JP2959674B2 - ポリエステル系樹脂積層フィルム - Google Patents

ポリエステル系樹脂積層フィルム

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JP2959674B2 JP9007061A JP706197A JP2959674B2 JP 2959674 B2 JP2959674 B2 JP 2959674B2 JP 9007061 A JP9007061 A JP 9007061A JP 706197 A JP706197 A JP 706197A JP 2959674 B2 JP2959674 B2 JP 2959674B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱接着性(ヒートシ
ール性)に優れ、包装用フィルムや各種工業用フィルム
として有用なポリエステル系樹脂積層フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂フィルム(以下、フ
ィルムはシートをも包含していう)は、機械的強度、耐
熱性、耐寒性、耐薬品性、絶縁性、寸法安定性などに優
れ、包装用フィルム、電気絶縁テープ、写真フィルム、
トレーシングフィルムなど各種用途に利用されている。
特に、食品をはじめ各種製品を包装するために熱接着性
を備えたポリエステル系樹脂フィルムが汎用されるよう
になった。しかし、ポリエチレンテレフタレートに代表
されるポリエステル系樹脂は一般に融点が高く、そのま
までは熱接着させることが難しいため、ポリエステル系
樹脂フィルム表面に融点のやや低い樹脂を用いた熱接着
層(シーラント層)をコーティング、共押出しなどによ
り形成することが行われている。このような積層フィル
ムは機械的強度にも優れる。熱接着層の素材には、基材
(ベース)フィルムであるポリエステルフィルムとの接
着性が良好であることが望ましいため、ポリエステルを
用いることが好ましい。しかし、熱接着層としてポリエ
ステルを用いると熱接着後のシール部分がタフな性質を
持たない。ここで「タフ(tough)である」とは, 強度
が充分であり、耐久性を有し, しかもしなやかでもろく
ない性質をさしていう。シール部分がタフでないと、例
えば、袋の入口を熱接着して閉じた場合に、この袋の口
を指でつまんで引張って開けようとするとシール部分が
きれいに剥離せずに途中で切れたり、シール部分が充分
に剥離しないまま袋の本体が好ましくない方向に裂ける
という欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するものであり、その目的とするところは、
熱接着性に優れ、接着後のシール部分がタフな性質を有
する(つまり高強度を有し、かつシール部分を剥離する
ときに応力が特定部分に集中してシール部分が中途で切
れたりせずに適度の力を加えることにより容易に剥離し
得る)熱接着性ポリエステル系樹脂積層フィルムを提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル系
樹脂積層フィルムは、ポリエステル系樹脂でなる基材フ
ィルムの少なくとも片面に、ポリエステルを主成分とす
る組成物でなる熱接着層が積層されたポリエステル系樹
脂積層フィルムであって、該熱接着層が共押出し法を含
む工程によって基材フィルム上に1μm〜4μmの厚さに
形成され、そして2枚の該ポリエステル系樹脂積層フィ
ルムの熱接着層同士を熱接着したときのシールエネルギ
ーが1080g・cm/15mm以上であり、このことにより上記課
題が解決される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル系樹脂積層
フィルムの基材フィルム(ベースフィルム)として用い
られるポリエステル系フィルムの基材は、特に限定され
ない。それには、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,4'
−ジカルボキシレート、およびこれらの構成成分を主成
分とする共重合体がある。基材フィルムにはこれらポリ
エステル系樹脂に加えて、各種添加剤が含有されていて
もよい。添加剤としては、帯電防止剤、滑剤、曇り防止
剤、可塑剤、安定剤、耐ブロッキング剤、着色剤などが
ある。
【0006】本発明の積層フィルムの熱接着層に用いら
れる樹脂組成物の主成分となる樹脂は次のような性質を
有することが望まれる: (a)基材であるポリエステル系フィルムと親和性を有
すること; (b)得られた積層フィルムを熱接着したときに、該熱
接着部分がタフな性質を保持し、熱接着部分の剥離を行
う際に特定部分への応力の集中を回避し得るような適度
