JP3003145B2 - ポリエステル系樹脂積層フィルム - Google Patents
ポリエステル系樹脂積層フィルムInfo
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Description
に、熱接着部の開封が容易であり、食品包装用フィルム
や各種工業用フィルムとして有用なポリエステル系樹脂
積層フィルムに関する。
トをも包含して用いられる)は、機械的強度、耐熱性、
耐寒性、耐薬品性、絶縁性、寸法安定性、平面性、透明
性などに優れ、包装用フィルム、電気絶縁テープ、写真
フィルム、トレーシングフィルムなどの各種用途に利用
されている。特に、食品をはじめとする各種製品を包装
するために熱接着性を備えたポリエステル系樹脂フィル
ムが広く用いられるようになった。食品を包装する場合
には、臭いを発生せず、食品の香りを損なわず、かつ食
品の臭いを吸着しにくい性質(すなわち、耐フレーバー
性)を有するポリエステル系樹脂フィルムが特に好適で
ある。しかし、ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステル系樹脂は一般に融点が高く、そのままで
は熱接着することが難しい。したがって、これらのポリ
エステル系樹脂フィルムを基材フィルムとし、その表面
に融点のより低い樹脂からなる熱接着層(シーラント
層)を、コーティング、共押出しなどにより形成するこ
とが行われている。例えば、特開昭63−17048号公報に
は、融点が80〜200℃である熱可塑性ポリエステル樹脂
とポリオレフィン樹脂とを混合した組成物の薄層をポリ
エステル基材フィルムの少なくとも片面に形成する方法
が開示されている。しかし、この方法では、ポリエステ
ル樹脂とポリオレフィン樹脂との相溶性が不充分である
ため、得られた積層フィルムの透明性が低い。さらに接
着力が充分でないため、熱接着層の厚さを大きくする必
要がある。また、ポリオレフィン樹脂の量が多くなる
と、基材フィルムと熱接着層との接着力が低下し、かつ
耐フレーバー性に劣る。以上のことから、ポリエステル
系樹脂を基材フィルムに使用する場合は、熱接着層にも
ポリエステル系樹脂を使用することが好ましいと考えら
れる。例えば、特開昭51−10634号公報には、1,4−ブタ
ンジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオールと、
テレフタル酸および/またはイソフタル酸とからなるポ
リエステルを含む結晶融解熱が5cal/g以下のポリエステ
ル系樹脂を用いて熱接着層を形成することが開示されて
いる。この方法によれば、熱接着層のガラス転移点が低
くなるため、製膜時にフィルムがニップロールに付着す
るなどしてフィルムの巻取り性が低下する。さらにこの
フィルムを袋状に加工した場合には、接着層同士の付着
(ブロッキング)が生じ易い。特開昭63−15745号公報
には、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸および/
またはイソフタル酸を95モル%以上含有し、かつガラス
転移点が50〜80℃の範囲内にある熱可塑性ポリエステル
からなる薄層を、基材フィルムの少なくとも片面に形成
した積層フィルムが開示されている。このような積層フ
ィルムは、熱接着後のシール部分の開封が容易でなく、
基材フィルムが破れ易い。つまり、シール部分がタフな
性質を持たない。ここで、「タフ(tough)である」と
は、強度が充分であり、耐久性を有し、しかもしなやか
でもろくない性質をさしていう。シール部分がタフでな
いと、例えば、袋の入口を熱接着して閉じた場合に、こ
の袋の口を指でつまんで引張って開けようとするとシー
ル部分がきれいに剥離せずに途中で切れたり、シール部
分が充分に剥離しないまま袋の本体が好ましくない方向
に裂けるという欠点がある。
の目的とするところは、熱接着性に優れ、熱接着後のシ
ール部分がタフな性質を有する(つまり、高強度を有
し、かつシール部分を剥離するときに、応力が特定部分
に集中してシール部分が中途で切れたりせずに適度の力
を加えるだけで容易に剥離し得る)熱接着性ポリエステ
ル系樹脂積層フィルムを提供することにある。
ステル系樹脂からなる基材フィルムと、該基材フィルム
の少なくとも片面に設けられた熱接着層とを有するポリ
エステル系樹脂積層フィルムであって、該積層フィル
ム、または該基材フィルムおよび熱接着層の少なくとも
一方の10%伸長時の応力に対する50%伸長時の応力の比
が1.2以下であり、該熱接着層が、ポリエステルAおよ
びポリエステルBを主成分とする樹脂組成物からなり、
該ポリエステルAが、次式(I)で示されるグリコール
成分の少なくとも1種を含み、該ポリエステルBが、次
式(II−a)で示されるジカルボン酸成分および次式
(II−b)で示されるグリコール成分のそれぞれ少なく
とも1種を含み、該ポリエステルAおよびポリエステル
Bが、80:20〜50:50の重量比で組成物中に含有され、そ
のことにより上記目的が達成される: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のア
ルキル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1
