JPH09255797A - 易引裂性二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
易引裂性二軸延伸ポリエステルフィルムInfo
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- JPH09255797A JPH09255797A JP6970896A JP6970896A JPH09255797A JP H09255797 A JPH09255797 A JP H09255797A JP 6970896 A JP6970896 A JP 6970896A JP 6970896 A JP6970896 A JP 6970896A JP H09255797 A JPH09255797 A JP H09255797A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長手方向及び／又は幅方向に引裂直線性を有
する二軸配向ポリエステルフィルム及びそれを用いた包
装袋を提供する。 【構成】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単
位とするポリエステルＡ60〜95重量％と、芳香族ジカル
ボン酸を50モル％以上含有するジカルボン酸成分と、炭
素数３〜10のグリコールを50モル％以上含有するグリコ
ール成分からなるポリエステルＢ40〜５重量％とからな
り、ポリエステルＢがポリエステルＡ中に島状に分散
し、引張強度20〜35kgf/mm2 、乾熱収縮率３％以下（ 1
60℃×15分）、ヘイズ５％以下である二軸延伸ポリエス
テルフィルム。
する二軸配向ポリエステルフィルム及びそれを用いた包
装袋を提供する。 【構成】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単
位とするポリエステルＡ60〜95重量％と、芳香族ジカル
ボン酸を50モル％以上含有するジカルボン酸成分と、炭
素数３〜10のグリコールを50モル％以上含有するグリコ
ール成分からなるポリエステルＢ40〜５重量％とからな
り、ポリエステルＢがポリエステルＡ中に島状に分散
し、引張強度20〜35kgf/mm2 、乾熱収縮率３％以下（ 1
60℃×15分）、ヘイズ５％以下である二軸延伸ポリエス
テルフィルム。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムの長手方
向及び／又は幅方向の引裂直線性に優れ、かつ、優れた
強度、耐熱性、寸法安定性を有し、菓子、漬物、味噌、
スープ、ジャム、冷凍、冷蔵、レトルトパウチなどの食
品をはじめ、医薬品、日用品、コスメティックスなどの
包装材料として有用な二軸延伸ポリエステルフィルムに
関するものである。
向及び／又は幅方向の引裂直線性に優れ、かつ、優れた
強度、耐熱性、寸法安定性を有し、菓子、漬物、味噌、
スープ、ジャム、冷凍、冷蔵、レトルトパウチなどの食
品をはじめ、医薬品、日用品、コスメティックスなどの
包装材料として有用な二軸延伸ポリエステルフィルムに
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】食品、医薬品、雑貨の包装には、各種の
プラスチックフィルムを用いた包装袋が多く使用されて
おり、二軸延伸プラスチックフィルムとヒートシール可
能な無配向プラスチックフィルムを２層あるいは３層以
上ラミネートした包装袋が広く使用されている。二軸延
伸ポリエステルフィルムは耐久性、防湿性、力学的強
度、耐熱性、耐油性が優れており、チューブラー法、フ
ラット式同時二軸延伸法、フラット式逐次二軸延伸法な
どを用いて製造した二軸延伸ポリエステルフィルムが食
品包装分野などにおいて幅広く使用されている。
プラスチックフィルムを用いた包装袋が多く使用されて
おり、二軸延伸プラスチックフィルムとヒートシール可
能な無配向プラスチックフィルムを２層あるいは３層以
上ラミネートした包装袋が広く使用されている。二軸延
伸ポリエステルフィルムは耐久性、防湿性、力学的強
度、耐熱性、耐油性が優れており、チューブラー法、フ
ラット式同時二軸延伸法、フラット式逐次二軸延伸法な
どを用いて製造した二軸延伸ポリエステルフィルムが食
品包装分野などにおいて幅広く使用されている。
【０００３】しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを用いた包装袋は、引裂開封性が悪いという問題点
を有している。開封性を良くするためにノッチを付与す
る方法があるが、ノッチから引き裂いた際に直線的に引
き裂けない現象がしばしば発生し、内容物が飛散して無
駄になるばかりでなく、クッキーなどの軟らかい菓子は
開封時に割れたり、内容物が液体の場合には衣服を汚し
たりするトラブルが起こる場合がある。
ルムを用いた包装袋は、引裂開封性が悪いという問題点
を有している。開封性を良くするためにノッチを付与す
る方法があるが、ノッチから引き裂いた際に直線的に引
き裂けない現象がしばしば発生し、内容物が飛散して無
