JP2867454B2 - ポリエステル系樹脂積層フィルム - Google Patents

ポリエステル系樹脂積層フィルム

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JP2867454B2 JP21788889A JP21788889A JP2867454B2 JP 2867454 B2 JP2867454 B2 JP 2867454B2 JP 21788889 A JP21788889 A JP 21788889A JP 21788889 A JP21788889 A JP 21788889A JP 2867454 B2 JP2867454 B2 JP 2867454B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,熱接着性(ヒートシール性)に優れ,滑り
性が良好であるため作業性に優れ,かつその表面に良好
なガスバリアー性の蒸着膜を形成し得るポリエステル系
樹脂積層フィルムに関する。このようなフィルムは,包
装用フィルムや各種工業用フィルムとして有用である。
(従来の技術) ポリエステル系樹脂フィルム(以下,フィルムはシー
トをも包含していう)は,機械的強度,耐熱性,耐寒
性,耐薬品性,絶縁性,寸法安定性などに優れ,包装用
フィルム,電気絶縁テープ,写真フィルム,トレーシン
グフィルムなど各種用途に利用されている。特に,食品
をはじめ各種製品を包装するために熱接着性を備えたポ
リエステル系樹脂フィルムが汎用されるようになった。
しかし,ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリ
エステル系樹脂は一般に融点が高く,そのままでは熱接
着させることが難しいため,ポリエステル系樹脂フィル
ム表面に融点のやや低い樹脂を用いた熱接着層(シーラ
ント層)をコーティング,共押出しなどにより形成する
ことが行われている。
このような積層フィルムは,一般に滑り性が悪く,基
材フィルムに滑剤を添加しても,フィルムをロール状に
巻き取る作業が困難であり,加工時における作業性も悪
いという問題があった。フィルムの滑り性を向上させる
方法として特開昭56−166065号には,熱接着層の厚みよ
りも大きい粒径の粒子からなる添加剤を該熱接着層に添
加する方法が提案されている。このような添加剤を加え
ることにより,熱接着層の表面に微細な突起が形成さ
れ,そのことにより滑り性が良くなり,作業性が向上す
る。しかし,このような積層フィルムの表面に,アルミ
ニウムなどの金属や金属酸化物の薄膜層を蒸着などによ
り形成すると,該フィルム表面の突起のために均一な薄
膜が形成されない場合がある。さらに粒子上に形成され
た薄膜は製造時および2次加工時におけるフィルムの巻
きとり,ロール表面との接触などにより剥離しやすく,
剥離した部分はピンホールとなる。このように,多数の
ピンホールを有するフィルムはガスバリアー性に劣るた
め,食品保存用容器のシール式の蓋材のようにガスバリ
アー性を必要とする物品には利用できない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題を解決するものであり,そ
の目的とするところは,ヒートシール性および作業性に
優れ,かつガスバリアー性に優れた金属薄膜がその表面
に形成され得るポリエステル系樹脂積層フィルムを提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムは,ポリエ
ステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に,
ポリエステルを主成分とする組成物でなる熱接着層が積
層されたポリエステル系樹脂積層フィルムであって,該
熱接着層には,平均粒子径が該熱接着層の厚みよりも実
質的に小さい無機および/または有機微粒子が0.01〜5
重量%の割合で含有される。
好適な実施態様においては,前記無機および/または
有機微粒子の,走査型電子顕微鏡で観察して得られる下
記式Iで表わされる外接円に対する面積率が60%以上で
ある。
好適な実施態様においては,前記無機および/または
有機微粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡で測定したとき
