JP2003137337A - 包装用ポリエステルフィルム - Google Patents

包装用ポリエステルフィルム

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JP2003137337A
JP2003137337A JP2001334435A JP2001334435A JP2003137337A JP 2003137337 A JP2003137337 A JP 2003137337A JP 2001334435 A JP2001334435 A JP 2001334435A JP 2001334435 A JP2001334435 A JP 2001334435A JP 2003137337 A JP2003137337 A JP 2003137337A
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polyester
mol
resin
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JP2001334435A
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Shunsuke Okuyama
俊介 奥山
Koji Kubo
耕司 久保
Koji Furuya
幸治 古谷
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Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オリゴマー封止性、Al接着性、耐ブロッキ
ング性、耐削れ性及び回収性に優れた、ガスバリア性を
必要とする包装用材料に有用なポリエステルフィルムを
提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
の表面に、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物である架橋剤(A)と、ポリエステル樹脂
(B−1)、アクリル樹脂(B−2)、アクリル変性ポ
リエステル樹脂(B−3)から成る群から選ばれる少な
くとも1種のバインダー樹脂(B)を固形成分として含
有し、固形成分中の架橋剤(A)とバインダー樹脂
(B)が重量比で0.5〜30:70〜99.5の範囲
である塗液を塗布し、乾燥、延伸してつくられた塗膜が
設けられていることを特徴とする包装用ポリエステルフ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装用ポリエステル
フィルムに関する。更に詳しくはオリゴマー封止性、ア
ルミニウム接着性、耐ブロッキング性、耐削れ性及び回
収性に優れた、ガスバリア性を必要とする包装用材料に
有用なポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートフィルムは、その機械強度、熱寸法安
定性等の利点から、多くの軟包装用フィルムの構成体と
して用いられている。その中で、食品や薬品は、酸素や
水蒸気によって腐敗や変質が促進されるため、長期保管
するためには外気からの酸素や水蒸気の侵入を遮断する
効果を持った、いわゆるガスバリア性に優れた材料で包
装を行う必要がある。ガスバリア性に優れたフィルムと
してポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共
重合体を積層したものが知られており、また、金属酸化
物を高分子フィルム基材上に形成したものが知られてい
る。例えば、酸化アルミニウムをポリエステルフィルム
上に形成したものが特公昭62−179935号公報に
より知られている。
【0003】しかし、ポリ塩化ビニリデンやエチレンビ
ニルアルコール共重合体を積層したものでは耐熱性が乏
しく、レトルト処理などの高温湿熱処理によりガスバリ
ア性が劣化する欠点を有する。更に、ポリ塩化ビニリデ
ンは焼却時に塩素ガスの発生があり、地球環境への影響
が懸念されている。
【0004】また、金属酸化物をポリエステルフィルム
上に形成する場合、熱処理によって表面に析出する低分
子化合物やオリゴマーを低減するとガスバリア性が良好
になることが特開2000−108285号公報により
知られている。
【0005】しかしながら、基材としてポリエステルフ
ィルムを用いた場合、一般的にポリエステルフィルムは
金属酸化物との接着性に乏しく、界面における剥離を生
じ、ガスバリア性が劣化する欠点を有する。また、製品
とならない屑フィルム(例えば製品から切断除去したフ
ィルム端部等)を回収し、フィルム製造用の再生材料と
して使用すると、溶融製膜の際に再生材料中に含まれる
塗膜成分が熱劣化し、得られたフィルムが著しく着色し
てしまい、実用性に欠ける(回収性が劣る)ものとなる
等の問題がある。更に、フィルム同士が剥離し難い(ブ
ロッキング)欠点や塗膜が剥がれやすい欠点等があり、
その解決が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、オリゴマー封止性、アル
ミニウム接着性、耐ブロッキング性、耐削れ性、回収性
に優れたポリエステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、本発明
によれば、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表
面に、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物である架橋剤(A)と、ポリエステル樹脂(B−
1)、アクリル樹脂(B−2)、アクリル変性ポリエス
テル樹脂(B−3)から成る群から選ばれる少なくとも
1種のバインダー樹脂(B)を固形成分として含有し、
固形成分中の架橋剤(A)とバインダー樹脂(B)との
重量割合が下記式(I)の範囲である塗液を塗布し、乾
燥、延伸してつくられた塗膜が設けられていることを特
徴とする包装用ポリエステルフィルムにより達成され
る。
