JP2990712B2 - ポリエステル系樹脂積層フィルム - Google Patents
ポリエステル系樹脂積層フィルムInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱接着性(ヒートシール性)に優れると共
に、熱接着部の開封が容易であり、食品包装用フィルム
や各種工業用フィルムとして有用なポリエステル系樹脂
積層フィルムに関する。
に、熱接着部の開封が容易であり、食品包装用フィルム
や各種工業用フィルムとして有用なポリエステル系樹脂
積層フィルムに関する。
(従来の技術) ポリエステル系樹脂フィルム(以下、フィルムはシー
トをも包含して用いられる)は、機械的強度、耐熱性、
耐寒性、耐薬品性、絶縁性、寸法安定性、平面性、透明
性などに優れ、包装用フィルム、電気絶縁テープ、写真
フィルム、トレーシングフィルムなどの各種用途に利用
されている。特に、食品をはじめとする各種製品を包装
するために熱接着性を備えたポリエステル系樹脂フィル
ムが広く用いられるようになった。食品を包装する場合
には、臭いを発生せず、食品の香りを損なわず、かつ食
品の臭いを吸着しにくい性質(すなわち、耐フレーバー
性)を有するポリエステル系樹脂フィルムが特に好適で
ある。しかし、ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステル系樹脂は一般に融点が高く、そのままで
は熱接着することが難しい。したがって、これらのポリ
エステル系樹脂フィルムを基材フィルムとし、その表面
に融点により低い樹脂からなる熱接着層(シーラント
層)を、コーティング、共押出しなどにより形成するこ
とが行われている。例えば、特開昭63−17048号公報に
は、融点が80〜200℃である熱可塑性ポリエステル樹脂
とポリオレフィン樹脂とを混合した組成物の薄層をポリ
エステル基材フィルムの少なくとも片面に形成する方法
が開示されている。しかし、この方法では、ポリエステ
ル樹脂とポリオレフィン樹脂との相溶性が不充分である
ため、得られた積層フィルムの透明性が低い。さらに接
着力が充分でないため、熱接着層の厚さを大きくする必
要がある。また、ポリオレフィン樹脂の量が多くなる
と、基材フィルムと熱接着層との接着力が低下し、かつ
耐フレーバー性に劣る。以上のことから、ポリエステル
系樹脂を基材フィルムに使用する場合は、熱接着層にも
ポリエステル系樹脂を使用することが好ましいと考えら
れる。例えば、特開昭51−10634号公報には、1,4−ブタ
ンジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオールと、
テレフタル酸および/またはイソフタル酸とからなるポ
リエステルを含む結晶融解熱が5cal/g以下のポリエステ
ル系樹脂を用いて熱接着層を形成することが開示されて
いる。この方法によれば、熱接着層のガラス転移点が低
くなるため、製膜時にフィルムがニップロールに付着す
るなどしてフィルムの巻取り性が低下する。さらにこの
フィルムを袋状に加工した場合には、接着層同士の付着
(ブロッキング)が生じ易い。特開昭63−15745号公報
には、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸および/
またはイソフタル酸を95モル%以上含有し、かつガラス
転移点が50〜80℃の範囲内にある熱可塑性ポリエステル
からなる薄層を、基材フィルムの少なくとも片面に形成
した積層フィルムが開示されている。このような積層フ
ィルムは、熱接着後のシール部分の開封が容易でなく、
基材フィルムが破れ易い。つまり、シール部分がタフな
性質を持たない。ここで、「タフ(tough)である」と
は、強度が充分であり、耐久性を有し、しかもしなやか
でもろくない性質をさしていう。シール部分がタフでな
いと、例えば、袋の入口を熱接着して閉じた場合に、こ
の袋の口を指でつまんで引張って開けようとするとシー
ル部分がきれいに剥離せずに途中で切れたり、シール部
分が充分に剥離しないまま袋の本体が好ましくない方向
に裂けるという欠点がある。
トをも包含して用いられる)は、機械的強度、耐熱性、
耐寒性、耐薬品性、絶縁性、寸法安定性、平面性、透明
性などに優れ、包装用フィルム、電気絶縁テープ、写真
フィルム、トレーシングフィルムなどの各種用途に利用
されている。特に、食品をはじめとする各種製品を包装
するために熱接着性を備えたポリエステル系樹脂フィル
ムが広く用いられるようになった。食品を包装する場合
には、臭いを発生せず、食品の香りを損なわず、かつ食
品の臭いを吸着しにくい性質(すなわち、耐フレーバー
性)を有するポリエステル系樹脂フィルムが特に好適で
ある。しかし、ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステル系樹脂は一般に融点が高く、そのままで
は熱接着することが難しい。したがって、これらのポリ
エステル系樹脂フィルムを基材フィルムとし、その表面
に融点により低い樹脂からなる熱接着層(シーラント
層)を、コーティング、共押出しなどにより形成するこ
とが行われている。例えば、特開昭63−17048号公報に
は、融点が80〜200℃である熱可塑性ポリエステル樹脂
とポリオレフィン樹脂とを混合した組成物の薄層をポリ
エステル基材フィルムの少なくとも片面に形成する方法
が開示されている。しかし、この方法では、ポリエステ
ル樹脂とポリオレフィン樹脂との相溶性が不充分である
ため、得られた積層フィルムの透明性が低い。さらに接
着力が充分でないため、熱接着層の厚さを大きくする必
要がある。また、ポリオレフィン樹脂の量が多くなる
と、基材フィルムと熱接着層との接着力が低下し、かつ
耐フレーバー性に劣る。以上のことから、ポリエステル
系樹脂を基材フィルムに使用する場合は、熱接着層にも
ポリエステル系樹脂を使用することが好ましいと考えら
れる。例えば、特開昭51−10634号公報には、1,4−ブタ
ンジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオールと、
テレフタル酸および/またはイソフタル酸とからなるポ
リエステルを含む結晶融解熱が5cal/g以下のポリエステ