駄になるばかりでなく、クッキーなどの軟らかい菓子は
開封時に割れたり、内容物が液体の場合には衣服を汚し
たりするトラブルが起こる場合がある。
【０００４】フィルムを引き裂いた際の直線性に優れる
易開封性包装材料としては、一軸配向ポリオレフィンフ
ィルムを中間層としてラミネートしたものがある。この
ようなものとしては、たとえば、二軸延伸ポリエステル
フィルム／一軸延伸ポリオレフィンフィルム／無延伸ポ
リオレフィンフィルムの３層ラミネートフィルムがある
が、わざわざ中間層を設けなければならずコスト的に問
題があり用途が限定されていた。
易開封性包装材料としては、一軸配向ポリオレフィンフ
ィルムを中間層としてラミネートしたものがある。この
ようなものとしては、たとえば、二軸延伸ポリエステル
フィルム／一軸延伸ポリオレフィンフィルム／無延伸ポ
リオレフィンフィルムの３層ラミネートフィルムがある
が、わざわざ中間層を設けなければならずコスト的に問
題があり用途が限定されていた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決しようとするものであり、二軸延伸ポリエ
ステルフィルムの特長である低吸湿性、力学特性、保香
性、耐熱性、耐油性、及び特に食品包装材料に要求され
る乾熱、湿熱環境下での寸法安定性を保持したまま、引
裂直線性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを提供
しようとするものである。
問題点を解決しようとするものであり、二軸延伸ポリエ
ステルフィルムの特長である低吸湿性、力学特性、保香
性、耐熱性、耐油性、及び特に食品包装材料に要求され
る乾熱、湿熱環境下での寸法安定性を保持したまま、引
裂直線性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを提供
しようとするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明の要旨は、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステルＡ60〜95
重量％と、芳香族ジカルボン酸を50モル％以上含有する
ジカルボン酸成分と、炭素数３〜10のグリコールを50モ
ル％以上含有するグリコール成分からなるポリエステル
Ｂ40〜５重量％とからなり、ポリエステルＢがポリエス
テルＡ中に島状に分散し、引張強度20〜35kgf/mm2 、乾
熱収縮率３％以下（ 160℃×15分）、ヘイズ５％以下で
ある長手方向及び／又は幅方向に引裂直線性を有する二
軸延伸ポリエステルフィルムにある。
課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明の要旨は、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステルＡ60〜95
重量％と、芳香族ジカルボン酸を50モル％以上含有する
ジカルボン酸成分と、炭素数３〜10のグリコールを50モ
ル％以上含有するグリコール成分からなるポリエステル
Ｂ40〜５重量％とからなり、ポリエステルＢがポリエス
テルＡ中に島状に分散し、引張強度20〜35kgf/mm2 、乾
熱収縮率３％以下（ 160℃×15分）、ヘイズ５％以下で
ある長手方向及び／又は幅方向に引裂直線性を有する二
軸延伸ポリエステルフィルムにある。
【０００７】本発明におけるポリエステルＡは、エチレ
ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルであり、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）が
最適であるが、ＰＥＴとポリブチレンテレフタレート
（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポ
リシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート（ＰＣ
Ｔ）などとの共重合体、あるいはこれらの混合物を用い
ることもできる。
ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルであり、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）が
最適であるが、ＰＥＴとポリブチレンテレフタレート
（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポ
リシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート（ＰＣ
Ｔ）などとの共重合体、あるいはこれらの混合物を用い
ることもできる。
【０００８】本発明におけるポリエステルＢは、芳香族
ジカルボン酸を50モル％以上含有するジカルボン酸成分
と、炭素数３〜10のグリコールを50モル％以上含有する
グリコール成分からなるポリエステルである。
