JP2622924B2 - 再生可能な剥離紙の製造方法 - Google Patents

再生可能な剥離紙の製造方法

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JP2622924B2
JP2622924B2 JP5015681A JP1568193A JP2622924B2 JP 2622924 B2 JP2622924 B2 JP 2622924B2 JP 5015681 A JP5015681 A JP 5015681A JP 1568193 A JP1568193 A JP 1568193A JP 2622924 B2 JP2622924 B2 JP 2622924B2
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邦彦 渡辺
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本州製紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コートタイプの剥離紙
であって、古紙として再生可能な剥離紙の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】剥離紙は、従来、紙等の基材にシリコー
ン等の溶剤系、無溶剤系もしくは水系の離型剤溶液を直
接塗工するか、もしくは基材にポリエチレン等をラミネ
ートするか、又はPVA等をアンダーコートした後に離
型剤を塗工して剥離紙としている。ここで塗工する離型
剤はできるだけ紙に浸透せず紙の表面に離型層を形成し
た方が好ましいため、紙に直接塗工する場合はグラシン
質の如き浸透性の少ない原紙が好ましいと考えられてい
る。しかしながら、通常は上質紙のごとき浸透性のある
紙を使用することが多いので、ポリエチレン等のラミネ
ートもしくはPVA等のアンダーコートを行ってから離
型剤を塗工するのが普通である。最近、地球環境に対す
る関心が高まり、紙は再生し得る材料として見直しがな
されているが、そのためには回収された古紙の水中での
離解が容易でなければならない。しかし、紙に直接離型
剤を塗工した場合は離型剤の塗工層が薄いため何とか離
解することができるが、ポリエチレン等をラミネートも
しくはアンダーコートしてある場合は、水中で離解して
もポリエチレン等が離解せずに残るので古紙としての再
生は不可能であった。
【0003】離解性の良い剥離紙についてこれまでに種
々の提案がなされている。例えば、実公昭57−520
89号公報には、紙面に水溶性ポリマーフィルムを貼合
わせその上に離型剤を塗工した剥離紙の記載があり、特
開平3−287899号公報には、共重合して押出特性
を改良したPVAを紙面にラミネートする等の開示があ
る。しかしながら、前者は製造工程が繁雑であり、後者
の加工方法は押出ラミネート方式であるが特殊なPVA
を必要とする。又、剥離紙の離解性はアンダーコートの
厚みに影響されるものであり、ラミネート方式ではコー
ト方式に比しアンダーコートの厚みが厚いのでどうして
も離解性には不利となる。尚、コート方式としては特公
昭55−22597号公報に、合成ゴムラテックスにワ
ックスエマルジョンを配合して原紙表面上に塗工する方
法が開示されているが、これは離解性の良い防湿紙であ
って剥離紙ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アンダーコ
ートを原紙表面に設ける剥離紙の製造方法であって、使
用後に古紙として再利用する際に水への離解性に優れた
剥離紙の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アンダー
コートの厚みをできるだけ薄くすることを試みたが、ア
ンダーコートの厚みを薄くし過ぎると塗工膜の成形性が
悪くピンホールとなって離型剤が浸透し、剥離性に障害
を与えることを見いだした。そこで紙にアンダーコート
剤を塗工したときにコート剤を速やかに凝固成膜させて
紙内部への浸透をできるだけ防ぎ、薄く且つピンホール
のないアンダーコート膜を形成する方法を考えて本発明
に到達した。
【0006】一般にエマルジョンは界面活性剤で乳化し
ているため安定化の条件が限られており、その条件を外
れると凝固してしまう危険性を有している。従って常温
では安定でも加熱するとゲル化するようなエマルジョン
を紙に塗工し、直ちに加熱を行えばエマルジョンが紙に