ル系樹脂を用いて熱接着層を形成することが開示されて
いる。この方法によれば、熱接着層のガラス転移点が低
くなるため、製膜時にフィルムがニップロールに付着す
るなどしてフィルムの巻取り性が低下する。さらにこの
フィルムを袋状に加工した場合には、接着層同士の付着
(ブロッキング)が生じ易い。特開昭63−15745号公報
には、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸および/
またはイソフタル酸を95モル%以上含有し、かつガラス
転移点が50〜80℃の範囲内にある熱可塑性ポリエステル
からなる薄層を、基材フィルムの少なくとも片面に形成
した積層フィルムが開示されている。このような積層フ
ィルムは、熱接着後のシール部分の開封が容易でなく、
基材フィルムが破れ易い。つまり、シール部分がタフな
性質を持たない。ここで、「タフ(tough)である」と
は、強度が充分であり、耐久性を有し、しかもしなやか
でもろくない性質をさしていう。シール部分がタフでな
いと、例えば、袋の入口を熱接着して閉じた場合に、こ
の袋の口を指でつまんで引張って開けようとするとシー
ル部分がきれいに剥離せずに途中で切れたり、シール部
分が充分に剥離しないまま袋の本体が好ましくない方向
に裂けるという欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、そ
の目的とするところは、熱接着性に優れ、熱接着後のシ
ール部分がタフな性質を有する(つまり、高強度を有
し、かつシール部分を剥離するときに、応力が特定部分
に集中してシール部分が中途で切れたりせずに適度の力
を加えるだけで容易に剥離し得る)熱接着性ポリエステ
ル系樹脂積層フィルムを提供することにある。
の目的とするところは、熱接着性に優れ、熱接着後のシ
ール部分がタフな性質を有する(つまり、高強度を有
し、かつシール部分を剥離するときに、応力が特定部分
に集中してシール部分が中途で切れたりせずに適度の力
を加えるだけで容易に剥離し得る)熱接着性ポリエステ
ル系樹脂積層フィルムを提供することにある。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明のポリエステル系樹脂フィルムは、ポリエステ
ル系樹脂からなる基材フィルムと、該基材フィルムの少
なくとも片面に設けられた、ポリエステルAおよびポリ
エステルBを主成分とする樹脂組成物からなる熱接着層
を有するポリエステル系樹脂積層フィルムであって、該
ポリエステルAが、次式(I)で示されるグリコール成
分の少なくとも1種を含み、該ポリエステルBが、次式
(II−a)で示されるジカルボン酸成分および次式(II
−b)で示されるグリコール成分のそれぞれ少なくとも
1種を含み、該ポリエステルAおよびポリエステルB
が、80:20〜50:50の重量比で組成物中に含有され、その
ことにより上記目的が達成される: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のア
ルキル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1
〜6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数で
あり、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜20の整数である。
ル系樹脂からなる基材フィルムと、該基材フィルムの少
なくとも片面に設けられた、ポリエステルAおよびポリ
エステルBを主成分とする樹脂組成物からなる熱接着層
を有するポリエステル系樹脂積層フィルムであって、該
ポリエステルAが、次式(I)で示されるグリコール成
分の少なくとも1種を含み、該ポリエステルBが、次式
(II−a)で示されるジカルボン酸成分および次式(II
−b)で示されるグリコール成分のそれぞれ少なくとも
1種を含み、該ポリエステルAおよびポリエステルB
が、80:20〜50:50の重量比で組成物中に含有され、その
ことにより上記目的が達成される: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のア
ルキル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1
〜6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数で
あり、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜20の整数である。
本発明の積層フィルムの基材フィルム(ベースフィル
ム)を構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリアルキレンテレフタレート;ポリエチレ
ンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレート;の
ようなポリエステル系重合体、またはこれらの混合物、
あるいはこれらの樹脂の構成モノマー成分を主成分とす
る共重合体が用いられる。基材フィルムは、このような
ポリエステル系樹脂に加えて、各種の添加剤を含有して
いてもよい。添加剤としては、帯電防止剤、滑剤、曇り
防止剤、可塑剤、安定剤、耐ブロッキング剤、着色剤な
どがある。基材フィルムは、1軸延伸フィルムまたは2
軸延伸フィルムであることが好ましい。
ム)を構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリアルキレンテレフタレート;ポリエチレ
ンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレート;の
ようなポリエステル系重合体、またはこれらの混合物、
あるいはこれらの樹脂の構成モノマー成分を主成分とす
る共重合体が用いられる。基材フィルムは、このような
ポリエステル系樹脂に加えて、各種の添加剤を含有して
いてもよい。添加剤としては、帯電防止剤、滑剤、曇り
防止剤、可塑剤、安定剤、耐ブロッキング剤、着色剤な
どがある。基材フィルムは、1軸延伸フィルムまたは2
