JP2628664B2 - 避雷器の製造方法 - Google Patents

避雷器の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、避雷器の製造方法に関する。
［従来の技術］ 避雷器は、高電圧回路において相とアースとの間に配
置され、大気過電圧（雷又は導線の誘導現象で生じるサ
ージ）又はグリッドの一時的過電圧（運転サージ）の振
幅又は持続を抑制する装置である。
従って、避雷器の機能は、第一に定格動作電圧に常時
耐え得ることであり、第二に一時的なサージ中に出現す
る高い放電電流を通過させて回路装置（変圧器等）を保
護することである。
これらの機能は一般に、印加電圧の関数として極めて
非線形性の電気抵抗をもつ、例えば酸化亜鉛ZnOベース
のバリスタタイプの材料からなるコアによって確保され
る。
このような非線形特性は、動作電圧が常時印加されて
いるときにかなり高い抵抗を生起する避雷器において小
電流（例えば約0.5mA/cm2）を通過させる。かかるバリ
スタの比誘電率は極めて高いのでこの電流は本来、容量
性である。
又、避雷器は、印加電圧がトリガしきい値、すなわち
それ以上の電圧ではバリスタの抵抗が極めて低くなるよ
うなしきい値電圧に到達したときに数10キロアンペアに
及ぶ高い電流を通過させる。
［発明が解決しようとする課題］ 欧州特許公開第0196370号には、バリスタタイプの材
料からなる中央コアと、該コアの側壁の末端に螺合及び
接着された二つの末端結合部材と、該コアのベースと該
末端結合部材との間に介在する二つの板ばねとを含んで
おり、フィンの付いた絶縁被覆がアセンブリの側壁周囲
に設けられた避雷器の構造が記載されている。かかる構
造の欠点は、第一にコア末端の機械加工が必要なので割
れ目又は亀裂が発生して該末端が損傷し易いこと、第二
に末端結合部材を接着する必要があるので該末端結合部
材及びコア末端間の電気的接続が不良になる虞があるこ
とである。
又、英国特許出願公開第2073965号に記載の避雷器
は、中央コアがバリスタタイプの材料からなる複数の円
筒形ペレットの積層体からなり、二つの末端結合部材が
板ばねを介して該ペレットと接触し、アセンブリが熱収
縮性材料からなる一体的外装によって機械的に結合され
ている。かかる避雷器はその製造が困難であり、コスト
が高い。
本発明の目的は、構造が簡単で部品点数も少なく、機
械的強度及び電気的接続の良好な避雷器を、簡単かつ安
価に製造し得るところの避雷器の製造方法を提供するこ
とにある。
［課題を解決するための手段］ 本発明によれば、前述の目的は、少なくとも一つのバ
リスタを含むほぼ回転体の中央コアと、二つの金属製末
端結合部材と、電気絶縁材料からなる外側被覆とを備え
ている避雷器の製造方法であって、末端結合部材が、中
央コアにおける少なくとも部分的に金属化された各末端
に成形された後、複合材料からなる外側被覆が、コアと
末端結合部材の少なくとも一部分とを覆う場所に成形さ
れる避雷器の製造方法によって達成される。
本発明の避雷器の製造方法によれば、少なくとも一つ
のバリスタを含むほぼ回転体の中央コアにおける金属化
された各末端には末端結合部材が直接成形され、この末
端結合部材の成形作業後、複合材料からなる外側被覆が
コアと末端結合部材の少なくとも一部分とを覆うように
成形される。従って、ねじ切り等の機械加工が不要であ
り、コア末端が損傷を被ることがなく、コア末端の寸法
精度に関する許容範囲が広く、接着の場合に起こる末端
結合部材及びコア末端間の電気的接続不良を回避するこ
とができ、又、板ばね等の部品がいらない。その結果、
構造が簡単で部品点数も少なく、機械的強度及び電気的
接続の良好な避雷器を、簡単かつ安価に製造し得る。
尚、「複合材料」なる用語はエラストマ、EPDM、シリ
コーン等、及び任意に調合された樹脂（エポキシ樹脂
等）を意味する。
本発明による避雷器の製造方法の好ましい特徴によれ
ば、コアは、各々が回転体であると共に互いに平行に取
