JP2622260B2 - Ifn−オメガに対する新規モノクローナル抗体、その製造方法、及びifn−オメガの精製及び検出におけるその使用 - Google Patents

Ifn−オメガに対する新規モノクローナル抗体、その製造方法、及びifn−オメガの精製及び検出におけるその使用

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JP2622260B2
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Description

【発明の詳細な説明】 Nucleic Acid Res.13,4739−4749(1985)にこれまで
に知られたα−及びβ−インターフェロンと構造及び抗
原の性質において実質的に異なる新しいI型インターフ
ェロンについての記述がある。この新しい種類のインタ
ーフェロンはIFN−オメガと名づけられた。
1987年9月16日に発行されたEP−A−0236920の主題
は新規モノクローナル抗体、例えば新規モノクローナル
抗体OMG−2を用いて、IFN−オメガの精製を実質的に改
良することを可能にした。しかしながら、これらの抗体
はIFN−αとIFN−オメガの両方に特異性を示す。しかし
ながら塗布(Coating)のために用いられるポリクロー
ナル免疫グロブリン中のIFN−オメガ特異的抗体の比率
はあまりにも小さいので、この出願に記述する抗体を用
いてIFN−オメガを検出する免疫測定法を確立すること
は可能ではなかった。さらに、上述のごとく、ポリクロ
ーナル抗体、モノクローナル抗体の双方ともIFN−αを
も認識するので、かかる方法はIFN−オメガに特異的で
ない。
従って現在までIFN−オメガの検出及び定量はもっぱ
ら生物学的方法、例えば抗ウイルス活性の測定によって
行われてきた。これらの方法は一般に非常に鋭敏である
が、時間がかかり、煩雑でかつ正確性に欠ける。従って
IFN−オメガを簡単、迅速かつ正確に測定することがで
きる、エライサ法やIRMA法のような免疫測定法の確立が
望まれていた。IFN−オメガは溶液中、モノマー形態で
存在するので、この種のテストはIFN分子の異なったエ
ピトープを認識できる少なくとも2種の抗体を必要とす
る。モノクローナル抗体は必須ではないが、抗血清に比
し多くの利点を有している。
今や驚くべきことに、上記問題点を新規モノクローナ
ル抗体によって解決できることが見い出された。本発明
によって製造される抗体はIFN−オメガに特異的であ
り、従ってこれらの抗体を用いる免疫測定によってIFN
−オメガの検出及び定量が可能となるが、IFN−α、IFN
−β及びIFN−γのような他のヒトインターフェロンは
影響されない。
従って本発明はIFN−オメガ型のヒトインターフェロ
ンと特異的に反応するが他のヒトインターフェロンとは
反応しない新規モノクローナル抗体、それらの製造方
法、及びIFN−オメガの精製や例えば免疫測定による検
出におけるそれらの使用に関する。これらの使用におい
てこれらの抗体はIFN−オメガ型のヒトインターフェロ
ンを特異的に検出することができるが、ポリクローナル
抗体も付加的に使用することができる。
本発明によれば以下の手順により上記抗体を製造す
る。
必要とされる抗体産生ハイブリドーマ細胞系は適当に
免疫化したマウス等の実験動物の脾細胞〔Khler and
Milstein,Nature 256,495−497(1975)参照〕と好ま
しくはそれ自身ではいかなる抗体をも産生しないミエロ
ーマ細胞、例えばP3×63Ag8.653系のミエローマ細胞〔K
earney et al.,J.Immunol.123,1548(1979)参照〕との
細胞融合によって得られる。このプロセスは基本的には
マウスや他の適当な動物に免疫原を注入することよりな
る。ついでその血清が注入された免疫原の抗体を含有す
る、免疫化されたマウスから脾細胞を取り出し、ミエロ
ーマ細胞と融合させる。ハイブリドーマと呼ばれる雑種
細胞が得られ、ついでこれをインビトロで増殖させる。
ハイブリドーマの集団を分析し、操作して個々のクロー
ンを単離する。それぞれから単一の抗原に特異的な抗体
種が分離される。このようにして得られる個々の抗体は