軸延伸フィルムであることが好ましい。
本発明の積層フィルムの熱接着層に用いられる樹脂組
成物の主成分となるポリエステル系樹脂は次のような性
質を有することが望まれる: a)基材であるポリエステル系樹脂フィルムと親和性を
有すること; b)得られた積層フィルムを熱接着したときに、接着部
分がタフな性質を保持し、かつ接着部分の剥離を行う際
に特定部分への応力の集中を回避し得るような適度の強
伸度、弾性率、および可撓性を有すること;そして、 c)積層フィルムを調製することが容易であるように、
工業的に汎用の溶剤に可溶であること、または溶融押出
しが容易であること。
成物の主成分となるポリエステル系樹脂は次のような性
質を有することが望まれる: a)基材であるポリエステル系樹脂フィルムと親和性を
有すること; b)得られた積層フィルムを熱接着したときに、接着部
分がタフな性質を保持し、かつ接着部分の剥離を行う際
に特定部分への応力の集中を回避し得るような適度の強
伸度、弾性率、および可撓性を有すること;そして、 c)積層フィルムを調製することが容易であるように、
工業的に汎用の溶剤に可溶であること、または溶融押出
しが容易であること。
本発明に用いられる樹脂組成物は、このような条件を
満足するものであり、次式(I)で示されるグリコール
成分を有するポリエステルAと、次式(II−a)で示さ
れるジカルボン酸成分および次式(II−b)で示される
グリコール成分を有するポリエステルBとを主成分とす
る: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のア
ルキル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1
〜6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数で
あり、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜20の整数である。
満足するものであり、次式(I)で示されるグリコール
成分を有するポリエステルAと、次式(II−a)で示さ
れるジカルボン酸成分および次式(II−b)で示される
グリコール成分を有するポリエステルBとを主成分とす
る: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のア
ルキル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1
〜6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数で
あり、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜20の整数である。
ポリエステルAに含有される式(I)のグリコール成
分としては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−
エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2
−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、
2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−プ
ロピル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,4−ブ
タンジオール、2−メチル−2−エチル−1,4−ブタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−
ジメチル−1,5−ペンタンジオール、3−n−プロピル
−1,5−ペンタンジオール、6−メチル−1,12−ドテカ
ンジオールなどがある。これらのグリコール成分は、全
グリコール成分の中に、5モル%以上の割合で、好まし
くは10モル%以上の割合で含有される。
分としては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−
エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2
−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、
2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−プ
ロピル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,4−ブ
タンジオール、2−メチル−2−エチル−1,4−ブタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−
ジメチル−1,5−ペンタンジオール、3−n−プロピル
−1,5−ペンタンジオール、6−メチル−1,12−ドテカ
ンジオールなどがある。これらのグリコール成分は、全
グリコール成分の中に、5モル%以上の割合で、好まし
くは10モル%以上の割合で含有される。
ポリエステルAに含有される上記式(I)の化合物以
外のグリコール成分としては、エチレングリコールが最
も好ましい。少量であれば、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、または1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用
いてもよい。
外のグリコール成分としては、エチレングリコールが最
も好ましい。少量であれば、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、または1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用
いてもよい。
ポリエステルAに含有されるジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸が最も好ましい。少量であれば、他の
ジカルボン酸成分を加えて共重合させてもよい。他のジ
