JP2626522B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
半導体装置及びその製造方法Info
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- JP2626522B2 JP2626522B2 JP5300448A JP30044893A JP2626522B2 JP 2626522 B2 JP2626522 B2 JP 2626522B2 JP 5300448 A JP5300448 A JP 5300448A JP 30044893 A JP30044893 A JP 30044893A JP 2626522 B2 JP2626522 B2 JP 2626522B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レトログレード構造の
ウェルを備えた半導体装置及びその製造方法に係り、特
に寄生容量が少なく、高いラッチアップ耐性を有するC
MOS集積回路を含んだ半導体装置及びその製造方法に
関する。
ウェルを備えた半導体装置及びその製造方法に係り、特
に寄生容量が少なく、高いラッチアップ耐性を有するC
MOS集積回路を含んだ半導体装置及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】CMOS、又はBi−CMOS集積回路
では、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタと
が相補型に接続されて同一のウェーハ上に形成されてい
る。従って、ウェーハ上には、各MOSトランジスタの
形成領域としてP型領域とN型領域とが形成される。か
かる領域は、一般的にウェル、或はタブと呼ばれる(以
下、ウェルと称する)。
では、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタと
が相補型に接続されて同一のウェーハ上に形成されてい
る。従って、ウェーハ上には、各MOSトランジスタの
形成領域としてP型領域とN型領域とが形成される。か
かる領域は、一般的にウェル、或はタブと呼ばれる(以
下、ウェルと称する)。
【0003】CMOS集積回路等のウェル領域の形成に
は、不純物イオンの注入工程及び熱拡散工程からなる方
法が長年使用されている。この方法では、先ず、Pウェ
ル領域に200KeV以下の低エネルギーでボロン等の
不純物イオンを注入し、かつNウェル領域に同じく20
0KeV以下の低エネルギーでヒ素、或はリン等の不純
物イオンを注入する。次いで、このイオン注入した不純
物を熱拡散法で拡散させることによりウェル領域を形成
している。
は、不純物イオンの注入工程及び熱拡散工程からなる方
法が長年使用されている。この方法では、先ず、Pウェ
ル領域に200KeV以下の低エネルギーでボロン等の
不純物イオンを注入し、かつNウェル領域に同じく20
0KeV以下の低エネルギーでヒ素、或はリン等の不純
物イオンを注入する。次いで、このイオン注入した不純
物を熱拡散法で拡散させることによりウェル領域を形成
している。
【0004】ところが、熱拡散工程を採用する方法によ
ると、ウェル領域が横方向に大きく広がるので、Nウェ
ル−Pウェル間の間隔を狭くできず、回路の高集積化が
困難になるという問題がある。一方、CMOS集積回路
の高性能化に伴い、そのラッチアップ耐性の向上も高く
要求されつつある。ラッチアップ耐性は、ウェル領域の
不純物濃度を上げてウェルの抵抗値を下げることにより
向上させることが可能となる。しかし、上記熱拡散工程
を採用する場合には、ウェル表面のキャリア濃度以上に
内部のキャリア濃度を上げることができないため、CM
OSトランジスタに対するラッチアップ耐性の向上を図
ることができないという問題がある。そこで、これらの
問題を解決するために近年、高エネルギーイオン注入法
が採用されている。この高エネルギーイオン注入法で
は、200KeVを越える加速エネルギーでイオンを注
入してウェルを形成する。
ると、ウェル領域が横方向に大きく広がるので、Nウェ
ル−Pウェル間の間隔を狭くできず、回路の高集積化が
困難になるという問題がある。一方、CMOS集積回路
の高性能化に伴い、そのラッチアップ耐性の向上も高く
要求されつつある。ラッチアップ耐性は、ウェル領域の
不純物濃度を上げてウェルの抵抗値を下げることにより
向上させることが可能となる。しかし、上記熱拡散工程
を採用する場合には、ウェル表面のキャリア濃度以上に
内部のキャリア濃度を上げることができないため、CM
OSトランジスタに対するラッチアップ耐性の向上を図
ることができないという問題がある。そこで、これらの
問題を解決するために近年、高エネルギーイオン注入法
が採用されている。この高エネルギーイオン注入法で
は、200KeVを越える加速エネルギーでイオンを注
入してウェルを形成する。
【0005】上記、高エネルギーイオン注入法を用いた
ウェルの形成技術(ソリッド・ステート・テクノロジー
誌 7月号 1992年 49−55ページに開示)に
ついて、図面を参照して説明する。図7はこの高エネル
ギーイオン注入法を用いたウェル形成工程の一部を工程
順に示す一部断面図である。先ず、シリコン基板1上に
通常のLOCOS法等により素子分離するための厚さ5
00nmのフィールド酸化膜2を形成し、続いてフィー
ルド酸化膜2で囲まれた活性領域のシリコン基板1上に
熱酸化法により厚さ20nmの犠牲酸化膜3を形成す
る。
ウェルの形成技術(ソリッド・ステート・テクノロジー
誌 7月号 1992年 49−55ページに開示)に
ついて、図面を参照して説明する。図7はこの高エネル
ギーイオン注入法を用いたウェル形成工程の一部を工程
順に示す一部断面図である。先ず、シリコン基板1上に
通常のLOCOS法等により素子分離するための厚さ5
00nmのフィールド酸化膜2を形成し、続いてフィー
ルド酸化膜2で囲まれた活性領域のシリコン基板1上に