に,そのばらつき度は25%以下である。
本発明のポリエステル系樹脂積層フィルムの基材フィ
ルム(ベースフィルム)として用いられるポリエステル
系フィルムの基材は,特に限定されない。それには,例
えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレ
フタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレン
1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト,およびこれらの構成成分を主成分とする共重合体が
ある。基材フィルムにはこれらポリエステル系樹脂に加
えて,各種添加剤が含有されていてもよい。添加剤とし
ては,帯電防止剤,滑剤,曇り防止剤,可塑剤,安定
剤,耐ブロッキング剤,着色剤などがある。上記添加剤
のうち滑剤として用いられる有機または無機の微粒子
は,後述の熱接着層に含有される微粒子と同じタイプで
あっても異なっていてもよい。
本発明の熱接着層に用いられるポリエステル系樹脂
は,その軟化点が60〜200℃であればよく,一般には,
共重合ポリエステルが用いられる。共重合ポリエステル
は酸成分およびグリコール成分を含有する。酸成分とし
ては,芳香族,脂肪族および脂乾式ジカルボン酸のいず
れもが用いられ得る。芳香族ジカルボン酸としては,テ
レフタル酸,イソフタル酸,オルトフタル酸,5−tert−
ブチルイソフタル酸などのベンゼンジカルボン酸類;2,6
−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン
酸類;4,4′−ジカルボキシジフェニル,2,2,6,6−テトラ
メチルビフェニル−4,4′−ジカルボン酸などのジカル
ボキシビフェニル類;1,1,3−トルメチル−3−フェニル
インデン−4,5−ジカルボン酸およびその置換体;1,2−
ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸およびその
置換体などがある。脂肪族ジカルボン酸としては,シュ
ウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,
アゼライン酸,セバチン酸,ピメリン酸,スベリン酸,
ウンデカン酸,ドデカンジカルボン酸,ブラシリン酸,
テトラデカンジカルボン酸,タプシン酸,ノナデカンジ
カルボン酸,ドコサンジカルボン酸,およびこれらの置
換体,4,4′−ジカルボキシシクロヘキサンおよびその置
換体などがある。
共重合ポリエステルに包含されるグリコールとして
は,脂肪族ジオール,脂環式ジオールおよび芳香族ジオ
ールのいずれもが用いられ得る。脂肪族ジオールとして
は,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリ
エチレングリコール,プロピレングリコール,ブタンジ
オール,1,6−ヘキサンジオール,1,10−デカンジオー
ル,ネオペンチルグリコール,2−メチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール,2−ジエチル1,3−プロパンジオ
ール,2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオ
ールなどがある。脂環式ジオールとしては,1,3−シクロ
ヘキサンジメタノール,1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルなどがある。芳香族ジカルボン酸としては,2,2−ビス
(4′−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパ
ン,ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)ス
ルホンなどのビスフェノール系化合物のエチレンオキサ
イド付加物;キシリレングリコールなどがある。
上記基材フィルムおよび熱接着層に用いられるポリエ
ステル樹脂は一般に採用されている方法により調製され
得る。例えば,ジカルボン酸成分とグリコール成分とを
直接反応させて重縮合を行なう直接エステル化法;ある
いは,上記ジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリ
コール成分とを反応させてエステル交換を行なうエステ
ル交換法などにより調製される。調製は,回分式および
連続式のいずれの方法で行われてもよい。
熱接着層には,少量であれば,ポリエステル系以外の
樹脂が含有されていてもよい。
熱接着層に含有される無機および/または有機微粒子
の素材としては,熱接着層を構成する成分に対して不溶
性である物質が選択される。無機物質としては,二酸化
ケイ素,二酸化チタン,二酸化ジルコニウムなどの金属
酸化物;カオリナイト,ゼオライトなどの複合酸化物;
硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウム,リン
酸カルシウムなどの塩類などがある。有機物質として
は,主鎖中にシロキサン結合を有するシリコーン樹脂,
ポリスチレン,ポリアクリル酸などがある。上記微粒子
はその1種のみが使用されても,2種以上が用いられても
よい。これらの無機および/または有機微粒子の粒径
は,熱接着層の厚みより実質的に小さい。粒子径が熱接
着層の厚みより大きいと,最終的に得られるフィルムの
熱接着層表面には比較的大きな突起が形成されているた
め,従来の技術の項で述べたのと同様に,基材のフィル
ム上に形成された蒸着薄膜には多数のピンホールが生じ
る。そのため十分なガスバリアー性が得られない。
上記無機および/または有機微粒子の熱接着層に対す
る含有量は,0.01〜5重量%であり,好ましくは,0.1〜
2重量%である。0.01重量%を下まわると積層フィルム
の滑り性が不充分であり作業性が低下する。5重量%を
上まわると積層フィルムの透明性が低下する。
上記微粒子は,好ましくは下記式(I)で算出される
面積率が60%以上であり,より好ましくは80%以上,さ
らに好ましくは90%以上である。
式(I)において,粒子の投影断面積および粒子に外
接する円の面積は,走査型電子顕微鏡で観察することに
より得られる。外接円に対する面積率が60%を下まわる
微粒子を用いると,得られる積層フィルムの滑り性にや
や劣る。
さらに,上記微粒子は,粒径がほぼ均一であり,単分
散に近い粒度分布を有することが好ましい。具体的に
は,走査型電子顕微鏡で観察して得られるバラツキ度が
25%以下であることが好ましい。より好ましくは20%以
下である。粒子の粒度がばらつき,粒径の大きい微粒子
が多数になると積層フィルム表面の蒸着薄膜を形成した
ときにピンホールが形成され,その結果,積層フィルム
のガスバリアー性が低下する場合がある。粒子径の小さ
い微粒子が多数になると積層フィルムの滑り性が不足す
る場合がある。
上記微粒子はその1種のみが使用されても,二種以上
が用いられてもよい。複数種の微粒子を併用する場合に
は,少量であれば平均粒子径が熱接着層の厚みより大き
い微粒子が含有されていてもよい。
熱接着層を形成する組成物中には,さらに各種添加剤
が含有されていてもよい。例えば,微粒子の凝集を防止
するために,界面活性剤またはリン酸塩が含有され,微
粒子の熱接着層との親和性を向上させる目的で有機リン
酸エステル化合物またはポリアクリル酸エステルなどの
重合体が含有される。さらに,得られる積層フィルムの
滑り性および耐ブロッキング性を向上させるために,高
級脂肪酸の誘導体などの潤滑剤を添加してもよい。この
他の添加剤としては,帯電防止剤,防曇剤,可塑剤,安
定剤,着色剤などがある。
上記ポリエステル系樹脂,微粒子および必要に応じて
各種添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物の各成分は適当な
方法で混合される。例えば,ポリエステル系樹脂と微粒
子とは該ポリエステルの重合工程で微粒子を加える方
法;または共重合ポリエステルを押出し機内などで混
練するときに微粒子を加える方法で混合され得る。熱接
着層中に微粒子を均一に分散させるためには,の重合
工程時に添加する方法が好ましい。この方法において
は,樹脂の粘度が低いうちに,すなわちプレポリマーが
生成する前に微粒子を添加するのが好ましい。微粒子の
添加には,該微粒子を適当な媒体に分散させて添加する
のが好ましい。媒体としては,調製すべきポリエステル
の構成成分のうち液体状の物質が好ましい。媒体中に微
粒子を分散させる方法は,特に限定されず,高速撹拌