カルボン酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、
ジフェニルジカルボン酸、2,2−ナフタレンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸が用いられる。
は、テレフタル酸が最も好ましい。少量であれば、他の
ジカルボン酸成分を加えて共重合させてもよい。他のジ
カルボン酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、
ジフェニルジカルボン酸、2,2−ナフタレンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸が用いられる。
ポリエステルBに含有される式(II−a)のジカルボ
ン酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ピメル酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカン
ジカルボン酸、ブラシリン酸、テトラデカンジカルボン
酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン酸、ドコサンジ
カルボン酸などがあり、特にアジピン酸、アゼライン酸
およびセバシン酸が好ましい。これらのジカルボン酸
は、ポリエステルBの全ジカルボン酸の中に通常5〜50
モル%の割合で、好ましくは10〜40モル%の割合で含有
される。
ン酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ピメル酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカン
ジカルボン酸、ブラシリン酸、テトラデカンジカルボン
酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン酸、ドコサンジ
カルボン酸などがあり、特にアジピン酸、アゼライン酸
およびセバシン酸が好ましい。これらのジカルボン酸
は、ポリエステルBの全ジカルボン酸の中に通常5〜50
モル%の割合で、好ましくは10〜40モル%の割合で含有
される。
ポリエステルBには、上記式(II−a)の化合物以外
に、他のジカルボン酸成分が含有されていてもよい。そ
れには、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、またはシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
族ジカルボン酸があり、芳香族ジカルボン酸のうちの少
なくとも1種が含有されていることが好ましい。特に好
適なジカルボン酸成分はテレフタル酸である。
に、他のジカルボン酸成分が含有されていてもよい。そ
れには、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、またはシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
族ジカルボン酸があり、芳香族ジカルボン酸のうちの少
なくとも1種が含有されていることが好ましい。特に好
適なジカルボン酸成分はテレフタル酸である。
ポリエステルBに含有される式(II−b)で示される
グリコール成分としては、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオールなどがある。これらのグリコ
ールは、ポリエステルBの全グリコール成分の10モル%
以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モ
ル%以上の割合で含有される。
グリコール成分としては、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオールなどがある。これらのグリコ
ールは、ポリエステルBの全グリコール成分の10モル%
以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モ
ル%以上の割合で含有される。
ポリエステルBに含有される上記式(II−b)の化合
物以外のグリコール成分としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどがあり、通常エチレング
リコールが用いられる。
物以外のグリコール成分としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどがあり、通常エチレング
リコールが用いられる。
ポリエステルAおよびBは、それぞれポリエステルの
製法として一般に採用されている方法により調製され得
る。例えば、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを直
接反応させて重縮合を行なう直接エステル化法;あるい
は、上記ジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコ
ール成分とを反応させてエステル交換を行なうエステル
交換法などにより調製される。調製は、回分式および連
続式のいずれの方法で行われてもよい。
製法として一般に採用されている方法により調製され得
る。例えば、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを直
接反応させて重縮合を行なう直接エステル化法;あるい
は、上記ジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコ
ール成分とを反応させてエステル交換を行なうエステル
交換法などにより調製される。調製は、回分式および連
続式のいずれの方法で行われてもよい。
上記ポリエステルAおよびポリエステルBは,本発明
の積層フィルムの熱接着層を形成する樹脂組成物中に、
80:20〜50:50の重量比で含有される。ポリエステルAが
過剰であると、得られた積層フィルムを熱接着した場合
にシール部分がタフな性質を有さず、開封性が低下す
る。ポリエステルBが過剰であると、熱接着層の粘着性
が大きくなり、袋状に加工して積み重ねた場合に、熱接