熱酸化法により厚さ20nmの犠牲酸化膜3を形成す
る。
【0006】次に、図7(a)に示すように、フォトリ
ソグラフィ技術を用いてPMOS電界効果トランジスタ
の形成領域以外をフォトレジスト4で覆った後に、Pイ
オン(リンイオン)、或はAsイオン等のN型不純物を
注入する。ここで、イオンを注入する際の加速エネルギ
ーは、不純物がフィールド酸化膜2を通り抜けてシリコ
ン基板1に達するエネルギー値に選択する。例えば、P
イオンを1000KeVの加速エネルギーで2E13の
ドーズ量で注入する。この結果、シリコン基板1の表面
から約1μmの領域に濃度の濃いn+ 領域を有するNウ
ェルが形成される。続いて、同じフォトレジストマスク
4を用い、フィールド酸化膜2下の領域にPイオン等の
N型不純物を注入してチャンネルストップ領域を形成す
る(図示せず)。ここでは、例えば、Pイオンを300
KeVの加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入す
る。
ソグラフィ技術を用いてPMOS電界効果トランジスタ
の形成領域以外をフォトレジスト4で覆った後に、Pイ
オン(リンイオン)、或はAsイオン等のN型不純物を
注入する。ここで、イオンを注入する際の加速エネルギ
ーは、不純物がフィールド酸化膜2を通り抜けてシリコ
ン基板1に達するエネルギー値に選択する。例えば、P
イオンを1000KeVの加速エネルギーで2E13の
ドーズ量で注入する。この結果、シリコン基板1の表面
から約1μmの領域に濃度の濃いn+ 領域を有するNウ
ェルが形成される。続いて、同じフォトレジストマスク
4を用い、フィールド酸化膜2下の領域にPイオン等の
N型不純物を注入してチャンネルストップ領域を形成す
る(図示せず)。ここでは、例えば、Pイオンを300
KeVの加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入す
る。
【0007】次いで、フォトレジスト4を除去した後、
図7(b)に示すように、NMOS電界効果トランジス
タの形成領域以外をフォトレジスト5で覆い、Bイオン
等のP型不純物を注入する。ここでも、イオンを注入す
る際の加速エネルギーは不純物がフィールド酸化膜2を
通り抜けてシリコン基板1に達するエネルギー値に選択
する。例えば、Bイオンを500KeVの加速エネルギ
ーで2E13のドーズ量で注入する。この結果、シリコ
ン基板1の表面から約1μmの領域に濃度の濃いp+ 領
域を有するPウェルが形成される。続いて、同じフォト
レジストマスク5を用い、フィールド酸化膜2下の領域
にBイオン等のP型不純物を注入してチャンネルストッ
プ領域を形成する(図示せず)。ここでは、例えば、B
イオンを200KeVの加速エネルギーで5E12のド
ーズ量で注入する。
図7(b)に示すように、NMOS電界効果トランジス
タの形成領域以外をフォトレジスト5で覆い、Bイオン
等のP型不純物を注入する。ここでも、イオンを注入す
る際の加速エネルギーは不純物がフィールド酸化膜2を
通り抜けてシリコン基板1に達するエネルギー値に選択
する。例えば、Bイオンを500KeVの加速エネルギ
ーで2E13のドーズ量で注入する。この結果、シリコ
ン基板1の表面から約1μmの領域に濃度の濃いp+ 領
域を有するPウェルが形成される。続いて、同じフォト
レジストマスク5を用い、フィールド酸化膜2下の領域
にBイオン等のP型不純物を注入してチャンネルストッ
プ領域を形成する(図示せず)。ここでは、例えば、B
イオンを200KeVの加速エネルギーで5E12のド
ーズ量で注入する。
【0008】以上の製造方法を採用することにより、M
OSトランジスタの形成領域となるウェルは、シリコン
基板1内部に最大キャリア濃度を持ち、シリコン基板1
表面に向かうに伴ってその濃度が低下するという濃度勾
配を有する、レトログレード構造に形成される。
OSトランジスタの形成領域となるウェルは、シリコン
基板1内部に最大キャリア濃度を持ち、シリコン基板1
表面に向かうに伴ってその濃度が低下するという濃度勾
配を有する、レトログレード構造に形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の高エネルギーイ
オン注入法でウェルを形成した半導体装置では、Pウェ
ルとNウェルのそれぞれの最大キャリア濃度領域がほぼ
同程度の深さ位置に存在するので、それぞれのウェルの
最大キャリア濃度同士がP/Nウェル境界において接す
ることになる。この構造では、Pウェル/Nウェル間の
電気的耐圧が低エネルギーイオン注入工程及び熱拡散工
程を用いた方法で形成された構造に比して低下するの
で、回路に誤動作が生じやすくなるという問題点があ
る。更に、このレトログレード構造のウェルでは、ウェ
ル間の空乏層の伸びが抑えられるので、Pウェル/Nウ
ェル間の寄生容量が増大し、トランジスタの動作速度が
低下するという問題も発生する。
オン注入法でウェルを形成した半導体装置では、Pウェ
ルとNウェルのそれぞれの最大キャリア濃度領域がほぼ
同程度の深さ位置に存在するので、それぞれのウェルの
最大キャリア濃度同士がP/Nウェル境界において接す
ることになる。この構造では、Pウェル/Nウェル間の
電気的耐圧が低エネルギーイオン注入工程及び熱拡散工
程を用いた方法で形成された構造に比して低下するの
で、回路に誤動作が生じやすくなるという問題点があ
る。更に、このレトログレード構造のウェルでは、ウェ
ル間の空乏層の伸びが抑えられるので、Pウェル/Nウ
ェル間の寄生容量が増大し、トランジスタの動作速度が
低下するという問題も発生する。
【0010】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、高集積化が可能で、寄生容量が少なく、か
つ高いラッチアップ耐性を備えた半導体装置及びその製
造方法を提供することを目的とする。
れたもので、高集積化が可能で、寄生容量が少なく、か