【0008】
【数2】 0.5/99.5≦(A)/(B)≦30/70・・・(I) (式(I)で、(A)は塗液成分中の架橋剤(A)の重
量割合(%)、(B)は塗液成分中のバインダー(B)
の重量割合(%)を表わす。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においてポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルは、ジカルボン酸成分とグリコール成分と
からなる線状飽和ポリエステルである。このジカルボン
酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバ
シン酸、ドデカンジカルボン酸等を例示することができ
る。これらのジカルボン酸成分のうち、フィルムの機械
的性質の点からテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸が特に好ましい。
【0010】グリコール成分としてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール
などを例示しうる。これらのグリコール成分のうち、フ
ィルムの剛直性の点からエチレングリコールが特に好ま
しい。
【0011】本発明におけるポリエステルは、ポリエチ
レンテレフタレート或いはポリエチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレートの単独重合体が特に好ましい
が、第3成分として上記ジカルボン酸成分あるいはグリ
コール成分を共重合したコポリエステルであってもよ
く、三官能以上の多価カルボン酸成分あるいはポリオー
ル成分を、得られるポリエステルが実質的に線状となる
範囲(例えば5モル%以下)で少量共重合したポリエス
テルであってもよい。
【0012】かかるポリエステルは常法により作ること
ができ、ポリエステルの固有粘度(オルトクロロフェノ
ール中、35℃)が0.45dl/g以上であるとフィ
ルムの剛性が高いなどの機械的特性が良好となるため好
ましい。
【0013】本発明のフィルムに用いるポリエステルの
重縮合金属触媒残渣は150ppm未満、かつアンチモ
ンの量が全酸成分1mol当たり10mmol%以下で
あると、フィルムの透明性が高くなり好ましい。
【0014】本発明においてポリエステルフィルムは二
軸延伸フィルムであることが好ましく、その厚さは1μ
m以上、好ましくは5〜500μm、特に好ましくは9
〜350μmである。この厚さが1μm以下ではフィル
ムを製膜する際に切断が多発して好ましくない。また、
500μm以上となるとフィルムに腰がありすぎ(剛性
が強すぎ)、製膜性が劣る傾向が見られる。前記ポリエ
ステルフィルムは単相構造であっても、共押出法等によ
る2層以上の多層構造であってもよい。
【0015】本発明において、上記ポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に設ける塗膜は、固形成分として2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物である架橋
剤(A)とポリエステル樹脂(B−1)、アクリル樹脂
(B−2)、アクリル−ポリエステル樹脂(B−3)か
らなる群から選ばれた少なくとも1種のバインダー樹脂
(B)を含有し、架橋剤(A)とバインダー樹脂(B)
が重量比で0.5〜30:70〜99.5である塗液を
塗布し、乾燥、延伸して設けられる。
【0016】塗膜中の固形成分は、架橋剤(A)とバイ
ンダー樹脂(B)のみであっても良いが、架橋剤(A)
とバインダー樹脂(B)が重量比で0.5〜30:70
〜99.5の範囲であれば固形成分中50重量%を超え
ない範囲で例えば界面活性剤等その他の成分が存在して
もよい。
【0017】本発明において、分子内に2個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ化合物である架橋剤(A)とし
ては、例えば下記の式(1)から式(14)で示される
構造の化合物、およびビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとの付加縮合物の水溶性もしくは水分散性エポキ
シ化合物を例示することができる。特に下記式(1)の
架橋剤を用いるとオリゴマー封止性が良好となり好まし
い。
【0018】
【化2】 (ただし、式(1)中のnは1〜13の数)
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】 (式(6)でpは1〜13の数である。)
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】 (但し、式(13)でmは1〜13の数である。)
【0031】
【化15】
【0032】本発明における塗膜(以下、『オリゴマー
封止性塗膜』ということがある)を形成させる塗液に
は、塗膜とポリエステルフィルムとの接着をより強固な
ものとするために、バインダー樹脂(B)が含まれてい
ることが必要である。
【0033】このバインダー樹脂としてはポリエステル
樹脂(B−1)、アクリル樹脂(B−2)、アクリル−
ポリエステル樹脂(B−3)から選ばれる少なくとも1
種類以上の樹脂である。
【0034】本発明においてポリエステル樹脂(B−
1)は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを構成成
分とする線状ポリエステルである。このジカルボン酸成
分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニ
ルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、フェニルインダンジカル
ボン酸、ダイマー酸等を例示することができる。これら
の成分は二種以上を用いることができる。更に、これら
の成分とともにマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の