浸透する前に凝固を開始して紙面に連続性のある皮膜を
形成することができる。この皮膜はポリエチレンよりも
薄いためこの上に離型剤を塗布し剥離紙としたものは、
古紙として回収再生するに際し容易にパルパーで離解す
ることが可能となる。本発明は上記知見に基づいてなさ
れたものである。すなわち、本発明は、紙製基材の片面
に感熱ゲル化エマルジョンを塗布した後、直ちに加熱し
て液不透過性アンダーコート層を形成させ、該アンダー
コート層上に剥離層を設けることを特徴とする再生可能
な剥離紙の製造方法を提供する。
【0007】本発明で使用する紙製基材としては、再生
可能な紙であれば特に限定されず、通常剥離紙の基材や
原紙として使用されているものを使用することができ
る。例えば、上質紙、SP原紙、晒クラフト紙、グラシ
ン紙などを使用することができる。このうち、特に上質
紙や晒クラフト紙のごとき浸透性のある紙を使用する場
合に、本発明の方法は好適である。又、紙製基材の厚み
も用途に応じて任意のものとすることができるが、坪量
30〜120g/m程度のものを使用するのがよい。
本発明で使用する感熱ゲル化エマルジョンは、加熱凝固
又は加熱固化するポリマー粒子と感熱ゲル化剤とを含む
エマルジョンである。このような感熱ゲル化剤として
は、低曇点のノニオン系界面活性剤、ポリプロピレング
リコール、ポリエーテルポリホルマール、ポリビニルメ
チルエーテル、シリコーン系感熱化剤、卵白アルブミン
等があげられ、これらは単独で効果を発揮する。又、Z
nOと共存して感熱ゲル化効果を示すものとして、無機
又は有機のアンモニウム塩、無機又は有機の亜鉛アンモ
ニウム錯塩、ニトロパラフィン、有機エステル類、トリ
アセチン、トリプシン等があげられる。
【0008】上記感熱ゲル化剤を添加する対象となる、
ポリマー粒子を含むエマルジョンとしては、スチレン−
ブタジエンラテックス、スチレン−アクリルニトリルラ
テックス、アクリル酸エステル共重合ラテックス、酢酸
ビニル共重合エマルジョン等各種エマルジョンの使用が
可能であるが、一般的にはアクリル共重合エマルジョン
が多く使用されており、例えば、昭和高分子株式会社製
のポリゾールKG−140、120及び230などのア
クリル酸エステル共重合体を主成分とするもの、中央理
化工業株式会社製のリカボンドES−K917などがあ
げられる。乾燥の第1段階で通常の樹脂エマルジョンを
用いたのでは皮ばりを起こし、水分蒸発痕等により表面
性、バリヤー性が悪化する。しかしながら、本発明の感
熱ゲル化の過程ではこれらが起こらず、良好な表面性と
バリヤー性の塗膜が得られる。
【0009】本発明では、上記感熱ゲル化エマルジョン
を紙製基材の片面に塗布した後、直ちに加熱して感熱ゲ
ル化エマルジョンを凝固又は固化して液不透過性アンダ
ーコート層を形成させる。ここで、紙製基材上に塗布す
る感熱ゲル化エマルジョンの量としては、1〜 10 g/
m2程度(感熱ゲル化エマルジョンの固形分の重量とし
て)とするのが好ましい。又、塗布した後、直ちに加熱
して感熱ゲル化エマルジョンを凝固又は固化させるの
は、紙製基材中に感熱ゲル化エマルジョンが浸透するの
を極力防止するためである。加熱温度は、塗布した感熱
ゲル化エマルジョンを迅速に凝固又は固化してアンダー
コート層が形成できる程度の温度であり、例えば 70 〜
160℃に加熱するのが好ましい。本発明では、このよう
にして紙製基材の片面に液不透過性のアンダーコート層
を均一に形成することができる。尚、本発明において、
紙製基材の片面だけではなくて、両面に感熱ゲル化エマ
ルジョンを塗布して、アンダーコート層を形成してもよ
く、さらにその片面又は両面に剥離層を設けてもよい。
本発明では、このようにして形成したアンダーコート層
上に、溶剤系又はエマルジョン系の剥離剤をスプレー又
は塗り付けなどにより塗布する。この際、従来公知の剥
離剤、例えば、各種シリコーン樹脂などを使用すること
ができる。本発明は、上記の方法により剥離紙を製造す
ることができる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な方法で効率よ
く、古紙として再生可能な剥離紙を製造することができ
る。特に、アンダーコート層が薄いので、再生処理にあ
たって、原紙だけでなくアンダーコート層も簡易に水に
分散させることができ、古紙再生操作を簡単にかつ低コ
ストで行うことができる。又、本発明によれば、通常の
樹脂エマルジョンの乾燥工程での温度上昇に伴う塗工液
