JP2621812B2 - 磁気ヘッドスライダ - Google Patents

磁気ヘッドスライダ

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JP2621812B2
JP2621812B2 JP6278832A JP27883294A JP2621812B2 JP 2621812 B2 JP2621812 B2 JP 2621812B2 JP 6278832 A JP6278832 A JP 6278832A JP 27883294 A JP27883294 A JP 27883294A JP 2621812 B2 JP2621812 B2 JP 2621812B2
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/60Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
    • G11B5/6005Specially adapted for spacing from a rotating disc using a fluid cushion

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置にお
いて、回転する記録媒体に対し空気膜潤滑により微小隙
間を浮揚して記録再生を行う浮上型の磁気ヘッドスライ
ダに関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの外部記憶装置として用い
られる磁気ディスク装置の記録再生には、記録媒体面上
に対向して一定隙間で浮揚する磁気ヘッドスライダが利
用される。この磁気ヘッドスライダは、記録媒体の回転
により生じる空気粘性流を、媒体に対向する側に設けら
れた空気膜潤滑面(ABS面:Air Bearing
Surface)で受け、空気膜潤滑作用により記録媒
体面上を微小隙間で浮上する。このとき、浮上している
スライダのABS面の空気流出端部には磁気ヘッドのギ
ャップが記録媒体面に対向する向きに取り付けられてお
り、記録媒体面と一定隙間を保持しながら非接触で記録
再生が行われる構成を採っている。
【0003】このような浮上型磁気ヘッドスライダの従
来例を図8に示す。図8(a)はABS面の面側端に2
本の平行なレール(サイド・レール)を配した2レール
スライダであり、図8(b)は前記2レールスライダの
サイドに負圧発生のための微小段差を設けたTPC(T
ransverse Pressure Contou
r)スライダであり、また、図8(c)はABS面の両
側端に1対のサイド・レールを配し、その間に1本のセ
ンタ・レールを配置した3レールスライダである。ここ
では、2レールスライダを用いて浮上型磁気ヘッドスラ
イダの構成を説明する。
【0004】図9の斜視図に示すように、磁気ヘッドス
ライダ1の記録媒体と対向する側(ABS面側)2に
は、リセス部7が磁気ヘッドスライダ1の長手方向に一
定の幅で貫通する形で設けられ、このリセス部7の両側
には、記録媒体の回転により生じる空気流の流れる方向
(矢印e)に沿う形で2本のレール(サイド・レール)
3が平行に配置される。
【0005】このレールの空気流入端側にはテーパー部
6が設けられており、また片方のレールの空気流出端側
には記録再生を行う磁気ヘッド5が取り付けられてい
る。装置動作時には、記録媒体の回転に伴い、このテー
パー部6からサイド・レール3に沿って空気が流入し、
記録媒体面との間で空気膜を形成し、磁気ヘッドスライ
ダ1を浮揚させる。
【0006】この浮上型磁気ヘッドスライダ1は、ポジ
ショナ9によって記録媒体上を走査(シーク動作)して
所定のトラック上に位置決めされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図10にデータアクセ
ス時のポジショナ9による磁気ヘッドスライダ1の動作
軌道を示す。図10に示すように、ポジショナ9の先端
に磁気ヘッドスライダ1が固定され、他端を支点として
記録媒体10の表面に沿って矢印fで示すようにポジシ
ョナ9が回転運動を行い(ロータリー・アクチュエータ
方式)、磁気ヘッド5をシーク動作させる。磁気ヘッド
スライダ1はデータアクセスを行う場合、トラック最内
周Aから最外周Bまでの範囲でシーク動作を行うが、こ
