JP2625718B2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、給湯器具からの給湯をタンク内に給水して
洗浄を行う食器洗い機の給水制御方法に関するものであ
る。

従来の技術 一般的な食器洗い機の構成を第６図に示す。すなわ
ち、１は食器類２を収納し底部に洗浄水を貯溜するタン
クで、このタンク１内の洗浄水は洗浄ポンプ３により吸
引され、洗浄ノズル４より噴出して食器類を洗う。タン
ク１内へ給水を行う給水弁５は給水ホース６を介して水
道管もしくは給湯器具に連結されている。タンク１底部
にはヒータ７が配設され洗浄水を加熱する。またタンク
１内に貯溜する洗浄水を排水ポンプ８により機外に排出
する。９はタンク１と連通した補助タンク10内に設けら
れ貯溜する洗浄水の水位検知するフロート（水位検知S
W）である。

そして、従来の食器洗い機における洗浄工程は、第５
図に示すようなシーケンスであった。まず、給水弁５に
通電してタンク１に給水し、フロート（水位検知SW）９
によって所定水量の洗浄水をタンク１内に貯溜させる。

次に洗浄ポンプ３ならびにヒータ７に通電して洗浄水
を加熱しながら洗浄ノズル４より循環して噴出させて食
器類を洗浄する。これは、食器類に付着した油脂分を洗
い落とすためで、約60℃に洗浄水の温度を上げ、この温
度に達した時点から一定時間ヒータ７をON−OFF制御し
て約60℃を維持しつつ洗浄する。この洗浄が終れば、排
水ポンプ８を運転して一旦洗浄水を排出して洗浄工程が
終了する。この後、新たに給水弁５より洗浄水を供給し
て洗浄ポンプ３を短時間（１分程度）運転するすすぎ工
程を数回繰返して前述の洗浄工程と同じシーケンスで加
熱すすぎ工程を進行させる。この加熱すすぎ工程は食器
類を温めて乾燥を促進するという２次的な目的を有する
ものである。

以上の食器洗いの工程において、洗浄水として水道水
を使用した場合には加熱に要する時間が非常に長く、最
近では、給湯設備が整った家庭も多いことから、給湯器
具と食器洗い機を直接して給湯することにより、加熱時
間短縮を図る場合が多い。しかしながら、給湧設備の配
管内に残留する水や給湯器具の能力（水道水を設定温度
に上げるまでに要する時間）の影響で、給水弁５を開い
てタンク１内に貯湯するまでに洗浄水の温度は殆ど上が
らないという問題があった。そこで、給湯の温度検知を
行ない、所定温度に達するまで排水ポンプ８を運転し続
けて低い温度の洗浄水を排出する給湯工程を追加したも
のが提案されていた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら給湯器具の能力、利用者の行なう給湯器
具の温度設定や配管の長さや状態（放熱や残水）によっ
て実際に食器洗い機に流入する洗浄水の最大温度はまち
まちであり、前述の給湯工程では給湯温度があきらかに
検知温度より低い場合や、漸近的に検知温度に到達しよ
うとする場合には、無駄に排水し続けるという問題があ
った。たとえ、時間的な制限を加えても、その制限時間
は、配管の径や長さ（残水量）あるいは給湯器具の能力
により決定するため、通常の場合は無駄な排水が多量に
発生するという問題があった。

本発明は上記問題点に鑑み、給湯器からの湯を無駄に
排水することを防止して、洗浄工程の時間短縮を図るこ
とを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明の食器洗いの給水制
御方法は、給水温度検知手段による検知温度の絶対値が
所定温度値に達するかもしくは、その検知温度の変化量
が第一の判断基準値以上で立ち上がった後その変化量が
前記第一の判断基準値より小さい第二の判断基準値以下
になった後に前記排水ポンプを停止してタンク内に貯湯
する。

作 用 通常、給湯器具から流出する水は、配管内の残水や給
湯器具の応答性からまず、低温度のものが流出しその後
温度が上昇して給湯器具の能力、設定温度や配管等で定
まる上限温度に安定するため、本発明の給水制御検知方
法によれば、たとえ検知温度が所定温度に達しない場合
でも、上限温度を変化量が一定値以下となる時点で検知
して、その時点から貯湯が行える。また、所定の温度に
到達するのであれば、温度が所定値となった時点で貯湯
を行う。

