことが行われている。このように積層フィルムは機械的
強度にも優れる。熱接着層の素材には,基材(ベース)
フィルムであるポリエステルフィルムとの接着性が良好
であることが望ましいため,ポリエステルを用いること
が好ましい。しかし,熱接着層としてポリエステルを用
いると熱接着後のシール部分がタフな性質を持たない。
ここで「タフ(tough)である」とは,強度が充分であ
り,耐久性を有し,しかもしなやかでもろくない性質を
さしていう。シール部分がタフでないと,例えば,袋の
入口を熱接着して閉じた場合に,この袋の口を指でつま
んで引張って開けようとするとシール部分がきれいに剥
離せずに途中で切れたり,シール部分が充分に剥離しな
いまま袋の本体が好ましくない方向に裂けるという欠点
がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題を解決するためのものであ
り,その目的とするところは,熱接着性に優れ,接着後
のシール部分がタフな性質を有する(つまり高強度を有
し,かつシール部分を剥離するときに応力が特定部分に
集中してシール部分が中途で切れたりせずに適度の力を
加えることにより容易に剥離し得る)熱接着性ポリエス
テル系樹脂積層フィルムを提供することにある。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムは,ポリエ
ステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に,
ポリエステルAおよびポリエステルBを主成分とする組
成物でなる熱接着層が積層されたポリエステル系樹脂積
層フィルムであって;該ポリエステルAが次式(I)で
示されるジカルボン酸成分を,そして該ポリエステルB
がシクロヘキサン環を含み;該ポリエステルAおよびポ
リエステルBが10:90〜90:10の重量比で該組成物中に含
有される: HOOC−(CH2−COOH (I) ここでnは4〜20の整数である。
本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムの基材フィ
ルム(ベースフィルム)として用いられるポリエステル
系フィルムの基材は,特に限定されない。それには,例
えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレ
フタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレン
1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト,およびこれらの構成成分を主成分とする共重合体が
ある。基材フィルムにはこれらポリエステル系樹脂に加
えて,各種添加剤が含有されていてもよい。添加剤とし
ては,帯電防止剤,滑剤,曇り防止剤,可塑剤,安定
剤,耐ブロッキング剤,着色剤などがある。
本発明の積層フィルムの熱接着層に用いられる樹脂組
成物の主成分となる樹脂は次のような性質を有すること
が望まれる: (a)基材であるポリエステル系フィルムと親和性を有
すること; (b)得られた積層フィルムを熱接着したときに,該熱
接着部分がタフな性質を保持し,熱接着部分の剥離を行
う際に特定部分への応力の集中を回避し得るような適度
の強伸度,弾性率および可撓性を有すること;そして, (c)積層フィルムを調製することが容易であるよう
に,工業的に汎用の溶剤に可溶であること,または溶融
押出が容易であること。
本発明に用いられる樹脂組成物は,このような条件を
満足し,該組成物は,下記(I)式で示されるカルボン
酸成分を有するポリエステルA,およびシクロヘキサン環
を含むポリエステルBを主成分とする: HOOC−(CH2−COOH (I) ここでnは4〜20の整数である。
ポリエステルAに含有される(I)式で示されるジカ
ルボン酸成分としては,アジピン酸,アゼライン酸,セ
バチン酸,ピメル酸,スベリン酸,ウンデカン酸,ドデ
カンジカルボン酸,ブラシリン酸,テトラデカンジカル
ボン酸,タプシン酸,ノナデカンジカルボン酸,ドコサ
ンジカルボン酸などがあり,特にアジピン酸,アゼライ
ン酸およびセバチン酸が好適である。これら(I)式で
示されるカルボン酸成分は,ジカルボン酸成分のなかに
通常5モル%以上の割合で,好ましくは10モル%以上の
割合で含有される。
上記(I)式で示される化合物以外に他のカルボン酸
成分が含有されていてもよく,それには例えば,テレフ
タル酸,イソフタル酸,フタル酸,2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸があり,これら芳香
族ジカルボン酸のうちの少なくとも1種が含有されてい
ることが好ましい。特に好適なのはテレフタル酸であ
る。
ポリエステルAに含有されるグリコール成分は,特に
限定されないが,通常,エチレングリコールが用いられ
る。エチレングリコール以外のグリコール成分として
は,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ブ
タンジオール,ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオー
ル;1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオ
ール;およびキシリレングリコール,ビスフェノール系
化合物のエチレンオキサイド付加物などの芳香族ジオー
ルが挙げられ,これらが少量成分として含有されていて
もよい。
ポリエステルBにはシクロヘキサン環が含有される。
ポリエステルBを構成するジカルボン酸成分およびグリ
コール成分のいずれにシクロヘキサン環を有する化合物
が含有されていてもよく,その両者に含有されていても
よい。ポリエステルBを構成するジカルボン酸成分のう
ちシクロヘキサン環を有する化合物としては,1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸,1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸,1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ
る。これらの化合物は,シス体およびトランス体のいず
れもが使用され得,それらの混合物であってもよい。特
に,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好適であり,シ
ス−トランスの混合比は特に限定されない。シクロヘキ
サン環を有する化合物以外のジカルボン酸成分が含有さ
れていてもよく,それには通常,テレフタル酸が用いら
れる。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては,
例えばアジピン酸,セバチン酸,アゼライン酸などの脂
肪族2塩基酸;およびイソフタル酸,ジフェニルカルボ
ン酸,5−第3ブチルイソフタル酸,2,2,6,6−テトラメチ
ルビフェニル−4,4−ジカルボン酸,2,6−ナフタレンジ
カルボン酸,1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン
−4,5−ジカルボン酸などの芳香族2塩基酸が挙げら
れ,これらが少量成分として含有されていてもよい。
ポリエステルBを構成するグリコール成分のうちシク
ロヘキサン環を有する化合物としては,1,2−シクロヘキ
サンジメタノール,1,3−シクロヘキサンジメタノール,
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
これらの化合物はシス体およびトランス体のいずれもが
使用され得,それらの混合物であってもよい。2,2−ビ
ス(4−シクロヘキサノール)プロパン,シクロヘキサ
ンジオール,2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)メタ
ン,2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)チオエーテ
ル,2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)スルホンなど
の化合物も挙げられ,これらの異性体も使用され得る。
さらにこれらの化合物にエチレンオキサイドが付加した
以下の化合物もまた,使用され得る:2,2−ビス(4−ヒ
ドロオキシエトキシシクロヘキシレン)プロパン,2,2−
ビス(4−ヒドロオキシエトキシシクロヘキシレン),
2,2−ビス(4−ヒドロオキシエトキシシクロヘキシレ
ン)メタン,2,2−ビス(4−ヒドロオキシエトキシシク
ロヘキシレン)チオエーテル,2,2−ビス(4−ヒドロオ
キシエトキシシクロヘキシレン)スルホン。上記シクロ
ヘキサン環を有するグリコール成分のうち特に1,4−シ
クロヘキサンジメタノールが好適である。シクロヘキサ
ン環を有する化合物以外のグリコール成分が含有されて
いてもよく,それには通常,エチレングリコールが用い
られる。エチレングリコール以外のグリコール成分とし
ては,例えば,ジエチレングリコール,プロピレングリ
コール,ブタンジオール,ヘキサンジオールなどの脂肪
族ジオールが挙げられ,これらが少量成分として含有さ
れていてもよい。
上記シクロヘキサン環を有するジカルボン酸および/
またはシクロヘキサン環を有するグリコール成分は,そ
の合計がポリエステルBのなかに5モル%以上の割合
で,好ましくは10モル%以上の割合で含有されるのが好
ましい。過少であると得られるポリエステルBを含む組
成物でなる熱接着層を熱接着したときに,シール部分の
タフな性質が不充分である。
上記ポリエステルAおよびBは,それぞれポリエステ
ルの製法として一般に採用されている方法により調製さ
れ得る。例えば,ジカルボン酸成分とグリコール成分と
を直接反応させて重縮合を行なう直接エステル化法;あ
るいは,上記ジカルボン酸成分のジメチルエステルとグ
リコール成分とを反応させてエステル交換を行なうエス
テル交換法などにより調製される。調製は,回分式およ
び連続式のいずれの方法で行われてもよい。
このようにして調製されたポリエステルAおよびB
は,極限粘度〔25℃にてテトラクロロエタン−フェノー
ル混合液(2:3v/v)中における極限粘度(I.V.)〕がそ
れぞれ0.5以上であることが望ましい。極限粘度が0.5を