のような記録媒体上のトラック半径位置によって、磁気
ヘッドスライダ1の浮上量は変動する。これは、トラッ
ク半径によって空気粘性流速が異なるため磁気ヘッドス
ライダ1のABS面に生じる圧力に差が生じることに起
因する。また、ロータリー・アクチュエータ方式の場
合、記録媒体10の回転接線方向と磁気ヘッドスライダ
1の長手軸とのなす角(スキュー角)がトラック最内周
(θin)と最外周(θou t )とで異なり、このスキュー
角変化が磁気ヘッドスライダ1の空気潤滑面2を流れる
空気流の態様を変化させ、圧力分布を変えるため浮上量
が変動する。
【0008】このような磁気ヘッドスライダの浮上量変
動は、磁気ヘッドによる電磁変換効率を変動させ記録再
生信号のSNRを悪化させる。また、磁気ディスク装置
に要求されている高密度記録を達成するためには、トラ
ック全面に渡って高BPI(Bit Per Inc
h)を維持する必要があり全トラックにおける磁気ヘッ
ドスライダの浮上量均一性が要求されている。
【0009】特開平4−355289号公報にはヘッド
スライダの浮上量の変動を抑制するために、センタ・レ
ールの中央部にスキュー角に応じたくぼみを形成したヘ
ッドスライダが記載されている。この磁気ヘッドスライ
ダの場合は空気潤滑面の先端部と後端部とが幅広く、中
間部にくびれ部を設ける構造のため、3レールのセンタ
・レールとして利用する場合、先端部(空気流入端部)
が幅広だと、ピッチ角が大きくなり、かつ低浮上が実現
しにくく、2レールスライダ用として用いられていたに
すぎなかった。また、ヨー角がプラス/マイナスに変化
しても空気潤滑流量の総和が変化しないような鼓形のレ
ール形状を有する2レールスライダであるが、この場
合、空気流れ方向に対してスライダが斜めに浮上する形
になるためロール変動が大きくなる。2レールスライダ
はロール姿勢がギャップ浮上量を大きく変化させるた
め、トラック全域における浮上量の均一性を実現するた
めには、浮上量とロール量の微妙なチューニングが必要
となる。
【0010】本発明は、浮上型の磁気ヘッドスライダの
記録媒体上の位置における浮上量の変動を抑制し、記録
トラック全域において安定した浮上量均一性を確保し
て、記録再生特性の変動を抑制し、高記録密度に欠かせ
ないCDR(ConstantDensity Rec
ording)を達成することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドスラ
イダは、空気膜潤滑面を有し空気膜潤滑により浮揚する
浮上型の磁気ヘッドスライダにおいて、前記空気潤滑面
の両サイドには1対のサイド・レールが配置され、前記
サイド・レールは互いに実質的に同一平面にあり、かつ
磁気ヘッドスライダのリーディング・エッジからトレー
リング・エッジへ向かって伸張し、前記リーディング・
エッジ側にテーパー部を有するとともに、前記トレーリ
ング・エッジ側へ向かうにしたがい、前記サイド・レー
ルを互いに対向する向きに2回以上を折り曲げ、前記ト
レーリング・エッジ側へ向かうにしたがい徐々に曲げ角
を大きくすることを特徴とする。また、前記サイド・レ
ールを前記トレーリング・エッジ側へ向かうにしたが
い、互いに対向する向きに屈曲する円弧となるように
し、前記円弧の曲率中心がサイド・レール長の中間位置
よりもリーディング・エッジ側になるようにすることを
特徴とする。さらに空気膜潤滑面を有し空気膜潤滑によ
り浮揚する浮上型の磁気ヘッドスライダにおいて、1対
のサイド・レールの間にはセンタ・レールが配置され、
前記センタ・レールはリーディング・エッジ側でレール
を細くし、トレーリング・エッジに向かうにしたがいレ
ール幅を広げていき、その途中で一度レール幅を細く
し、前記トレーリング・エッジに向かってレール幅を平
行、もしくは再びレール幅を徐々に広げていくようにす
ることを特徴とする。また前記センタ・レールがトレー
リング・エッジへ向かうにしたがい幅を広げていき、そ
の途中でレール幅を一旦細く絞り、前記トレーリング・
エッジへ向かって平行もしくは再度レール幅を拡張して
いくセンタ・レールの絞り部で、トラックに内周位置に
おける空気の流れに沿う方向に折り曲げられ、さらにト
レーリング・エッジ付近で、トラック外周位置での空気
流れ方向に沿う向きに逆にレールを折り曲げて、鈎型の
レールとすることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明のサイド・レールは、1対のサイド・レ
ールをリーディング・エッジ側で小さく、トレーリング
・エッジ側で大きく、対向する向きに複数回折り曲げる
構造である。このとき、リーディング・エッジ側でサイ
ド・レールの折り曲げ角を小さく設定することにより、
磁気ヘッドスライダがトラック外周に移動するにつれて
(スキュー角の増加につれて)空気潤滑面積が減少する
ため浮上量低下の効果を引き起こし、これが周速の増加
による浮上量増加の効果と相殺され、トラック全域にお
ける浮上量均一性を向上させる。その一方で、サイド・
レールのトレーリング・エッジの側端部は折り曲げ角を
大きく設定することにより、サイド・レールをセンタ・
レールの近くにまで配置することができるため、図4に
示すスライダ圧力分布を見てもわかるように、磁気ヘッ
ドスライダがトラック外周に移動してスキュー角がつい
たとき、センタ・レールの圧力ピークが片寄った場合で
も、それとバランスを保つ形でサイド・レールの片方の
圧力が高くなり、もう一方の圧力が小さくなり、ローカ
ル剛性のトラック半径依存性が抑制されるためトラック
全域でスライダ・ロール量(あるいはロール変動量)を
小さく抑えることができ、磁気ヘッドスライダの安定し
た浮上姿勢を保つことができる。
【0013】また1対のサイド・レールを滑らかな円弧
で形成し、その曲率中心をサイド・レール長の中間位置
よりもリーディング・エッジ側に設定することにより、
サイド・レール形状はリーディング・エッジ側では平行
に近く伸張し、トレーリング・エッジ側では急角度でセ
ンタ・レールに近づくため、複数回レールを折り曲げる
(多角)サイド・レールと同様の効果が得られ、磁気ヘ
ッドスライダの浮上均一性と浮上姿勢の安定を両立させ
ることができる。またトラック・ジオメトリに合わせて
サイド・レールの曲率を変更することにより浮上量均一
性の調整が容易にできるため設計自由度が高くなる。加
えて、エッチング加工を行う場合、スライダ・レールの
滑らかな境界線はバリの発生を抑え、生産性を向上させ
る。
【0014】本発明のセンタ・レールはABS面の中で
最も正圧が大きくなるセンタ・レールのトレーリング・
エッジ側付近で、一旦レール幅を細く絞り、再度平行も
しくは徐々に幅を広げていくようにセンタ・レールを設
定しているため、従来のトレーリング・エッジまでレー
ル幅を広げていくようなセンタ・レールに比べ、空気流
速変化による圧力変化の影響が小さく抑えられ、センタ
・レールにおける周速依存性を低く抑えられ、浮上量均
一性を高めることができる。
【0015】本発明の他のセンタ・レールの例として
は、センタ・レールの絞り部からトレーリング・エッジ
にかけてレールをトラック最内周における空気流れ方向
に沿う向きにレールを折り曲げ、トレーリング・エッジ
端部においては、今度は逆にトラック最外周における空
気流れ方向にレールを折り曲げる形状があけられる。こ
れは、特にトラック最内周においてスキュー角が(トラ
ック最外周とは逆方向に)大となるようなトラック・ジ
オメトリを採用している磁気ディスク装置においてとり
わけ有効であり、センタ・レールの絞り部からトレーリ
ング・エッジへ向かって最内周の空気流れ方向にレール
を沿わせることにより、(周速が低く、スキュー角が大
きいため)浮上量が低くなってしまうトラック最内周に
おいても空気潤滑面を流れる空気流量を多く確保するこ
とができるため浮上量を引き上げ、最外周との浮上量差
を解消するとともに、トレーリング・エッジ端部におい
て逆方向に折り曲げることにより、トラック最外周にお
いて極端に浮上量が下がることを防ぐと共に、ある程度
のレール圧力を確保してピッチ剛性の低下を防いでい
る。
【0016】図5と図6に、本発明の磁気ヘッドスライ
ダのスキュー角変動と浮上量の関係、および周速変動と
浮上量の関係を従来のスライダと比較して示す。本発明
の磁気ヘッドスライダによれば、スライダ浮上量に対す
るスキュー角依存性および周速依存性を従来のスライダ
と比較して小さく抑えることができるため、図7に示す
ようにスライダ浮上量のトラック半径位置による浮上量
変動を小さくすることができ、高記録密度達成に不可欠
なConstant Flying Heightを実