着層同士の付着(ブロッキング)が起こり易くなる。
の積層フィルムの熱接着層を形成する樹脂組成物中に、
80:20〜50:50の重量比で含有される。ポリエステルAが
過剰であると、得られた積層フィルムを熱接着した場合
にシール部分がタフな性質を有さず、開封性が低下す
る。ポリエステルBが過剰であると、熱接着層の粘着性
が大きくなり、袋状に加工して積み重ねた場合に、熱接
着層同士の付着(ブロッキング)が起こり易くなる。
このような樹脂組成物からなる熱接着層を基材フィル
ム上に形成するために、ポリエステルAおよびB、そし
て必要に応じて他のポリエステル樹脂が混合される。混
合方法は特に限定されないが、例えば次の方法が挙げら
れる:(1)ポリエステルAおよびBを、それぞれ適当
な溶剤に溶解し、得られた溶液を混合するか、あるいは
ポリエステルAおよびBのチップ(ペレット)を混合
し、この混合物を適当な溶剤に溶解させる;(2)ポリ
エステルAおよびBを押出し機で溶融・混合し、ストラ
ンド状またはシート状に押出したものを切断してチップ
状に成形する;(3)ポリエステルAおよびBを合成し
たときに、その溶融物を含む重合容器に、他のポリエス
テルを(例えば、チップ状で)加えて混合し、ストラン
ド状またはシート状に押出したものを切断してチップ状
に成形する。このようなポリエステルAおよびBを主成
分とするポリエステル系樹脂混合物には、さらに必要に
応じて各種の添加剤が添加される。添加剤としては、滑
剤、帯電防止剤、防曇剤、ガスバリアー剤、安定剤、着
色剤、可塑剤、耐ブロッキング剤、導電性付与剤などが
ある。
ム上に形成するために、ポリエステルAおよびB、そし
て必要に応じて他のポリエステル樹脂が混合される。混
合方法は特に限定されないが、例えば次の方法が挙げら
れる:(1)ポリエステルAおよびBを、それぞれ適当
な溶剤に溶解し、得られた溶液を混合するか、あるいは
ポリエステルAおよびBのチップ(ペレット)を混合
し、この混合物を適当な溶剤に溶解させる;(2)ポリ
エステルAおよびBを押出し機で溶融・混合し、ストラ
ンド状またはシート状に押出したものを切断してチップ
状に成形する;(3)ポリエステルAおよびBを合成し
たときに、その溶融物を含む重合容器に、他のポリエス
テルを(例えば、チップ状で)加えて混合し、ストラン
ド状またはシート状に押出したものを切断してチップ状
に成形する。このようなポリエステルAおよびBを主成
分とするポリエステル系樹脂混合物には、さらに必要に
応じて各種の添加剤が添加される。添加剤としては、滑
剤、帯電防止剤、防曇剤、ガスバリアー剤、安定剤、着
色剤、可塑剤、耐ブロッキング剤、導電性付与剤などが
ある。
本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムは、例え
ば、以下のようにして調製される。
ば、以下のようにして調製される。
(1)1軸延伸もしくは2軸延伸した基材フィルムの表
面に熱接着層を形成するための上記樹脂組成物を含む溶
液もしくは分散液を塗布し、そして乾燥する。必要に応
じてこのフィルムをさらに一軸もしくは二軸延伸する。
樹脂組成物の溶液もしくは分散液に含まれる固形分は5
〜20%が適当であり、使用される溶媒としては、例え
ば、クロロホルム、二塩化エチレン、メチルエチルケト
ン、トルエン、酢酸エステル類、もしくはこれらの混合
物が挙げられる。
面に熱接着層を形成するための上記樹脂組成物を含む溶
液もしくは分散液を塗布し、そして乾燥する。必要に応
じてこのフィルムをさらに一軸もしくは二軸延伸する。
樹脂組成物の溶液もしくは分散液に含まれる固形分は5
〜20%が適当であり、使用される溶媒としては、例え
ば、クロロホルム、二塩化エチレン、メチルエチルケト
ン、トルエン、酢酸エステル類、もしくはこれらの混合
物が挙げられる。
(2)基材フィルムを形成するためのポリエチレンテレ
フタレート(PET)などの樹脂と、熱接着層を形成する
ための樹脂組成物とを、それぞれ別の押出しバレルに仕
込み、ひとつの口金から共押出しにより積層フィルムを
調製する。必要に応じて、この積層フィルムを1軸もし
くは2軸延伸する。
フタレート(PET)などの樹脂と、熱接着層を形成する
ための樹脂組成物とを、それぞれ別の押出しバレルに仕
込み、ひとつの口金から共押出しにより積層フィルムを
調製する。必要に応じて、この積層フィルムを1軸もし
くは2軸延伸する。
(3)1軸もしくは2軸延伸した基材フィルム上に熱接
着層を形成するための樹脂組成物を溶融押出してラミネ
ートし、さらに必要に応じて1軸もしくは2軸延伸を行
なう。これらの方法の中で、共押出し法がコスト面で最
も有利である。
着層を形成するための樹脂組成物を溶融押出してラミネ
ートし、さらに必要に応じて1軸もしくは2軸延伸を行
なう。これらの方法の中で、共押出し法がコスト面で最
も有利である。
このような方法で調製された積層フィルムの基材フィ
ルムの最終的な厚みは、通常10〜500μmであり、特に
包装用のフィルムとして利用される場合には、5〜30μ
mが好適である。得られた積層フィルムの樹脂組成物の
厚みは、該フィルムの用途により異なるが、通常1〜50
μm、好ましくは2〜15μmである。
ルムの最終的な厚みは、通常10〜500μmであり、特に
包装用のフィルムとして利用される場合には、5〜30μ
mが好適である。得られた積層フィルムの樹脂組成物の
厚みは、該フィルムの用途により異なるが、通常1〜50
μm、好ましくは2〜15μmである。
本発明の積層フィルムは、熱接着による包装などの用
途に使用される。例えば、2枚の積層フィルムを、その
熱接着層と基材フィルムとが互いに密着するように、あ
るいは熱接着層同士が互いに密着するように、積層し、
上下から加熱バーを用いて圧縮することにより熱接着が
行なわれる。積層フィルムの熱接着層は、上記のように
特定の組成物で構成されるため、容易に熱接着が行なわ
れる。さらに、熱接着層と基材フィルムとの接着性も良
好であり、接着部分はタフな性質を有する。そのため、
この接着部分を再び剥離するときには、適度の力を加え
るだけで剥離することが可能であり、応力が特定の部分
に集中して基材フィルムが途中で切れたり、シール部分
が十分に剥離しない状態で基材フィルムが望ましくない