〜6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数で
あり、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜10の整数である。
エステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
−1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト、およびポリエチレン−2,6−ナフタレートが用いら
れる。あるいは、これらの樹脂の構成モノマー成分を主
成分とする共重合体が用いられる。共重合体を用いる場
合、そのジカルボン酸成分としては、アジピン酸、セバ
シン酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸:トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸などの多官能カルボン酸などが用いられる。また、
グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコールなどの脂肪族グリコール;p−キシレングリコ
ールなどの芳香族グリコール;1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、1,3−シクロヘキサンジメタノールなどの脂
環族グリコール;平均分子量が150〜20,000のポリエチ
レングリコールなどが用いられる。これらのポリエステ
ル系樹脂からなる基材フィルムは、公知の延伸法によ
り、少なくとも1軸方向に、好ましくは2軸方向に配向
されている。特に、2軸方向に配向されたポリエステル
系樹脂フィルムは、機械的強度および耐熱性に優れてい
るので好ましい。フィルムの2軸配向には、逐次延伸ま
たは同時延伸のいずれの延伸法が用いられてもよい。な
お、上記のポリエステル系樹脂には、各種の添加剤が含
有されていてもよい。添加剤としては、帯電防止剤、滑
剤、曇り防止剤、可塑剤、安定剤、耐ブロッキング剤、
着色剤などがある。
成物の主成分となるポリエステル系樹脂は次のような性
質を有することが望まれる: a)基材であるポリエステル系樹脂フィルムと親和性を
有すること; b)得られた積層フィルムを熱接着したときに、接着部
分がタフな性質を保持し、かつ接着部分の剥離を行う際
に特定部分への応力の集中を回避し得るような適度の強
伸度、弾性率、および可撓性を有すること;そして、 c)積層フィルムを調製することが容易であるように、
工業的に汎用の溶剤に可溶であること、または溶融押出
しが容易であること。
満足するものであり、次式(I)で示されるグリコール
成分を有するポリエステルAと、次式(II−a)で示さ
れるジカルンボン酸成分および次式(II−b)で示され
るグリコール成分を有するポリエステルBとを主成分と
する: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のア
ルキル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1
〜6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数で
あり、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜10の整数である。
分としては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−
エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−2−n−ヘキシル−1,3,−プロパンジオー
ル、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2
−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールな
どがある。これらのグリコール成分は、全グリコール成
分の中に、5モル%以上の割合で、好ましくは10モル%
以上の割合で含有される。
外のグリコール成分としては、エチレングリコールが最
も好ましい。少量であれば、ジエチンレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオ
ール、または1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを
用いてもよい。
は、テレフタル酸が最も好ましい。少量であれば、他の
ジカルボン酸成分を加えて共重合させてもよい。他のジ
カルボン酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、
ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸が用いられる。
ン酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ピメル酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカン
ジカルボン酸、ブラシリン酸、テトラデカンジカルボン
酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン酸、ドコサンジ
カルボン酸などがあり、特にアジピン酸、アゼライン酸
およびセバシン酸が好ましい。これらのジカルボン酸
は、ポリエステルBの全ジカルボン酸の中に通常5〜50
モル%の割合で、好ましくは10〜40モル%の割合で含有
される。
に、他のジカルボン酸成分が含有されていてもよい。そ
れには、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、またはシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
族ジカルボン酸があり、芳香族ジカルボン酸のうちの少
なくとも1種が含有されていることが好ましい。特に好
適なジカルボン酸成分はテレフタル酸である。
グリコール成分としては、ブタジンオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオールなどがある。これらのグリコ
ールは、ポリエステルBの全グリコール成分の10モル%
以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モ
ル%以上の割合で含有される。
物以外のグリコール成分としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどがあり、通常エチレング
リコールが用いられる。
製法として一般に採用されている方法により調製され得
る。例えば、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを直
接反応させて重縮合を行なう直接エステル化法;あるい
は、上記ジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコ
ール成分とを反応させてエステル交換を行なうエステル
交換法などにより調製される。調製は、回分式および連
続式のいずれの方法で行われてもよい。
(25℃におけるテトラクロロエタン−フェノール混合溶
媒中の極限濃度(IV))が、それぞれ0.5以上であるこ
とが望ましい。極限粘度が0.5を下回ると、得られた積
層フィルムを熱接着した場合に、接着部分のタフな性質
が低下する傾向がある。
の積層フィルムの熱接着層を形成する樹脂組成物中に、
80:20〜50:50の重量比で含有される。ポリエステルAが
過剰であると、得られた積層フィルムを熱接着した場合
にシール部分がタフな性質を有さず、開封性が低下す
る。ポリエステルBが過剰であると、熱接着層の粘着性
が大きくなり、袋状に加工して積み重ねた場合に、熱接
着層同士の付着(ブロッキング)が起こり易くなる。こ
の樹脂組成物は、上記の配合比を満足すれば、ポリエス
テルAおよびB以外のポリエステル系樹脂を含有しても
よい。
ム上に形成するために、ポリエステルAおよびB、そし
て必要に応じて他のポリエステル樹脂が混合される。混
合方法は特に限定されないが、例えば次の方法が挙げら
れる:(1)ポリエステルAおよびBを、それぞれ適当
な溶剤に溶解し、得られた溶液を混合するか、あるいは
ポリエステルAおよびBのチップ(ペレット)を混合
し、この混合物を適当な溶剤に溶解させる;(2)ポリ
エステルAおよびBを押出し機で溶融・混合し、ストラ
ンド状またはシート状に押出したものを切断してチップ
状に成形する;(3)ポリエステルAおよびBを合成し
たときに、その溶融物を含む重合容器に、他のポリエス
テルを(例えば、チップ状で)加えて混合し、ストラン
ド状またはシート状に押出したものを切断してチップ状
に成形する。このようなポリエステルAおよびBを主成
分とするポリエステル系樹脂混合物には、さらに必要に
応じて各種の添加剤が添加される。添加剤としては、滑
剤、帯電防止剤、防曇剤、ガスバリアー剤、安定剤、着
色剤、可塑剤、耐ブロッキング剤、導電性付与剤などが
ある。
身、あるいは基材フィルムおよび熱接着層を構成するフ
ィルムの少なくとも一方の10%伸長時の応力(F10)に
対する50%伸長時の応力(F50)の比(F50/F10)が1.2
以下である。ここで、10%あるいは50%伸長時の応力で
あるF10あるいはF50は、試料フィルムの両端を固定し、
その一端を一定の速度で引っ張って伸長させた場合に、
その伸長率を横軸に、伸長時の応力を縦軸にとって描い
た応力−ひずみ曲線から求められる。F50/F10は、好ま
しくは0.5〜1.2、より好ましくは0.8〜1.2の範囲内にあ
る。F50/F10が、1.2を上まわると、積層フィルムを熱接
着した後、シール部分を剥離しようとした場合に、フィ
ルムが好ましくない方向に破れる。なお、好ましくは基
材フィルムのF50/F10が、1.2以下であり、さらに好まし
くは、積層フィルムのF50/F10が1.2以下である。
法としては、例えば、以下のような方法がある。未延伸
フィルムを延伸用ロール群に導き長手方向に延伸を行っ
た後、加熱したテンター内て直行する方向に延伸して、
2軸延伸する。延伸方法としては、このような逐次延伸
のほかに同時延伸を行ってもよい。本発明の方法では、