法,均質高圧分散法,サンドミル法など一般的な分散方
法の1種もしくはそれ以上が組み合わせて用いられ得
る。上記の微粒子を樹脂と混練する方法においては,
マスターバッチ法を採用することも推奨される。添加剤
が含有される場合には,例えば,の方法において微粒
子とともに添加される。
本発明の積層フィルムは,上記基材フィルムの少なく
とも片面に上記組成物でなる熱接着層が積層されて形成
される。例えば,(1)未延伸,一軸延伸もしくは二軸
延伸の上記基材フィルムを準備し,その表面に上記組成
物を含む溶液もしくは分散液を塗工・乾燥し,必要に応
じて一軸もしくは二軸延伸することにより積層フィルム
が得られる。このときに使用する溶液もしくは分散液に
含まれる固形分は5〜20%が適当であり,使用される溶
媒としては,例えば,クロロホルム,二塩化エチレン,
メチルエチルケトン,トルエン,酢酸エステル類,もし
くはこれらの混合物が挙げられる。さらに,別法とし
て,次の方法が挙げられる:(2)ポリエチレンテレフ
タレート(PET)など,基材フィルムを構成すべき樹脂
と,上記樹脂組成物とを,それぞれ別の押出バレルに仕
込み,ひとつの口金から共押出しにより積層フィルムを
調製する。これを必要に応じて一軸もしくは二軸延伸す
る;(3)未延伸,一軸もしくは二軸延伸した基材フィ
ルム上に上記樹脂組成物を溶融押出しラミネートし,さ
らに必要に応じて一軸もしくは二軸延伸を行なう。上記
積層フィルムの調製において,使用される基材フィルム
(未延伸,一軸もしくは二軸延伸)の厚みは,通常10〜
200μmであり,特に包装用のフィルムとして利用され
る場合には,5〜30μmが好適である。得られる積層フィ
ルムの樹脂組成物の厚みは,該フィルムの用途により異
なるが,通常1〜50μm,好ましくは2〜15μmである。
本発明の積層フィルムは,熱接着による包装などの用
途に使用される。例えば2枚の本発明フィルムの熱接着
層と基材フィルム層とが密着するように,あるいは熱接
着層同士が密着するように,積層し,上下から加熱ダイ
により圧縮することにより熱接着が行なわれる。フィル
ムの熱接着層は,比較的低融点であり,容易に熱接着が
行なわれる。本発明の積層フィルムのうち,基材の片面
に熱接着層を有するフィルムにおいては,その基材側に
蒸着などにより金属や金属酸化物の薄膜を形成し,ガス
不透過性のフィルムを調製することも可能である。
(作用) 本発明の積層フィルムは,熱接着層にその厚みよりも
小さい粒径の微粒子を含有する。この微粒子は熱接着層
に微細な突起を形成するため滑り性に優れ,作業性がよ
い。しかし,その粒径が小さいため表面に大きな突起が
形成されない。そのため,例えば上記のように,基材表
面に形成した金属や金属酸化物の蒸着薄膜表面には,製
造時および二次加工時においてピンホールが生じない。
従って,ガスバリアー性の充分な熱接着フィルムが得ら
れる。
本発明の積層フィルムは基材フィルムおよび積層され
るべき樹脂組成物層のいずれもが本質的にポリエステル
でなるため,該積層フィルムのフィルムを改修して,再
び原料(特に基材フィルムの)として利用することが可
能である。これに対して,ポリエステルベースフィルム
にポリエチレンを積層したような積層フィルムでは,こ
のような再生利用ができない。本発明の積層フィルム
は,熱接着性フィルムとしての用途以外に,例えば,印
刷,印字,染色用などのフィルムとして利用することも
可能であり,さらに他のフィルムとラミネートとして利
用することもできる。
(実施例) 以下に本発明の実施例について述べる。実施例および
比較例において,特に指示のない限り,部はすべて重量
部で示す。本発明に用いられる微粒子の平均粒子径,ば
らつき度および外接円に対する面積率は,以下の(a)
および(b)の方法で求めた。さらに,得られた積層シ
ートの評価を(c)〜(f)の方法で行なった。
(a)微粒子の平均粒子径および粒子径のばらつき度 使用する微粒子を走査型電子顕微鏡(日立S−510
型)を用いて写真撮影し,これを拡大コピーする。さら
にトレースを行なってランダムに200個の粒子に対応す
る像を黒く塗りつぶす。この像を画像解析装置(ニレコ
株式会社製ルーゼックス500型)を用いて,水平方向の
フェレ径を測定し,その平均値を平均粒子径とする。粒
子径のばらつき度は下記式により算出する。