免疫化された動物の単一のB細胞の産物であり、免疫原
性物質の特定の免疫原性構造との反応の結果生産され
る。かくのごとく、免疫原性物質が生存宿主中に導入さ
れると、宿主の免疫系が反応して免疫原性物質上のすべ
ての検出部位に対し抗体を形成する。この効果、すなわ
ち侵入者に対する防御としての抗体の形成は抗体の生産
において免疫原性物質に対する親和性及び特異性を変化
させることよりなり立っている。
2部位免疫測定法は抗体:抗原:抗体サンドイッチの
形成に基づいているので、抗原への結合の間お互いに妨
害しない2つの異なったモノクローナル抗体を一般的に
選択する。
本発明においては実験動物を予めIFN−オメガ、又は
一方がIFN−オメガで他方がIFN−α、好ましくはIFN−
オメガ1、又はIFN−オメガ1/α2で免疫化し、ついでI
FN−オメガ好ましくはIFN−オメガ1で再び免疫化す
る。
引き続いての細胞融合において、ハイブリドーマ培養
物を得る、ついでIFN−オメガの抗体を産生するクロー
ンを同定するためにスクリーニングにかける。このため
に好ましくは、生産された抗体による生物活性テスト、
例えばIFN−オメガの生物活性例えば抗ウイルス活性を
中和するようなテストを用いる。
得られる、OMG−4、OMG−5、OMG−6、OMG−7及び
OMG−8と名づけられ、一貫してIFN−オメガ1の抗ウイ
ルス活性の減少を示す5つの培養物中、OMG−4、OMG−
5及びOMG−7クローンを抗体生産用に選択した。
選んだハイブリドーマ細胞系はインビトロ又はインビ
ボで培養することができるが、インビボ培養の方が好ま
しい。
選ばれたクローンの細胞を、予めプリスタン又は不完
全フロインドアジュバント〔例えばMiiller et al.,J.I
mmunol.Method.87,193−196(1986)参照〕で予め処理
したBal b/cマウスに接種する。7−18日後腹水(ascit
es fluid)を採集し、生成した抗体を硫酸アンモニウム
による沈殿化及び引き続いてのアフィニティークロマト
グラフィーもしくは文献既知の他の手法で濃縮又は単離
する。
目的とする抗体は又適当なインビトロ培養における細
胞培養物上清から同様にして単離又は濃縮することがで
きる。
すでに前記したごとく、本発明によってこのようにし
て調製した新規抗体はIFN−オメガ、好ましくはIFN−オ
メガ1の精製及び検出に用いることができる。
本発明によって得られる抗体をIFN−オメガの超精製
(ultra−purification)に用いる場合は、生物学的に
不活性な担体に共有結合させることが好ましい。抗体は
適当に活性化された、好ましくはデキストランをベース
にした担体、例えばMessrs.Pharmacia of Uppsalaによ
って製造されたCNBr−活性化セファロースもしくは活性
化されたCH−セファロースに共有結合させる。超精製に
ついては、精製すべきオメガインターフェロンの溶液で
あって、EP−A−0170204に記述された方法によって又
はEP−A−0236920に記述の新規プラスミドを用いる発
明によって手頃に得られるオメガインターフェロン溶液
を、わずかに塩基性のpH、例えばpH7〜8、好ましくはp
H7.5で上記のごとくして得た抗体結合担体(an antibod
y affinity carrier)上にポンプで送り、ついで溶出液
中にタンパク質がなくなるまでpH7.5で洗浄し、つづい
て結合したインターフェロンを酸性下、例えば25%エチ
レングリコール中の0.1Mクエン酸を用いて溶出する。得
られたタンパク含有画分を強酸性カチオン交換体、例え
ばPharmacia製カチオン交換体Mono−Sを用いるクロマ
トグラフィーに処する。この溶出液中のヒトインターフ
ェロンを直ちにカチオン交換体カラムに吸収させ、NaCl
勾配で溶出する。
新規抗体を抗原としてのオメガインターフェロン例え
ばIFN−オメガ1の検出又は定量に用いる場合には、既
成の免疫測定技術を用いることができる。これらの技術
は測定すべき抗原物質と1以上の抗体の複合体の生成に
基づいており、これらの技術においては複合体の1もし
くはいくつかの部分を標識して、複合体を標識した抗原
もしくは抗体を分離除去した後、抗原を検出及び/又は
定量することができるようにすることができる。
