JP2629178B2

JP2629178B2 - 電動圧縮機

Info

Publication number: JP2629178B2
Application number: JP62015517A
Authority: JP
Inventors: 宏唐土; 道生山村; 清沢井; 修一山本
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1987-01-26
Filing date: 1987-01-26
Publication date: 1997-07-09
Anticipated expiration: 2012-07-09
Also published as: JPS63183284A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、空調機、冷蔵庫等の冷凍用の電動圧縮機に
関するものである。

従来の技術密閉容器内がいわゆる「低圧形」の冷凍用圧縮機とし
ては、従来からレシプロ型が広く使用されて来ている
が、最近スクロール圧縮機が低騒音低振動型として注目
されている。

第５図に従来のスクロール型圧縮機の断面構成図を示
す。密閉容器１の内部に圧縮機構２と、これを回転駆動
する電動機３を配設している。４は電動機３の固定子
で、５は回転子であり、回転子５に圧縮機構２を駆動す
るシャフト６が結合されている。７は密閉容器１に配設
された密閉絶縁端子で、電動機３に電力を供給する。密
閉容器１の下方底部には潤滑油８を貯溜する油溜め９を
設け、潤滑油８がシャフト６に設けた偏心孔10を介して
遠心力で上昇し、圧縮機構２の軸受部分11a、摺動部分1
2、再び軸受部分11bに図の矢印のように供給されて潤滑
又は冷却を行い、シャフト６に設けた油溝13を流れて軸
受部品14の副軸受14aを潤滑しながら回転子５の上部へ
流出し、固定子４の上部空間へ放出されて固定子４の外
縁切欠部15を通って再び油溜め９へ戻る。16は吐出管で
圧縮機構２で圧縮されたガスが吐出され、吸入管17から
密閉容器１へ入り、吸入口18から圧縮機構２に吸入され
る構成になっている。

第６図に従来のレシプロ式圧縮機の断面構成図を示
す。密閉容器21の内部に圧縮機構22とこれを回転駆動す
る電動機23を上部に配設している。24はシャフトで、圧
縮機構22と電動機23とを連結している。25は密閉容器21
に配設された密封絶縁端子で、電動機23に電力を供給す
る。密閉容器21の底部には潤滑油26を貯溜する油溜め27
を設け、潤滑油26をシャフト24に設けた偏心孔28を通し
て圧縮機構22の軸受部分29や摺動部分30に供給し、シャ
フト24に設けた油溝31から流出し、電動機23下部空間へ
放出されて再び油溜め27へ戻る。32は吐出管で圧縮機構
22で圧縮されたガスが密閉容器21の外へ吐出され、吸入
管33から密閉容器21へ入り、吸入マクラ34から圧縮機構
22へ吸入される構成となっている。

発明が解決しようとする問題点上記レシプロ型、スクロール型の従来の電動圧縮機
は、密閉容器内部に吸入側の冷媒ガスの圧力が作用する
いわゆる低圧形の圧縮機である。

第５図のスクロール圧縮機の場合を例にとって説明す
る。

この低圧形圧縮機の問題点の一つは、油溜め９の潤滑
油８がシャフト６の偏心孔10を通って圧圧縮機構２の軸
受部分11、摺動部分12そして副軸受14aへ供給されて潤
滑又は冷却した後、電動機３上部空間へ放出された場
合、潤滑油８が拡散され、噴霧状となって吸入管17から
吸入口18へのガス吸入と共に、同時吸引されて圧縮機構
２へ入り、吐出管16から圧縮されたガスと共に密閉容器
１内へ吐出されてしまい再び吸入管17から戻っても、潤
滑油８は油溜め９へ戻らず、吸入口18へガスと共に吸引
されて軸受部分11等に供給すべき油溜め９の潤滑油８が
不足して摺動部が焼付きを生じたり、冷凍サイクル中
（図示せず）を循環する潤滑油８が増加して熱交換器の
伝熱効率が低下したりする問題点を有していた。

第６図の従来のレシプロ型のように、圧縮機構22が電
動器23より下部にあり、しかも吸入マフラ34が密閉器21
の上部にある場合には、第５図のスクロール型ほど潤滑
油26の噴霧を圧縮機構22へ吸引することが少ない。そし
て、最近はやりのインバータ式の回転数可変用の圧縮機
では高速時に特に上述の問題点が顕著になっていた。