方向に裂けて破損することがない。基材フィルムが1軸
もしくは2軸延伸されている積層フィルムは、特に、熱
接着性を利用した包装などの用途に好適に用いられる。
本発明の積層フィルムは、その基材フィルムおよび熱接
着層のいずれもが主としてポリエステルからなるため、
該積層フィルムの製造工程で発生する屑、不良品、もし
くは使用済の積層フィルムを回収して、再び原料(特
に、基材フィルムの原料)として利用することが可能で
ある。これに対して、ポリエステル基材フィルムにポリ
エチレンからなる熱接着層を形成したような積層フィル
ムでは、このような再生利用ができない。本発明の積層
フィルムは、熱接着性フィルムとしての用途以外に,例
えば、金属などを蒸着させてガスバリヤーフィルムとし
て利用すること;印刷、印字、染色用などのフィルムと
して利用することも可能であり、さらに他のフィルムと
ラミネートして利用することもできる。
途に使用される。例えば、2枚の積層フィルムを、その
熱接着層と基材フィルムとが互いに密着するように、あ
るいは熱接着層同士が互いに密着するように、積層し、
上下から加熱バーを用いて圧縮することにより熱接着が
行なわれる。積層フィルムの熱接着層は、上記のように
特定の組成物で構成されるため、容易に熱接着が行なわ
れる。さらに、熱接着層と基材フィルムとの接着性も良
好であり、接着部分はタフな性質を有する。そのため、
この接着部分を再び剥離するときには、適度の力を加え
るだけで剥離することが可能であり、応力が特定の部分
に集中して基材フィルムが途中で切れたり、シール部分
が十分に剥離しない状態で基材フィルムが望ましくない
方向に裂けて破損することがない。基材フィルムが1軸
もしくは2軸延伸されている積層フィルムは、特に、熱
接着性を利用した包装などの用途に好適に用いられる。
本発明の積層フィルムは、その基材フィルムおよび熱接
着層のいずれもが主としてポリエステルからなるため、
該積層フィルムの製造工程で発生する屑、不良品、もし
くは使用済の積層フィルムを回収して、再び原料(特
に、基材フィルムの原料)として利用することが可能で
ある。これに対して、ポリエステル基材フィルムにポリ
エチレンからなる熱接着層を形成したような積層フィル
ムでは、このような再生利用ができない。本発明の積層
フィルムは、熱接着性フィルムとしての用途以外に,例
えば、金属などを蒸着させてガスバリヤーフィルムとし
て利用すること;印刷、印字、染色用などのフィルムと
して利用することも可能であり、さらに他のフィルムと
ラミネートして利用することもできる。
(実施例) 以下に本発明の実施例について述べる。
実施例1 (A)積層フィルムの調製:ポリエステルAおよびBと
してそれぞれ下表に示す組成のポリエステルのチップを
準備した。(下表において、ポリエステルの組成はモル
%で、そして、ポリエステルAおよびBの配合比率は重
量比で示されている。I.V.は極限粘度を示す。TPAはテ
レフタル酸、EGはエチレングリコール、NPGはネオペン
チルグリコール、DEPは2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオール、IPAはイソフタル酸、AAはアジピン酸、AZは
アゼライン酸、BDは1,4−ブタンジオール、そしてHDは
1,6−ヘキサンジオールを示す)。2機の押出しバレル
を1個のT型ダイに接続し、そのうちの1機には上記ポ
リエステルAおよびBを下表に示す割合で仕込み、他方
のバレルにはポリエチレンテレフタレート(PET;I.V.=
0.62)を仕込んだ。両バレルを280℃に加熱して樹脂を
溶融し、T型ダイから積層フィルムを押出した。この積
層フィルムを、回転する冷却ロール(20℃)に巻きつけ
て冷却し固化させた。このフィルムにおいて、基材フィ
ルム層(PET層)の厚みは160μm、そして熱接着層(ポ
リエステルAおよびBを含有する層)の厚みは30μmで
あった。このフィルムを85℃に加熱して回転速度の相異
なる2組のニップロールの間でフィルム進行方向に3.4
倍に延伸した。得られた1軸延伸フィルムをステンター
方式横延伸機へ送り込み、95℃に加熱しながら上記と直
交する方向に3.6倍延伸した。次いで、このフィルムを
弛緩させつつ210℃の熱風で処理し、巻き取った。この
工程において、フィルムがロールに付着したり巻き付い
たりする現象は見られなかった。
してそれぞれ下表に示す組成のポリエステルのチップを
準備した。(下表において、ポリエステルの組成はモル
%で、そして、ポリエステルAおよびBの配合比率は重
量比で示されている。I.V.は極限粘度を示す。TPAはテ
レフタル酸、EGはエチレングリコール、NPGはネオペン
チルグリコール、DEPは2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオール、IPAはイソフタル酸、AAはアジピン酸、AZは
アゼライン酸、BDは1,4−ブタンジオール、そしてHDは
1,6−ヘキサンジオールを示す)。2機の押出しバレル
を1個のT型ダイに接続し、そのうちの1機には上記ポ
リエステルAおよびBを下表に示す割合で仕込み、他方
のバレルにはポリエチレンテレフタレート(PET;I.V.=
0.62)を仕込んだ。両バレルを280℃に加熱して樹脂を
溶融し、T型ダイから積層フィルムを押出した。この積
層フィルムを、回転する冷却ロール(20℃)に巻きつけ
て冷却し固化させた。このフィルムにおいて、基材フィ
ルム層(PET層)の厚みは160μm、そして熱接着層(ポ
リエステルAおよびBを含有する層)の厚みは30μmで
あった。このフィルムを85℃に加熱して回転速度の相異
なる2組のニップロールの間でフィルム進行方向に3.4
倍に延伸した。得られた1軸延伸フィルムをステンター
方式横延伸機へ送り込み、95℃に加熱しながら上記と直
交する方向に3.6倍延伸した。次いで、このフィルムを
弛緩させつつ210℃の熱風で処理し、巻き取った。この
工程において、フィルムがロールに付着したり巻き付い
たりする現象は見られなかった。
(B)積層フィルムの評価 (1)ヒートシールエネルギーの測定:(A)項で得ら
れた積層フィルム2枚を、その熱接着層同士が互いに接
触するように重ね、幅方向に20mm、そして長手方向に10