競合的免疫測定技術の場合には、測定すべき液体試料
中の抗原性物質は制限量の抗体結合部位について既知量
の標識した抗原と競合関係にある。ゆえに抗体に結合し
た標識抗原の量は試料中の抗原量に反比例の関係にあ
る。
他方イムノメトリック法は標識抗体を用いる。この種
のアッセイでは複合体に結合した標識抗体の量は液体試
料中に含有される抗原物質の量に比例する。
イムノメトリック法は多価抗原、すなわち同時に2以
上の抗体と複合体を形成し得る抗原性物質の検出に特に
好適である。この種のアッセイは代表的には測定すべき
液に不溶の、固体担体に結合させた大量の非標識抗体と
標識した大量の可溶性抗体とを用い、結果として固相抗
体、抗原及び標識抗体より形成された3成分よりなる複
合体を検出及び/又は定量することが可能である。この
方法においては通常まず固相結合抗体を測定すべき試料
と接触させて、試料から抗原を抽出し、2成分よりなる
固相抗体・抗原複合体を形成させる。適当なインキュベ
ーション期間の後、固体担体を洗浄して存在するいずれ
かの未反応抗原をはじめとする、液体プローブ(prob
e)の残渣を除去し、ついで既知量の標準抗体を含有す
る溶液と接触させる。
標識抗体が、非標識抗体によって固体担体に結合され
た抗原と複合体を形成する、第2のインキュベーション
期間の後、固体担体を何秒間か洗浄して(washed a sec
ond time)未反応標識抗体を除去する。問題の試料中に
抗原があるかどうかを決定するための単純なYES/NOアッ
セイにおいては、洗浄した固体担体を測定する。検出さ
れた、標識抗体量を抗原を含有しない陰性のコントロー
ル試料のそれと比較する。陰性のコントロールによって
示される背景水準よりかなり高い量の標識抗体の検出は
疑われた抗原の存在を示す。定量的検出は既知量の抗原
を含有するキャリブレーテドプローブ(calibrated pro
bes)を用いて得られる、標識抗体の測定と比較するこ
とによって可能である。この種のアッセイはしばしば
「2部位」もしくは「サンドイッチ」アッセイと呼ばれ
る、というのは抗原がその表面の異なった部位に結合す
る2つの抗体を有するからである。
上記アッセイにおいて抗体は通常の担体でよく、例え
ばガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然もしく
は化学修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロー
ス又は磁鉄鉱を包含する。
又、マーカーは酵素、放射性同位元素、金属キレー
ト、けい光化合物、化学発光化合物又は生物発光化合物
を包含する。
酵素の例はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌ
クレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、α
−グリセロールホスフエートデヒドロゲナーゼ、トリオ
ースホスフエートイソメラーゼ、西洋わさびパーオキシ
ターゼ(horseradish paoxidase)、アルカリホスファ
ターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、
β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアー
ゼ、カタラーゼ、グルコース−6−ホスフエートデヒド
ロゲナーゼ、グルコアミラーゼ又はアセチルコリンエス
テラーゼを包含する。
用いられる放射性同位元素は3H,125I,127I,32P′ 35S
及び14Cである。
けい光化合物はイソチオシアン酸フルオレセイン、ロ
ーダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフ
ィコシアニン、O−フタルアルデヒド(o−phthaldehy
de)又はフルオレサミンを包含する。
化学発光化合物はルミノール、イソルミノール、芳香
族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニ
ウム塩又は修酸エステルを包含する。
生物発光化合物はルシフエリン、ルシフェラーゼ及び
エクオリン(aequorin)を包含する。