ジカルボン酸を50モル％以上含有するジカルボン酸成分
と、炭素数３〜10のグリコールを50モル％以上含有する
グリコール成分からなるポリエステルである。
【０００９】本発明におけるポリエステルＢとしては、
たとえば、ポリネオペンチレンイソフタレート（ＰＮ
Ｉ）、ポリネオペンチレンテレフタレート（ＰＮＴ）、
ポリネオペンチレンフタレート、ポリプロピレンイソフ
タレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリブチレン
ナフタレートなどが挙げられるが、本発明の効果が損な
われない範囲において他の成分を共重合することもでき
る。
たとえば、ポリネオペンチレンイソフタレート（ＰＮ
Ｉ）、ポリネオペンチレンテレフタレート（ＰＮＴ）、
ポリネオペンチレンフタレート、ポリプロピレンイソフ
タレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリブチレン
ナフタレートなどが挙げられるが、本発明の効果が損な
われない範囲において他の成分を共重合することもでき
る。
【００１０】このような共重合成分としては、５−ナト
リウムスルホイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのジ
カルボン酸、４−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラク
トン、乳酸などのオキシカルボン酸、エチレングリコー
ル、１，３−プロパンジオール、１，６−ヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールＡ
やビスフェノールＳのエチレンオキシド付加体などのグ
リコールが挙げられる。また、トリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物を
共重合成分として用いることもできる。
リウムスルホイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのジ
カルボン酸、４−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラク
トン、乳酸などのオキシカルボン酸、エチレングリコー
ル、１，３−プロパンジオール、１，６−ヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールＡ
やビスフェノールＳのエチレンオキシド付加体などのグ
リコールが挙げられる。また、トリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物を
共重合成分として用いることもできる。
【００１１】本発明におけるポリエステルＢは、ＰＥＴ
と適度な相溶性を有し、かつ、ポリエステルＡ中に島状
に分散していることが必要であるが、ポリエステルＢと
してＰＮＩを用いた場合に好適な相分離形態となり、本
発明の効果が最も顕著に現れる。
と適度な相溶性を有し、かつ、ポリエステルＡ中に島状
に分散していることが必要であるが、ポリエステルＢと
してＰＮＩを用いた場合に好適な相分離形態となり、本
発明の効果が最も顕著に現れる。
【００１２】本発明のおいて、ポリエステルＡとポリエ
ステルＢの配合比は、ポリエステルＡ60〜95重量％に対
して、ポリエステルＢを40〜５重量％の割合で配合する
ことが必要であり、好ましくは、ポリエステルＡ70〜90
重量％に対して、ポリエステルＢ30〜10重量％、さらに
好ましくは、ポリエステルＡ80〜85重量％に対して、ポ
リエステルＢ20〜15重量％である。ポリエステルＢが５
重量％未満の場合には引裂直線性が得られず、40重量％
を超える場合には、二軸延伸ポリエステルフィルムの引
張強度が低下したり、寸法安定性やヘーズが悪化してフ
ィルムの実用性能に問題が生じる。
ステルＢの配合比は、ポリエステルＡ60〜95重量％に対
して、ポリエステルＢを40〜５重量％の割合で配合する
ことが必要であり、好ましくは、ポリエステルＡ70〜90
重量％に対して、ポリエステルＢ30〜10重量％、さらに
好ましくは、ポリエステルＡ80〜85重量％に対して、ポ
リエステルＢ20〜15重量％である。ポリエステルＢが５
重量％未満の場合には引裂直線性が得られず、40重量％
を超える場合には、二軸延伸ポリエステルフィルムの引
張強度が低下したり、寸法安定性やヘーズが悪化してフ
ィルムの実用性能に問題が生じる。
【００１３】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
引張強度は 20 〜35kgf/mm2 の範囲であることが好まし
く、引張強度がこの範囲の値より小さいと実用強度が不
足し、この範囲を超えても過剰品質となるばかりか、か
えってフィルム製造時の操業性が低下し経済的に好まし
くない。また、引張伸度は、通常80〜 160％（機械方向
ＭＤとその直角方向ＴＤの平均値）の範囲のものが好ま
しい。
引張強度は 20 〜35kgf/mm2 の範囲であることが好まし
