JP2626295B2 - ローディングポスト駆動装置 - Google Patents

ローディングポスト駆動装置

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JP2626295B2 JP3085058A JP8505891A JP2626295B2 JP 2626295 B2 JP2626295 B2 JP 2626295B2 JP 3085058 A JP3085058 A JP 3085058A JP 8505891 A JP8505891 A JP 8505891A JP 2626295 B2 JP2626295 B2 JP 2626295B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置におけ
るローディングポストの駆動および圧着装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気記録再生装置では、ローディ
ング歯車を駆動する歯車を2重歯車で構成し、この2重
歯車を構成する2つの歯車間を中心周りに配設されたコ
イルばねなどで連結し、一方の歯車で2重歯車を駆動
し、他方の歯車でローディング歯車に駆動力を伝達する
ように構成し、ローディング歯車により駆動されるロー
ディングポストがストッパーで止められたときに、前記
一方の歯車を他方の歯車に対してコイルばねに抗して余
分に回転させ、ローディングポストのストッパーに対す
る圧着力を得ていた。
【0003】たとえば特願平1−267329号では、
図15に示すように、カム歯車91の回転力は歯車92
と歯車93を介してローディング主歯車94に伝達さ
れ、その回転力はさらにローディング主歯車94に同軸
に連結された歯車95を介して第1のローディング歯車
96に伝達されるとともに、歯車97とこの歯車97に
同軸に連結された歯車98を介して第2のローディング
歯車99に伝達され、これら歯車96と99はそれぞれ
ローディングポスト(図示せず)を設けたリング歯車1
00と101を駆動する。このとき、歯車94と95お
よび歯車97と98はそれぞれ2重歯車で構成され、歯
車94と95の間および歯車97と98の間はそれぞれ
中心周りに配設されたコイルばね102および103を
介して連結され、第1のローディング歯車96と第2の
ローディング歯車99の駆動には支障はないが、リング
歯車100,101に連動するローディングポストがロ
ーディング完了位置でストッパー(図示せず)に止めら
れたときに、歯車94と97がさらに少し回転して歯車
94と95の間のコイルばね102および歯車97と9
8の間のコイルばね103を伸ばし、それぞれのばね力
により、ローディングポストをストッパーに弾性的に圧
着し、ローディングポストの保持を確実にするようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の磁
気記録再生装置では、ローディングポストを弾性的に圧
着するために、回転ヘッドシリンダーに磁気テープを供
給する側のローディングポストと、回転ヘッドシリンダ
ーから磁気テープを取出す側のローディングポストのそ
れぞれに対して、付勢手段が1つずつ必要であり、その
ために、多くの歯車が必要となるとともに、厚みや占有
面積が大きくなった。特にばね付きの2重歯車を2つ使
用する場合に、その問題が大きく、小型,軽量,薄型化
には極めて不利であった。
【0005】本発明は上記問題を解決するもので、ばね
付きの2重歯車の使用をなくし、しかも、1つの付勢手
段で2つのローディングポストの圧着を行なうことがで
き、小型,軽量,薄型化を実現できるローディングポス
ト駆動および圧着装置を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のローディングポスト駆動装置は、供給側ロ
ーディングポストおよび取巻側ローディングポストをそ
れぞれ駆動するための2つのローディング歯車と、一方
のローディング歯車に噛合する振子歯車と、この振子歯