の強伸度、弾性率および可撓性を有すること;そして、 (c)積層フィルムを調製することが容易であるよう
に、工業的に汎用の溶剤に可溶であること、または溶融
押出が容易であること。
【0007】本発明のフィルムの熱接着層に用いられる
樹脂組成物は、好ましくは、下記(I)式で示されるカ
ルボン酸成分を有するポリエステルA、下記(II)式
で示されるグリコール成分を有するポリエステルBおよ
び下記(III)式で示されるグリコール成分を有する
ポリエステルCを主成分とする: HOOC−(CH2n−COOH (I) ここで、nは4〜20の整数であり、
【0008】
【化1】
【0009】R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜
6のアルキルであり、 HO(CHOH
(III) ここで、mは4〜20の整数である。
【0010】ポリエステルAに含有される(I)式で示
されるジカルボン酸成分としては、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、ピメル酸、スベリン酸、ウンデカ
ン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシリン酸、テトラデ
カンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン
酸、ドコサンジカルボン酸などがあり、特にアジピン
酸、アゼライン酸およびセバチン酸が好適である。これ
ら(I)式で示されるカルボン酸成分は、ジカルボン酸
成分のなかに通常5モル%以上の割合で、好ましくは10
モル%以上の割合で含有される。
【0011】上記(I)式で示される化合物以外に他の
カルボン酸成分が含有されていてもよく、それには例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸があ
り、これら芳香族ジカルボン酸のうちの少なくとも1種
が含有されていることが好ましい。特に好適なのはテレ
フタル酸である。
【0012】ポリエステルAに含有されるグリコール成
分は、特に限定されないが、通常、エチレングリコール
が用いられる。エチレングリコール以外のグリコール成
分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどの脂肪族
ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂
環族ジオール、およびキシリレングリコール、ビスフェ
ノール系化合物のエチレンオキサイド付加物などの芳香
族ジオールが挙げられ、これらが少量成分として含有さ
れていてもよい。
【0013】ポリエステルBに含有されるジカルボン酸
成分は特に限定されないが、通常、テレフタル酸が用い
られる。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分として
は、例えばアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸など
の脂肪族2塩基酸;およびイソフタル酸、ジフェニルジ
カルボン酸、 5−第3級ブチルイソフタル酸、 2,2,6,6
−テトラメチルビフェニル−4,4−ジカルボン酸、 2,6
−ナフタレンジカルボン酸、 1,1,3−トリメチル−3−
フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸などの芳香族2
塩基酸が挙げられ、これらが少量成分として含有されて
いてもよい。
【0014】ポリエステルBに含有される(II)式で示
されるグリコール成分としては、次の化合物が挙げられ
る:ネオペンチルグリコール、 2−メチル−2−エチル
−1,3−プロパンジオール、 2−メチル−2−n−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−イソ
プロピル−1,3−プロパンジオール、 2−メチル−2
−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、 2 −メチル
−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、 2,2−
ジエチル−1,3 −プロパンジオール、 2−エチル−イソ
プロピル−1,3−プロパンジオール、 2 −エチル−n
−ヘプチル−1,3−プロパンジオール、 2−エチル−n
−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−
プロピル−1,3−プロパンジオール、 2−n−プロピル
−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、 2−n−