下まわると,得られた積層フィルムを熱接着した場合に
シール部分のタフな性質および耐久性がやや劣る。
上記ポリエステルAおよびポリエステルBは,本発明
積層フィルムの熱接着層を形成する組成物中に10:90〜9
0:10,好ましくは50:50〜90:10の重量比で含有される。
ポリエステルAが過少であると,得られた積層フィルム
を熱接着した場合にシール部分にタフな性質が付与され
ない。ポリエステルBが過少であると,粘着性が大きく
なり,積層フィルムを押出しなどの方法により調製する
のが困難となり,得られた積層フィルムを巻き取るとブ
ロッキングが起こりやすくなる。
上記ポリエステルAおよびBを主成分とする組成物に
は,これらポリエステルAおよびBの性質を変化させな
い範囲内において,他のポリエステル系樹脂が含有され
ていてもよい。このような組成物でなる熱接着層を基材
フィルム上に形成するために,ポリエステルA,Bおよび
必要に応じて他のポリエステルが混合される。混合方法
は特に限定されないが,例えば次の方法が挙げられる:
ポリエステルAおよびBをそれぞれ適当な溶剤に溶解
し,これらを混合する,もしくはポリエステルAおよび
Bのチップ(ペレット)を混合し,これを適当な溶剤に
溶解させる;ポリエステルAおよびBを押出機で溶融
・混合し,ストランド状またはシート状に押出したもの
を切断してチップ状に成形する;ポリエステルAもし
くはBを合成したときにその溶融物を含む重合容器に,
他のポリエステルを(例えばチップ状で)加えて混合
し,ストランド状またはシート状に押出したものを切断
してチップ状に成形する。このようなポリエステルAお
よびBを主成分とするポリエステルの混合物には,さら
に必要に応じて各種添加剤が添加される。添加剤として
は,滑剤,帯電防止剤,防曇剤,ガスバリアー剤,安定
剤,着色剤,可塑剤,耐ブロッキング剤,導電性付与剤
などがある。
本発明の積層フィルムは,上記基材フィルムの少なく
とも片面に上記組成物でなる熱接着層が積層されて形成
される。例えば,(1)未延伸,一軸延伸もしくは二軸
延伸の上記基材フィルムを準備し,その表面に上記組成
物を含む溶液もしくは分散液を塗工・乾燥し,必要に応
じて一軸もしくは二軸延伸することにより積層フィルム
が得られる。このときに使用する溶液もしくは分散液に
含まれる固形分は5〜20%が適当であり,使用される溶
媒としては,例えば,クロロホルム,二塩化エチレン,
メチルエチルケトン,トルエン,酢酸エステル類,もし
くはこれらの混合物が挙げられる。さらに,別法とし
て,次の方法が挙げられる:(2)ポリエチレンテレフ
タレート(PET)など,基材フィルムを構成すべき樹脂
と,上記樹脂組成物とを,それぞれ別の押出レベルに仕
込み,ひとつの口金から共押出しにより積層フィルムを
調製する。これを必要に応じて一軸もしくは二軸延伸す
る;(3)未延伸,一軸もしくは二軸延伸した基材フィ
ルム上に上記樹脂組成物を溶融押出しラミネートし,さ
らに必要に応じて一軸もしくは二軸延伸を行なう。上記
積層フィルムの調製において,使用される基材フィルム
(未延伸,一軸もしくは二軸延伸)の厚みは,通常3〜
200μmであり,特に包装用のフィルムとして利用され
る場合には,5〜50μmが好適である。得られる積層フィ
ルムの樹脂組成物の厚みは,該フィルムの用途により異
なるが,通常1〜50μm,好ましくは2〜15μmである。
本発明の積層フィルムは,熱接着により包装などの用
途に使用される。例えば2枚の本発明フィルムの熱接着
層と基材フィルム層とが密着するように,あるいは熱接
着層同士が密着するように,積層し,上下から加熱ダイ
により圧縮することにより熱接着が行なわれる。フィル
ムの熱接着層は,上記のように特定の組成物で構成され
るため,比較的低融点であり,容易に熱接着が行なわれ
る。さらに,熱接着層と基材フィルムとの接着性も良好
であり,接着部分はタフな性質を有する。そのため,こ
の接着部分を再び剥離するときには,適度の力を加える
ことにより剥離が可能であり,応力が特定部分に集中し
てシール部分がきれいに剥離せずに途中で切れたり,シ
ール部分が充分に剥離しないままフィルムが望まない方
向に裂けて破損することがない。基材フィルムが一軸も
しくは二軸延伸されている積層フィルムは,特に,熱に
よる収縮を利用した収縮包装などの用途に好適に用いら
れる。本発明の積層フィルムは基材フィルムおよび積層
されるべき樹脂組成物層のいずれもが本質的にポリエス
テルでなるため,該積層フィルムの製造工程で発生する
屑,不良品もしくは使用済のフィルムを回収して,再び
原料(特に基材フィルムの)として利用することが可能
である。これに対して,ポリエステルベースフィルムに
ポリエチレンを積層したような積層フィルムでは,この
ような再生利用ができない。本発明の積層フィルムは,
熱接着性フィルムとしての用途以外に,例えば,金属な
どを蒸着させてガスバリヤーフィルムとして利用するこ
とと;印刷,印字,染色用などのフィルムとして利用す
ることも可能であり,さらに他のフィルムとラミネート
して利用することもできる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (A)積層フィルムの調製:ポリエステルAおよびBと