mmの長さにわたり100℃の温度で熱接着を行なった。こ
のフィルムを、幅方向が15mmの短冊状に切断して試験片
を得、これを20℃、65%RHの雰囲気下に24時間放置し
た。この試験片の一方のフィルムの一端を固定し、他方
のフィルムのそれに対向する端部を、テンシロン(東洋
ボルドウィン社製)を用いて200mm/分の速度でフィルム
の長さ方向に引張った。これにより、熱接着部分が完全
に剥離するか、フィルムが破断した。この時、フィルム
の剥離長に対してテンシロンにかかる力をグラフ化し、
その曲線下面積を求め、これをシールエネルギー(g・
cm/15mm)とした。
れた積層フィルム2枚を、その熱接着層同士が互いに接
触するように重ね、幅方向に20mm、そして長手方向に10
mmの長さにわたり100℃の温度で熱接着を行なった。こ
のフィルムを、幅方向が15mmの短冊状に切断して試験片
を得、これを20℃、65%RHの雰囲気下に24時間放置し
た。この試験片の一方のフィルムの一端を固定し、他方
のフィルムのそれに対向する端部を、テンシロン(東洋
ボルドウィン社製)を用いて200mm/分の速度でフィルム
の長さ方向に引張った。これにより、熱接着部分が完全
に剥離するか、フィルムが破断した。この時、フィルム
の剥離長に対してテンシロンにかかる力をグラフ化し、
その曲線下面積を求め、これをシールエネルギー(g・
cm/15mm)とした。
(2)ヒートシール強度:上記ヒートシールエネルギー
の測定において、熱接着部分の完全剥離または、フィル
ム破断時にテンシロンにかかった力を測定した。5回測
定を行い、その平均値をヒートシール強度(g/15mm)と
した。
の測定において、熱接着部分の完全剥離または、フィル
ム破断時にテンシロンにかかった力を測定した。5回測
定を行い、その平均値をヒートシール強度(g/15mm)と
した。
(3)開封性:(A)項で得られた積層フィルム2枚の
熱接着層同士が接触するように重ね、100℃の温度、2kg
重/cm2の圧力で2秒間熱接着を行った。このフィルムを
手で剥し、このときのフィルムの状態を評価した。
熱接着層同士が接触するように重ね、100℃の温度、2kg
重/cm2の圧力で2秒間熱接着を行った。このフィルムを
手で剥し、このときのフィルムの状態を評価した。
○:完全に剥離。
△:剥離終了点近くで基材フィルムが破断。
×:剥離開始直後に基材フィルム破断。
(4)耐ブロッキング性:(A)項で得られた積層フィ
ルム2枚を、その熱接着層同士が接触するように重ね、
これを50℃、50%RHの雰囲気下で0.07kg重/cm2の圧力を
かけて、24時間放置した後のフィルムの状態を評価し
た。
ルム2枚を、その熱接着層同士が接触するように重ね、
これを50℃、50%RHの雰囲気下で0.07kg重/cm2の圧力を
かけて、24時間放置した後のフィルムの状態を評価し
た。
○:付着部分なし。
△:1部付着している。
×:大部分付着している。
(5)操業安定性:連続してフィルムの調製を行った場
合に得られるフィルムの状態変化を評価した。
合に得られるフィルムの状態変化を評価した。
○:20時間連続操業後もほとんどのフィルムの厚みに
変化なし。
変化なし。
△:10時間連続操業後にフィルムの厚みに大きな変動
が生じる。
が生じる。
×:10時間連続操業以前にフィルムの厚みに大きな変
動が生じる。
動が生じる。
上記(1)〜(5)の評価結果を下表に示す。実施例
2〜6、および比較例1〜5の結果もあわせて下表に示
す。
2〜6、および比較例1〜5の結果もあわせて下表に示
す。
実施例2〜6 ポリエステルAおよびBの組成と配合比を下表に示す
ように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリ
エステル系樹脂積層フィルムを調製した。
ように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリ
エステル系樹脂積層フィルムを調製した。
比較例1〜3 ポリエステルAおよびBの配合比を下表に示すように
変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステ
ル系樹脂積層フィルムを調製した。比較例1で得られた
積層フィルムはヒートシールエネルギーが低く、開封性
に欠けるものであった。比較例2および3で得られた積
層フィルムは耐ブロッキング性および操業安定性に欠け
た。
変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステ
ル系樹脂積層フィルムを調製した。比較例1で得られた
積層フィルムはヒートシールエネルギーが低く、開封性
に欠けるものであった。比較例2および3で得られた積
層フィルムは耐ブロッキング性および操業安定性に欠け
た。
比較例4〜5 ポリエステルAおよびBの組成と配合比を下表に示す
ように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリ
エステル系樹脂積層フィルムを調製した。比較例4で得
られた積層フィルムは開封性に欠け、比較例5のフィル
ムは操業安定性に欠けた。
ように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリ
エステル系樹脂積層フィルムを調製した。比較例4で得
られた積層フィルムは開封性に欠け、比較例5のフィル
ムは操業安定性に欠けた。
表から、本発明の積層フィルムは熱接着を行なった際
に、高いシールエネルギーを保持し、シール強度が高
く、開封性にも優れる。さらに、熱接着層同士のブロッ
キングが生じにくく、袋状に加工して積み重ねた場合に
もフィルム同士が付着するなどの問題が発生しない。こ
れに対して、熱接着層がポリエステルAおよびBのうち
のいずれか1種のみで構成される比較例1〜2の積層フ
ィルムは、シール強度が低く、開封性または耐ブロッキ
ング性に欠ける。比較例3のように、ポリエステルAと
Bとの配合比率が、特許請求の範囲から外れる場合は、
耐ブロッキング性に問題がある。比較例4〜5のよう
に、ポリエステルBの組成が、特許請求の範囲から外れ
る場合は、開封性あるいは操業安定性に欠ける。