車と他方のローディング歯車の間に介装されて前記2つ
のローディング歯車の回転方向を互いに逆方向にするた
めの中間歯車と、前記振子歯車と中間歯車が枢着され
て、振子歯車と中間歯車がそれぞれ噛み合うローディン
グ歯車の略周方向に沿って所定範囲の変位することを可
能にする揺動板と、振子歯車もしくは中間歯車に回転付
勢を加える付勢手段と、2つのローディング歯車のうち
いずれかに噛合してこれを駆動する駆動歯車とを備えた
ローディングポスト駆動装置である。
【0007】
【作用】上記構成により駆動歯車は一方のローディング
歯車を駆動することにより振子歯車,中間歯車を介して
他方のローディング歯車も駆動できる。この時、付勢手
段により、供給側ローディングポストを駆動する一方の
ローディング歯車および、巻取側ローディングポストを
駆動する他方のローディング歯車の双方は互いに逆方向
に回転付勢を受けることになり、この結果、ローディン
グ完了状態において、1つの付勢手段で巻取側ローディ
ングポストと供給側ローディングポストとの2つのロー
ディングポストを同時に圧着位置決めできる。
【0008】なお、もし、振子歯車,中間歯車の回転軸
が固定されているものであれば、ローディング完了状態
において、巻取側ローラポストと供給側ローラポスト双
方が同時にそれぞれのストッパーに圧着位置決めされる
ことは起こり得ない。すなわち、必ずどちらか一方が先
に位置決めされ、他方はストッパーに当接しないという
現象が生じるが、本発明の構成によれば、振子歯車およ
び中間歯車は揺動板上に軸支されているので、供給側ロ
ーディングポストのストッパーへの押圧のタイミングが
若干ずれたとしても、揺動板がわずかに変位することに
より調整が図られ、巻取側ローディングポスト,供給側
ローディングポスト双方ともそれぞれのストッパーに確
実に押圧位置決めされる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0010】図1および図2は本発明の一実施例の磁気
記録再生装置におけるローディングポスト駆動装置のテ
ープローディング前およびテープローディング後の平面
図、図3および図4は同ローディングポスト駆動装置に
よるテープパスを説明する概略平面図およびテープパス
の要部を示す斜視図、図5および図6は同ローディング
ポスト駆動装置の要部を示す斜視図である。
【0011】まず、図1〜図4を用いて、ローディング
ポストの動作の概略を説明する。図3,図4において、
1はシャーシ、2はシャーシ1に装着されたテープカセ
ットであり、テープカセット2内には供給側リール3と
巻取側リール4が配設されている。テープカセット2が
シャーシ1に装着されたときに、テープカセット2の前
面部に形成された切欠部5,6,7のそれぞれに、供給
側ローディングローラポスト8とテンションポスト9と
傾斜ポスト16、および第1と第2の巻取側ローディン
グローラポスト10,11、およびピンチローラ12と
補助ガイドポスト23が磁気テープ13の内側にそれぞ
れ挿入される。
【0012】14,15は供給側ローディングローラポ
スト8および第1と第2の巻取側ローディングローラポ
スト10,11が搭載された供給側ボートおよび巻取側
ボートで、供給側ボート14には供給側ローディングロ
ーラポスト8の他に傾斜ポスト16が設けられており、
供給側ローディングポスト8とともに切欠部5に挿入さ
れる。
【0013】17,18は図1,図2に示されるように
ローディング動作の際に供給側ボート14および巻取側
ボート15をそれぞれ案内する円弧状の供給側ローディ
ングガイドおよび巻取側ローディングガイドで、回転ヘ
ッドシリンダー19の周囲に沿って配設されており、図
5に示されるように、供給側ローディンガイド17はロ
ーディング完了位置ほど高くなるように構成され、巻取
側ローディングガイド18はローディング完了位置ほど
低くなるように構成されている。
【0014】また、回転ヘッドシリンダー19はシャー
シ1に対してほぼ垂直に配設され、供給側ローディング
ローラポスト8は、供給側ボート14が供給側ローディ