つ高いラッチアップ耐性を備えた半導体装置及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の半導体装置は、ウェルの深さ方向の所定部
に最大キャリア濃度領域を備えたレトログレード構造の
Pウェル及びNウェルを有する半導体装置において、こ
れらPウェル及びNウェルの最大キャリア濃度領域で
は、両ウェル境界部分のキャリア濃度が同境界部分から
離れた領域部分のキャリア濃度よりも低いことを特徴と
する。
め、本発明の半導体装置は、ウェルの深さ方向の所定部
に最大キャリア濃度領域を備えたレトログレード構造の
Pウェル及びNウェルを有する半導体装置において、こ
れらPウェル及びNウェルの最大キャリア濃度領域で
は、両ウェル境界部分のキャリア濃度が同境界部分から
離れた領域部分のキャリア濃度よりも低いことを特徴と
する。
【0012】本発明の半導体装置の製造方法は、ウェル
の深さ方向の所定部に最大キャリア濃度領域を備えたレ
トログレード構造のPウェル及びNウェルを有する半導
体装置の製造方法において、これらPウェル及びNウェ
ルに、相隣接するウェルのキャリア濃度を低減させる補
償型不純物イオンを斜め注入するイオン注入工程を有す
ることを特徴とする。ここに補償型不純物イオンとは、
キャリア濃度を低減させるために注入するもので、Pウ
ェルに対してはPイオン等のN型不純物イオンをいい、
Nウェルに対してはBイオン等のP型不純物イオンをい
う。また、イオン注入は、200KeVを越える加速エ
ネルギーでイオンを注入する、高エネルギーイオン注入
法を採用することが好ましい。
の深さ方向の所定部に最大キャリア濃度領域を備えたレ
トログレード構造のPウェル及びNウェルを有する半導
体装置の製造方法において、これらPウェル及びNウェ
ルに、相隣接するウェルのキャリア濃度を低減させる補
償型不純物イオンを斜め注入するイオン注入工程を有す
ることを特徴とする。ここに補償型不純物イオンとは、
キャリア濃度を低減させるために注入するもので、Pウ
ェルに対してはPイオン等のN型不純物イオンをいい、
Nウェルに対してはBイオン等のP型不純物イオンをい
う。また、イオン注入は、200KeVを越える加速エ
ネルギーでイオンを注入する、高エネルギーイオン注入
法を採用することが好ましい。
【0013】また、別の製造方法としては、ウェルの深
さ方向の所定部に最大キャリア濃度領域を備えたレトロ
グレード構造のPウェル及びNウェルを有する半導体装
置の製造方法において、前記Pウェル及び前記Nウェル
における一方のウェルを形成した後に、同ウェル形成に
用いたマスクを後退させて同ウェルの最大キャリア濃度
領域に向けて、他方のウェルのキャリア濃度を低減させ
る補償型不純物イオンを注入する工程と、前記他方のウ
ェルを形成した後に、同ウェル形成に用いたマスクを後
退させて同ウェルの最大キャリア濃度領域に向けて、前
記一方のウェルのキャリア濃度を低減させる補償型不純
物イオンを注入する工程とを有することを特徴とする。
さ方向の所定部に最大キャリア濃度領域を備えたレトロ
グレード構造のPウェル及びNウェルを有する半導体装
置の製造方法において、前記Pウェル及び前記Nウェル
における一方のウェルを形成した後に、同ウェル形成に
用いたマスクを後退させて同ウェルの最大キャリア濃度
領域に向けて、他方のウェルのキャリア濃度を低減させ
る補償型不純物イオンを注入する工程と、前記他方のウ
ェルを形成した後に、同ウェル形成に用いたマスクを後
退させて同ウェルの最大キャリア濃度領域に向けて、前
記一方のウェルのキャリア濃度を低減させる補償型不純
物イオンを注入する工程とを有することを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1の発明による半導体装置では、Pウェ
ル及びNウェルの最大キャリア濃度領域のキャリア濃度
が、これらPウェル及びNウェルの境界部分の方が同境
界部分から離れた領域部分に比して低いので、CMOS
集積回路を形成するPウェル/Nウェル間の電気的な耐
圧の低下を防止できる。また、Pウェル/Nウェル境界
部分で空乏層が広がって、ウェル間の寄生容量が減少す
るので、トランジスタの動作を高速にできる。
ル及びNウェルの最大キャリア濃度領域のキャリア濃度
が、これらPウェル及びNウェルの境界部分の方が同境
界部分から離れた領域部分に比して低いので、CMOS
集積回路を形成するPウェル/Nウェル間の電気的な耐
圧の低下を防止できる。また、Pウェル/Nウェル境界
部分で空乏層が広がって、ウェル間の寄生容量が減少す
るので、トランジスタの動作を高速にできる。
【0015】請求項2及び3の発明による半導体装置の
製造方法では、最大キャリア濃度領域におけるウェル間
の境界部分に補償型不純物イオンを注入する工程が含ま
れているので、両ウェルの境界部分のキャリア濃度を容
易に低減することができる。また、特に補償型不純物イ
オンを注入する際に高エネルギーイオン注入法を採用す
れば、Pウェル及びNウェルの最大キャリア濃度領域の
境界部分のキャリア濃度のみを容易に低減させることが
できる。
製造方法では、最大キャリア濃度領域におけるウェル間
の境界部分に補償型不純物イオンを注入する工程が含ま
れているので、両ウェルの境界部分のキャリア濃度を容
易に低減することができる。また、特に補償型不純物イ
オンを注入する際に高エネルギーイオン注入法を採用す
れば、Pウェル及びNウェルの最大キャリア濃度領域の
境界部分のキャリア濃度のみを容易に低減させることが
できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明に係る半導体装置のウェル構
造の一例を示し、図2(a)、(b)、及び図3
(c)、(d)は夫々、本発明の第1実施例の製造方法
の工程段階を順次に示した、レトログレード構造の半導
体装置の断面図である。
て説明する。図1は本発明に係る半導体装置のウェル構
造の一例を示し、図2(a)、(b)、及び図3