問題点を解決するための手段上記問題点を解決する為の本発明の手段は、密閉容器
の内部に、圧縮機構と、この圧縮機構を支承する軸受部
品と、圧縮機構をシャフトを介して回転駆動する回転子
および固定子からなる電動縮とを配設し、電動機の固定
子を密閉容器で固着配設し、密閉容器下方の底部に潤滑
油を貯溜する油溜めを設け、密閉容器の油溜めに吸入側
の圧力が作用する構成とし、軸受部品に圧縮機構の軸受
部分や摺動部分を潤滑、冷却した潤滑油を排出する油排
出口を設けると共に、潤滑油を固定子の上部へ導く導出
手段を油排出孔に設けたものである。

作用本発明の技術手段による作用は次の通りである。

軸受部分や摺動部分を潤滑あるいは冷却した潤滑油を
軸受部分に設けた油排出孔から排出される場合に、固定
子上部へ流出する導出手段や、軸受部品の肉盛りを油排
出口に設けたり、導出管を設けたり、そして固定子外縁
の切欠部へ流出させる、導出管を設けることにより、密
閉容器内で潤滑油が噴霧になったり、拡散することが無
く、圧縮機構へ吸入ガスと共に吸引されることが無く、
即ち吐出管から密閉容器の外へ排出されることが少なく
なると共に、固定子上部に貯まる潤滑油は固定子の外周
切欠部を通って潤滑油が戻る。

実施例第１図は本発明の一実施例を示し、油排出口に肉盛り
を設けたもので、第２図も同じく本発明の一実施例で、
油排出口に導出管を設けたもので、第３図は同じく本発
明の一実施例で、油排出口に設けた導出管の先端を固定
子の外周切欠へ向けたものである。第４図は同じくそれ
らの電動圧縮機の基本的な部分の図である。第１図から
第４図までの本発明の同一機能部品に対して同一番号る
付している。

第１図の実施例で説明すると、密閉容器41の内部に圧
縮機構42とこれを支承する軸受部品54圧縮機構42をシャ
フト46を介して回転駆動する回転子45、固定子44からな
る電動機43を軸受部品54の下部に配設している。電動機
43の固定子44は密閉容器41で固着配設されており、密閉
容器41の下方底部には潤滑油48を貯溜する油溜め49を設
けている。47は密封絶縁端子44に電力を外部から供給す
る。シャフト46下端には油溜め49に浸された吸込み管50
を設け、この吸込み管50から潤滑油48を回転によって吸
入し、偏心孔51を通って、圧縮機構42へ給油する。つま
り、偏心孔51を通った潤滑油48は、シャフト46の横孔52
へ入り込んで油溝53へ流れて、軸受部品54の副軸受54a
を潤滑して上部の細孔55を通って圧縮機構42の一部品で
ある旋回渦巻羽根部品56の偏心軸受部57へ流れ込む潤滑
経路と、偏心孔51から直接潤滑油48が偏心軸受部57へ流
れる潤滑経路を有する。この２つの経路は、偏心軸受部
57で合流して、潤滑油48は圧縮機構42の旋回渦巻羽根部
品56のスラスト力を支えるスラスト軸受58の摺動部58a
を潤滑、冷却し、そして軸受部品54の主軸受59を潤滑し
てから軸受部品54に設けた油排出口60から排出される。
この時、油排出口孔60に潤滑油48を固定子44の上部へ導
く導出手段として、軸受部品54を肉盛り60aしているの
で、排出された潤滑油48は、固定子44と軸受部品54の間
の空間で拡散して噴霧状となったりすることなく、直接
固定子44の上部へ貯まって、固定子44の外周切切部65か
ら下部へ垂れて油溜め49へ戻る。61は圧縮機構42の旋回
渦巻羽根部品56と固定渦巻羽根部品65とで圧縮されたガ
スが外部へ吹出される吹出管で、吸入管62から再び密閉
容器41へ入り吸入孔63から圧縮機構42へ吸入されるよう
になっている。従って、この場合、密閉容器41内、特に
油溜め49には吸入側の冷媒ガス圧力が作用している。64
は旋回渦巻羽根部品564を固定渦巻羽根部品65に対して
旋回運動させるための自転拘束部品である。

第２図の本発明の実施例においては、軸受部品54の油
排出孔60に導出管67を設けているので、油排出孔60から
導出される潤滑油48は確実に固定子44の上部へ流れ、固
定子44上に貯溜して固定子44の外周切欠部66から下方へ
垂れて油溜め49へ戻る。