く、引張強度がこの範囲の値より小さいと実用強度が不
足し、この範囲を超えても過剰品質となるばかりか、か
えってフィルム製造時の操業性が低下し経済的に好まし
くない。また、引張伸度は、通常80〜 160％（機械方向
ＭＤとその直角方向ＴＤの平均値）の範囲のものが好ま
しい。
【００１４】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
乾熱収縮率は、 160℃×15分の処理で３％以下（ＭＤと
ＴＤの平均値）の範囲であることが好ましく、３％を超
えると印刷適性が悪化するので好ましくない。
乾熱収縮率は、 160℃×15分の処理で３％以下（ＭＤと
ＴＤの平均値）の範囲であることが好ましく、３％を超
えると印刷適性が悪化するので好ましくない。
【００１５】また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムのヘーズは、５％以下であることが好ましく、ヘー
ズが５％を超えるとフィルムの透明性が悪くなり、商品
価値が損なわれる。
ルムのヘーズは、５％以下であることが好ましく、ヘー
ズが５％を超えるとフィルムの透明性が悪くなり、商品
価値が損なわれる。
【００１６】次に、本発明のフィルムの製造方法として
は、たとえば、ポリエステルＡとポリエステルＢをチッ
プ状で混合したものを押出機に投入し、加熱溶融した
後、Ｔダイのダイオリフィスからシート状に押し出し吐
出する。ダイオリフィスから吐出された軟化状態にある
シートは、冷却ドラムに密着して巻きつけられて冷却さ
れる。続いて、得られた未延伸シートを90〜 140℃の温
度で、通常、縦横それぞれ 3.0〜4.0 倍の延伸倍率で二
軸延伸する。延伸温度が90℃未満であると均質な延伸フ
ィルムを得ることができない場合があり、140 ℃を超え
ると、ポリエステルＡの結晶化が促進されて透明性が悪
くなる場合がある。また、延伸倍率が 3.0倍未満である
と強度が小さく、袋にしたときにピンホールが発生しや
すく、4.0 倍を超えると生産性に問題が生じる場合があ
る。
は、たとえば、ポリエステルＡとポリエステルＢをチッ
プ状で混合したものを押出機に投入し、加熱溶融した
後、Ｔダイのダイオリフィスからシート状に押し出し吐
出する。ダイオリフィスから吐出された軟化状態にある
シートは、冷却ドラムに密着して巻きつけられて冷却さ
れる。続いて、得られた未延伸シートを90〜 140℃の温
度で、通常、縦横それぞれ 3.0〜4.0 倍の延伸倍率で二
軸延伸する。延伸温度が90℃未満であると均質な延伸フ
ィルムを得ることができない場合があり、140 ℃を超え
ると、ポリエステルＡの結晶化が促進されて透明性が悪
くなる場合がある。また、延伸倍率が 3.0倍未満である
と強度が小さく、袋にしたときにピンホールが発生しや
すく、4.0 倍を超えると生産性に問題が生じる場合があ
る。
【００１７】二軸延伸されたフィルムは、続いて、210
〜 250℃の温度で熱処理される。熱処理温度が 210℃よ
り低いとフィルムの収縮率が大きくなり、袋が変形する
原因となる場合があり、また、250 ℃より高いとフィル
ムが融解する。
〜 250℃の温度で熱処理される。熱処理温度が 210℃よ
り低いとフィルムの収縮率が大きくなり、袋が変形する
原因となる場合があり、また、250 ℃より高いとフィル
ムが融解する。
【００１８】なお、二軸延伸方法としては、チューブラ
ー法、テンター同時二軸延伸法、ロールとテンターによ
る逐次二軸延伸方法のいずれでもよい。
ー法、テンター同時二軸延伸法、ロールとテンターによ
る逐次二軸延伸方法のいずれでもよい。
【００１９】押出温度におけるポリエステルＢのポリエ
ステルＡに対する溶融粘度の比は、0.2〜0.8 倍、好ま
しくは 0.4〜0.6 倍、さらに好ましくは 0.5倍であるこ
とが望ましい。溶融粘度比（ＰＲ）が 0.2未満では、ポ
リエステルＢの分散粒子径が小さくなりすぎてフィルム
の引裂直進性が低下し、また、ＰＲが 0.8を超えると、
分散粒子径が大きくなりヘーズが悪くなる場合がある。
ステルＡに対する溶融粘度の比は、0.2〜0.8 倍、好ま
しくは 0.4〜0.6 倍、さらに好ましくは 0.5倍であるこ
とが望ましい。溶融粘度比（ＰＲ）が 0.2未満では、ポ
リエステルＢの分散粒子径が小さくなりすぎてフィルム
の引裂直進性が低下し、また、ＰＲが 0.8を超えると、
分散粒子径が大きくなりヘーズが悪くなる場合がある。
【００２０】本発明のフィルムにおいては、ポリエステ
ルＡとポリエステルＢの相溶性と混練度を調節すること
により、ＭＤ方向及び／又はＴＤ方向に引裂方向を発現
させることができる。たとえば、ＭＤ方向の易引裂性を
得るためには、ポリエステルＡとポリエステルＢの相溶
性が比較的良好なものを用い、ポリエステルＢがフィル
ムのＭＤ方向に紡錘状になるようにすればよい。
ルＡとポリエステルＢの相溶性と混練度を調節すること
により、ＭＤ方向及び／又はＴＤ方向に引裂方向を発現
させることができる。たとえば、ＭＤ方向の易引裂性を