ングガイド17に沿って移動したときに、供給側リール
3から引き出した磁気テープ13を回転ヘッドシリンダ
ー19に、図4に示すように左側へ斜め上方に向って巻
き付け、巻取側ローディングローラポスト10は、巻取
側ボート15が巻取側ローディングガイド18に沿って
移動したときに、巻取側リール4から引き出した磁気テ
ープ13を回転ヘッドシリンダー19に右側へ斜め下方
に向って巻き付ける。
【0015】このとき、供給側ローディングローラポス
ト8は供給側ローディングガイド17の漸次高くなるス
ロープのためにローディング完了位置ではやや後方に傾
く姿勢となり、第1と第2の巻取側ローディングローラ
ポスト10,11は巻取側ローディングガイド18の漸
次低くなるスロープのためやや前方に傾く姿勢となる。
【0016】したがって、図4に示すように、供給側ロ
ーディングローラポスト8によって回転ヘッドシリンダ
ー19に供給された磁気テープ13は回転ヘッドシリン
ダー19の上部から斜め下方に向って導かれ、回転ヘッ
ドシリンダー19の出口側では下部から第1の巻取側ロ
ーディングローラポスト10によって斜め上方に向く緩
やかなテープパスに反転して引き出され、第2の巻取側
ローディングローラポスト11によって僅かに前に傾斜
する姿勢を維持されつつ、緩やかな斜向パスによって斜
め上方に導かれる。
【0017】20はテープカセット2の装着位置の外側
でシャーシ1に設けられたキャプスタンであり、上下端
を軸受21で支承され、かつローディング完了位置にお
ける巻取側ローディングポスト10,11の傾きとほぼ
同等の傾きになるようにシャーシ1に傾斜して取付けら
れている。
【0018】そして、この傾斜したキャプスタン20は
巻取側ローディングローラポスト11から斜向パスで斜
め上方に導かれてきた前傾姿勢の磁気テープ13に全面
的に接触し、ローディング動作完了時にテープカセット
2の切欠部7の位置から移動してくるピンチローラ12
とで磁気テープ13を挟持して駆動する。このとき、ピ
ンチローラ12はキャプスタン20に全面で圧接するよ
うにキャプスタン20と同等の傾斜になるように構成さ
れている。
【0019】22はローディング完了位置の第2の巻取
側ローディングローラポスト11とキャプスタン20の
間でキャプスタン20近傍位置に設けられたオーディオ
・コントロールヘッドであり、第2の巻取側ローディン
グローラポスト11からキャプスタン20に斜向パスで
斜め上方に向って導かれる前傾姿勢の磁気テープ13に
対する接触を良くするために、キャプスタン20と同等
の傾斜になるようにシャーシ1に設けられている。
【0020】23はピンチローラ12と連動して移動す
る補助ガイドポストであり、ローディング開始前にはテ
ープカセット2の切欠部7に挿入され、ローディング完
了時にはピンチローラ12とともに移動して、キャプス
タン20とピンチローラ12により走行される磁気テー
プ13を固定傾斜ポスト24の方に案内する。第2の巻
取側ローディングローラポスト11からキャプスタン2
0,補助ガイドポスト23を通して同じ前傾姿勢で送ら
れてきた磁気テープ13は、テープカセット2の手前で
シャーシ1に傾斜して固定された固定傾斜ポスト24に
より斜向パスから水平走行パスに転換するときのテープ
ねじれが修正され、テープカセット2の巻取側リール4
に巻取られる。25はキャプスタン20を駆動するキャ
プスタンモータで、シャーシ1に傾斜して取付けられて
おり、この構成によりキャプスタン20をテープカセッ
ト2の装着位置の底部に設ける必要がなくなり、シャー
シ1の厚みを抑えることができ、薄型化を容易に図るこ
とができる。
【0021】次に本発明の一実施例のローディングポス
ト駆動装置について説明する。図1において、ローディ
ングモータ30の駆動力は2重歯車の31a,31b、
2重歯車の32a,32b、2重歯車の33a,33b
を介してカム歯車34に伝達される。カム歯車34は、
図7(a),(b),(c)に示されるように、上半分
には一部に欠歯部35aが設けられるとともに、歯車3
3bと噛合することによりローディングモータ30の駆