(b)外接円に対する面積率 平均粒子径の測定に用いたトレース像より任意に20の
粒子を選び,それぞれの粒子について投影断面積を,
(a)で用いた画像解析装置で測定する。それらの粒子
に外接する円の面積を算出し,下式を用いて面積率を求
める。
(c)フィルムの透明性 JIS K6714に準じ,東洋精機(株)製積分球式ヘーズ
メーターでヘーズ値を測定する。
(d)フィルムの滑り性 ASTM−D−1894−63Tに準じ,23℃,65%RHおよび引張
り速度200m/分の条件下で,積層フィルムの熱接着面同
士および熱接着面と基材面との動摩擦係数を測定する。
(e)ヒートシール性評価 ヒートシールエネルギーの測定:2枚の積層フィルム
を熱接着層同士が接触するように重ね,幅方向に20mm,
そして長手方向に10mmの長さにわたり100℃の温度でヒ
ートシールを行う。このフィルムを,幅方向が15mmの短
冊状に切断して試験片を得,これを20℃,65%RHの雰囲
気下に24時間放置する。この試験片の一方のフィルムの
一端を固定し,他方のフィルムのそれに対向する端部
を,テンシロンを用いて200mm/分の速度でフィルムの長
さ方向に引っ張る。これにより,ヒートシール部分の一
部が剥離し,かつフィルムの破断が起こる。このとき,
フィルムの剥離長に対してテンシロンにかかる力をグラ
フ化し,その曲線下面積を求め,これをシールエネルギ
ー(g・cm/15mm)とする。
ヒートシール強度:上記ヒートシールエネルギーの
測定において,フィルム破断時にテンシロンにかかった
力を測定する。5回測定を行ない,その平均値をヒート
シール強度(g/15mm)とする。
(f)蒸着フィルムのガス透過度 積層フィルムの基材側の面に連続式の真空蒸着法でア
ルミニウムを500Åの厚さで蒸着する。この蒸着フィル
ムの酸素ガス透過度をASTM−D−1434−75に準じ,25℃
にてドライの状態で測定を行なう。
実施例1 (1)共重合ポリエステルAの調製:撹拌機,蒸留塔お
よび圧力調整器を備えたステンレス製オートクレーブに
テレフタル酸519部,エチレングリコール375部,ネオペ
ンチルグリコール50部,三酸化アンチモン0.150部,酢
酸ナトリウム0.0428部,酢酸亜鉛二水塩0.26部,および
表1に示すシリカ微粒子(平均粒径2.0μm,ばらつき度1
5%,外接円に対する面積率94%)の20%エチレングリ
コールスラリー15部を仕込んだ。窒素置換後,加圧し
て,ゲージ圧を2.5kg/cm2に保ち,240℃で生成する水を
蒸留塔の頂部より連続的に除去しながら120分間にわた
ってエステル化反応を行なった。常圧にもどし,エステ
ル化率98%の生成物を得た。これを240℃に加熱した重
縮合反応器移し,275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を0.
05mmHgまで徐々に下げ,この状態で70分間にわたって重
縮合反応を行なった。その結果,固有粘度0.681のポリ
エステルを得た(これを共重合ポリエステルAとす
る)。ポリエステルAにおけるシリカ微粒子の含有率は
0.5%であった。
(2)積層フィルムの調製:2機の押出しバレルを1個の
T型ダイに接続し,一方のバレルには,(1)で調製し
た共重合ポリエステルA,共重合ポリエステルB(テレフ
タル酸:セバシン酸:エチレングリコール=60:40:10
0),共重合ポリエステルC(テレフタル酸:イソフタ
ル酸:アジピン酸:エチレングリコール:ブタンジオー
ル=70:10:20:35:65)を仕込んだ。その割合はポリエス
テルA:ポリエステルB:ポリエステルC=50:45:5(重量
比)である。他方のバレルには,共重合ポリエステルA
に添加したのと同様のシリカを0.04重量%の割合で含有
するポリエチレンテレフタレート(PET;I.V.=0.62)を
仕込んだ。それぞれのバレルを280℃として樹脂を溶融
し,T型ダイから積層シートを押出した。この積層シート
を,回転する冷却ロール(20℃)に巻きつけて冷却し固
化させた。このシートの厚みは約141μmであり,PET層
(基材シート層)の厚みは110μm,そして熱接着層(ポ
リエステルA,BおよびCを含有する層)の厚みは31μm
であった。このシートを85℃に加熱して回転速度の相異
なる2組のニップロールのあいだでシート進行方向に3.