(c)、(d)は夫々、本発明の第1実施例の製造方法
の工程段階を順次に示した、レトログレード構造の半導
体装置の断面図である。
【0017】各図に示した半導体装置は、CMOS型電
界トランジスタを集積回路に含むもので、フィールド酸
化膜で仕切られたシリコン基板1の活性領域にレトログ
レード構造のPウェル10とNウェル11が設けられ、
Pウェル10内に形成させるNMOSトランジスタ(図
示せず)と、Nウェル11内に形成させるPMOSトラ
ンジスタ(図示せず)とが相補型に接続された構造にな
っている。図1に示した本実施例の半導体装置では、P
ウェル10とNウェル11との接合部が、キャリア濃度
の低い境界部分12に形成され、空乏層を広く設けた構
造になっている。このような構造にすることで、ウェル
間の寄生容量を少なくでき、電気的耐性をも高めること
が可能となる。
界トランジスタを集積回路に含むもので、フィールド酸
化膜で仕切られたシリコン基板1の活性領域にレトログ
レード構造のPウェル10とNウェル11が設けられ、
Pウェル10内に形成させるNMOSトランジスタ(図
示せず)と、Nウェル11内に形成させるPMOSトラ
ンジスタ(図示せず)とが相補型に接続された構造にな
っている。図1に示した本実施例の半導体装置では、P
ウェル10とNウェル11との接合部が、キャリア濃度
の低い境界部分12に形成され、空乏層を広く設けた構
造になっている。このような構造にすることで、ウェル
間の寄生容量を少なくでき、電気的耐性をも高めること
が可能となる。
【0018】次に、図2から図3を参照してレトログレ
ード構造を有する半導体装置の製造方法の第1実施例に
ついて説明する。先ず、シリコン基板1上に通常のLO
COS法等により厚さ500nmのフィールド酸化膜2
を形成し、続いて、フィールド酸化膜2で囲まれた活性
領域のシリコン基板1上に熱酸化法により厚さ20nm
の犠牲酸化膜3を形成する。
ード構造を有する半導体装置の製造方法の第1実施例に
ついて説明する。先ず、シリコン基板1上に通常のLO
COS法等により厚さ500nmのフィールド酸化膜2
を形成し、続いて、フィールド酸化膜2で囲まれた活性
領域のシリコン基板1上に熱酸化法により厚さ20nm
の犠牲酸化膜3を形成する。
【0019】次に、図2(a)に示すようにフォトリソ
グラフィ技術を用いてPMOS電界効果トランジスタの
形成領域以外をフォトレジスト4で覆った後に、Pイオ
ン又はAsイオン等のN型不純物を注入する。ここで、
イオン注入する加速エネルギーは不純物がフィールド酸
化膜2を通り抜けてシリコン基板1に達するエネルギー
値に選択する。例えば、Pイオンを1000KeVの加
速エネルギーによって5E12のドーズ量で注入する。
この結果、シリコン基板1の表面から約1μmの領域に
濃度の濃いn+ 領域(最大キャリア濃度領域)を有する
Nウェル11が形成される。
グラフィ技術を用いてPMOS電界効果トランジスタの
形成領域以外をフォトレジスト4で覆った後に、Pイオ
ン又はAsイオン等のN型不純物を注入する。ここで、
イオン注入する加速エネルギーは不純物がフィールド酸
化膜2を通り抜けてシリコン基板1に達するエネルギー
値に選択する。例えば、Pイオンを1000KeVの加
速エネルギーによって5E12のドーズ量で注入する。
この結果、シリコン基板1の表面から約1μmの領域に
濃度の濃いn+ 領域(最大キャリア濃度領域)を有する
Nウェル11が形成される。
【0020】続いて、同じフォトレジスト4をマスクに
用い、フィールド酸化膜2下の領域にPイオン等のN型
不純物を注入してチャンネルストップ領域を形成する
(図示せず)。この場合、例えば、Pイオンを300K
eVの加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入す
る。上記各イオン注入は、フォトレジスト4のマスクと
形成後の各ウェルとの間に位置ずれが生じないようにシ
リコン基板1に対して垂直に行う。
用い、フィールド酸化膜2下の領域にPイオン等のN型
不純物を注入してチャンネルストップ領域を形成する
(図示せず)。この場合、例えば、Pイオンを300K
eVの加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入す
る。上記各イオン注入は、フォトレジスト4のマスクと
形成後の各ウェルとの間に位置ずれが生じないようにシ
リコン基板1に対して垂直に行う。
【0021】次いで、図2(b)に示すように、同じフ
ォトレジスト4のマスクを用い、シリコン基板1の面に
直交する直線に対して角度θ=30度の条件でPイオン
を斜め注入する。この時のPイオンの加速エネルギー
は、Pイオンの飛程領域がPウェル10の最大キャリア
濃度P+ の領域に一致する値に選択する。この実施例で
は、Bイオンを500KeVの加速エネルギーで注入し
てPウェル10を形成することとし、シリコン基板1の
表面から約1μmの領域に濃度の濃いp+ 領域(最大キ
ャリア濃度領域)を有するPウェル10を形成する。P
イオンの斜め注入では、1150KeVの加速エネルギ
ーを採用し、このPイオンを1.5E13のドーズ量で
注入する。
ォトレジスト4のマスクを用い、シリコン基板1の面に
直交する直線に対して角度θ=30度の条件でPイオン
を斜め注入する。この時のPイオンの加速エネルギー
は、Pイオンの飛程領域がPウェル10の最大キャリア
濃度P+ の領域に一致する値に選択する。この実施例で
は、Bイオンを500KeVの加速エネルギーで注入し
てPウェル10を形成することとし、シリコン基板1の
表面から約1μmの領域に濃度の濃いp+ 領域(最大キ
ャリア濃度領域)を有するPウェル10を形成する。P
イオンの斜め注入では、1150KeVの加速エネルギ
ーを採用し、このPイオンを1.5E13のドーズ量で
注入する。
【0022】次に、Nウェル11の形成に用いたフォト
レジスト4を取り除いた後、図3(c)に示すように、
NMOS電界効果トランジスタの形成領域以外をフォト