現することが可能となる。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。
【0018】図1(a)、(b)および(c)は、第
1、第2の実施例および第3の実施例を示す平面図であ
る。図1(a)、(b)および(c)において、本発明
の実施例は、1の磁気ヘッドスライダ、2の空気潤滑面
(ABS面)、301〜3のサイド・レール、3のセン
タ・レール、5の磁気ヘッド、6のテーパー部、7のリ
セス部、8の機械加工溝からなる。このとき、前記機械
加工溝8はエッチング加工において前記リセス部7があ
まり深く彫ることができない場合に設定する。これらの
磁気ヘッドスライダ1は空気潤滑面(ABS面)2とは
反対側の面で図示せぬ磁気ヘッド支持機構に接続され
る。
【0019】図1(a)に示す第1の実施例によれば、
センタ・レール4の左右に設けられた1対のサイド・レ
ール301をリーディング・エッジ側で一度真っ直ぐ伸
ばし(L1 部)、次に互いに向かい合う方向に∠θ11
け折り曲げる(L2 部)。このとき、例えばトラック最
内周でスキュー角がほぼ零度トラック外周に移動するに
つれて磁気ヘッドスライダのスキュー角が大きくなるよ
うなトラック・ジオメトリの場合、∠θ11はトラック中
間におけるスキュー角とほぼ等しくなるように設定す
る。次に、一度折り曲げた前記サイド・レール301を
トレーリング・エッジ側に伸張する途中で、もう一度互
いに向かい合う方向にレールを折り曲げる(L3 部)。
このときの折り曲げ角∠θ12は∠θ11より大であり、ト
ラック最外周のスキュー角に近いことが望ましい。ま
た、この1対のサイド・レールの長さは3レール・スラ
イダの場合、センタ・レールより短くなるように設定
し、ピッチ剛性確保の観点から、磁気ヘッドスライダが
ロールしたときに記録媒体に接触しない範囲において、
できるだけ長く設定することが望ましい。
【0020】図1(b)に示す第2の実施例によれば、
センタ・レール4の左右に設けられた1対のサイド・レ
ール302をリーディング・エッジ側で真っ直ぐ伸ばし
(M1 部)、次に互いに向かい合う方向に∠θ21だけ折
り曲げる(M2 部)。このとき、∠θ21はトラック1/
3周におけるスキュー角とほぼ等しくなるように設定す
る。次に、一度折り曲げた前記サイド・レール302を
トレーリング・エッジ側に伸張する途中で、もう一度互
いに向かい合う方向にレールを折り曲げる(M3 部)。
このときの折り曲げ角∠θ22は∠θ21より大であり、ト
ラック2/3周のスキュー角に近くなるように設定す
る。最後に、前記1対のサイド・レールをトレーリング
・エッジ側端部で再び向かい合う向きに折り曲げる(M
4 部)。このときの折り曲げ角∠θ23は∠θ22より大で
あり、トラック最外周のスキュー角に近くなるように設
定することが望ましい。
【0021】図1(c)に示す第3の実施例によれば、
センタ・レール4の左右に設けられた1対のサイド・レ
ール303をリーディング・エッジ側で真っ直ぐ伸ば
し、次に互いに向かい合う方向にρ1 の曲率で屈曲させ
る。このとき、サイド・レールの円弧形状はトラック内
外周のスキュー角変化に合わせてスライダ長手軸と円弧
の接線とのなす角度(以下、接線角と定義)が変化する
ように曲率半径および曲率中心を設定する。すなわち、
サイド・レールのリーディング・エッジ側では円弧の接
線角∠θ31がトラック最内周のスキュー角にほぼ等しく
なり、トレーリング・エッジ側では円弧の接線角∠θ32
がトラック最外周のスキュー角とほぼ等しくなるように
曲率中心O1 をサイド・レール長(N)の中間位置より
リーディング・エッジ側になるように設定し(Δh>
0)、サイド・レールのリーディング・エッジ側からト
レーリング・エッジ側へと続く接線角変化が記録トラッ
ク領域のスキュー角変化に倣うように曲率半径ρ1 を設
定する。
【0022】図2、図3は本発明の磁気ヘッドスライダ
(センタ・レール)を用いた実施例を示す図である。図
2(a)は本発明の磁気ヘッドスライダの斜視図であ
り、図2(b)、図3(a)は本発明の磁気ヘッドスラ
イダの第4の実施例の平面図を、図2(c)、図3
(b)は第4、第5の実施例のセンタ・レールの平面図
である。
【0023】1の磁気ヘッドスライダ、2の空気潤滑面
(ABS面)、3のサイド・レール、401〜2のセン
タ・レール、5の磁気ヘッド、6のテーパー部、7のリ