同時延伸がより好ましい。この延伸フィルムをさらに高
温に加熱したテンター内で緊張および若干の弛緩処理を
行う。F50/F10値は、延伸温度、延伸倍率、および弛緩
条件によって、大きく変化する。したがって、使用する
樹脂に応じてこれらの条件を適切に設定することによっ
て、所望のF50/F10値を有するフィルムを得ることがで
きる。
ば、以下のようにして調製される。
ルムの表面に熱接着層を形成するための上記樹脂組成物
を含む溶液もしくは分散液を塗布し、そして乾燥する。
必要に応じてこのフィルムをさらに一軸もしくは二軸延
伸する。樹脂組成物の溶液もしくは分散液に含まれる固
形分は5〜20%が適当であり、使用される溶媒として
は、例えば、クロロホルム、二塩化エチレン、メチルエ
チルケトン、トルエン、酢酸エステル類、もしくはこれ
らの混合物が挙げられる。
フタレート(PET)などの樹脂と、熱接着層を形成する
ための樹脂組成物とを、それぞれ別の押出しバレルに仕
込み、ひとつの口金から共押出しにより積層フィルムを
調製する。必要に応じて、この積層フィルムを1軸もし
くは2軸延伸する。
ルム上に熱接着層を形成するための樹脂組成物を溶融押
出してラミネートし、さらに必要に応じて1軸もしくは
2軸延伸を行なう。
状に成形し、熱接着層フィルムを得る。そして、未延
伸、1軸延伸もしくは2軸延伸した基材フィルムの表面
に任意の接着剤をコーティングし、この熱接着層フィル
ムを加圧しながら貼付する。さらに必要に応じてこの積
層フィルムを1軸もしくは2軸延伸する。接着剤を基材
フィルムにコーティングする方法としては、基材フィル
ムに接着剤を塗布する方法や、基材フィルム上に接着剤
を構成する樹脂を溶融押出しする方法がある。これらの
方法の中で、共押出し法がコスト面で最も有利である。
ルムの最終的な厚みは、通常10〜500μmであり、特に
包装用のフィルムとして利用される場合には、5〜30μ
mが好適である。得られた積層フィルムの樹脂組成物の
厚みは、該フィルムの用途により異なるが、通常1〜50
μm、好ましくは2〜15μmである。
途に使用される。例えば、2枚の積層フィルムを、その
熱接着層と基材フィルムとが互いに密着するように、あ
るいは熱接着層同士が互いに密着するように、積層し、
上下から加熱バーを用いて圧縮することにより熱接着が
行なわれる。積層フィルムの熱接着層は、上記のように
特定の組成物で構成されるため、容易に熱接着が行なわ
れる。さらに、熱接着層と基材フィルムとの接着性も良
好であり、接着部分はタフな性質を有する。そのため、
この接着部分を再び剥離するときには、適度の力を加え
るだけで剥離することが可能であり、応力が特定の部分
に集中して基材フィルムが途中で切れたり、シール部分
が十分に剥離しない状態で基材フィルムが望ましくない
方向に裂けて破損することがない。基材フィルムが1軸
もしくは2軸延伸されている積層フィルムは、特に、熱
接着性を利用した包装などの用途に好適に用いられる。
本発明の積層フィルムは、その基材フィルムおよび熱接
着層のいずれもが主としてポリエステルからなるため、
該積層フィルムの製造工程で発生する屑、不良品、もし
くは使用済の積層フィルムを回収して、再び原料(特
に、基材フィルムの原料)として利用することが可能で
ある。これに対して、ポリエステル基材フィルムにポリ
エチレンからなる熱接着層を形成したような積層フィル
ムでは、このような再生利用ができない。本発明の積層
フィルムは、熱接着性フィルムとしての用途以外に,例
えば、金属などを蒸着させてガスバリヤーフィルムとし
て利用すること;印刷、印字、染色用などのフィルムと
して利用することも可能であり、さらに他のフィルムと
ラミネートして利用することもできる。
してそれぞれ下表に示す組成のポリエステルのチップを
準備した。(下表において、ポリエステルの組成はモル
%で、そして、ポリエステルAおよびBの配合比率は重
量比で示されている。I.V.は極限粘度を示す。TPAはテ
レフタル酸、EGはエチレングリコール、NPGはネオペン
チルグリコール、DEPは2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオール、IPAはイソフタル酸、AAはアジピン酸、AZは
アゼライン酸、BDは1,4−ブタンジオール、そしてHDは
1,6−ヘキサンジオールを示す)。2機の押出しバレル
を1個のT型ダイに接続し、そのうちの1機には上記ポ
リエステルAおよびBを下表に示す割合で仕込み、他方
のバレルにはポリエチレンテレフタレート(PET;I.V.=
0.62)を仕込んだ。両バレルを280℃に加熱して樹脂を
溶融し、T型ダイから積層フィルムを押出した。この積
層フィルムを、回転する冷却ロール(20℃)に巻きつけ
て冷却し固化させた。このフィルムを85℃に加熱して回
転速度の相異なる2組のニップロールの間でフィルム進
行方向に3.2倍に延伸した。得られた1軸延伸フィルム
をステンター方式横延伸機へ送り込み、95℃に加熱しな
がら上記と直交する方向に3.6倍延伸した。次いで、こ
のフィルムを弛緩させつつ220℃の熱風で処理し、巻き
取った。得られたフィルムにおいて、基材フィルム層
(PET層)の厚みは13μm、そして熱接着層(ポリエス
テルAおよびBを含有する層)の厚みは2μmであっ