り付けられた複数のバーから構成されているのがよい。
これにより、末端結合部材の成形と同時に複数のバーの
一体的アセンブリが形成され、この上に被覆を成形する
ことによって各バー間の空隙が充填される。
本発明による避雷器の製造方法の他の好ましい特徴に
よれば、コアは、成形作業前に互いに固定された複数の
ペレットの積重ねによって構成されているのがよい。こ
れにより、複数のペレットが予め剛性化されるので作業
が大幅に簡略化される。
本発明による避雷器の製造方法の更に他の好ましい特
徴によれば積み重ねられたペレットが熱圧着によって互
いに固定されるのがよい。
本発明による避雷器の製造方法の更に他の好ましい特
徴によれば、積み重ねられたペレットは、型わくに配設
された各ペレット間に低融点金属が注入又は射出されて
互いに固定されるのがよい。
本発明による避雷器の製造方法の更に他の好ましい特
徴によれば、複合材料が、エラストマ、EPDM、シリコー
ン、及び任意に調合されたエポキシ樹脂等の樹脂の中か
ら選択されるのがよい。
本発明による避雷器の製造方法の更に他の好ましい特
徴によれば、バリスタが酸化亜鉛を母材にしているのが
よい。
本発明による避雷器の製造方法の更に他の好ましい特
徴によれば、末端結合部材の材質が、鉛、アルミニウ
ム、錫、亜鉛、及びそれらの合金等の低融点金属の中か
ら選択されるのがよい。すなわち、末端結合部材の金属
は、400℃オーダの融点をもつ金属、例えばZamakから選
択される。
［実施例］ 本発明における他の特徴及び利点は、添付図に示す非
限定実施例に関する以下の記載より明らかにされるであ
ろう。
第１図のコア１はバリスタタイプの材料、例えば酸化
亜鉛ベースの材料からなる。該コアは全体として軸線４
をもつ円筒形状であり、二つの端面２、３の各々は金属
化層を備える。該コアは必ずしも正立方体でなくてもよ
く、又、端面２、３も完全に平坦でなく、かつ軸線４に
直交していなくてもよい。金属末端結合部材５、６がコ
アの末端に成形されるのでコア１の末端と該末端結合部
材との間で良好な電気接触が確保される。この末端結合
部材は、亜鉛及びその合金、アルミニウム及びその合金
等から選択された材料からなる。
次に、例えばEPDMのごときエラストマからなり、コア
１の側面全部と各末端結合部材５、６の側部とを被覆す
るフィン７の付いた被覆を成形する。
例えば、定格使用電圧20KVに適合するように、コアの
全長が約180mmのとき、断面積900mm2で40KAの電流サー
ジを4/10マイクロ秒間通過させ得る。
第１図のコア１は、第2A図及び第2B図に示すようによ
り小さな断面をもつ複数のバーから構成されてもよい。
第2A図及び第2B図では、酸化亜鉛ベースの七つのバー10
が軸線14の周囲に均等に配置されている。これらのバー
の断面積の合計は一体コアの断面積に相当する。第１図
及び第2A図の実施例におけるバーの長さは実質的に等し
い。
少なくとも部分的に金属化されたバー10の末端に末端
結合部材15、16を成形する。次に同じく成形によってエ
ラストマ被覆17を成形する。エラストマ材料がバー10間
の間隙を充填する。
第３図は、第１図と同様のエレメントを含んでおり、
中央コア１の変形例を用いた避雷器を示す。この変形例
では、中央コアが酸化亜鉛ベースの複数のペレット21、
22、23、24から形成される。該ペレットは、例えばコア
１と同じ断面積をもつペレットの積重ねからなり、この
積重ねはコア１と同じ全長をもつ。ペレットの接触面を
熱圧着によって結合することによってこの積重ねを剛性
化する。このために二つのペレット間に易融金属の極め
て薄いシート20を挿入する。熱処理と同時にアセンブリ
を機械的に圧縮すると極めて良好な機械的結合が得られ
る。
金属は、例えば亜鉛のごとき比較的低融点の金属から
なり得る。圧力は約1kg/mm2、温度は約400℃である。中
央コアの形成後に第１図のコア１と同様にしてアセンブ
リを形成する。
第４図は、中央コアを製造するためのペレット21、2