レジスト5で覆い、Bイオン等のP型不純物を注入す
る。この場合にも、イオンを注入する際の加速エネルギ
ーは、不純物がフィールド酸化膜2を通り抜けてシリコ
ン基板1に達するエネルギー値に選択する。この実施例
では、Bイオンを500KeVの加速エネルギーで5E
12のドーズ量で注入する。
レジスト4を取り除いた後、図3(c)に示すように、
NMOS電界効果トランジスタの形成領域以外をフォト
レジスト5で覆い、Bイオン等のP型不純物を注入す
る。この場合にも、イオンを注入する際の加速エネルギ
ーは、不純物がフィールド酸化膜2を通り抜けてシリコ
ン基板1に達するエネルギー値に選択する。この実施例
では、Bイオンを500KeVの加速エネルギーで5E
12のドーズ量で注入する。
【0023】上記Bイオン注入により、シリコン基板1
の表面から約1μmの領域にキャリア濃度の濃いP+ 領
域を有するPウェル10が形成される。なお、境界部分
12におけるPウェル10側では、Bイオンが注入され
ても、先の斜めイオン注入工程で注入されたPイオンに
より補償されるので、実効的にはn型領域になる。続い
て、同じフォトレジスト5をマスクに用い、フィールド
酸化膜2下の領域にチャンネルストップ領域を形成する
ためのBイオンを、200KeVの加速エネルギーで5
E12のドーズ量で注入する(図示せず)。
の表面から約1μmの領域にキャリア濃度の濃いP+ 領
域を有するPウェル10が形成される。なお、境界部分
12におけるPウェル10側では、Bイオンが注入され
ても、先の斜めイオン注入工程で注入されたPイオンに
より補償されるので、実効的にはn型領域になる。続い
て、同じフォトレジスト5をマスクに用い、フィールド
酸化膜2下の領域にチャンネルストップ領域を形成する
ためのBイオンを、200KeVの加速エネルギーで5
E12のドーズ量で注入する(図示せず)。
【0024】次に図3(d)に示すように、同じフォト
レジスト2をマスクに用い、シリコン基板1の面に直交
する直線に対して角度θ=30度の条件でBイオンを斜
め注入する。この時のBイオンの加速エネルギーは、そ
の飛程がNウェル11の最大キャリア濃度領域と一致す
る値にする。本実施例では、Nウェル11を形成する
際、Pイオンを1000KeVの加速エネルギーで注入
するので、シリコン基板1の表面から約1μmの領域に
最大キャリア濃度領域(n+ 領域)を有するNウェル1
1が形成される。従って、Bイオンの斜め注入は、58
0KeVの加速エネルギーで1.5E13のドーズ量で
行われる。
レジスト2をマスクに用い、シリコン基板1の面に直交
する直線に対して角度θ=30度の条件でBイオンを斜
め注入する。この時のBイオンの加速エネルギーは、そ
の飛程がNウェル11の最大キャリア濃度領域と一致す
る値にする。本実施例では、Nウェル11を形成する
際、Pイオンを1000KeVの加速エネルギーで注入
するので、シリコン基板1の表面から約1μmの領域に
最大キャリア濃度領域(n+ 領域)を有するNウェル1
1が形成される。従って、Bイオンの斜め注入は、58
0KeVの加速エネルギーで1.5E13のドーズ量で
行われる。
【0025】Pウェル10がNウェル11に隣接する境
界部分12における最大キャリア濃度は、Bイオンの斜
め注入によりp型となる。従って、境界部分12におけ
るPウェル10の最大キャリア濃度は、同境界部分12
以外のPウェル10の最大キャリア濃度(2E13の注
入量:図中p+ )より低濃度(実効的に5E12の注入
量と同等:図中p)となる。 Nウェル11がPウェル
10に隣接する境界領域12における最大キャリア濃度
は、斜め注入されたBイオンと前工程で垂直及び斜め注
入されたPイオンとが補償され、n型となる。従って、
境界部分12におけるNウェル11の最大キャリア濃度
は、同境界部分12以外のNウェル11の最大キャリア
濃度(2E13の注入量:図中n+ )より低濃度(実効
的に5E12の注入量:図中n)となる。
界部分12における最大キャリア濃度は、Bイオンの斜
め注入によりp型となる。従って、境界部分12におけ
るPウェル10の最大キャリア濃度は、同境界部分12
以外のPウェル10の最大キャリア濃度(2E13の注
入量:図中p+ )より低濃度(実効的に5E12の注入
量と同等:図中p)となる。 Nウェル11がPウェル
10に隣接する境界領域12における最大キャリア濃度
は、斜め注入されたBイオンと前工程で垂直及び斜め注
入されたPイオンとが補償され、n型となる。従って、
境界部分12におけるNウェル11の最大キャリア濃度
は、同境界部分12以外のNウェル11の最大キャリア
濃度(2E13の注入量:図中n+ )より低濃度(実効
的に5E12の注入量:図中n)となる。
【0026】次に、本発明に係る半導体装置の製造方法
の第2実施例について図面を参照して説明する。図4
(a)、(b)、及び図5(c)、(d)は夫々、本発
明の第2実施例の製造方法の工程段階を順次に示した断
面図である。先ず、第1実施例の製造方法と同様に、シ
リコン基板1上にフィールド酸化膜2及び犠牲酸化膜3
を形成する。次に、化学気相成長法等により厚さ30n
mの窒化シリコン膜6と厚さ2000nmの酸化シリコ
ン膜7を順次形成する。
の第2実施例について図面を参照して説明する。図4
(a)、(b)、及び図5(c)、(d)は夫々、本発
明の第2実施例の製造方法の工程段階を順次に示した断
面図である。先ず、第1実施例の製造方法と同様に、シ
リコン基板1上にフィールド酸化膜2及び犠牲酸化膜3
を形成する。次に、化学気相成長法等により厚さ30n
mの窒化シリコン膜6と厚さ2000nmの酸化シリコ
ン膜7を順次形成する。
【0027】次に、図4(a)に示すようにPMOS電
界効果トランジスタの形成領域以外を通常のフォトリソ
グラフィ技術により形成されたフォトレジスト4により
覆い、酸化シリコン膜7をドライエッチング法により除
去する。この際、酸化シリコン膜7はフォトレジスト4