動力が伝達される第1の間欠歯車部35が形成され、ま
た下半分には一部に欠歯部36cが設けられるとともに
巻取側リング歯車39を介してローディングローラポス
ト10,11への駆動力の伝達に使用される第2の間欠
歯車部36が形成されている。
【0022】なお、第1の間欠歯車部35には欠歯部3
5aを有しているが、これはローディングにともなって
テンションポスト9を移動させるためのテンションレギ
ュレータアーム90の一部を第1の間欠歯車部35に設
けられたカム壁37c当接させるために設けられたもの
であり、別の手段によりテンションレギュレータアーム
90を制御できれば、第1の間欠歯車部35を全周歯車
としても何ら差しつかえない。
【0023】次に、上面部にはピンチローラ12のキャ
プスタン20への圧接離間を制御するのに使用されるカ
ム部37が形成されており、これらが一体でカム歯車3
4を形成しているので、その厚みを薄くすることができ
る。
【0024】まず、カム歯車34の第2の間欠歯車部3
6によりローディングローラポスト8,10,11が駆
動される機構について、図9の歯車群の平面図を参照し
て説明する。38は供給側ローディングローラポスト8
を駆動するための供給側リング歯車、39は巻取側ロー
ディングポスト10,11を駆動するための巻取側リン
グ歯車であり、回転ヘッドシリンダー19の下方でその
中心位置が互い偏心した位置に設けられている。巻取側
リング歯車39の外周の所定範囲に形成された歯部40
は、カム歯車34の第2の間欠歯車部36に噛合するよ
うに構成されており、また歯車40の中間部およびロー
ディング時回転方向の矢印(イ)方向に見て後端部に
は、ローディング動作の始動を確実にするために第2の
間欠歯車36の歯端部36a,36bと係合離脱する位
置に第1および第2の欠歯部40a,40bがそれぞれ
設けられている。
【0025】また、供給側リング歯車38の外周の所定
範囲に形成された歯部41は、これに噛合する中間歯車
42、この中間歯車42に噛合する2重歯車よりなる振
子歯車43の一方の歯車43a、さらに振子歯車43の
他方の歯車43bを介して供給側リング歯車40に連動
連結されている。これら中間歯車42,振子歯車43は
シャーシ1に設けられた軸44に揺動自在に取付けられ
た揺動板45に枢着され、揺動板45は他端に形成され
た長孔46がシャーシ1に植立された軸47に勘合する
ことによりその揺動範囲が規制されている。
【0026】また、図11にもその断面図を示すよう
に、振子歯車43bは、これと一体になったプレート4
3cを有している。49はチャージアームで、揺動板4
5に植立された軸48に回動自在に支持されており、そ
の外周部には、ねじりコイルばね50が配設されてい
る。ねじりコイルばね50の一端はチャージアーム49
に係止され、他端は、揺動板45の折曲げ部45aに係
止されている。この結果、チャージアーム49は、図9
の矢印A方向に、回動付勢されている。
【0027】51はリンクで、一端はピン51bによ
り、プレート43cに対して回動自在に連結されてい
る。また他端は、ピン51bにより、チャージアーム4
9に対して回動自在に連結されている。
【0028】このような構成により、図9においては、
振子歯車43は、リンク51を介して、矢印B方向に回
動付勢されることになる。なお、振子歯車43の一回転
に対してチャージアーム49は、軸48を中心に往復揺
動運動をすることは言うまでもない。
【0029】供給側リング歯車38は歯車41のローデ
ィング時回転方向の矢印(ロ)方向に見て前端部に固定
アーム52が延長され、その先端部に供給側駆動シャフ
ト53が立設されており、巻取側リング歯車39は歯部
40のローディング時回転方向の矢印(イ)方向に見て
前端部に固定アーム54が延長され、その端部に巻取側
駆動シャフト55が立設されている。この供給側駆動シ
ャフト53には、図5からわかるように、供給側ボート
14が昇降自在に取付けられており、供給側ボート14
の後端部には供給側ローディングガイド17の外周に設