得るためには、ポリエステルＡとポリエステルＢの相溶
性が比較的良好なものを用い、ポリエステルＢがフィル
ムのＭＤ方向に紡錘状になるようにすればよい。
【００２１】本発明の二軸延伸フィルムには、コロナ放
電処理、表面硬化処理、メッキ処理、着色処理、あるい
は各種のコーティング処理による表面処理を付与するこ
とができる。
電処理、表面硬化処理、メッキ処理、着色処理、あるい
は各種のコーティング処理による表面処理を付与するこ
とができる。
【００２２】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料及び
測定方法は、次のとおりである。
する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料及び
測定方法は、次のとおりである。
【００２３】（１）原料 ＰＥＴ：ユニチカ社製 ＭＡ２１０１（極限粘度0.64dl
/g：フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒
として、温度20℃で測定した。以下同様） ＰＮＩ：ネオペンチルグリコールとイソフタル酸をエス
テル化槽に仕込み、240 ℃で５時間反応させ、エステル
化物を得た。次に、三酸化アンチモン触媒下、1.3hPaの
減圧下、 280℃で溶融重合し、極限粘度0.65dl/gのポリ
マーを得た。 ＰＮＴ：ネオペンチルグリコールとテレフタル酸をエス
テル化槽に仕込み、240 ℃で４時間反応させ、エステル
化物を得た。次に、三酸化アンチモン触媒下、1.3hPaの
減圧下、 280℃で溶融重合し、極限粘度0.61dl/gのポリ
マーを得た。 ＰＥＩ（ポリエチレンイソフタレート）：エチレングリ
コールとイソフタル酸をエステル化槽に仕込み、240 ℃
で４時間反応させ、エステル化物を得た。次に、三酸化
アンチモン触媒下、1.3hPaの減圧下、 280℃で溶融重合
し、極限粘度0.60dl/gのポリマーを得た。
/g：フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒
として、温度20℃で測定した。以下同様） ＰＮＩ：ネオペンチルグリコールとイソフタル酸をエス
テル化槽に仕込み、240 ℃で５時間反応させ、エステル
化物を得た。次に、三酸化アンチモン触媒下、1.3hPaの
減圧下、 280℃で溶融重合し、極限粘度0.65dl/gのポリ
マーを得た。 ＰＮＴ：ネオペンチルグリコールとテレフタル酸をエス
テル化槽に仕込み、240 ℃で４時間反応させ、エステル
化物を得た。次に、三酸化アンチモン触媒下、1.3hPaの
減圧下、 280℃で溶融重合し、極限粘度0.61dl/gのポリ
マーを得た。 ＰＥＩ（ポリエチレンイソフタレート）：エチレングリ
コールとイソフタル酸をエステル化槽に仕込み、240 ℃
で４時間反応させ、エステル化物を得た。次に、三酸化
アンチモン触媒下、1.3hPaの減圧下、 280℃で溶融重合
し、極限粘度0.60dl/gのポリマーを得た。
【００２４】（２）測定方法 溶融粘度；100℃で10時間真空乾燥した樹脂の溶融粘度
を、直径 0.5mm、長さ 2.0mmのノズルを付けたフローテ
スター（島津製作所製 CFT−500 ）を用い、温度 280℃
で予熱時間 180sec.の条件で、荷重を変えて４点測定し
た。得られた剪断速度−溶融粘度曲線より、剪断速度 1
000 sec.-1時の見かけの溶融粘度を読みとった。単位は
（ N・ m -2・ sec.）
を、直径 0.5mm、長さ 2.0mmのノズルを付けたフローテ
スター（島津製作所製 CFT−500 ）を用い、温度 280℃
で予熱時間 180sec.の条件で、荷重を変えて４点測定し
た。得られた剪断速度−溶融粘度曲線より、剪断速度 1
000 sec.-1時の見かけの溶融粘度を読みとった。単位は
（ N・ m -2・ sec.）
【００２５】引裂直線性；二軸延伸フィルムよりＭＤ方
向に 205mm、ＴＤ方向に40mmの短冊状のフィルム片を切
り出し、このフィルム片の一方の短辺の中央部に長さ５
mmの切込みを入れた試料を10本作製する（図１）。次
に、切込みよりＭＤ方向に手で引き裂き、図２(a) のよ
うに、引裂伝播端が切込みを入れた辺に向かい合う短辺
に到達した試料本数をＭＤ方向の引裂直線性の評価値と
した。（評価値８以上を合格とした。） ＴＤ方向の引裂直線性は、フィルムのＴＤ方向に 205m
m、ＭＤ方向に40mmの短冊状のフィルム片を切出したも
のを試料とした以外は、上記と同様に測定した。なお、
評価は、延伸後巻き取ったフィルムの左端部、中央部及
び右端部それぞれについて実施した。
向に 205mm、ＴＤ方向に40mmの短冊状のフィルム片を切
り出し、このフィルム片の一方の短辺の中央部に長さ５
mmの切込みを入れた試料を10本作製する（図１）。次
に、切込みよりＭＤ方向に手で引き裂き、図２(a) のよ
うに、引裂伝播端が切込みを入れた辺に向かい合う短辺
に到達した試料本数をＭＤ方向の引裂直線性の評価値と