プロピル−2−n−ヘプチル−1,3−プロパンジオー
ル、 2−n−プロピル−2−n−ヘキシル−1,3−プロ
パンジオール、 2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパン
ジオール、2−n−ブチル−2−n−ヘキシル−1,3−
プロパンジオール、 2, 2−ジ−n−ヘプチル−1,3−
プロパンジオール、 2−n−ヘプチル−2−n−ヘキシ
ル−1,3−プロパンジオール、 2,2−ジ−n−ヘキシル
−1,3−プロパンジオール。これら(II)式で示される
グリコール成分は、ジカルボン酸成分のなかに、通常、
5モル%以上の割合で, 好ましくは10モル%以上の割合
で含有される。上記(II)式で示される化合物以外に他
のグリコール成分としては、通常、エチレングリコール
が含有される。少量成分として他のグリコール成分が含
有されていてもよく、それには例えば, ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキ
サンジオールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキ
サンジメタノールなどの脂環族ジオール;およびキシリ
レングリコール、ビスフェノール系化合物のエチレンオ
キサイド付加物などの芳香族ジオールが挙げられる。
【0015】ポリエステルCに含有されるジカルボン酸
成分は特に限定されない。通常、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、 2,6-ナフタレンジカルボン酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などが用いられ
る。ジカルボン酸成分の50モル%以上、好ましくは70モ
ル%以上が芳香族カルボン酸であることが好ましい。ポ
リエステルCに含有される(III)式で示されるグリコ
ール成分としては, ブタンジオール、ヘキサンジオール
などが挙げられる。これら(III)式で示されるグリコ
ール成分は、グリコール成分全体の中に、10モル%以
上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モル
%以上の割合で含有される。上記(III)式で示される
化合物以外の他のグリコール成分としては, エチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフュノール系化合物のエチレンオキサイド付加
物などが挙げられる。
【0016】上記ポリエステルA、BおよびCは、それ
ぞれポリエステルの製法として一般に採用されている方
法により調製され得る。例えば、ジカルボン酸成分とグ
リコール成分とを直接反応させて重縮合を行なう直接エ
ステル化法;あるいは、上記ジカルボン酸成分のジメチ
ルエステルとグリコール成分とを反応させてエステル交
換を行なうエステル交換法などにより調製される。調製
は、回分式および連続式のいずれの方法で行われてもよ
い。
【0017】このようにして調製されたポリエステル
A、BおよびCは、極限粘度〔25℃にてテトラクロロエ
タン−フェノール混合液(2:3v/v)中における極限粘
度(I.V.)〕がそれぞれ 0.5以上であることが望ましい。
極限粘度が0.5を下まわると、得られた積層フィルムを
熱接着した場合にシール部分のタフな性質および耐久性
がやや劣る。
【0018】上記ポリエステルAおよびポリエステルB
は, 本発明積層フィルムの熱接着層を形成する組成物中
に10:90〜90:10、好ましくは50:50〜90:10の重量比
で含有される。さらに、上記ポリエステルAおよびポリ
エステルBの総重量と該ポリエステルCとの重量比が9
8:2 〜60:40、好ましくは95:5 〜80:20となるよう
な割合で、ポリエステルCが組成物中に含有される。ポ
リエステルAが過少であると、得られた積層フィルムを
熱接着した場合にシール部分にタフな性質が付与されな
い。ポリエステルBが過少であると、粘着性が大きくな
り、積層フィルムを押出しなどの方法により調製するの
が困難となり、得られた積層フィルムを巻き取るとブロ
ッキングが起こりやすくなる。ポリエステルCが過少で
あっても過剰であっても、上記シール部分のタフな性質
が不充分である。
【0019】上記ポリエステルA、BおよびCを主成分
とする組成物には、これらポリエステルA、BおよびC
の性質を変化させない範囲内において、他のポリエステ
ル系樹脂が含有されていてもよい。このような組成物で
なる熱接着層を基材フィルム上に形成するために、ポリ
エステルA、B、Cおよび必要に応じて他のポリエステ
ルが混合される。混合方法は特に限定されないが、例え