さらに本発明による抗体はビオチン、ジニトロフエニ
ル、ピリドキサール又はフルオレサミンのごとき低分子
ハプテンと結合していてもよい。これらのハプテンはさ
らなる特異的反応によって認識される。例えばビオチン
はアビジンの助けによって、フルオレサミンは特異的抗
ハプテン抗体の助力によって認識される。
さらにマーカーとして用いる酵素の活性は測定される
信号を強めるのに用いることができる。
しかしながら、西洋わさびパーオキシダーゼをマーカ
ーとして用いるのが特に好ましい、というのはこの酵素
は多くの基質と反応できるからである。さらに西洋わさ
びパーオキシダーゼは比較的小さく、例えば過ヨウ素酸
法によって容易に抗体に結合させることができる。
しかしながら、オメガインターフェロン、好ましくは
IFN−オメガ1を検出もしくは定量するための好ましい
方法は、IFN−オメガを放射性標識する場合は、ポリク
ローナル抗体もしくは抗血清を用いる競合的ラジオイム
ノアッセイ(RIA)であり:抗体を放射性標識する場合
は特にイムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)であ
り;抗体を酵素で標識する場合は酵素結合抗体免疫吸着
アッセイ(ELISA)である。
本発明によれば、IFN−オメガ、好ましくはIFN−オメ
ガ1はテスト液中で下記のようにして検出もしくは定量
される: a) 測定すべき試料を、測定すべきIFN−オメガに対
するポリクローナルもしくはモノクローナル抗体を結合
させた担体と接触させ、 b) a)で生成した2部分よりなる複合体の形成を、
標識モノクローナル抗体とa)で生成した2部分複合体
よりなる3部分複合体の形成によって測定する。
本発明の実施に必要とされるオメガインターフェロン
はEP−A−0170204の主題であり、本発明に記述されて
いないモノクローナル抗体、例えば抗体OMG−2のモノ
クローナル抗体はEP−A−0236920の主題である。同じ
ことが免疫化に使用する雑種インターフェロンについて
も適用される。用いるポリクローナル抗体は文献既知の
方法を用いて得ることができる。
以下の実施例は本発明を、制限することなく、例示す
ることを意図するものである。
実施例 1 IFN−オメガに特異的なモノクローナル抗体の製造 a) 免疫化 約8週分の雌性Bal b/cマウスを高度に精製した(純
度>95%)雑種インターフェロン(hybrid interfero
n)であるIFN−オメガ1α2を用いて以下のごとく免疫
化した。
第1回目の免疫化:完全フロインドアジュバント中の20
0mcg、腹腔内ルート 第2回目の免疫化:完全フロインドアジュバント中の20
0mcg、腹腔内ルート、第1回目免疫化の5週間後、 第
2回目の免疫化の8ケ月後、マウスを再び精製IFN−オ
メガ(純度>90%)70mcg(不完全アジュバント、腹腔
内ルート)で免疫化した。12日後血清試料をとった。中
和テストはマウス血清が今やIFN−オメガに対する抗体
を中和するのに比較的高い力価を含有している(血清の
1000倍希釈までで全中和、10,000倍希釈で部分中和)こ
とを示した。中和テストは次のようにして行った:細胞
培養培地中の血清試料の希釈液100mclをIFN−オメガ1
溶液(100抗ウイルス単位1ml)100mclと混合し、37℃で
90分インキュベートした。試料の抗ウイルス活性を生物
テスト(A 549肺ガン細胞、脳心筋炎ウイルス)により
調べた。第3回目の免疫化の5週間後、マウスにさらに
精製IFN−オメガ1(純度>90%)70mcgをアジュバント
なしに注射した。
b) ハイブリドーマの生産及びスクリーニング Khler及びMilstein〔Nature256,459(1975)〕に
よって最初に開発された方法に従って、非分泌細胞系P3
×63Ag8.653〔Kearney et al.,J.Immunol.123,1548〔19
79)〕を用いてハイブリドーマを生産した。以下の手順
を用いた。
最後の免疫化(上記参照)後4日目にマウスの脾臓を
切り離し、脾臓細胞を結合組織から機械的に取り出し、
細胞培養培地〔ペニシリンGナトリウム(100units/m
l)及び硫酸ストレプトマイシン(50units/ml)を添加
したRPMI1640培地〕に懸濁し、遠心分離(Beckmann TJ