けられた段部17aと係合する挟持部57が設けられて
おり、さらに挟持部57には段部17aと嵌合する爪5
7aが設けられている。これにより供給側ボート14は
供給側ローディングガイド17に沿って案内される。
【0030】同様に、巻取側駆動シャフト55には、図
5,図6に示されるように、巻取側ボート15が昇降自
在に取付けられており、巻取側ボート15の後端部には
巻取側ローディングガイド18の外周に設けられた段部
18aと係合する挟持部59が設けられており、さらに
挟持部59には段部18aと嵌合する爪部59aが設け
られている。これにより巻取側ボート15は巻取側ロー
ディングガイド18に沿って案内される。
【0031】ここで、供給側駆動シャフト53と巻取側
駆動シャフト55は、供給側リング歯車38と巻取側リ
ング歯車39がそれぞれローディング時に(ロ)方向と
(イ)方向に回転したときに、円弧状の供給側ローディ
ングガイド17と巻取側ローディングガイド18の外周
に沿って移動するように設計されており、これにより、
供給側ボート14および巻取側ボート15は、ローディ
ング中、それぞれ供給側ローディングガイド17および
巻取側ローディングガイド18の外周から離脱すること
なく、安定して案内され、しかも、供給側ボート14は
ローディング完了位置ほど高くなるように漸次上昇せし
められ、巻取側ボート15はローディング完了位置ほど
低くなるように漸次下降せしめられながら移動する。
【0032】次にカム歯車34のカム部37によりピン
チローラ12がキャプスタン20に圧接する機構につい
て説明する。図12,図13において、カム歯車34の
カム部37は円周方向のカム溝37aとローディング完
了後にピンチローラ12をキャプスタン20の側に押圧
動作させるための中心に向って折曲された折曲カム溝3
7bとで構成されている。60はカム歯車34のカム部
37に連動して動作するピンチロッドであり、一端に長
さ方向に形成された長孔61とカム部37に形成された
カム溝37a,37bに係合するカムフォロア62を有
し、長孔61はカム歯車34の軸63に嵌合している。
ピンチロッド60の他端はシャーシ1に植立された軸6
4に枢支された第1のピンチチャージアーム65の一端
にピン66を介して連結され、第1のピンチチャージア
ーム65の他端にはピン67を介して中間が枢支された
第2のピンチチャージアーム68が設けられ、第1のピ
ンチチャージアーム65の一端と第2のピンチチャージ
アーム68の一端の間にばね69が介装されている。第
2のピンチチャージアーム68の他端に設けられたピン
70はピン71を介してシャーシ1に回動自在に設けら
れたピンチアーム72の一端の長孔73に嵌合し、ピン
チローラ12はピンチアーム72の他端にキャプスタン
20と同じ傾斜をもって設けられている。
【0033】図14に示すように、アーム74はシャー
シ1に植立された軸75に一端が枢支され、他端にキャ
プスタン20と同じ傾斜をもって設けられた補助ガイド
ポスト23が植設されている。
【0034】また、アーム74は、リンク76を介して
ピンチアーム72に連結されている。
【0035】次に上記機構によるさらに詳しいローディ
ング動作を説明する。図9および図10はローディング
動作過程における歯車群の状態を示す説面図である。図
1および図9はローディング動作開始前の状態を示す。
このとき、供給側ボート14と巻取側ボート15は供給
側ローディングガイド17と巻取側ローディングガイド
18の始端部のアンロードポジションに位置し、図3に
示すように、テンションポスト9,供給側ローディング
ローラポスト8,傾斜ポスト16はテープカセット2の
切欠部5内に挿入され、第1および第2の巻取側ローデ
ィングローラポスト10,11は切欠部6内に挿入さ
れ、さらに、ピンチロッド60はカムフォロア62によ
り矢印(ハ)方向に押し出されていることにより、第1
および第2のピンチチャージアーム65,68、ピンチ
アーム72を介してピンチローラ12はキャプスタン2
0に対して最も後退し、かつこれに連動して動作するア
ーム74により傾斜ガイドポスト23もピンチローラ1