セス部、8の機械加工溝からなる。このとき、前記機械
加工溝8はエッチング加工において前記リセス部7があ
まり深く彫ることができない場合に設定する。これらの
磁気ヘッドスライダ1は空気潤滑面(ABS面)2とは
反対側の面で図示せぬ磁気ヘッド支持機構に接続され
る。
【0024】図2(b)、(c)に示す第4の実施例に
よれば、1対のサイド・レール3の間に設けられたセン
タ・レール401は、リーディング・エッジ側でレール
幅が狭く(W11部)なっており、トレーリング・エッジ
に向かうにしたがいレール幅が広く(W12部)なるよう
に設定している。このとき、途中でレール幅を一旦細く
する絞り部(W13部)を設け、トレーリング・エッジへ
向かって再び伸張していく(D14部)ようなセンタ・レ
ール形状に設定する。このときの絞り込み部の設定位置
(D14部)やレール幅の絞り込み量(W15部)およびセ
ンタ・レールのトレーリング・エッジ端部の幅(W
14部)は、磁気ヘッドスライダの設計浮上量や設定した
浮上均一性、および取り付ける磁気ヘッドの寸法等によ
り決定される。絞り部のレール幅が小さすぎると、浮上
量が低くなってしまうし、逆に大きすぎるとレール幅変
化の効果が薄れ浮上量均一性が損なわれる。一方、絞り
部の設定位置も同様に設計浮上量との兼ね合いで決定さ
れ、あまりリーディング・エッジよりに設定すると浮上
量が低くなりすぎ、逆にトレーリング・エッジよりに設
定しし過ぎると、レール幅変化の効果が小さくなり浮上
均一性を確保することが難しくなる。また、絞り部から
トレーリング・エッジにかけてセンタ・レールはできる
だけ平行もしくはレール幅を細くしていく方向で伸張す
るのが浮上量均一性確保の点からは望ましいが、スライ
ダ・ピッチ剛性の確保および磁気ヘッドの取り付け幅の
確保といった観点から、センタ・レールは再度レール幅
を広げる方向へ絞り部からトレーリング・エッジへ向か
って伸張させることが望ましい。
【0025】図3(a)、(b)に示す第5の実施例に
よれば、1対のサイド・レール3の間に設けられたセン
タ・レール402は、前記センタ・レール401のレー
ル幅を途中で細くする絞り部(W22部)からトレーリン
グ・エッジへ向かって再度伸張する部位(D24部)にお
いて、トラック最内周における空気流れ方向に沿う向き
にレールを折り曲げ、レール終端部(D25部)で今度は
逆にトラック最外周の空気流れに沿う向きにレールを折
り曲げる。このとき、第1の折り曲げ角∠αはトラック
最内周のスキュー角とほぼ等しくなるように設定し、第
2の折り曲げ角∠βは、トラック最外周のスキュー角と
ほぼ等しくなるように設定する。このとき、第2の折り
曲げ角の設定位置は前記折り曲げ角∠αと∠βにより決
定されるが、あまりトレーリング・エッジに近いとトラ
ック外周で浮上量が落ちてしまい、逆に絞り部に近いと
トラック内周で浮上量が低下して浮上均一性が損なわれ
るため、絞り部の位置、レール幅の変化量も含めた兼ね
合いによりトラック・ジオメトリに最適なパラメータを
決定することが望ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッドスライダは、センタ
・レールを先端部(空気流入端)で幅を狭く設定し、後
端部(空気流出部)に向かってレール幅を広げていき、
空気膜潤滑による正圧効果が大きくなる所で一旦レール
幅を絞っているため、この部位において負圧が発生し、
浮上量の空気流速依存性を小さく抑えることができる。
【0027】また、センタ・レールとサイド・レールの
間のリセス部を深く設定し、センタ・レールとサイド・
レールの周囲のリセス部部を浅く設定しているため、セ
ンタ・レールの絞り部から後端部(空気流出端)にかけ
て、リバースステップ面が形成され、TPC(Tran
sverse Pressure Contour)と
同様にトラック外周においてYaw角がついた場合にも、
負圧効果により浮上量の増加を抑えることができ、トラ
ック全域における浮上量均一性を実現することが可能で
ある。
【0028】よって、スキュー角変動および周速変動に
よる浮上量変動の低減化をはかることができ、従来に比
べて記録ヘッドの記録再生特性、例えば誘導型磁気ヘッ
ドにおいてはその電磁変換効率の変動を抑制することが