より約0.5μm後退する条件でエッチングを行う。次
いで、この状態のままでPイオンを1000KeVの加
速エネルギーで5E12のドーズ量で注入する。この結
果、シリコン基板1の表面から約1μmの領域に濃度の
濃いn+ 領域(最大キャリア濃度領域)を有するNウェ
ル11が形成される。続いて、Pイオンを300KeV
の加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入する(図
示せず)。
界効果トランジスタの形成領域以外を通常のフォトリソ
グラフィ技術により形成されたフォトレジスト4により
覆い、酸化シリコン膜7をドライエッチング法により除
去する。この際、酸化シリコン膜7はフォトレジスト4
より約0.5μm後退する条件でエッチングを行う。次
いで、この状態のままでPイオンを1000KeVの加
速エネルギーで5E12のドーズ量で注入する。この結
果、シリコン基板1の表面から約1μmの領域に濃度の
濃いn+ 領域(最大キャリア濃度領域)を有するNウェ
ル11が形成される。続いて、Pイオンを300KeV
の加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入する(図
示せず)。
【0028】次いで、図4(b)に示すように、フォト
レジスト4を除去した状態で酸化シリコン膜7をマスク
に用い、Pイオンを1000KeVの加速エネルギーで
1.5E13のドーズ量で注入する。なお、この時のP
イオンの加速エネルギーは、Pイオンの飛程領域と形成
されるPウェル10の最大キャリア濃度領域とが一致す
る値にする。このようにPMOS電界効果トランジスタ
の形成領域となるNウェル11を形成した後、フッ酸系
の薬品を用い、酸化シリコン膜7を除去する。そして、
新たに厚さ2000nmの酸化シリコン膜8をウェハ上
に成長させる。次に、図5(c)に示すように、NMO
S電界効果トランジスタの形成領域以外をフォトレジス
ト5で覆い、同様に酸化シリコン膜8をフォトレジスト
5より約0.5μm後退する条件でドライエッチング法
により除去する。続いて、Bイオンを500KeVの加
速エネルギーで5E12のドーズ量で注入し、シリコン
基板1の表面から約1μmの領域に濃度の濃いp+ 領域
(最大キャリア領域)を有するPウェル10を形成す
る。なお、Pウェル10とNウェル11との境界部分1
2では、Bイオンが注入されても、先のイオン注入工程
で注入されたPイオンにより補償されるので、実効的に
n型のウェルになる。続いて、同じフォトレジスト5を
マスクに用い、フィールド酸化膜2下の領域にチャンネ
ルストップ領域を形成するためのBイオンを200Ke
Vの加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入する
(図示せず)。
レジスト4を除去した状態で酸化シリコン膜7をマスク
に用い、Pイオンを1000KeVの加速エネルギーで
1.5E13のドーズ量で注入する。なお、この時のP
イオンの加速エネルギーは、Pイオンの飛程領域と形成
されるPウェル10の最大キャリア濃度領域とが一致す
る値にする。このようにPMOS電界効果トランジスタ
の形成領域となるNウェル11を形成した後、フッ酸系
の薬品を用い、酸化シリコン膜7を除去する。そして、
新たに厚さ2000nmの酸化シリコン膜8をウェハ上
に成長させる。次に、図5(c)に示すように、NMO
S電界効果トランジスタの形成領域以外をフォトレジス
ト5で覆い、同様に酸化シリコン膜8をフォトレジスト
5より約0.5μm後退する条件でドライエッチング法
により除去する。続いて、Bイオンを500KeVの加
速エネルギーで5E12のドーズ量で注入し、シリコン
基板1の表面から約1μmの領域に濃度の濃いp+ 領域
(最大キャリア領域)を有するPウェル10を形成す
る。なお、Pウェル10とNウェル11との境界部分1
2では、Bイオンが注入されても、先のイオン注入工程
で注入されたPイオンにより補償されるので、実効的に
n型のウェルになる。続いて、同じフォトレジスト5を
マスクに用い、フィールド酸化膜2下の領域にチャンネ
ルストップ領域を形成するためのBイオンを200Ke
Vの加速エネルギーで5E12のドーズ量で注入する
(図示せず)。
【0029】次いで、図5(d)に示すように、フォト
レジスト5を除去した状態で酸化シリコン膜8をマスク
に用い、Bイオンを、500KeVの加速エネルギーで
1.5E13のドーズ量で注入する。なお、この時のB
イオンの加速エネルギーは、Bイオンの飛程領域と先に
形成したNウェル11の最大キャリア濃度領域とが一致
する値にする。なお、Bイオンを注入した後は、酸化シ
リコン膜8をフッ酸系の薬品で窒化シリコン膜6をリン
酸系の薬品で除去する(図示せず)。
レジスト5を除去した状態で酸化シリコン膜8をマスク
に用い、Bイオンを、500KeVの加速エネルギーで
1.5E13のドーズ量で注入する。なお、この時のB
イオンの加速エネルギーは、Bイオンの飛程領域と先に
形成したNウェル11の最大キャリア濃度領域とが一致
する値にする。なお、Bイオンを注入した後は、酸化シ
リコン膜8をフッ酸系の薬品で窒化シリコン膜6をリン
酸系の薬品で除去する(図示せず)。
【0030】この結果、図5(c)及び(d)に示すよ
うに、 Pウェル10がNウェル11に隣接する境界部
分12における最大キャリア濃度は、Bイオンの注入に
よりp型となる。従って、境界部分12におけるPウェ
ル10の最大キャリア濃度は、同境界部分12以外のP
ウェル10の最大キャリア濃度(2E13の注入量:図
中p+ )より低濃度(実効的に5E12の注入量と同
等:図中p)となる。Nウェル11がPウェル10に隣
接する境界部分12における最大キャリア濃度は、注入
されたBイオンと前工程で注入されたPイオンとが補償
され、n型となる。従って、境界部分12におけるNウ
ェル11の最大キャリア濃度は、同境界部分12以外の
Nウェル11の最大キャリア濃度(2E13の注入量:
図中n+)より低濃度(実効的に5E12の注入量:図
中n)となる。
うに、 Pウェル10がNウェル11に隣接する境界部
分12における最大キャリア濃度は、Bイオンの注入に
よりp型となる。従って、境界部分12におけるPウェ
ル10の最大キャリア濃度は、同境界部分12以外のP
ウェル10の最大キャリア濃度(2E13の注入量:図
中p+ )より低濃度(実効的に5E12の注入量と同
等:図中p)となる。Nウェル11がPウェル10に隣
接する境界部分12における最大キャリア濃度は、注入
されたBイオンと前工程で注入されたPイオンとが補償
され、n型となる。従って、境界部分12におけるNウ
ェル11の最大キャリア濃度は、同境界部分12以外の
Nウェル11の最大キャリア濃度(2E13の注入量:
図中n+)より低濃度(実効的に5E12の注入量:図
中n)となる。
【0031】上記、第1及び第2実施例による半導体装
置の製造方法を採用すれば、Pウェル10とNウェル1
1とをレトログレード構造に形成しても、Nウェル11
及びPウェル10の最大キャリア濃度領域では、両ウェ
ルの境界部分12のキャリア濃度が、同境界部分12か
ら離れた部分領域のキャリア濃度より低減される。な
お、第1及び第2実施例の製造方法においては、N型の
注入不純物としてPイオンを、P型の不純物としてBイ
オンを採用したが、これに限定するものではなく、例え
ばN型不純物としてAs、Sbイオンを、P型不純物と
してAl、Ga等を用いても良い。
置の製造方法を採用すれば、Pウェル10とNウェル1
1とをレトログレード構造に形成しても、Nウェル11
及びPウェル10の最大キャリア濃度領域では、両ウェ
ルの境界部分12のキャリア濃度が、同境界部分12か
ら離れた部分領域のキャリア濃度より低減される。な
お、第1及び第2実施例の製造方法においては、N型の
注入不純物としてPイオンを、P型の不純物としてBイ
オンを採用したが、これに限定するものではなく、例え
ばN型不純物としてAs、Sbイオンを、P型不純物と
してAl、Ga等を用いても良い。
【0032】次に、本発明の半導体装置のウェル間耐圧
に関する試験結果について説明する。図6は、本発明に
係る半導体装置の一実施例のウェル間耐圧のデータを従
来例と対比させて示した図である。
に関する試験結果について説明する。図6は、本発明に
係る半導体装置の一実施例のウェル間耐圧のデータを従
来例と対比させて示した図である。
【0033】図6のグラフから理解できるように、従来
のレトログレード構造の半導体装置の場合(番号B)は
ウェル間耐圧が約5の値である。これに対し、本発明の
レトログレードウェル構造の半導体装置(番号A)では
ウェル間耐圧が約7.5の値になる。従って、低エネル
ギーイオン注入法及び熱拡散法を使用して製造した半導
体装置(番号C)のウェル間耐圧約7.5の値と同等と
なる。この結果、本発明によれば、CMOS集積回路に
ついて回路の高集積化が可能なレトログレード構造のウ
ェルを採用しながら、ウェル間の空乏層の伸びを抑えて
寄生容量を減少させることが可能になる。
のレトログレード構造の半導体装置の場合(番号B)は
ウェル間耐圧が約5の値である。これに対し、本発明の
レトログレードウェル構造の半導体装置(番号A)では
ウェル間耐圧が約7.5の値になる。従って、低エネル
ギーイオン注入法及び熱拡散法を使用して製造した半導
体装置(番号C)のウェル間耐圧約7.5の値と同等と
なる。この結果、本発明によれば、CMOS集積回路に
ついて回路の高集積化が可能なレトログレード構造のウ
ェルを採用しながら、ウェル間の空乏層の伸びを抑えて
寄生容量を減少させることが可能になる。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したように請求項1の発明の
半導体装置によれば、CMOSトランジスタのウェルが
レトログレード構造に形成されるので、低エネルギーイ
オン注入法及び熱拡散法を用いて半導体装置を製造する
場合よりも、高集積化が可能となるとともに、ウェル間
のラッチアップ耐性を高く維持できる。更に、かかる発
明の半導体装置によれば、ウェル間の境界部分の最大キ
ャリア濃度領域の濃度が同境界部分から離れた領域部分
の最大キャリア濃度よりも低減されるので、ウェル間の
電気的耐圧が高く維持されるとともに、寄生容量が減少
して半導体装置の動作が高速可能になるという効果を奏
する。
半導体装置によれば、CMOSトランジスタのウェルが
レトログレード構造に形成されるので、低エネルギーイ
オン注入法及び熱拡散法を用いて半導体装置を製造する
場合よりも、高集積化が可能となるとともに、ウェル間
のラッチアップ耐性を高く維持できる。更に、かかる発
明の半導体装置によれば、ウェル間の境界部分の最大キ
ャリア濃度領域の濃度が同境界部分から離れた領域部分
の最大キャリア濃度よりも低減されるので、ウェル間の
電気的耐圧が高く維持されるとともに、寄生容量が減少
して半導体装置の動作が高速可能になるという効果を奏
する。
【0035】請求項2及び3の発明による半導体装置の
製造方法では、Pウェル及びNウェルをレトログレード
構造に形成する場合でも、NウェルとPウェルとの境界
部分のみについて容易に最大キャリア濃度領域の濃度を
低減させることができる。従って、ウェル間の寄生容量
が低減し、レトログレード構造のCMOS集積回路を含
んだ半導体装置の特性を十分に発揮させることができ
る。
製造方法では、Pウェル及びNウェルをレトログレード
構造に形成する場合でも、NウェルとPウェルとの境界
部分のみについて容易に最大キャリア濃度領域の濃度を
低減させることができる。従って、ウェル間の寄生容量
が低減し、レトログレード構造のCMOS集積回路を含
んだ半導体装置の特性を十分に発揮させることができ
る。
【図1】本発明に係る半導体装置のウェル構造の一例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の製造方法の工程段階を順