2と同様後退し、図3に示すように、これらピンチロー
ラ12と傾斜ローラポスト23はともにテープカセット
2の切欠部7内に挿入される。
【0036】ローディング動作開始とともに、図9にお
いて、カム歯車34は時計方向に回転し、第2の間欠歯
車部36はその歯端部36aが巻取側リング歯車39の
第1の欠歯部40aに入り込むことで確実に歯部40と
噛合し、その後の第2の間欠歯車部36の回転により巻
取側リング歯車39は矢印(イ)方向に回転し、これに
連動する振子歯車43,中間歯車42を介して供給側リ
ング歯車38は矢印(ロ)方向に回転する。したがっ
て、供給側リング歯車38の固定アーム52に設けられ
た駆動シャフト53により供給側ボート14はローディ
ング方向に駆動されるが、このとき、駆動シャフト53
は供給側リング歯車38により円弧連動をし、供給側ボ
ート14の挟持部57は供給側ローディングガイド17
の始端部の直線部分に沿って直線運動をすることから、
供給側ボート14は移動とともに漸次ガイド側に近づ
き、挟持部57が供給側ローディングガイド17の円弧
部分に移行した時点で、図8に示すように、供給側ボー
ト14の前端部56は供給側ローディングガイド17の
外周に沿って移動し、以後の供給側ボート14の移動は
駆動シャフト53と挟持部57の支持で安定的に行わ
れ、供給側ローディングローラポスト8による磁気テー
プ13の引き出しと回転ヘッドシリンダー19への巻付
けは安定して確実に行われる。なお、巻取側ボート15
の場合も供給側ボート14と同様であるので説明は省略
する。
【0037】次に、供給側および巻取側ボート14,1
5が図5のストッパー86,87に当接するローディン
グ動作完了直前で、図10に示すように、カム歯車34
の第2の間欠歯車部36はその歯端部36bが巻取側リ
ング歯車39の第2の欠歯部40bから離脱することに
より歯部40と噛合しない状態になる。
【0038】この時、矢印A方向に回動付勢されたチャ
ージアーム49は、リンク51を介して、振子歯車43
を矢印C方向に回転させようとする。この力により、巻
取側リング歯車41は矢印(イ)方向に回転を強制さ
れ、その結果、巻取側駆動シャフト55を介して、巻取
側ボート15はストッパー87に押圧位置決めされる。
また、振子歯車43の矢印C方向の回転付勢力は中間歯
車42を矢印D方向に回転させようとするので、この力
により、供給側リング歯車38は、矢印(ロ)方向に回
転を強制され、その結果供給側駆動シャフト53を介し
て、供給側ボート14はストッパー86に押圧位置決め
される。
【0039】以上のようにして、ローディング動作は完
了するが、供給側ボート14のストッパー86への押圧
のタイミングと巻取側ボート15のストッパー87への
押圧のタイミングが若干ずれたとしても、揺動板45
が、軸44を中心にいずれかの方向にわずかに振れるこ
とにより、調整が図られ、供給側ボート14,巻取側ボ
ート15の双方ともそれぞれストッパー86,87へ確
実に押圧される。
【0040】ローディング動作完了後、さらにカム歯車
34が時計方向に回転すると、図2および図12,図1
3に示すように、ピンチロッド60に設けられたカムフ
ォロア62がカム部37の折曲カム溝37bに入り込
み、ピンチロッド60を矢印(ニ)方向に引き込み、第
1のピンチチャージアーム65を軸64を中心に時計方
向に回動させて第2のピンチチャージアーム68を矢印
(ト)方向に押し出し、ばね69の力をかりてピン70
によりピンチアーム72をピン71を中心に反時計方向
に回動させ、ピンチローラ12をキャプスタン20に圧
接する。
【0041】同時に、図14に示すようにリンク76を
押してアーム74を軸75を中心に時計方向に回動さ
せ、アーム74の一端に設けられた補助ガイドポスト2
3をキャプスタン20と傾斜ポスト24の間に引き込
む。これにより、巻取側ローディングローラポスト11
からキャプスタン20に至る緩やかな磁気テープ13の
斜向パスを維持する。
【0042】次にアンローディング動作では、図10に