ば次の方法が挙げられる:(1)ポリエステルA、Bおよ
びCをそれぞれ適当な溶剤に溶解し、これらを混合す
る、もしくはポリエステルA、BおよびCのチップ(ペ
レット)を混合し、これを適当な溶剤に溶解させる;
(2)ポリエステルA、BおよびCを押出機で溶融・混合
し、ストランド状またはシート状に押出したものを切断
してチップ状に成形する;(3)ポリエステルA、Bもし
くはCを合成したときにその溶融物を含む重合容器に、
他のポリエステルを(例えばチップ状で)加えて混合
し、ストランド状またはシート状に押出したものを切断
してチップ状に成形する。このようなポリエステルA、
BおよびCを主成分とするポリエステルの混合物には、
さらに必要に応じて各種添加剤が添加される。添加剤と
しては、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ガスバリアー剤、
安定剤、着色剤、可塑剤、ブロッキング剤、導電性付与
剤などがある。
【0020】本発明の積層フィルムは、上記基材フィル
ムの少なくとも片面に上記組成物でなる熱接着層が積層
されて形成される。例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)など、基材フィルムを構成すべき樹脂と、
上記樹脂組成物とを、それぞれ別の押出バレルに仕込
み、ひとつの口金から共押出しにより積層フィルムを調
製する。これを必要に応じて一軸もしくは二軸延伸す
る。上記積層フィルムの調製において、使用される基材
フィルム(未延伸、一軸もしくは二軸延伸)の厚みは、
通常10〜200μmであり、特に包装用のフィルムと
して利用される場合には、5〜30μmが好適である。
得られる積層フィルムの樹脂組成物の厚みは、該フィル
ムの用途により異なるが、1〜4μmである。
【0021】本発明の積層フィルムは、熱接着により包
装などの用途に使用される。例えば2枚の本発明フィル
ムの熱接着層と基材フィルム層とが密着するように、あ
るいは熱接着層同士が密着するように, 積層し、上下か
ら加熱ダイにより圧縮することにより熱接着が行なわれ
る。フィルムの熱接着層は, 上記のように特定の組成物
で構成されるため、比較的低融点であり、容易に熱接着
が行なわれる。さらに、熱接着層と基材フィルムとの接
着性も良好であり、接着部分はタフな性質を有する。そ
のため, この接着部分を再び剥離するときには, 適度の
力を加えることにより剥離が可能であり, 応力が特定部
分に集中してシール部分がきれいに剥離せずに途中で切
れたり, シール部分が充分に剥離しないままフィルムが
望まない方向に裂けて破損することがない。基材フィル
ムが一軸もしくは二軸延伸されている積層フィルムは、
特に、熱による収縮を利用した収縮包装などの用途に好
適に用いられる。本発明の積層フィルムは基材フィルム
および積層されるべき樹脂組成物層のいずれもが本質的
にポリエステルでなるため、該積層フィルムの製造工程
で発生する屑、不良品もしくは使用済のフィルムを回収
して、再び原料(特に基材フィルムの)として利用する
ことが可能である。これに対して、ポリエステルベース
フィルムにポリエチレンを積層したような積層フィルム
では、このような再生利用ができない。本発明の積層フ
ィルムは、熱接着性フィルムとしての用途以外に, 例え
ば、金属などを蒸着させてガスバリヤーフィルムとして
利用すること;印刷、印字、染色用などのフィルムとし
て利用することも可能であり、さらに他のフィルムとラ
ミネートして利用することもできる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例について述べる。
【0023】(実施例1) (A) 積層フィルムの調製:ポリエステルA、BおよびC
としてそれぞれ下表に示す組成のポリエステルのチップ
を準備した。(下表においてポリエステルの組成はモル
%を、そして、ポリエステルA、BおよびCのブレンド
率は重量比を示す。I.V.は極限粘度を示す。TPAはテレ
フタル酸、SAはセバチン酸、AAはアジピン酸、EGはエチ
レングリコール、NPGはネオペンチルグリコール、DEP
は、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、IPAはイソフ
タル酸、BDはブタンジオール、そしてHDはヘキサンジオ
ールを示す)。2機の押出しバレルを1個のT型ダイに
接続し、そのうちの1機には上記ポリエステルA、Bお
よびCを下表に示す割合で仕込み、他方のバレルにはポ
リエチレンテレフタレート(PET;I.V.=0.62)を仕込ん
だ。両バレルを280℃として樹脂を溶融し、T型ダイか
ら積層シートを押出した。この積層シートを、回転する
冷却ロール(20℃)に巻きつけて冷却し固化させた。こ