4倍に延伸した。得られた一軸延伸フィルムをテンター
方式横延伸機へ送り込み,95℃に加熱しながら上記と直
交する方向に3.6倍延伸した。次いで,このフィルムを
やや弛緩させつつ210℃の熱風で処理し,巻きとった。
積層フィルムの熱接着層に使用された微粒子の素材,
サイズおよび特性,および該熱接着層の厚みを表1に示
す。後述の実施例2〜3および比較例1〜7についても
あわせて表1に示す。
(3)積層フィルムの評価 得られた積層フィルムの透明性,滑り性およびヒート
シール性を評価した。さらにアルミ蒸着フィルムのガス
透過度を測定した。その結果を表1に示す。従来の実施
例2〜3および比較例1〜7についてもあわせて表1に
示す。
実施例2 熱接着層に含有される微粒子の素材,サイズ,特性お
よび含有量を表1に示すように変更したこと以外は実施
例1と同様である。
実施例3 熱接着層に含有される微粒子のサイズ,特性および含
有量,そして熱接着層の厚みを表1に示すように変更し
たこと以外は実施例1と同様である。
比較例1〜5 使用する微粒子の素材,サイズおよび特性,その含有
量および熱接着層の厚みを表1に示す値とし,実施例1
と同様に積層フィルムを調製し,その評価を行なった。
表1から,本発明の熱接着性積層フィルムは,熱接着
性,滑り性および透明性に優れることがわかる。さら
に,アルミニウムを蒸着した場合のガス透過性が極めて
低い。蒸着面を顕微鏡で観察してもピンホールはほとん
ど観察されない。これに対して,平均粒子径が熱接着層
の厚みよりも大きい微粒子を用いた場合(比較例1,2お
よび5)は蒸着フィルムの透過性が悪い。さらに微粒子
含有量が低い場合(比較例3)にはフィルムの摩擦係数
が大きく,逆に高い場合(比較例4)には透明性が劣
る。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,熱接着性および透明性
に優れ,かつ滑り性が良好であるため作業性に優れるポ
リエステル系樹脂積層フィルムが得られる。このような
積層フィルムは,その表面にピンホールの少ない金属薄
膜を形成することが可能であり,本発明の積層フィルム
は,包装用フィルム,各種工業用フィルム,密封性が要
求される食器保存用容器のシール式蓋材などに好適に使
用され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多保田 規 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績 株式会社総合研究所敦賀分室内 (56)参考文献 特開 平1−178527(JP,A) 特開 平1−133731(JP,A) 特開 昭64−10184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/18 B65D 65/00 - 65/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの
    少なくとも片面に、ポリエステルを主成分とする組成物
    でなる熱接着層が積層されたポリエステル系樹脂積層フ
    ィルムであって、 該熱接着層には、平均粒子径が該熱接着層の厚みよりも
    実質的に小さい無機および/または有機微粒子が0.01〜
    5重量%の割合で含有され、 該無機および/または有機微粒子の、走査型電子顕微鏡
    で観察して得られる下記式I: で表される外接円に対する面積率が、60%以上であり、 該無機および/または有機微粒子の粒子径を走査型電子
    顕微鏡で測定したときに、そのばらつき度が25%以下で
    ある、 ポリエステル系樹脂積層フィルム。
JP21788889A 1989-01-19 1989-08-24 ポリエステル系樹脂積層フィルム Expired - Fee Related JP2867454B2 (ja)

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