−6遠心分離機、1000rpm、10分)によって回収した。
2×108個のミエローマ細胞(10%ウシ胎児血清を添加
した上記細胞培養培地中で培養した)も遠心分離によっ
て回収し、血清非含有培養培地で1回洗浄した。最後
に、脾細胞及びミエローマ細胞を血清非含有培養培地に
再懸濁し、懸濁液を合し、再遠心分離した。上清を除去
し、細胞を融合用培地(45%RPMI 1640培地、50%ポリ
エチレングリコール4000、5%ジメチルスルホキシド)
に懸濁し、90秒間注意深く振盪し、さらに60秒間静置し
た。ついで血清非含有培養培地3mlを90秒かけて滴下
し、懸濁液を60秒静置し、ついでさらに血清非含有培養
培地6mlを90秒かけて滴下した。最後に10%ウシ胎児血
清を含有する培養培地12mlを絶えず攪拌しながら徐々に
添加し、10分静置し、混合物を10%ウシ胎児血清を含有
する培養培地を用いて50mlとした。細胞を遠心分離によ
って集め、20%ウシ胎児血清、ヒポキサンチン(10
-4M)、アミノプテリン(4×10-7M)及びチミジン(1.
6×10-5M)を添加した細胞培養培地(以後HAT培地と称
する)400mlに懸濁した。さらに、Bal b/cマウスからの
腹膜マクロファージを懸濁液に加え(約50,000/ml)、
懸濁液を細胞培養平板にピペットで移した(48wells/pl
ate、0.5ml/well)。平板を37℃(95%空気、5%CO2
飽和水蒸気)でインキュベートした。3日後にHAT培地
0.5mlを各培養物に加えた。作製した全部で800の培養物
中、約300の培養物が2〜3週間後何らかのハイブリド
ーマ細胞の増殖を示した。つづいてのスクリーニングは
以下のようにして行った。
少なくとも10〜20%コンフルエントなハイブリドーマ
培養物(すなわち、少なくとも培養皿表面の約10〜20%
が隣接した細胞すなわち相互に密接した細胞によって被
われているハイブリドーマ培養物)の培養上清を等量の
HuIFN−オメガ1溶液(20抗ウイルス単位/ml)と混合
し、37℃で90分インキュベートし、ついでそれらの抗ウ
イルス活性をテストした。すべての培養物は1週間の間
隔で少なくとも2回テストした。以下OMG−4、OMG−
5、OMG−6、OMG−7及びOMG−8と称する5つの培養
物がすべてのテストにおいて抗ウイルス活性の減少を一
貫して示した。これらの培養物をすべて限界希釈(limi
ting dilution:ピペットで平均的に培養皿に移したとき
に、各培養皿に1個の細胞だけが移されるような程度ま
で希釈すること)によってクローン化し、クローンの中
和活性を上述の方法を用いて再びテストした。各培養物
から、3〜5の陽性クローンをプールした(were poole
d)。抗体をインビボで生産させるために、各ハイブリ
ドーマ培養物から3〜10×106細胞を、2もしくは3日
前にフロインドアジュバントを又は7〜10日前にプリス
タン0.5mlを腹腔内注射したBal b/cマウスに腹腔内ルー
トにより接種した。7〜21日後に生成した腹水を回収
し、含有される抗体を、50%硫酸アンモニウムによる沈
殿化及び既知の手法による担体結合タンパクAを用いる
アフィニティクロマトグラフィーによって90%以上の純
度(a purity of over 90%)に濃縮した。すべてのハ
イブリドーマにおいて、腹水1mlあたり約2〜5mgの純粋
な抗体が得られた。
c) 抗体OMG−4、OMG−5及びOMG−7の性格づけ 非還元条件下のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリ
ルアミド電気泳動泳びゲル透過高圧液体クロマトグラフ
ィー(gel permeation high pressure liquid chromato
graphy)で検査した結果、すべての抗体はIgGマーカー
タンパクの保持特性と同じ保持特性を示し、従ってIgG
型である。インターフェロンの抗ウイルス活性を調べた
中和テスト(上記参照)ですべての抗体は100mcg/mlの
濃度でIFN−オメガ1の活性を中和したが、IFN−α2c、
IFN−β又はIFN−γの活性は中和しなかった。
これら3種のクローンはブダペスト条約に従って1987
年8月4日にECACC−ファイル番号(ECACC−file numbe