実施例 本発明の一実施例を添付図面に基いて説明する。食器
洗い機の基本構成は第６図で示した従来と同様であり、
同一部品には同一符号を記し、説明を省略する。本実施
例では給水弁５と給湯器間に連結されるホースは第４図
に示すように、表面を絶縁チューブ12で被覆された蛇腹
状のステンレス製フレキシブルホース13で構成し、給水
弁５の近傍の溝部14にバンド15でサーミスタ等の給水湯
度検知手段12を保持しこの給水湯度検知手段12により給
湯の温度を検知する。

次に洗浄工程前の給湯工程のシーケンスを第１図によ
り説明する。まずステップ20で給湯工程が開始される
と、ステップ21で給水弁５を開くとともにステップ22で
排水ポンプ８が運転される。次にステップ23で給湯温度
が所定温度の60℃になっているかどうかを判定する。こ
れは、食器洗い機を連続的に使用した場合や他の給湯栓
で熱湯を使用していた場合にすぐに60℃以上の湯が流入
するのでこれに対応するために設けられている。通常は
第２図に示すように、給水弁５を開けば、しばらくの
間、配管の長さや給湯器具の能力に応じて低温の水が流
れ続け、次第に温度が上昇して安定するというような給
湯温度の変化をする。そこで次にステップ24で給湯温度
の立上りを判定し、立上り後にステップ25で給湯温度が
安定したところをこの給湯器具から給湯される温度の上
限値と判断する。具体的には一定時間Δｔ当りの温度変
化量ΔＴを測定しながら、まず、ΔＴがΔT₀（第一の判
断基準値）以上の時（例えば15秒当り5deg以上）に給湯
温度が立上った判断し、その後、ΔＴかΔT₁（第二の判
断基準値）以下（例えば、15秒間に2deg以下）になった
時点で給湯温度が上限に達したと判断する。給湯温度の
立上り検知後に、ステップ25において検知温度が安定す
るかを判定し、あるいはステップ26で所定温度の60℃に
達したかを判定し、これら条件を満足した場合には、排
水ポンプ８を停止し貯湯を行ない次の洗浄工程に移行す
る。洗浄工程では、第５図に示すと同様に洗浄水が所定
温度を維持するようヒータ７をON−OFF制御して一定時
間洗浄を行なうが、給湯工程で既に洗浄水を所定温度あ
るいはその近傍に上げているために、ヒータ７による加
熱時間を極めて短縮される。

なお、第３図に示すようにあらかじめ配管内に検知温
度（60℃）に近い湯が残溜している場合、例えば、食器
洗い機を連続使用した場合等には、給湯温度の立上りが
検知しにくいが、給水弁開放時における検知温度が所定
温度に近い場合は立上りを判別する基準の変化量を小さ
く（０でもよい）すればよい。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、給
湯器具の能力や設定温度、また、配管の長さや断熱の程
度による様々な給湯温度の変化に対応して最適な給湯温
度を自動的に判断して無駄な排水を極力抑え、洗浄工程
の時間短縮を図った食器洗い機が提供できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における食器洗い機の給水制
御を示すフローチャート、第２図は同給湯検知温度の変
化を示すグラフ、第３図は同給湯開始時の検知温度があ
らかじめ高い場合の給湯検知温度の変化を示すグラフ、
第４図は同給湯温度検知手段の取付部を示す側面図、第
５図は食器洗い機の洗浄工程を示すタイムチャート、第
６図は食器洗い機の断面図である。 １……タンク、３……洗浄ポンプ、５……給水弁、７…
…ヒータ、８……排水ポンプ、12……給水温度検知手
段。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】食器類を庫内に収納し洗浄水を貯留するタ
   ンクと、前記タンクに給湯器より給水する給水弁と、前
   記タンクに貯留した洗浄水を排出する排水ポンプと、前
   記給水弁より供給された給水の水温を検知する給水温度
   検知手段とを備え、給水弁を開き給水を開始するととも
   に排水ポンプを駆動し、前記給水温度検知手段が検知し
   た温度が所定温度値に達するか、もしくは、前記給水検
   知手段により検知した検知温度の変化量が第一の判断基
   準値以上で立ち上がった後その変化量が前記第一の判断
   基準値より小さい第二の判断基準値以下になった後に前
   記排水ポンプを停止する食器洗い機。
2. 【請求項２】給水検知手段の検知温度が所定温度に近い
   場合、第一の判断基準値を小さく設定する請求項１記載
   の食器洗い機。