如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−
(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロキ
シカルボン酸を少割合用いることができる。不飽和多塩
基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は高々10
モル%、好ましくは5モル%以下である。
【0035】また、グリコール成分としては、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロー
ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ポリ(エチレンオキシ)グリコール、ポリ(テトラ
メチレンオキシ)グリコール、ビスフェノールAのアル
キレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのアル
キレンオキサイド付加物などを例示することができる。
これらは二種以上を用いることができる。
【0036】かかるグリコール成分の中でもエチレング
リコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物やポリプロピレンオキサイド付加物、1,4−ブタン
ジオールが好ましく、更に好ましくは、エチレングリコ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物や
プロピレンオキサイド付加物である。
【0037】また、ポリエステル樹脂(B−1)には、
水性液化を容易にするために、若干量のスルホン酸塩基
を有する化合物やカルボン酸塩基を有する化合物を共重
合させることが可能であり、その方が好ましい。
【0038】このスルホン酸塩基を有する化合物として
は、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモニ
ウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル
酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−
Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、
4−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホイソフタル
酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩
系またはスルホン酸アミン塩系化合物等が好ましく例示
することができる。
【0039】また、カルボン酸塩基を有する化合物とし
ては、例えば無水トリメリット酸、トリメリット酸、無
水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シ
クロブタンテトラカルボン酸、ジメチロールプロピオン
酸等、あるいはこれらのモノアルカリ金属塩等が例示で
きる。なお、遊離カルボキシル基は共重合後にアルカリ
金属化合物やアミン化合物を作用させてカルボン酸塩基
とする。
【0040】本発明においてアクリル樹脂(B−2)
は、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸
アンモニウム、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メ
タクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ソーダ、メタク
リル酸アンモニウム、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド等を例示する
ことができる。これらのモノマーは、例えばスチレン、
酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベ
ンゼン、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸
ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ等の他の不飽和単量
体と併用することもできる。
【0041】本発明においてアクリル−ポリエステル樹
脂(B−3)は、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリ
エステル変性アクリル樹脂を包含する意味で用いられて
おり、前記ポリエステル樹脂(B−1)成分と前記アク
リル樹脂(B−2)成分とが互いに結合したものであ
る。この結合は、例えばグラフトタイプ、ブロックタイ
プを包含する。かかるアクリル−ポリエステル樹脂(B
−3)は、例えばポリエステル樹脂成分の両端にラジカ
ル開始剤を付加してアクリル単量体の重合を行わせた
り、ポリエステル樹脂成分の側鎖にラジカル開始剤を付
加してアクリル単量体の重合を行わせたり、あるいはア
クリル樹脂成分の側鎖に水酸基を付け、末端にイソシア
ネート基やカルボキシル基を有するポリエステル樹脂成
分と反応させる等によって製造することができる。
【0042】前記アクリル−ポリエステル樹脂(B−
3)のポリエステル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル
比は1/9以上5/5以下が好ましく、より好ましくは
2/8以上4/6以下である。この比が1/9未満であ
ると、塗膜のポリエステルフィルムとの密着性が不足
し、5/5を超えると塗膜の耐削れ性、オリゴマー封止
性が劣る。
【0043】アクリル−ポリエステル樹脂(B−3)を
構成するアクリル樹脂成分は、アルキルメタクリレート
成分50モル%以上95モル%以下、エポキシ基含有ア
クリル系モノマー成分3モル%以上30モル%以下およ
びアルキルアクリレート成分3モル%以上30モル%以
下からなる成分を主成分とすることが好ましい。