した。（評価値８以上を合格とした。） ＴＤ方向の引裂直線性は、フィルムのＴＤ方向に 205m
m、ＭＤ方向に40mmの短冊状のフィルム片を切出したも
のを試料とした以外は、上記と同様に測定した。なお、
評価は、延伸後巻き取ったフィルムの左端部、中央部及
び右端部それぞれについて実施した。
【００２６】ヘーズ（曇度）；15μm 厚のフィルムのヘ
ーズを ASTM D103-61 に準拠して測定を行った。 乾熱収縮率；フィルムのＭＤ方向及びＴＤ方向にそれぞ
れ標線をいれた短冊試料を切り出し、オーブン内で 160
℃で15分間処理し、処理後の標線間寸法を20℃、65％Ｒ
Ｈ平衡状態で測定した。処理による縮み量の処理前寸法
に対する百分率で表した。 引張強度、伸度；試料幅10mm、試料長10cmの試料を用い
て、ASTM-D882 に準じて測定した。
ーズを ASTM D103-61 に準拠して測定を行った。 乾熱収縮率；フィルムのＭＤ方向及びＴＤ方向にそれぞ
れ標線をいれた短冊試料を切り出し、オーブン内で 160
℃で15分間処理し、処理後の標線間寸法を20℃、65％Ｒ
Ｈ平衡状態で測定した。処理による縮み量の処理前寸法
に対する百分率で表した。 引張強度、伸度；試料幅10mm、試料長10cmの試料を用い
て、ASTM-D882 に準じて測定した。
【００２７】実施例１ ＰＥＴとＰＮＩを80／20（重量％）の割合でチップ混合
したものを調製した。これを、コートハンガータイプの
Ｔダイを具備した50mmφ押出機を使用して樹脂温度 270
℃で溶融押出し、20℃に温調されたキャストロールに密
着急冷し、厚さ約 210μm の未延伸シートを得た。得ら
れた未延伸シートをロール縦延伸機で90℃で 3.8倍、テ
ンター横延伸機で120℃で 4.6倍に延伸した後、横方向
に５％の弛緩処理をし、 230℃で熱処理を施し、室温ま
で除冷し、厚さ12μm の二軸延伸フィルムを得た。得ら
れた二軸延伸フィルムの引裂直線性を測定し、結果を表
１に示した。
したものを調製した。これを、コートハンガータイプの
Ｔダイを具備した50mmφ押出機を使用して樹脂温度 270
℃で溶融押出し、20℃に温調されたキャストロールに密
着急冷し、厚さ約 210μm の未延伸シートを得た。得ら
れた未延伸シートをロール縦延伸機で90℃で 3.8倍、テ
ンター横延伸機で120℃で 4.6倍に延伸した後、横方向
に５％の弛緩処理をし、 230℃で熱処理を施し、室温ま
で除冷し、厚さ12μm の二軸延伸フィルムを得た。得ら
れた二軸延伸フィルムの引裂直線性を測定し、結果を表
１に示した。
【００２８】実施例２〜３、比較例１〜２ ＰＥＴとＰＮＩの混合比を、表１及び２のように変更し
た以外は、実施例１と同様にして二軸延伸フィルムを得
た。得られた二軸延伸フィルムの引裂直線性を測定し、
結果を表１及び２に示した。
た以外は、実施例１と同様にして二軸延伸フィルムを得
た。得られた二軸延伸フィルムの引裂直線性を測定し、
結果を表１及び２に示した。
【００２９】実施例４〜５、比較例３〜６ 表１及び２のように、ＰＮＩをＰＥＩ及びＰＮＴに変更
した以外は、実施例１と同様にして二軸延伸フィルムを
得た。得られた二軸延伸フィルムの引裂直線性を測定
し、結果を表１及び２に示した。
した以外は、実施例１と同様にして二軸延伸フィルムを
得た。得られた二軸延伸フィルムの引裂直線性を測定
し、結果を表１及び２に示した。
【００３０】
【表１】
【００３１】
【表２】
【００３２】実施例６〜１３、比較例７〜１４ 実施例１〜３及び比較例３〜４で得られたフィルムを表
３に示す構成でドライラミネートを行い、製袋した後、
引裂直線性の評価を実施した。引裂直線性を評価した結
果を表３に示した。
３に示す構成でドライラミネートを行い、製袋した後、
引裂直線性の評価を実施した。引裂直線性を評価した結
果を表３に示した。
【００３３】包材構成成分の略号は次のものを示す。 ＰＴ１：実施例１で得られた二軸延伸フィルム ＰＴ２：実施例２で得られた二軸延伸フィルム ＰＴ（３）：比較例３で得られた二軸延伸フィルム ＰＴ（４）：比較例４で得られた二軸延伸フィルム ＬＬＤＰＥ：線状低密度ポリエチレン（東京セロファン
紙社製、TUX-TC、厚さ60μm ） ＯＮ：ナイロン６フィルム（ユニチカ社製、厚さ15μm
） ＣＰＰ１：無延伸ポリプロピレンフィルム（東レ社製、
厚さ30μm ） ＣＰＰ２：無延伸ポリプロピレンフィルム（東レ社製、
厚さ60μm ） ＡＬ：アルミ箔（昭和アルミニウム社製、厚さ７μm ）
紙社製、TUX-TC、厚さ60μm ） ＯＮ：ナイロン６フィルム（ユニチカ社製、厚さ15μm
） ＣＰＰ１：無延伸ポリプロピレンフィルム（東レ社製、
厚さ30μm ） ＣＰＰ２：無延伸ポリプロピレンフィルム（東レ社製、
厚さ60μm ） ＡＬ：アルミ箔（昭和アルミニウム社製、厚さ７μm ）
【００３４】
【表３】
【００３５】
【発明の効果】本発明によれば、耐久性、防湿性、力学
的性質、耐熱性、耐油性を有すると共に、フィルムのＭ
Ｄ方向及び／又はＴＤ方向に引裂直線性を有する二軸延
伸ポリエステルフィルムが提供される。また、本発明の