できて、安定した記録再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドスライダの第1、第2、第
3の実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の磁気ヘッドスライダの第4の実施例を
示す斜視図と平面図である。
【図3】本発明の磁気ヘッドスライダの第5の実施例を
示す平面図である。
【図4】本発明の磁気ヘッドスライダのABS面の圧力
分布を示す図である。
【図5】本発明の磁気ヘッドスライダにおける浮上量の
スキュー角依存性を示す図である。
【図6】本発明の磁気ヘッドスライダにおける浮上量の
周速依存性を示す図である。
【図7】本発明の磁気ヘッドスライダにおける浮上量の
トラック半径依存性を示す図である。
【図8】従来の磁気ヘッドスライダの例を示す平面図お
よび正面図である。
【図9】従来の磁気ヘッドスライダの例を示す斜視図で
ある。
【図10】磁気ヘッドスライダのアクセス動作時の態様
を示す上面図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッドスライダ 2 空気膜潤滑面 3、301〜303 サイド・レール 4、401、402 センタ・レール 5 磁気ヘッド 6 テーパー部 7 リセス部 8 機械加工溝 9 ポジショナ 10 記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−203515(JP,A) 特開 平6−162471(JP,A) 特開 平6−251350(JP,A) 特開 平5−210930(JP,A) 特開 平2−101688(JP,A) 特開 平7−111053(JP,A) 特開 平7−201150(JP,A) 特開 平7−262727(JP,A) 特開 平8−63925(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気膜潤滑面を有し空気膜潤滑により浮揚
    する浮上型の磁気ヘッドスライダにおいて、前記空気潤
    滑面の両サイドには1対のサイド・レールが配置され、
    前記サイド・レールは互いに実質的に同一平面にあり、
    かつ磁気ヘッドスライダのリーディング・エッジからト
    レーリング・エッジへ向かって伸張し、前記リーディン
    グ・エッジ側にテーパー部を有するとともに、前記トレ
    ーリング・エッジ側へ向かうにしたがい、前記サイド・
    レールを互いに対向する向きに2回以上を折り曲げ、前
    記トレーリング・エッジ側へ向かうにしたがい徐々に曲
    げ角を大きくすることを特徴とする磁気ヘッドスライ
    ダ。
  2. 【請求項2】前記サイド・レールを前記トレーリング・
    エッジ側へ向かうにしたがい、互いに対向する向きに屈
    曲する円弧となるようにし、前記円弧の曲率中心がサイ
    ド・レール長の中間位置よりもリーディング・エッジ側
    になるようにすることを特徴とする請求項1記載の磁気
    ヘッドスライダ。
  3. 【請求項3】空気膜潤滑面を有し空気膜潤滑により浮揚
    する浮上型の磁気ヘッドスライダにおいて、1対のサイ
    ド・レールの間にはセンタ・レールが配置され、前記セ
    ンタ・レールはリーディング・エッジ側でレールを細く
    し、トレーリング・エッジに向かうにしたがいレール幅
    を広げていき、その途中で一度レール幅を細くし、前記
    トレーリング・エッジに向かってレール幅を平行、もし
    くは再びレール幅を徐々に広げていくようにすることを
    特徴とする磁気ヘッドスライダ。
  4. 【請求項4】前記センタ・レールがトレーリング・エッ
    ジへ向かうにしたがい幅を広げていき、その途中でレー
    ル幅を一旦細く絞り、前記トレーリング・エッジへ向か
    って平行もしくは再度レール幅を拡張していくセンタ・
    レールの絞り部で、トラックに内周位置における空気の
    流れに沿う方向に折り曲げられ、さらにトレーリング・
    エッジ付近で、トラック外周位置での空気流れ方向に沿
    う向きに逆にレールを折り曲げて、鈎型のレールとする
    ことを特徴とする請求項3記載の磁気ヘッドスライダ。
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