【0044】前記アクリルメタクリレート成分の割合は
50モル%以上95モル%以下が好ましく、より好まし
くは60モル%以上90モル%以下である。この割合が
50モル%に満たないと、アクリル−ポリエステル樹脂
の重合が難しくなる。一方、96モル%を超えると、エ
ポキシ基含有アクリル系モノマー成分、アルキルアクリ
レート成分の割合が減少し、削れ性や平坦性が悪化す
る。
【0045】本発明におけるオリゴマー封止性塗膜を形
成させる塗液には、塗膜とポリエステルフィルムとの接
着性を調節するため、上記以外のバインダー樹脂を配合
することができる。かかる樹脂としては、例えばポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂(架橋剤(A)を除く)、ビ
ニル樹脂、ポリエーテル樹脂、水溶性樹脂等を挙げるこ
とができる。尚、塗膜成分には架橋剤(A)以外に、イ
ソシアネート基、オキサゾリン基、アジリジン基などを
含む架橋性化合物を加えることもできる。
【0046】本発明におけるオリゴマー封止性塗膜を形
成させる塗液には、塗液、特に水性塗液の安定性を向上
させ、塗液をポリエステルフィルムに塗布する際の濡れ
性を向上させるため、界面活性剤(C)を配合すること
ができる。界面活性剤(C)としては、例えばアルキレ
ンオキサイド単独重合体、アルキレンオキサイド共重合
体、脂肪族アルコール・アルキレンオキサイド付加物、
多価アルコール脂肪酸エステル、長鎖脂肪族アミドアル
コール等のノニオン系界面活性剤、4級アンモニウム塩
を有する化合物、アルキルピリジニウム塩を有する化合
物、スルホン酸塩を有する化合物などのカチオン系また
はアニオン系界面活性剤などを例示することができ、特
にノニオン系界面活性剤が好ましい。
【0047】本発明におけるオリゴマー封止性塗膜を形
成させる塗液には2種類以上の架橋剤(A)を配合する
ことができる。
【0048】本発明のオリゴマー封止性塗膜は、前述の
架橋剤(A)及びバインダー樹脂(B)を含む塗液を塗
布することにより形成されるが、更に界面活性剤(C)
及び/又は2種類以上の架橋剤(A)(例えば、架橋剤
(A−1)、架橋剤(A−2))を含む塗液であること
が好ましい。塗液に含まれる架橋剤(A)の割合は、オ
リゴマー封止性を良好なものにするために固形成分中
0.5〜30重量%であることが好ましい。また、バイ
ンダー樹脂(B)の割合は、塗膜とポリエステルフィル
ムとの接着性をより強固なものとする為に固形成分中7
0〜99.5重量%であることが好ましい。
【0049】本発明におけるオリゴマー封止性塗膜の特
に好ましい態様としては、以下を例示することができ
る。すなわち、オリゴマー封止性塗膜を形成させる塗液
の特に好ましい固形分組成としては、架橋剤(A)0.
5〜30重量%、バインダー樹脂(B)70〜99.5
重量%、界面活性剤(C)1〜15重量%であって、架
橋剤(A−1)が前述の式(1)で示される構造(ただ
し、式(1)中のnは1〜13の数を示す)の化合物、
架橋剤(A−2)が例えばポリグリシジル化合物(1〜
15重量%)であり、バインダー樹脂(B)がアクリル
−ポリエステル樹脂(B−3)であって、ポリエステル
樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル比が1/9以上5/
5以下であり、該アクリル樹脂成分がアルキルメタクリ
レート成分50モル%以上95モル%以下、エポキシ含
有アクリル系モノマー成分3モル%以上30モル%以下
及びアルキルアクリレート成分3モル%以上30モル%
以下からなる成分を主成分としたアクリル変性ポリエス
テル、界面活性剤(C)がアルキレンオキサイド共重合
体の如きノニオン系界面活性剤である。
【0050】架橋剤(A)が0.5〜30重量%の範囲
であるとオリゴマー封止性が良好であり、バインダー樹
脂(B)が70〜99.5重量%の範囲であるとオリゴ
マー封止性および塗膜とポリエステルフィルムの接着性
が良好であり、界面活性剤(C)が1〜15重量%の範
囲であると塗膜とポリエステルフィルムの接着性および
オリゴマー封止性フィルムの耐ブロッキング性が良好で
あり、架橋剤(A−2)が1〜15重量%の範囲である
と、架橋剤(A−1)を単独で用いた場合と比べて更に
オリゴマー封止性が良好なものとなる。
【0051】本発明における塗液の固形分濃度は0.5
〜30重量%であることが好ましい。この固形分濃度が
0.5重量%未満であると、ポリエステルフィルムへの
濡れ性が不足し、また30重量%を超えると塗布外観が
悪化する傾向がある。
【0052】本発明において、前述の各成分を含む塗液
はポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布する
が、該ポリエステルフィルムとしては配向結晶が完了す
る前のポリエステルフィルムが好ましい。配向結晶が完
了する前のポリエステルフィルムとしては、ポリエステ
ルを熱溶融してそのままフィルム状と成した未延伸状フ
ィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向のいずれ
か一方に配向せしめた一軸延伸フィルム、縦方向および
横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的
に縦方向および横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完
了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を例示することが
できる。
【0053】ポリエステルフィルムへの塗液の塗布方法
としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロ
ールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコ
ート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプ
レーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカ
ーテンコート法等を単独または組み合わせて適用すると
良い。なお、水性塗液を用いる場合には、塗液の安定性
を助ける目的で若干量の有機溶剤を含ませてもよい。
【0054】塗布量は走行しているフィルム1m2 あた
り0.5〜50gが好ましく、更に好ましくは5〜30
gである。最終乾燥塗膜の厚さとしては、0.02〜1
μmが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.8μm
である。塗膜の厚さが0.02μm未満であると、オリ
ゴマー封止性が不十分となり、他方1μmを超えると、
耐ブロッキング性が低下する傾向がある。塗布は、フィ
ルムの用途に応じて片面のみに行うことも両面に行うこ
ともできる。塗布後、乾燥することにより均一な塗膜と
なる。
【0055】本発明においては、ポリエステルフィルム
に塗液を塗布した後、乾燥、好ましくは延伸処理を行う
ことが好ましいが、乾燥は90〜130℃で2〜20秒
間行うのが好ましい。乾燥は延伸処理の余熱処理ないし
延伸時の加熱処理を兼ねる事ができる。ポリエステルフ
ィルムの延伸処理は、温度70〜140℃で縦方向に
2.5〜7倍、横方向に2.5〜7倍、面積倍率で8倍
以上、更には9〜28倍延伸するのが好ましい。再延伸
する場合には、1.05〜3倍の倍率で延伸するのが好
ましい(但し、面積倍率は前記と同じ)。延伸後の熱固
定処理は、最終延伸温度より高く融点以下の温度で1〜
30秒行うのが好ましい。例えばポリエチレンテレフタ
レートフィルムでは170〜240℃で2〜30秒熱固
定するのが好ましい。
【0056】かくして得られたオリゴマー封止性塗膜を
塗設したポリエステルフィルムは、オリゴマー封止性、
Al接着性、耐ブロッキング性、耐削れ性、回収性に優
れたものであり、特に包装材料用フィルムとして極めて
有用である。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。本発明における評価は次に示す方法で行った。
【0058】1.オリゴマー封止性 150mm×100mmに切断したサンプルフィルムを
乾燥機で150℃において1hr加熱処理を行った後、
サンプルフィルムの表面に指などが触れないように十分
注意して静置することで室温まで冷却した。得られたサ
ンプルフィルムの表面を顕微鏡(反射、倍率:50倍、
200倍)で観測し、オリゴマー封止性を下記の基準で
評価した。 ランクA: オリゴマーの発生が無い (オリゴマ
ー封止性良好) ランクB: オリゴマーがやや発生する (オリゴマ
ー封止性やや良好) ランクC: 多量のオリゴマーが発生する (オリゴマ
ー封止性不良)
【0059】2.アルミニウム接着性 250mm×150mmに切断したサンプルフィルムの
塗膜塗設面にアルミニウム(以下『Al』と略記する)
蒸着を行う。次に、Al蒸着面にエポキシ系接着剤を塗
り、その上に厚み50μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムを張り合わせ、温度80℃、速度60m/m
in、ニップ圧3.0barの条件でラミネートする。
得られたラミネートサンプルを60℃において48hr
sエージングした後、エポキシ系接着剤によって張り合
わせたフィルムを剥離し、サンプルフィルム側に残った
Alの量を観測することで下記の基準で評価した。ラン
クA:サンプルフィルム側にAlが大部分残っている
(Al接着性良好)ランクB:サンプルフィルム側にA
lが約半分残っている(Al接着性やや良好)ランク
C:サンプルフィルム側にAlが殆んど残っていない
(Al接着性不良)
【0060】3.耐ブロッキング性 50mm幅に切断したサンプルフィルムの塗膜塗設面と
非塗設面とを重ねあわせ、1.0kg/cm2 の荷重
下、60℃×80%RHにて17時間処理した後、塗設
面と非塗設面との剥離力を測定し、耐ブロッキング性を
下記の基準で評価した。 ランクA: 剥離力≦10g (耐ブロッキン
グ性良好) ランクB: 10g<剥離力≦30g (耐ブロッキン
グ性やや不良) ランクC: 30g<剥離力 (耐ブロッキン
グ性不良)
【0061】4.耐削れ性 20mm幅に切断したフィルムサンプルを用い、フィル
ムの塗膜塗設面を直径10mmの円柱状ステンレス製固
定バーに当てて200gの荷重を加えた状態で80m走
行させた後、バーに付着した塗膜の白粉を観察し、耐削
れ性を下記の基準で評価した。 ランクA: バーに白粉の付着が無い (耐削れ性
良好) ランクB: バーに白粉がやや付着する (耐削れ性
やや良好) ランクC: バーに白粉が多量に付着する (耐削れ性
不良)
【0062】5.再生フィルムの着色度(回収性) 塗膜を設けないフィルムを粉砕し、押し出し機にて約3
00℃で溶融しチップ化した。次いで、得られたチップ
を溶融製膜し、ブランクフィルムを作成した。このフィ
ルムの着色度をブランクとした。一方、塗膜を設けたサ
ンプルフィルムを粉砕し、押し出し機にて約300℃で
溶融しチップ化した。続いて、得られたチップを溶融製
膜して、再生フィルムを作成した。このフィルムの着色
度を下記の基準により評価した。 ランクA: 着色度がブランクフィルム並 ランクB: フィルムがやや着色している ランクC: フィルムの着色度が大で実用性に欠ける
【0063】6.ガラス転移温度 サンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封
入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000
型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で3
00℃まで昇温させ、300℃で5分間保持した後取出
し、直ちに氷の上に移して急冷する。このパンを再度示
差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温
させてガラス転移温度(Tg:℃)を測定する。