してそれぞれ下表に示す組成のポリエステルのチップを
準備した。(下表においてポリエステルの組成はモル%
を,そして,ポリエステルAおよびBのブレンド率は重
量比を示す。I.V.は極限粘度を示す。TPAはテレフタル
酸,SAはセバチン酸,AAはアジピン酸,AZAはアゼライン
酸,EGはエチレングリコール,CHDAはシクロヘキサンジカ
ルボン酸,そしてCHDMはシクロヘキサンジメタノールを
示す。2機の押出しバレルを1個のT型ダイに接続し,
そのうちの1機には上記ポリエステルAおよびBを下表
に示す割合で仕込み,他方のバレルにはポリエチレンテ
レフタレート(PET;I.V.=0.62)を仕込んだ。ポリエス
テルAおよびBを仕込んだバレルを250℃,そしてPETを
仕込んだバレルを280℃として樹脂を溶融し,T型ダイか
ら積層シートを押出した。この積層シートを,回転する
冷却ロール(20℃)に巻きつけて冷却し固化させた。こ
のシートの厚みは約150μmであり,PET層(基材シート
層)の厚みは110μm,そして熱接着層(ポリエステルA
およびBを含有する層)の厚みは40μmであった。この
シートを85℃に加熱して回転速度の相異なる2組のニッ
プロールの間でシート進行方向に3.4倍に延伸した。得
られた一軸延伸フィルムをステンター方式横延伸機へ送
り込み,95℃に加熱しながら上記と直交する方向に3.6倍
延伸した。次いで,このブィルムをやや弛緩させつつ22
0℃の熱風で処理し,巻きとった。その結果,最終的に
得られた積層フィルムの厚みは約12μmであり、そのう
ちPET層の厚みは約9μmであり、そして熱接着層の厚
みは、約3μmであった。
(B)ヒートシール性評価 (1)ヒートシールエネルギーの測定:(A)項で得ら
れた積層フィルム2枚の熱接着層同士が接触するように
重ね,幅方向に20mm,そして長手方向に10mmの長さにわ
たり100℃の温度でヒートシールを行なった。このフィ
ルムを,幅方向が15mmの短冊状に切断して試験片を得,
これを20℃,65%RHの雰囲気下に24時間放置した。この
試験片の一方のフィルムの一端を固定し,他方のフィル
ムのそれに対向する端部を,テンシロン(東洋ボールド
ウィン社製)を用いて、200mm/分の速度でフィルムの長
さ方向に引張った。これにより,ヒートシール部分の一
部が剥離し,かつフィルムの破断が起こった。フィルム
破断までに剥離した面積をシールエネルギー(g・cm/1
5mm)とした。
(2)ヒートシール強度:上記ヒートシールエネルギー
の測定において,フィルム破断時にテンシロンにかかっ
た力を測定した。5回測定を行ない,その平均値をヒー
トシール強度(g/15mm)とした。
上記(1)および(2)の試験結果を下表に示す。実
施例2〜9,および比較例1〜5の結果もあわせて下表に
示す。
実施例2〜9 ポリエステルAの組成,ポリエステルBの組成,およ
び/またはブレンド率を下表に示すように変更したこと
以外は実施例1と同様である。
比較例1〜2 ポリエステルAおよびBのうちのいずれか1種のみか
らなる熱接着層とPET層とでなる積層フィルムを実施例
1に準じて調製し,その評価を行なった。比較例2で得
られた積層フィルムの熱接着は150℃で行なった。
比較例3〜4 ポリエステルAの組成またはブレンド率を下表に示す
ように変更したこと以外は実施例1と同様である。
表から,本発明の積層フィルムはヒートシールを行な
った際に高シールエネルギーを保持し,シール強度が高
いことがわかる。これに対して,熱接着層がポリエステ
ルAおよびBのうちのいずれか1種のみで構成される比
較例1または2の積層フィルムのシールエネルギーおよ
び/またはシール強度は近い。比較例3および4のよう
に,ポリエステルAおよびBのブレンド率が,特許請求
の範囲から外れる場合も,シールエネルギーおよび/ま
たはシール強度が低い。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,熱接着性に優れたポリ
エステル系樹脂積層フィルムが得られる。このフィルム
は特定の成分を含有するポリエステルAおよびBを主成
分とする熱接着層を有するため,熱接着が容易で,かつ
熱接着部分はタフな性質を有する。このような積層フィ
ルムは,包装用フィルム,ガスバリヤーフィルムなど各
種用途に好適に用いられる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの
    少なくとも片面に,ポリエステルAおよびポリエステル
    Bを主成分とする組成物でなる熱接着層が積層されたポ
    リエステル系樹脂積層フィルムであって, 該ポリエステルAが,次式(I)で示されるジカルボン
    酸成分を,そして該ポリエステルBが,シクロヘキサン
    環を含み, 該ポリエステルAおよびポリエステルBが10:90〜90:10
    の重量比で該組成物中に含有される, ポリエステル系樹脂積層フィルム: HOOC−(CH2−COOH (I) ここでnは4〜20の整数である。
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