に、高いシールエネルギーを保持し、シール強度が高
く、開封性にも優れる。さらに、熱接着層同士のブロッ
キングが生じにくく、袋状に加工して積み重ねた場合に
もフィルム同士が付着するなどの問題が発生しない。こ
れに対して、熱接着層がポリエステルAおよびBのうち
のいずれか1種のみで構成される比較例1〜2の積層フ
ィルムは、シール強度が低く、開封性または耐ブロッキ
ング性に欠ける。比較例3のように、ポリエステルAと
Bとの配合比率が、特許請求の範囲から外れる場合は、
耐ブロッキング性に問題がある。比較例4〜5のよう
に、ポリエステルBの組成が、特許請求の範囲から外れ
る場合は、開封性あるいは操業安定性に欠ける。
(発明の効果) 本発明によれば、熱接着性に優れたポリエステル系樹
脂積層フィルムが得られる。このフィルムは特定の成分
を含有するポリエステルAおよびBを主成分とする熱接
着層を有するため、開封性および耐ブロッキングが共に
優れ、かつ熱接着部分はタフな性質を有する。このよう
な積層フィルムは、包装用フィルム,ガスバリヤーフィ
ルムなどの各種用途に好適に用いられる。
脂積層フィルムが得られる。このフィルムは特定の成分
を含有するポリエステルAおよびBを主成分とする熱接
着層を有するため、開封性および耐ブロッキングが共に
優れ、かつ熱接着部分はタフな性質を有する。このよう
な積層フィルムは、包装用フィルム,ガスバリヤーフィ
ルムなどの各種用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久世 勝朗 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績 株式会社総合研究所敦賀分室内 (56)参考文献 特開 平1−237138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00
Claims (1)
- 【請求項1】ポリエステル系樹脂からなる基材フィルム
と、該基材フィルムの少なくとも片面に設けられた、ポ
リエステルAおよびポリエステルBを主成分とする樹脂
組成物からなる熱接着層を有するポリエステル系樹脂積
層フィルムであって、 該ポリエステルAが、次式(I)で示されるグリコール
成分の少なくとも1種を含み、該ポリエステルBが、次
式(II−a)で示されるジカルボン酸成分および次式
(II−b)で示されるグリコール成分のそれぞれ少なく
とも1種を含み、 該ポリエステルAおよびポリエステルBが、80:20〜50:
50の重量比で組成物中に含有される、 ポリエステル系樹脂積層フィルム: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のアル
キル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1〜
6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数であ
り、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜20の整数である。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1315615A JP2990712B2 (ja) | 1989-12-04 | 1989-12-04 | ポリエステル系樹脂積層フィルム |
KR1019900000471A KR960004763B1 (ko) | 1989-01-19 | 1990-01-16 | 폴리에스테르계 수지 적층 필름 |
DE1990628025 DE69028025T2 (de) | 1989-01-19 | 1990-01-18 | Mehrschichtiger Film aus Polyester |
EP19950120324 EP0712719B1 (en) | 1989-01-19 | 1990-01-18 | A polyester laminated film |
DE1990633988 DE69033988T2 (de) | 1989-01-19 | 1990-01-18 | Mehrschichtiger Polyesterfilm |
EP19900100973 EP0379190B1 (en) | 1989-01-19 | 1990-01-18 | A polyester laminated film |
US08/116,224 US5458965A (en) | 1989-01-19 | 1993-09-02 | Polyester laminated film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1315615A JP2990712B2 (ja) | 1989-12-04 | 1989-12-04 | ポリエステル系樹脂積層フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03175035A JPH03175035A (ja) | 1991-07-30 |
JP2990712B2 true JP2990712B2 (ja) | 1999-12-13 |
Family
ID=18067497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1315615A Expired - Fee Related JP2990712B2 (ja) | 1989-01-19 | 1989-12-04 | ポリエステル系樹脂積層フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2990712B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-04 JP JP1315615A patent/JP2990712B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03175035A (ja) | 1991-07-30 |
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