た。
て、フィルムの長手方向に引っ張り、第1図に示すよう
な応力−ひずみ曲線を描き、F50およびF10を求める。
れた積層フィルム2枚を、その熱接着層同士が互いに接
触するように重ね、幅方向に20mm、そして長手方向に10
mmの長さにわたり100℃の温度,2kg重/cm2の圧力で2秒
間熱接着を行なった。このフィルムを、幅方向が15mmの
短冊状に切断して試験片を得、これを20℃、65%RHの雰
囲気下に24時間放置した。この試験片の一方のフィルム
の一端を固定し、他方のフィルムのそれに対向する端部
を、テンシロン(東洋ボルドウィン社製)を用いて200m
m/分の速度でフィルムの長さ方向に引張った。これによ
り、熱接着部分が完全に剥離するか、フィルムが破断し
た。この時、フィルムの剥離長に対してテンシロンにか
かる力をグラフ化し、その曲線下面積を求め、これをシ
ールエネルギー(g・cm/15mm)とした。
の測定において、熱接着部分の完全剥離または、フィル
ム破断時にテンシロンにかかった力を測定した。5回測
定を行い、その平均値をヒートシール強度(g/15mm)と
した。
熱接着層同士が接触するように重ね、100℃の温度、2kg
重/cm2の圧力で2秒間熱接着を行った。このフィルムを
手で剥し、このときのフィルムの状態を評価した。
例2〜9、および比較例1〜6の結果もあわせて下表に
示す。
フィルムの延伸条件を下表に示すように変更したこと以
外は実施例1と同様にして、ポリエステル系樹脂積層フ
ィルムを調製した。
テレフタレート95重量%と、共重合成分として分子量10
00のポリエチレングリコールエーテルを含有するポリエ
チレンテレフタレート共重合体5重量%との混合物を用
い、延伸条件を下表に示すように変更したこと以外は実
施例1と同様にして、ポリエステル系樹脂積層フィルム
を調製した。上記共重合体に含有されるポリエチレング
レコールエーテルは、全グリコール成分の12.3モル%で
あった。
してイソフタル酸を含有するポリエチレンテレフタレー
ト共重合体を用い、積層フィルムの延伸条件を下表に示
すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポ
リエステル系樹脂積層フィルムを調製した。上記共重合
体に含有されるイソフタル酸は、全ジカルボン酸成分の
5モル%であった。
ィルムの延伸条件を下表に示すように変更したこと以外
は実施例1と同様にして、ポリエステル系樹脂積層フィ
ルムを調製した。
こと以外は実施例7と同様にして、ポリエステル系積層
フィルムを調製した。
テレフタレートフィルムを調製し、基材フィルムとし
た。このフィルム上に、下表に示す組成のポリエステル
AおよびBの混合物を270℃の温度で溶融押出しして、
ポリエステル系樹脂積層フィルムを調製した。この積層
フィルムの熱接着層の厚さは2μmであった。
に、高いシールエネルギーを保持し、シール強度が高
く、開封性にも優れることがわかる。これに対して、積
層フィルムのF50/F10が1.2を上回る比較例1、4および
6の積層フィルムはシートエネルギーが低く、開封性に
欠ける。熱接着層がポリエステルAおよびBのうちのい
ずれか1種のみで構成される比較例2〜4の積層フィル
ムは、シール強度が低く、開封性も低下していた。比較
例5のように、ポリエステルAとBとの配合比率が、特
許請求の範囲から外れる場合は、シール強度が低い。
脂積層フィルムが得られる。このフィルムは特定の成分
を含有するポリエステルAおよびBを主成分とする熱接
着層を有するため、開封性および耐ブロッキングが共に
優れ、かつ熱接着部分はタフな性質を有する。このよう
な積層フィルムは、包装用フィルム,ガスバリヤーフィ
ルムなどの各種用途に好適に用いられる。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリエステル系樹脂からなる基材フィルム
と、該基材フィルムの少なくとも片面に設けられた熱接
着層とを有するポリエステル系樹脂積層フィルムであっ
て、 該積層フィルム、または該基材フィルムおよび熱接着層
の少なくとも一方の10%伸長時の応力に対する50%伸長
時の応力の比が1.2以下であり、 該熱接着層が、ポリエステルAおよびポリエステルBを
主成分とする樹脂組成物からなり、 該ポリエステルAが、次式(I)で示されるグリコール
成分の少なくとも1種を含み、該ポリエステルBが、次
式(II−a)で示されるジカルボン酸成分および次式
(II−b)で示されるグリコール成分のそれぞれ少なく
とも1種を含み、 該ポリエステルAおよびポリエステルBが、80:20〜50:
50の重量比で組成物中に含有される、 ポリエステル系樹脂積層フィルム: ここで、R1およびR2は、水素および炭素数1〜6のアル
キル基から選択され、その少なくとも一方は炭素数1〜
6のアルキル基であり、nおよびmは1〜6の整数であ
り、 HOOC−(CH2)p−COOH (II−a) ここで、pは4〜20の整数であり、 HO−(CH2)q−OH (II−b) ここで、qは4〜10の整数である。
Priority Applications (7)
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