おいて、カム歯車34は反時計方向に回転し、ピンチロ
ーラ12の圧接動作を解除し、カム歯車34の第2の間
欠歯車部36はその歯端部36bが巻取側リング歯車3
9の第2の欠歯部40bに入り込むことで確実に歯部4
0と噛合し、巻取側リング歯車39をアンローディング
時回転方向の矢印(ホ)方向に回転させ、さらに振子歯
車43,中間歯車42を介して供給側リング歯車38を
アンローディング時回転方向の矢印(ヘ)方向に回転さ
せる。そして、供給側ローディングローラポスト8と巻
取側ローディングローラポスト10,11がそれぞれテ
ープカセット2の切欠部5,6に収容される図9の時点
で、カム歯車34の第2の間欠歯車部36はその歯端部
36aが供給側リング歯車39の第1の欠歯部40aに
位置して、歯部40からの離脱が可能となる。
【0043】この時、チャージアーム49は、ねじりコ
イルばね50により、矢印A方向に回動付勢されてお
り、この力は、リンク51を介して振子歯車43を、矢
印B方向に回転させようとする。
【0044】したがって、巻取側リング歯車39は、矢
印(ホ)方向に回転を強制され、シャーシ1に固定され
たストッパー91に押圧位置決めされる。また、振子歯
車43の矢印B方向の回転力は、中間歯車42を矢印E
方向に回転付勢するので、この結果供給側リング歯車3
8は、矢印(ヘ)方向に回転を強制されシャーシ1に固
定されたストッパー92に押圧位置決めされる。
【0045】カム歯車34が、図9の状態からさらに反
時計方向に約30゜回転して、カセットテープ2はエジ
ェクトされる(具体構成図示せず)が、この時にも、供
給側リング歯車38および巻取側リング歯車39の双方
とも図9の状態からは回転せずに、それぞれストッパー
91,92に押圧位置決めされた状態を維持することは
言うまでもない。
【0046】このように一方のローディング歯車を構成
する、巻取側リング歯車に、振子歯車,中間歯車を順に
噛み合わせて、この中間歯車に他方のローディング歯車
を構成する供給側リング歯車を噛合させ、さらに、振子
歯車および中間歯車を枢着した揺動板が、供給側ローデ
ィングポストと巻取側ローディングポストとの圧着タイ
ミングのずれを吸収するよう働くので、ローディング完
了位置およびローディング開始前の双方の位置におい
て、供給側ローディングポストおよび巻取側ローディン
グポストの双方の圧着位置決めをたった1つの付勢手段
で確実に行なうことが可能となり、従来のように、2つ
ものばね付2重歯車を使用する必要はなく、簡単な歯車
機構で確実にローディングポストの駆動,圧着位置決め
が達成でき、小型,軽量,薄型化,部品点数剤減に極め
て大きな効果がある。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明のローディングポス
ト駆動装置によれば、一方向から一方のローディング歯
車を駆動することにより振子歯車,中間歯車を介して他
方のローディング歯車も駆動できるので歯車数の少ない
歯車機構を達成できるとともに、2つのローディングポ
ストの圧着位置決めを振子歯車を回転付勢するたった1
つの付勢手段により行なうことが可能であり、従来のよ
うに2つものばね付2重歯車を使用する必要はなく、簡
単な歯車機構にて確実にローディングポストの圧着を達
成でき、小型軽量化,薄型化,部品点数削減に対して極
めて大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気記録再生装置における
ローディングポスト駆動装置のテープローディング前お
よびテープローディング後の平面図
【図2】本発明の一実施例の磁気記録再生装置における
ローディングポスト駆動装置のテープローディング前お
よびテープローディング後の平面図
【図3】同ローディング駆動装置によるテープパスを説
明する概略平面図
【図4】同ローディング駆動装置によるテープパスの要
部を示す斜視図
【図5】同ローディングポスト駆動装置の要部を示す斜
視図
【図6】同ローディングポスト駆動装置の要部を示す斜
視図