第３図の本発明の別の実施例においては、排出孔60に
設けた導出管68の先端が固定子44の外周切欠部66へ向い
ているので、導出管68から排出される潤滑油48は更に確
実に、かつすみやかに固定子44の外周切欠部66を通って
油溜め49へ戻ることになる。

本発明の実施例として圧縮機構42がスクロール式のも
ので説明したが、別にスクロール式に限らず、圧縮機構
42が密閉容器41の上部にあって、電動機43が下部にあり
電動圧縮機であれば良い。

発明の効果本発明によれば、圧縮機構の軸受部分や摺動部分を潤
滑、冷却した潤滑油を軸受部品に設けた油排出孔から排
出させると共に、油排出孔に潤滑油を固定子の上部へ導
く手段を設けることにより、潤滑油の拡散、噴霧化を防
ぎ、そして吸入ガスの吸引によって圧縮機構への潤滑油
流入を抑えることが出来、固定子の外周切欠部から潤滑
油が下部へ戻り油溜め部で潤滑油を常に確保出来、摺動
部の焼付きを防げたり、又冷凍サイクル中への潤滑油量
の増加による伝熱性能の低下を防ぐことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すスクロール型の電動圧
縮機の断面構成図、第２図は同じく別の実施例を示すス
クロール型の電動圧縮機の断面構成図、第３図は同じく
別の実施例を示すスクロール型の電動圧縮機の断面図、
第４図は同じくそれらの基本的な部分を示す分解斜視
図、第５図は従来のスクロール型の電動圧縮機の断面構
成図、第６図は従来のレシプロ型の電動圧縮機の断面構
成図である。 41……密閉容器、42……圧縮機構、43……電動機、44…
…固定子、46……シャフト、48……潤滑油、49……油溜
め、54……軸受部品、60……油排出孔、60a……肉盛
り、67、68……導出管。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山本修一門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (56)参考文献特開昭53−111509（ＪＰ，Ａ) 特開昭55−107093（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−268890（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】密閉容器の内部に、圧縮機構と、この圧縮
機構を支承する軸受部品と、前記圧縮機構をシャフトを
介して回転駆動する回転子、および固定子からなる電動
機とを前記軸受部品の下部に配設し、前記圧縮機構を固
定渦巻羽根部品、該固定渦巻羽根部品と噛み合わされる
旋回渦巻羽根部品、該旋回渦巻羽根部品の自転拘束部品
などから構成し、前記旋回渦巻羽根部品を前記シャフト
に取付け、前記電動機の固定子を前記密閉容器で固着配
設し、前記密閉容器の下方底部に潤滑油を貯溜する油溜
めを設け、前記油溜めに吸入側の圧力が作用する構成と
し、前記軸受部品に冷媒ガスの吸入孔を設け、かつ前記
軸受部品に前記圧縮機構の軸受部分あるいは摺動部分を
潤滑あるいは冷却した潤滑油を排出する油排出孔を設け
ると共に、前記潤滑油が飛散するのを防止する導出手段
として、前記軸受部品の油排出孔を外方へ肉盛りとして
なるスクロール式電動圧縮機。
【請求項２】密閉容器の内部に、圧縮機構と、この圧縮
機構を支承する軸受部品と、前記圧縮機構をシャフトを
介して回転駆動する回転子、および固定子からなる電動
機とを前記軸受部品の下部に配設し、前記圧縮機構を固
定渦巻羽根部品、該固定渦巻羽根部品と噛み合わされる
旋回渦巻羽根部品、該旋回渦巻羽根部品の自転拘束部品
などから構成し、前記旋回渦巻羽根部品を前記シャフト
に取付け、前記電動機の固定子を前記密閉容器で固着配
設し、前記密閉容器の下方底部に潤滑油を貯溜する油溜
めを設け、前記油溜めに吸入側の圧力が作用する構成と
し、前記軸受部品に冷媒ガスの吸入孔を設け、かつ前記
軸受部品に前記圧縮機構の軸受部分あるいは摺動部分を
潤滑あるいは冷却した潤滑油を排出する油排出孔を設け
ると共に、前記潤滑油が飛散するのを防止する導出手段
として、油排出孔に潤滑油を固定子の上部へ導く導出管
を設けてなるスクロール式電動圧縮機。
【請求項３】導出手段として、油排出孔に設けた導出管
が固定子の外周切欠部に向く構成にしてなる特許請求範
囲第２項記載のスクロール式電動圧縮機。