2、23、24の結合方法の変形例を示す。ペレットを鋳型
に導入し、互いに向き合う面間に小間隙を維持して亜
鉛、Zamak、鉛のごとき低融点金属を注入又は射出し、
金属結合31、32、33を形成する。この処理によってペレ
ット間の電気的接続と機械的固定との双方が確保され
る。
極めて容易に製造できる実施例を説明してきた。しか
しながら、ペレットの積重ねを剛性化し、末端結合部材
及び被覆の成形が可能なエレメントを得るために別の手
段を使用することも可能である。
［発明の効果］ 上述したように本発明の避雷器の製造方法によれば、
ねじ切り等の機械加工が不要であり、コア末端が損傷を
被ることがなく、コア末端の寸法精度に関する許容範囲
が広く、接着の場合に起こる末端結合部材及びコア末端
間の電気的接続不良を回避することができ、又、板ばね
等の部品がいらない。その結果、構造が簡単で部品点数
も少なく、機械的強度及び電気的接続の良好な避雷器
を、簡単かつ安価に製造し得る。
【図面の簡単な説明】
第１図は単一バリスタをもつ本発明の避雷器の長手方向
断面図、第2A図は平行に配列された複数の並列バリスタ
をもつ本発明の避雷器の長手方向断面図、第2B図は第2A
図のII−II断面図、第３図及び第４図は積み重ねられた
複数のバリスタをもつ本発明の避雷器の二つの実施例の
長手方向断面図である。 １……コア、５、６、15、16……末端結合部材、７、17
……フィン、10……バー、21、22、23、24……ペレッ
ト。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】少なくとも一つのバリスタを含むほぼ回転
    体の中央コアと、二つの金属製末端結合部材と、電気絶
    縁材料からなる外側被覆とを備えている避雷器の製造方
    法であって、前記末端結合部材が、前記中央コアにおけ
    る少なくとも部分的に金属化された各末端に成形された
    後、複合材料からなる前記外側被覆が、前記コアと前記
    末端結合部材の少なくとも一部分とを覆う場所に成形さ
    れる避雷器の製造方法。
  2. 【請求項２】前記コアは、各々が回転体であると共に互
    いに平行に取り付けられた複数のバーから構成されてい
    る特許請求の範囲第１項に記載の避雷器の製造方法。
  3. 【請求項３】前記コアは、前記成形作業前に互いに固定
    された複数のペレットの積重ねによって構成されている
    特許請求の範囲第１項に記載の避雷器の製造方法。
  4. 【請求項４】前記積み重ねられたペレットが熱圧着によ
    って互いに固定される特許請求の範囲第３項に記載の製
    造方法。
  5. 【請求項５】前記積み重ねられたペレットは、型わくに
    配設された各ペレット間に低融点金属が注入又は射出さ
    れて互いに固定される特許請求の範囲第３項に記載の製
    造方法。
  6. 【請求項６】前記複合材料が、エラストマ、EPDM、シリ
    コーン、及び任意に調合されたエポキシ樹脂等の樹脂の
    中から選択される特許請求の範囲第１項に記載の製造方
    法。
  7. 【請求項７】前記バリスタが酸化亜鉛を母材にしている
    特許請求の範囲第１項に記載の方法。
  8. 【請求項８】前記末端結合部材の材質が、鉛、アルミニ
    ウム、錫、亜鉛、及びそれらの合金等の低融点金属の中
    から選択される特許請求の範囲第１項に記載の方法。
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CA (1) CA1315963C (ja)
DE (1) DE3769955D1 (ja)
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GR (1) GR3002390T3 (ja)
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