【図7】(a)同装置におけるカム歯車の平面図 (b)同装置におけるカム歯車の断面図 (c)同装置におけるカム歯車の底面図
【図8】同装置におけるローディング開始直後のボート
がローディングガイドに案内されているところを示す平
面図
【図9】同装置のローディング動作過程における駆動歯
車群の状態を示す説明図
【図10】同装置のローディング動作過程における駆動
歯車群の状態を示す説明図
【図11】同装置における揺動板部の構成を示す断面図
【図12】同実施例におけるピンチアームがカム歯車に
より駆動される動作を示す平面図
【図13】同実施例におけるピンチアームがカム歯車に
より駆動される動作を示す平面図
【図14】(a)同装置における補助ガイドポストの動
作を示す平面図 (b)同装置における補助ガイドポストの動作を示す平
面図
【図15】従来のローディングポスト駆動装置の構成を
示す概略平面図
【符号の説明】
8 供給側ローディングローラポスト 10 第1の巻取側ローディングローラポスト 11 第2の巻取側ローディングローラポスト 12 ピンチローラ 13 磁気テープ 14 供給側ボート 15 巻取側ボート 17 供給側ローディングガイド 18 巻取側ローディングガイド 19 回転ヘッドシリンダー 20 キャプスタン 23 補助ガイドポスト 34 カム歯車 35 全周歯車部 36 間欠歯車部 37 カム部 38 供給側リング歯車 39 巻取側リング歯車 42 中間歯車 43 振子歯車 49 チャージアーム 53 供給側駆動シャフト 55 巻取側駆動シャフト

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給側ローディングポストおよび巻取側ロ
    ーディングポストをそれぞれ駆動するための2つのロー
    ディング歯車と、一方のローディング歯車に噛合する振
    子歯車と、前記振子歯車と他方のローディング歯車の間
    に介装されて前記2つのローディング歯車の回転方向を
    互いに逆方向にするための中間歯車と、前記振子歯車と
    前記中間歯車が枢着されて、前記振子歯車をこれに噛合
    する一方のローディング歯車の略周方向に沿って所定範
    囲だけ変位させることを可能にするとともに、前記中間
    歯車をこれに噛合する他方のローディング歯車の略周方
    向に沿って所定範囲だけ変位させることを可能にする振
    動板と、前記振子歯車もしくは前記中間歯車に回転付勢
    を加える付勢手段と、前記2つのローディング歯車のう
    ちいずれかに噛合してこれを駆動する駆動歯車とを備
    え、ローディング完了状態において、前記付勢手段が前
    記振子歯車および前記中間歯車を介して2つのローディ
    ング歯車を回転付勢せしめ、これにより供給側ローディ
    ングポストおよび巻取側ローディングポストを圧着位置
    決めすることを特徴とするローディングポスト駆動装
    置。
  2. 【請求項2】揺動板が付勢手段を有することを特徴とす
    る請求項1記載のローディングポスト駆動装置。
  3. 【請求項3】振子歯車の一端部に張力を加え、この張力
    が、振子歯車の所定範囲の回転角においては時計方向
    に、その他の回転角範囲においては反時計方向に振子歯
    車に回転付勢力が加えられるよう構成し、供給側ローデ
    ィングポストおよび巻取側ローディングポストがローデ
    ィング開始前においては、ローディング完了状態とは逆
    の方向に付勢されるよう構成したことを特徴とする請求
    項1記載のローディングポスト駆動装置。
  4. 【請求項4】揺動板に回動自在に軸支されたアームと、
    前記アームを揺動板に対して回転付勢する弾性部材と、
    前記アームの一端と振子歯車の一端部を連結するリンク
    を備え、前記リンクにより振子歯車に回転付勢力を与え
    るよう構成したことを特徴とする請求項1記載のローデ
    ィングポスト駆動装置。
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