のシートの厚みは約160μmであり, PET層(基材シート
層)の厚みは110μm 、そして熱接着層(ポリエステル
A、BおよびCを含有する層)の厚みは50μm であっ
た。このシートを85℃に加熱して回転速度の相異なる2
組のニップロールの間でシート進行方向に 3.4倍に延伸
した。得られた一軸延伸フィルムをステンター方式横延
伸機へ送り込み、95℃に加熱しながら上記と直交する方
向に3.6倍延伸した。次いで、このフィルムをやや弛緩
させつつ 210℃の熱風で処理し、巻きとった。その結
果、最終的に得られた積層フィルムの厚みは約13μm
であり、そのうちPET層の厚みは約9μmであり、そし
て熱接着層の厚みは、約4μmであった。
【0024】(B) ヒートシール性評価 1)ヒートシールエネルギーの測定:(A) 項で得られた積
層フィルム2枚の熱接着層同士が接触するように重ね、
幅方向に20mm、そして長手方向に10mmの長さにわたり10
0℃の温度でヒートシールを行なった。このフィルム
を、幅方向が15mmの短冊状に切断して試験片を得、これ
を20℃、65%RHの雰囲気下に24時間放置した。この試験
片の一方のフィルムの一端を固定し, 他方のフィルムの
それに対向する端部を, テンシロンを用いて200mm/分
の速度でフィルムの長さ方向に引張った。これにより、
ヒートシール部分の一部が剥離し、かつフィルムの破断
が起こった。フィルム破断までに剥離した面積をシール
エネルギー(g・cm/15mm)とした。
【0025】2)ヒートシール強度:上記ヒートシールエ
ネルギーの測定において、フィルム破断時にテンシロン
にかかった力を測定した。5回測定を行ない、その平均
値をヒートシール強度(g/15mm)とした。
【0026】得られた積層フィルムの熱接着層の作製条
件を以下の表1に示し、上記1)および2)の試験の評価結
果を以下の表2に示す。
【0027】(実施例2〜8)ポリエステルAの組成、
ポリエステルBの組成、ポリエステルCの組成および/
またはブレンド率を下表に示すように変更したこと以外
は実施例1と同様である。
【0028】得られた積層フィルムの熱接着層の作製条
件を以下の表1に示し、上記1)および2)の試験の評価結
果を以下の表2に示す。
【0029】(比較例1〜) ポリエステルA、BおよびCのうちのいずれか1種もし
くは2種のみからなる熱接着層とPET層とでなる積層
フィルムを実施例1に準じて調製し、その評価を行なっ
た。
【0030】得られた積層フィルムの熱接着層の作製条
件を以下の表1に示し、上記1)および2)の試験の評価結
果を以下の表2に示す。
【0031】(比較例) ポリエステルA、BおよびCのブレンド率を下表に示す
ように変更したこと以外は実施例1と同様である。
【0032】得られた積層フィルムの熱接着層の作製条
件を以下の表1に示し、上記1)および2)の試験の評価結
果を以下の表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1および2から、本発明の積層フィルム
はヒートシールを行なった際に高シールエネルギーを保
持し、シール強度が高いことがわかる
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、このように、熱接着性
に優れたポリエステル系樹脂積層フィルムが得られる。
このフィルムは、該熱接着層が共押出し法を含む工程に
よって基材フィルム上に1μm〜4μmの厚さに形成さ
れ、そして2枚の該ポリエステル系樹脂積層フィルムの
熱接着層同士を熱接着したときのシールエネルギーが10
80g・cm/15mm以上である。従って、このフィルムは、熱
接着が容易で、かつ熱接着部分はタフな性質を有する。
このような積層フィルムは、包装用フィルム, ガスバリ
ヤーフィルムなど各種用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 47/00 - 47/96

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂でなる基材フィルム
    の少なくとも片面に、ポリエステルを主成分とする組成
    物でなる熱接着層が積層されたポリエステル系樹脂積層
    フィルムであって、 該熱接着層が共押出し法を含む工程によって基材フィル
    ム上に1μm〜4μmの厚さに形成され、そして2枚の該
    ポリエステル系樹脂積層フィルムの熱接着層同士を熱接
    着したときのシールエネルギーが1080g・cm/15mm以上で
    ある、 ポリエステル系樹脂積層フィルム。
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