【0064】7.固有粘度 固有粘度(dl/g)は、35℃のオルソクロロフェノ
ール溶液で測定する。
【0065】[実施例1]ジメチルテレフタレートとエ
チレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マ
ンガンを、重合触媒として酸化ゲルマニウムを、安定剤
として亜燐酸を、更に滑剤として凝集粒子である平均粒
径0.9μmの多孔質シリカ粒子をポリマーに対して2
0ppmになるように添加して常法により重合し、固有
粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65dl
/gのポリエチレンテレフタレート(Tg:78℃)を
得た。このポリエチレンテレフタレートのペレットを1
70℃で3時間乾燥後、押出機にて溶融温度295℃で
溶融し、不織布型フィルターで濾過し、スリット状ダイ
から表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、未延
伸フィルムを得た。続いて、この未延伸フィルムを75
℃に予熱し、低速ローラーと高速ローラーの間で加熱し
て縦方向に3.6倍延伸し、急冷した後、下記固形分組
成の1.5重量%水性塗液を上記フィルムの片面にロー
ルコーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)1.5重量%:下記式(15)
で示される化合物。
【0066】
【化16】
【0067】(II)アクリル−ポリエステル樹脂(B−
3−1)(ポリエステル成分とアクリル成分の比が1:
9であるグラフト共重合体)85重量%:幹ポリマーと
してのポリエステル成分が、テレフタル酸(70モル
%)/イソフタル酸(18モル%)/5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸(12モル%)/エチレングリコール
(92モル%)/ジエチレングリコール(8モル%)か
ら成り、枝ポリマーとしてのアクリル成分が、メチルメ
タクリレート(80モル%)/グリシジルメタクリレー
ト(15モル%)/n−ブチルアクリレート(5モル
%)から成り、ポリエステル成分とアクリル成分の比が
1:9であるグラフト共重合体。
【0068】特開平06−116487号公報の実施例
1に記載の方法に準じて、テレフタル酸ジメチル163
部、イソフタル酸ジメチル42部、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸ジメチル43部、エチレングリコール1
44部、ジエチレングリコール8部を反応器に仕込み、
これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素
雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、
生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行
った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇さ
せ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、共
重合ポリエステル(平均分子量4000)を得た。
【0069】次いで、特開昭62−267310号公報
の実施例1に記載の方法に準じて、この共重合ポリエス
テル30部をテトラヒドロフラン120部に溶解し、得
られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水17
0部を滴下して分散体を得た。次いでこの分散体を20
mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去
した。かくして固形分濃度15wt%のポリエステル水
分散体を得た。
【0070】更に、このポリエステル水分散体(固形分
濃度15%)608部を撹拌しつつ、重合開始剤乳化液
(過酸化ベンゾイル2部、ベンジルクロライド15部、
ポリオキシエチレングリコールリン酸エステル3.5
部、イオン交換水35.5部)を加え、20分間、バブ
リングによる窒素パージを行った。
【0071】その後、徐々に昇温させ、70℃になった
らビニルモノマー混合物(メタクリル酸メチル648
部、グリシジルメタクリレート122部、n−ブチルア
クリレート52部)を、液温を70〜85℃に保ちつつ
60分間で滴下した。滴下終了後も80〜85℃で90
分間保持しつつ、反応を継続させる。25℃まで撹拌を
続けながら冷却し、ポリエステル成分とアクリル成分の
比が1:9である上記グラフト共重合体の水分散体を得
た。 (III)界面活性剤(C)7.5重量%:ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(ライオン株式会社製レオコー
ルSC−70)。 (IV)架橋剤(A−2)6重量%:下記式(16)で示
される、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−
キシレンジアミン。
【0072】
【化17】
【0073】続いてステンターに供給し、120℃にて
横方向に3.7倍に延伸した。得られた2軸配向フィル
ムを235℃の温度で5秒間熱固定し、この間に1.5
%幅弛緩し、更にフィルム温度が100℃付近に低下し
たところで把持具から切り離して積層ポリエステルフィ
ルムを得た。乾燥後の塗膜の膜厚は0.02μmであっ
た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0074】[実施例2]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)20重量%:実施例1と同様の
化合物。 (II)アクリル−ポリエステル樹脂(B−3−2)(ポ
リエステル成分とアクリル成分の比が3:7であるグラ
フト共重合体)70重量%:アクリル−ポリエステル樹