フィルムを包装袋を構成するフィルムの少なくとも１層
に用いることによって、優れた開封性を有する包装袋が
得られる。
的性質、耐熱性、耐油性を有すると共に、フィルムのＭ
Ｄ方向及び／又はＴＤ方向に引裂直線性を有する二軸延
伸ポリエステルフィルムが提供される。また、本発明の
フィルムを包装袋を構成するフィルムの少なくとも１層
に用いることによって、優れた開封性を有する包装袋が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】フィルムの長手方向の引裂直線性評価に用いた
試験片の形状を示す。
試験片の形状を示す。
【図２】引裂試験における引き裂き後の試験片の形状を
示す図であり、（ａ）は引裂直線性が良好な試料の引き
裂き後の試験片の例、（ｂ）は引裂直線性が不良な試料
の引き裂き後の試験片の例を示す。
示す図であり、（ａ）は引裂直線性が良好な試料の引き
裂き後の試験片の例、（ｂ）は引裂直線性が不良な試料
の引き裂き後の試験片の例を示す。
１ 切込み
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ２９Ｋ 67:00 Ｂ２９Ｌ 9:00
Claims (4)
- 【請求項１】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とするポリエステルＡ60〜95重量％と、芳香族ジ
カルボン酸を50モル％以上含有するジカルボン酸成分
と、炭素数３〜10のグリコールを50モル％以上含有する
グリコール成分からなるポリエステルＢ40〜５重量％と
からなり、ポリエステルＢがポリエステルＡ中に島状に
分散し、引張強度20〜35kgf/mm2 、乾熱収縮率３％以下
（ 160℃×15分）、ヘイズ５％以下である長手方向及び
／又は幅方向に引裂直線性を有する二軸延伸ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項２】 ポリエステルＢのジカルボン酸成分の50
モル％以上がイソフタル酸であり、グリコール成分の50
モル％以上がネオペンチルグリコールである請求項１記
載の二軸延伸ポリエステルフィルム。 - 【請求項３】 少なくとも１層に請求項１又は２記載の
二軸延伸ポリエステルフィルムを使用した積層フィル
ム。 - 【請求項４】 請求項３の積層フィルムを使用し、易引
裂方向が袋の引裂方向となるように製袋した易開封性包
装袋。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6970896A JP3356200B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 易引裂性二軸延伸ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6970896A JP3356200B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 易引裂性二軸延伸ポリエステルフィルム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09255797A true JPH09255797A (ja) | 1997-09-30 |
| JP3356200B2 JP3356200B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=13410614
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6970896A Expired - Lifetime JP3356200B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 易引裂性二軸延伸ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3356200B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000079344A1 (fr) * | 1999-06-24 | 2000-12-28 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Element photosensible, rouleau d'element photosensible, procede de fabrication d'un motif de resine, motif de resine, substrat avec motif de resine sus-jacent, procede de fabrication d'un motif de cablage et motif de cablage associe |
| JP2002001808A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-08 | Toyobo Co Ltd | ニ軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法 |