rs)87 081401(OMG−4)、87 081402(OMG−5)及び
87 081403の下にEuropean Callection of Animal Cell
Cultures,PHLS Center for Applied Microbiology and
Research,Porton Down,Salisburg,Wiltshire SP4OJG,Un
ited Kingdomに寄託した。
実施例 2 IFN−オメガ1の酵素免疫測定 抗体OMG−5及びOMG−7を既知の手法(例えばWilson
M.B.and Nakane P.K.,Immunoflucrescence and Relate
d Staining Techniques,W.knappら発行、215−224頁;El
seuier1978)を用いて西洋わさびパーオキシダーゼに共
有結合させた。用いた方法は以下の通りであった。
水中の西洋わさびパーオキシダーゼ2mgを100mM過ヨウ
素酸ナトリウム0.2mlと混合し、周囲温度で40分振盪
し、1mM酢酸ナトリウム(pH4.4)2×500mlに対して40
℃で一夜透析した。ついで溶液を0.1M NaHCO3、pH9.5を
用いてpH約9に調整した。モノクローナル抗体の溶液
(10mM NaHCO3、pH9.5中OMG−5の場合1.6mg/mlを2ml、
OMG−7の場合4.7mg/mlを1.5ml)をこの溶液に加え、混
合物を周囲温度で2時間振盪した。NaBH4溶液(水中4mg
/ml)100mclを加え、溶液を氷浴中でさらに2時間イン
キュベートした。ついで冷飽和硫酸アンモニウム溶液3m
lを滴下し、混合物を氷浴中で1時間インキュベートし
た。生成したパーオキシダーゼ−免疫グロブリン複合体
を遠心分離によって集め、リン酸塩緩衝等張食塩溶液
(phosphate−buffered isotonic soline solution)pH
7.4 1mlに溶解し、リン酸塩緩衝食塩溶液(phosphate−
buffered saline solution)中のウシ血清アルブミン
(10mg/ml)溶液1mlを添加して安定化した。溶液を−70
℃で凍結した。
IFN−オメガ1についての固相サンドイッチ酵素免疫
測定は一般に知られた方法を用いて行った〔例えばBert
hold,W.,Merk,W.and Adolf,G.R.,Arzneim.−Forschung.
/Drug Res.35,364−369(1985)参照〕。微量力価エラ
イサ試験板(the microtitre ELISA testplates)に塗
布するために、モノクローナル抗体OMG−2、OMG−5又
はOMG−7を0.1M炭酸ナトリウムpH9.5中10mcg/mlの濃度
で用い(100mcl/well)、平板を周囲温度で1時間か、
4−8℃で一夜インキュベートした。抗体溶液を除去
し、穴(wells)をそれぞれ水200mclで洗浄し、リン酸
塩緩衝等張食塩溶液pH7.4中のウシ血清アルブミン(5mg
/ml)の溶液(以下PBS/BSAと称する)100mclをみたし
た。ついで20ng/mlの濃度のIFN−オメガ1溶液100mclを
加え混合し、ついでその溶液100mclを連続的に移すこと
によって一連の希釈液をつくった。最後に抗体−酵素複
合体溶液〔OMG−5/パーオキシダーゼ又はOMG−7/パーオ
キシダーゼ、PBS/BSA中原溶液(上記参照)1:10,000希
釈〕50mclをすべての穴に加え、平板を周囲温度で3時
間インキュベートした。ついで溶液を除去し、穴を水で
3回洗浄し、それぞれ基質溶液(0.067Mクエン酸カリウ
ムpH5中o−フエニレンジアミン3mg/ml、及び過ホウ酸
ナトリウム1mg/ml)100mclでみたした。周囲温度で30分
インキュベート後、4N硫酸100mclをピペットで各穴に入
れ、ついで492nmでの光学濃度を多重チャネル光度計
(エライサ読取り装置)で測定した。
吸収の用量依存変化が塗布抗体と抗体−パーオキシダ
ーゼ複合体のすべての異種組合せについてなされた。第
1,2及び3図は得られた曲線を示す。
塗布はウサギをIFN−オメガ1で2回免疫化し、50%
硫酸アンモニウムで沈殿させることによって血清から部