脂(B−3−1)を作成する場合に用いたポリエステル
水分散体(固形分濃度15%)608部を撹拌しつつ、
重合開始剤乳化液(過酸化ベンゾイル2部、ベンジルク
ロライド15部、ポリオキシエチレングリコールリン酸
エステル3.5部、イオン交換水35.5部)を加え、
20分間、バブリングによる窒素パージを行った。その
後、徐々に昇温させ、70℃になったらビニルモノマー
混合物(メタクリル酸メチル168部、グリシジルメタ
クリレート32部、n−ブチルアクリレート14部)
を、液温を70〜85℃に保ちつつ60分間で滴下し
た。滴下終了後も80〜85℃で90分間保持しつつ、
反応を継続させる。25℃まで撹拌を続けながら冷却
し、ポリエステル成分とアクリル成分の比が3:7であ
る上記グラフト共重合体の水分散体を得た。 (III)界面活性剤(C)5重量%:ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 (IV)架橋剤(A−2)5重量%:N,N,N’,N’
−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(実施例1
と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0075】[実施例3]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)1.5重量%:実施例1と同様
の化合物。 (II)アクリル−ポリエステル樹脂(B−3−2)85
重量%:実施例2と同様の共重合体。 (III)界面活性剤(C)7.5重量%:ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 (IV)架橋剤(A−2)6重量%:N,N,N’,N’
−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(実施例1
と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0076】[実施例4]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)1.5重量%:実施例1と同様
の化合物。 (II)ポリエステル樹脂(B−1−1)85重量%:テ
レフタル酸(60モル%)/イソフタル酸(35モル
%)/トリメリット酸(5モル%)/エチレングリコー
ル(80モル%)/ジエチレングリコール(20モル
%)からなる共重合体特開平06−116487号公報
の実施例1に記載の方法に準じて、テレフタル酸ジメチ
ル142部、イソフタル酸ジメチル83部、トリメリッ
ト酸13部、エチレングリコール138部、ジエチレン
グリコール24部を反応器に仕込み、これにテトラブト
キシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を
230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノー
ルを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応
系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmH
gの減圧にして重縮合反応を行い、共重合ポリエステル
(平均分子量4100)を得た。 (III)界面活性剤(C)7.5重量%:ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 (IV)架橋剤(A−2)6重量%:N,N,N’,N’
−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(実施例1
と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0077】[実施例5]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)1.5重量%:実施例1と同様
の化合物。 (II)アクリル樹脂(B−2−1)85重量%:メチル
メタクリレート(55モル%)/エチルアクリレート
(35モル%)/N−メチロールアクリルアミド(5モ
ル%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5モル
%)からなる共重合体。
【0078】水600部を撹拌しつつ、重合開始剤乳化
液(過酸化ベンゾイル2部、ベンジルクロライド15
部、ポリオキシエチレングリコールリン酸エステル3.
5部、イオン交換水35.5部)を加え、20分間、バ
ブリングによる窒素パージを行った。その後、徐々に昇
温させ、70℃になったらビニルモノマー混合物(メチ
ルメタクリレート116部、エチルアクリレート74
部、N−メチロールアクリルアミド11部、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート14部)を、液温を70〜8
5℃に保ちつつ60分間で滴下した。滴下終了後も80
〜85℃で90分間保持しつつ、反応を継続させる。2
5℃まで撹拌を続けながら冷却し上記のアクリル樹脂の
水分散体を得た。 (III)界面活性剤(C)7.5重量%:ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 (IV)架橋剤(4−2)6重量%:N,N,N’,N’
−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(実施例1
と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0079】[実施例6]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)12.5重量%:実施例1と同
様の化合物。 (II)アクリル−ポリエステル樹脂(B−3−2)(ポ
リエステル成分とアクリル成分の比が3:7であるグラ
フト共重合体)(実施例2と同様の共重合体):77.