| JP2002235007A (ja) * | 2001-02-08 | 2002-08-23 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル系樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
| JPWO2019180671A1 (ja) * | 2018-03-23 | 2021-04-01 | プランティック・テクノロジーズ・リミテッド | 樹脂組成物 |
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| US10202229B2 (en) | 2007-05-21 | 2019-02-12 | Cryovac, Inc. | Easy opening packaging article made from heat-shrinkable film exhibiting directional tear |
| US10189621B2 (en) | 2007-05-21 | 2019-01-29 | Cryovac, Inc. | Bag made from high-strength heat-shrinkable film exhibiting directional tear, and process utilizing same |
| EP2527142A1 (en) | 2011-05-24 | 2012-11-28 | Cryovac, Inc. | Multilayer polyester film for ready meals |
| KR102151839B1 (ko) | 2013-11-01 | 2020-09-03 | 크라이오백 인코포레이티드 | 폴리에스터를 함유하는 이층-저항성 열-수축성 다층 산소 차단 필름 |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP6970896A patent/JP3356200B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000079344A1 (fr) * | 1999-06-24 | 2000-12-28 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Element photosensible, rouleau d'element photosensible, procede de fabrication d'un motif de resine, motif de resine, substrat avec motif de resine sus-jacent, procede de fabrication d'un motif de cablage et motif de cablage associe |
| US7592124B2 (en) | 1999-06-24 | 2009-09-22 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Photosensitive element, photosensitive element roll, process for the preparation of resist pattern using the same, resist pattern, resist pattern laminated substrate, process for the preparation of wiring pattern and wiring pattern |
| JP2002001808A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-08 | Toyobo Co Ltd | ニ軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法 |
| JP2002235007A (ja) * | 2001-02-08 | 2002-08-23 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル系樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
| JPWO2019180671A1 (ja) * | 2018-03-23 | 2021-04-01 | プランティック・テクノロジーズ・リミテッド | 樹脂組成物 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3356200B2 (ja) | 2002-12-09 |
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