分精製したウサギ抗IFN−オメガ1免疫グロブリンを10m
cg/mlの濃度で用いて行うこともできる(第4図)。
抗体OMG−2(EP−A−0236920)及びパーオキシダー
ゼ結合抗体OMG−7から構成した。IFN−オメガのための
エライサ(第2図参照)の特異性を非常に広い範囲に亘
る濃度での他のヒトインターフェロン標品に適用するこ
とによってテストした。以下のインターフェロンを用い
た。
IFN−オメガ1について100pg/mlの感度でいかなる濃
度でのいずれの標品についても臨界的な信号はみられな
かった。エライサは従って組換えIFN−オメガ1の定量
のみならず、例えば細胞培養物から得られる白血球イン
ターフェロンや他のインターフェロン標品中のIFN−オ
メガ1の比率を決定するためにも用いることができる。
実施例 3 IFN−オメガ1のイムノラジオメトリックアッセイ(IRM
A) 抗体OMG−7をN−サクシンイミジル〔2,3−3H〕プロ
ピオネート(3H−NSP、Amersham International,Englan
d製、110Ci/mmol)を用いて既知手法により放射性標識
した。3H−NSP溶液1mCiを浸硅した(siliconised)試験
容器中で真空乾燥した。ついで緩衝化した食塩溶液pH7.
4中のモノクローナル抗体OMG−7(4.7mg/ml)の溶液50
mcgをピペットで入れ、ついで1Mホウ酸緩衝液pH8.5 3mc
lを加えた。4℃で24時間放置後、過剰の3H−NSPをホウ
酸緩衝液中の1Mグリシン20mclで捕獲し、150mM NaCl及
び5mg/mlウシ血清アルブミンを添加した50mMリン酸カリ
ウム緩衝液pH7.4 250mclで希釈し、セファデックスG50M
カラム(0.5×20cm)により標識抗体から分離した。こ
の抗体は約10Ci/gタンパクの比活性を示した。
本テストを行うために、食刻したポリスチレンペレッ
ト(直径6.5mm、Northumbria Biologicals of England
製)に抗体OMG−2を塗布した(0.1M炭酸ナトリウムpH
9.5中10mcg/ml;周囲温度で1時間)。ついでペレットを
PBS/BSA(実施例2参照)中で1時間インキュベート
し、水250mclで2回洗浄した。ペレットを適当な試験管
中PBS/BSA中増加させた濃度(concentrations)のIFN−
オメガ1の溶液200mclを用い4℃で3時間インキュベー
トし、水250mclで3回洗浄した。ついで標識抗体溶液20
0mclバッチ(batches)(PBS/BSA中100ng/ml、試験管あ
たり1分間に約27,000カウント)を加え、得られる混合
物を4℃で20時間インキュベートした。ついでペレット
を水20mclで3回洗浄し、ポリプロピレン試験管に移
し、結合放射能をシンチレーションカクテル4mlを添加
後液体シンチレーションカウンターで測定した。第5図
はインターフェロン濃度の関数としての結合放射能を示
す。
【図面の簡単な説明】
第1図は塗布層としてモノクローナル抗体OMG−2、パ
ーオキシダーゼ複合体用にモノクローナル抗体OMG−5
を用いる、IFN−オメガ1のエライサ試験の結果を示
す。 第2図は塗布層としてモノクローナル抗体OMG−2、パ
ーオキシダーゼ複合体用にモノクローナル抗体OMG−7
を用いる、IFN−オメガ1のエライサ試験の結果を示
す。 第3図は塗布層としてモノクローナル抗体OMG−5、パ
ーオキシダーゼ複合体用にモノクローナル抗体OMG−7
を用いる、IFN−オメガ1のエライサ試験の結果を示
す。 第4図は塗布層としてウサギ抗IFN−オメガ1免疫グロ
ブリン、パーオキシダーゼ複合体用にモノクローナル抗
体OMG−7を用いる、IFN−オメガ1のエライサ試験の結
果を示す。 第5図は放射性標識用抗体としてモノクローナル抗体OM
G−7を用いる、IFN−オメガ1のイムノラジオメトリッ
クアッセイの結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 9282−4B C12N 15/00 C //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】IgG型のモノクローナル抗体であって、オ
    メガインターフェロンの活性は中和するが、IFN−β、I