のサーマルバインダーマイグレーションが感熱ゲル化に
より防止出来、同塗工量でのバリヤー層厚の増加が期待
出来る。又、塗工量を減らすことが出来る。次に実施例
により本発明を説明する。
【0011】
【実施例】
実施例1 先ず、アクリル酸エステル共重合体を主成分とするエマ
ルジョン(昭和高分子株式会社製のポリゾールKG−2
30)に、ノニオン乳化剤系感熱ゲル化剤KBX−03
47(昭和高分子株式会社製)を添加して感熱ゲル化エ
マルジョンを調製した。次に、原紙としてSP原紙80
g/m2(本州製紙製)を用い、その片面に上記感熱ゲル
化エマルジョンを塗布し、直ちに加熱乾燥してエマルジ
ョン粒子を固化させてアンダーコートを原紙上に形成さ
せた。感熱ゲル化エマルジョンの塗布量は5.0g/m2
であった(乾燥固形分量)。ついで、この上に離型剤と
して付加型のシリコーンKS−778(信越化学製)を
0.7g/m2 塗工して本発明の剥離紙を得た。
【0012】実施例2 感熱ゲル化エマルジョンとして、アンダーコート用エマ
ルジョン(中央理化工業株式会社製のリカボンドES−
K917(A))100重量部あたり変性ポリエーテル
系感熱ゲル化剤(リカボンドES−K917(B))3
重量部を添加して調製した感熱ゲル化エマルジョンを用
いた以外は実施例1と同様にして本発明の剥離紙を得
た。 比較例1 実施例1と同一の原紙にポリエチレンを20μラミネー
トしたものを比較例1とした。 比較例2 実施例1と同一の原紙上に実施例1と同一の条件で離型
剤を直接塗工し、比較例2とした。上記実施例及び比較
例で得た剥離紙の剥離性、残留接着率と古紙としての離
解性を次の条件で測定した。
【0013】剥離性 アクリル系の接着剤(東洋インキ製オリバインBPS−
8170)を150μの厚みとなるように剥離紙の上に
塗布した後、100℃で3分間乾燥し、25μのPET
シートを貼合わせゴムロールで1往復して圧着した。2
0℃、65%RHの条件で24時間放置した後、JIS
−Z−0237の方法に従って、テンシロンにて剥離強
度を求めた(測定幅50mm)。残留接着率 剥離の際に、剥離剤が接着層に移行する程度を次のよう
にして測定した。先ず、日東電工株式会社製の粘着テー
プ:ニットー31Bを剥離紙に付着させ、70℃で20
時間、20g/cm2 の加圧下に放置し、20mm幅にカッ
トしてSUS304鋼板にハンドロールで貼り付け、さ
らにテープ圧着ロール機で1往復した。一方、標準接着
力測定用ブランクとして、標準粘着テープをテフロンシ
ートに貼り付け上記と同様の幅にカットして同じように
SUS304鋼板に貼り付けた。これらを20℃、65
%RHの条件で1時間放置後、テンシロンにてクロスヘ
ッドスピート300mm/min. 180°Uピールで剥離
し、その時の剥離強度を求めた。標準接着力測定用ブラ
ンクについて得られた剥離強度に対する各試験片である
剥離紙について得られた剥離強度との割合を100分率
で求め、これを残留接着率とした。離解性 ディスインテグレーターを用い、剥離紙の濃度2%の水
溶液を調製し、離解時間10分で離解したパルプを20
カットのスクリーンにかけ、通過しなかった未離解残査
を離解性の指標とした。得られた結果を表−1に示す。
【0014】
【表1】 表−1 剥 離 力 残留接着率 未離解残査 実施例1 15gf/50mm 100% 1.3% 実施例2 8 85 0.3 比較例1 11 95 17.0 比較例2 500 破れにより 0.1 測定不能

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低曇点のノニオン系界面活性剤、ポリエ
    ーテルポリホルマール、ポリビニルメチルエーテル、シ
    リコーン系感熱化剤、卵白アルブミン、ZnOと有機又
    は無機のアンモニウム塩、ZnOと有機又は無機の亜鉛
    アンモニウム錯塩、ZnOとニトロパラフィン、ZnO
    と有機エステル類、ZnOとトリアセチン、及びZnO
    とトリプシンからなる群から選ばれる感熱ゲル化剤と加
    熱凝固又は加熱固化するポリマー粒子とを含む感熱ゲル
    化エマルジョンを紙製基材の片面に塗布した後、直ちに
    加熱して液不透過性アンダーコート層を形成させ、該ア
    ンダーコート層上に剥離層を設けることを特徴とする再
    生可能な剥離紙の製造方法。
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