次(a)、(b)順に示した断面図である。
次(a)、(b)順に示した断面図である。
【図3】図2の実施例の製造方法の工程段階に後続する
工程段階を順次(c)、(d)順に示した断面図であ
る。
工程段階を順次(c)、(d)順に示した断面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例の製造方法の工程段階を順
次(a)、(b)順に示した断面図である。
次(a)、(b)順に示した断面図である。
【図5】図4の実施例の製造方法の工程段階に後続する
工程段階を順次(c)、(d)順に示した断面図であ
る。
工程段階を順次(c)、(d)順に示した断面図であ
る。
【図6】本発明に係る半導体装置の一実施例のウェル間
耐圧のデータを従来例と対比させて示した図である。
耐圧のデータを従来例と対比させて示した図である。
【図7】従来の高エネルギーイオン注入法を用いたウェ
ル形成工程の一部を工程順に示す一部断面図である。
ル形成工程の一部を工程順に示す一部断面図である。
1 シリコン基板 2 フィールド酸化膜 3 犠牲酸化膜 4、5 フォトレジスト 6 窒化シリコン膜 7、8 酸化シリコン膜 10 Pウェル 11 Nウェル 12 境界部分
Claims (3)
- 【請求項1】 ウェルの深さ方向の所定部に最大キャリ
ア濃度領域を備えたレトログレード構造のPウェル及び
Nウェルを有する半導体装置において、 前記Pウェル及び前記Nウェルの深さ方向の最大キャリ
ア濃度領域には、該双方のウェルの境界部分に、キャリ
ア濃度が該境界部分から離れた領域部分のキャリア濃度
よりも夫々低い低濃度のP型領域部分及びN型領域部分
から成るPN接合が形成され、該低濃度のP型領域部分
及びN型領域部分は夫々、イオン注入されたN型及びP
型不純物イオンにより補償されたキャリア濃度に形成さ
れていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 ウェルの深さ方向の所定部に最大キャリ
ア濃度領域を備えたレトログレード構造のPウェル及び
Nウェルを有する半導体装置の製造方法において、 前記Pウェル及び前記Nウェルの境界部分を成す双方の
ウエル部分を形成する際に、一方のウエル部分のキャリ
ア濃度を低減させる補償型不純物イオンを前記一方及び
他方のウエル部分に斜めに一括注入するイオン注入工程
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 ウェルの深さ方向の所定部に最大キャリ
ア濃度領域を備えたレトログレード構造のPウェル及び
Nウェルを有する半導体装置の製造方法において、 前記Pウェル及び前記Nウェルにおける一方のウェルを
形成した後に、同ウェル形成に用いたマスクを後退させ
て同ウェルの最大キャリア濃度領域に向けて、他方のウ
ェルのキャリア濃度を低減させる補償型不純物イオンを
双方のウエルの境界部に注入する工程と、前記他方のウ
ェルを形成した後に、同ウェル形成に用いたマスクを後
退させて同ウェルの最大キャリア濃度領域に向けて、前
記一方のウェルのキャリア濃度を低減させる補償型不純
物イオンを双方のウエルの境界部に注入する工程とを有
することを特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5300448A JP2626522B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 半導体装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5300448A JP2626522B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 半導体装置及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07153713A JPH07153713A (ja) | 1995-06-16 |
JP2626522B2 true JP2626522B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=17884925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5300448A Expired - Lifetime JP2626522B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 半導体装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2626522B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19527146A1 (de) * | 1995-07-25 | 1997-01-30 | Siemens Ag | Verfahren zur Herstellung eines selbstjustierten Kontaktes und eines dotierten Bereichs |
JP2003060073A (ja) * | 2001-08-10 | 2003-02-28 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2626289B2 (ja) * | 1990-03-27 | 1997-07-02 | 松下電器産業株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP5300448A patent/JP2626522B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07153713A (ja) | 1995-06-16 |
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