    FN−ガンマ又はα−インターフェロン類の活性を中和し
    ないことを特徴とするモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】IFN−オメガ1の活性のみを中和する特許
    請求の範囲第1項記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】寄託番号ECACC No.87 081401、No.87 0814
    02及びNo.87 081403であるクローンOMG−4、OMG−5及
    びOMG−7によって生産され、100mcg/mlの濃度でIFN−
    オメガ1の活性を中和するがIFN−α2c、IFN−β又はIF
    N−ガンマの活性を中和しない特許請求の範囲第1又は
    2項記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】標識された特許請求の範囲第1、2又は3
    項記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】標識化を放射性同位元素を用いて行う特許
    請求の範囲第4項記載のモノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】標識化を酵素を用いて行う特許請求の範囲
    第4項記載のモノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】標識化をけい光化合物を用いて行う特許請
    求の範囲第4項記載のモノクローナル抗体。
  8. 【請求項8】標識化を化学発光化合物を用いて行う特許
    請求の範囲第4項記載のモノクローナル抗体。
  9. 【請求項9】標識化を生物発光化合物を用いて行う特許
    請求の範囲第4項記載のモノクローナル抗体。
  10. 【請求項10】IgG型のモノクローナル抗体であって、
    オメガインターフェロンの活性は中和するが、IFN−
    β、IFN−ガンマ又はα−インターフェロン類の活性を
    中和しないことを特徴とするモノクローナル抗体を製造
    する方法であって、IgG抗体を生産するハイブリドーマ
    細胞系を細胞融合及びサブクローニングによって製造
    し、これを増殖させた後、抗オメガインターフェロン特
    異性を有するIgG抗体を単離することを特徴とする方
    法。
  11. 【請求項11】細胞融合を行うためにミエローマ細胞
    と、予めIFN−オメガ又は一部IFN−オメガ、一部IFN−
    αよりなる雑種インターフェロンで免疫化し、引き続い
    てIFN−オメガで再免疫化した実験動物からの脾細胞と
    を用いる特許請求の範囲第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】予備免疫化をIFN−オメガ1又はIFN−オ
    メガ1/α2を用いて行う特許請求の範囲第11項記載の方
    法。
  13. 【請求項13】第2の免疫化をIFN−オメガ1を用いて
    行う特許請求の範囲第11項記載の方法。
  14. 【請求項14】用いる脾細胞がBal b/cマウスからの脾
    細胞である特許請求の範囲第11項記載の方法。
  15. 【請求項15】用いるミエローマ細胞がP3×63Ag 8.653
    系のミエローマ細胞である特許請求の範囲第11項記載の
    方法。
  16. 【請求項16】モノクローナル抗体に適当なマーカーを
    結合して標識された抗体を製造することを特徴とする特
    許請求の範囲第10項記載の方法。
  17. 【請求項17】IgG型のモノクローナル抗体であって、
    オメガインターフェロンの活性は中和するが、IFN−
    β、IFN−ガンマ又はα−インターフェロン類の活性を
    中和しないことを特徴とするモノクローナル抗体を、適
    当な活性化担体に共有結合させたことを特徴とする、オ
    メガインターフェロンを精製するのに適した抗体結合担
    体。
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