5重量% (III)界面活性剤(C)10重量%:ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0080】[実施例7]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)1.5重量%:実施例1と同様
の化合物。 (II)アクリル−ポリエステル樹脂(B−3−3)(ポ
リエステル成分とアクリル成分の比が7:3であるグラ
フト共重合体)85重量%:アクリル−ポリエステル樹
脂(B−3−1)を作成する場合に用いたポリエステル
水分散体(固形分濃度15%)608部を撹拌しつつ、
重合開始剤乳化液(過酸化ベンゾイル2部、ベンジルク
ロライド15部、ポリオキシエチレングリコールリン酸
エステル3.5部、イオン交換水35.5部)を加え、
20分間、バブリングによる窒素パージを行った。その
後、徐々に昇温させ、70℃になったらビニルモノマー
混合物(メタクリル酸メチル31部、グリシジルメタク
リレート6部、n−ブチルアクリレート3部)を、液温
を70〜85℃に保ちつつ60分間で滴下した。滴下終
了後も80〜85℃で90分間保持しつつ、反応を継続
させる。25℃まで撹拌を続けながら冷却し、ポリエス
テル成分とアクリル成分の比が7:3である上記グラフ
ト共重合体の水分散体を得た。 (III)界面活性剤(C)7.5重量%:ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 (IV)架橋剤(A−2)6重量%:N,N,N’,N’
−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(実施例1
と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0081】[比較例1]実施例1において、水性塗液
を塗布せずに直接一軸延伸ポリエステルフィルムを横方
向に延伸することで二軸延伸ポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0082】[比較例2]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)アクリル−ポリエステル樹脂(B−3−2)(ポ
リエステル成分とアクリル成分の比が3:7であるグラ
フト共重合体)(実施例2と同様の共重合体):90重
量% (II)界面活性剤(C)10重量%:ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0083】[比較例3]塗液の固形成分が下記である
以外は実施例1と同様にしてフィルムの片面にロールコ
ーターで塗布した。 <水性塗液の固形分組成> (I)架橋剤(A−1)50重量%:実施例1と同様の
化合物。 (II)アクリル−ポリエステル樹脂(B−3−2)(ポ
リエステル成分とアクリル成分の比が3:7であるグラ
フト共重合体)(実施例2と同様の共重合体):36.
5重量% (III)界面活性剤(C)7.5重量%:ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(実施例1と同様の化合物)。 (IV)架橋剤(A−2)6重量%:N,N,N’,N’
−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(実施例1
と同様の化合物)。 得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0084】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の包装用積層ポリエステルフィルムは、オリゴマー封
止性、Al接着性、耐ブロッキング性、耐削れ性および
回収性に優れたものである。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、オリゴマー封止性、A
l接着性、耐ブロッキング性、耐削れ性及び回収性に優
れた、ガスバリア性を必要とする包装用材料に有用なポ
リエステルフィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 耕司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 (72)発明者 古谷 幸治 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 3E086 AB01 AD01 BA04 BA15 BA24 BB02 BB05 BB52 BB90 CA01 CA28 4F006 AA35 AB24 AB34 AB35 BA01 BA02 BA12 CA07 DA04 4F100 AA20 AB22B AK25B AK41A AK41B AK42 AK53B AL05B AL06B BA02 BA07 CA02B CA18 CA19 DE01 EH46 EJ37 GB15 JD02 JL00 JL11B YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
    の表面に、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポ
    キシ化合物である架橋剤(A)と、ポリエステル樹脂
    (B−1)、アクリル樹脂(B−2)、アクリル変性ポ
    リエステル樹脂(B−3)から成る群から選ばれる少な
    くとも1種のバインダー樹脂(B)を固形成分として含
    有し、固形成分中の架橋剤(A)とバインダー樹脂
    (B)との重量割合が下記式(I)の範囲である塗液を
    塗布し、乾燥、延伸してつくられた塗膜が設けられてい
    ることを特徴とする包装用ポリエステルフィルム。 【数1】 0.5/99.5≦(A)/(B)≦30/70・・・(I) (式(I)で、(A)は塗液成分中の架橋剤(A)の重
    量割合(%)、(B)は塗液成分中のバインダー(B)
    の重量割合(%)を表わす。)
  2. 【請求項2】 架橋剤(A)が下記式(1)で示される
    構造のエポキシ化合物である請求項1に記載の包装用ポ
    リエステルフィルム。 【化1】 (ただし、式(1)中のnは1〜13の数)
  3. 【請求項3】 バインダー樹脂(B)がアクリル変性ポ
    リエステル樹脂(B−3)である請求項1または2に記
    載の包装用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 アクリル変性ポリエステル樹脂(B−
    3)のポリエステル樹脂成分/アクリル樹脂成分のモル
    比が1/9以上5/5以下であり、該アクリル樹脂成分
    がアルキルメタクリレート成分50モル%以上95モル
    %以下、エポキシ含有アクリル系モノマー成分3モル%
    以上30モル%以下及びアルキルアクリレート成分3モ
    ル%以上30モル%以下からなる成分を含む請求項1ま
    たは2に記載の包装用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルム中のアンチモン金
    属量が全酸成分1mol当たり10mmol%以下であ
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装用ポリ
    エステルフィルム。
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