JP2003006829A - 磁気ヘッドスライダおよびその空気潤滑面の作成方法 - Google Patents
磁気ヘッドスライダおよびその空気潤滑面の作成方法Info
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- JP2003006829A JP2003006829A JP2001192218A JP2001192218A JP2003006829A JP 2003006829 A JP2003006829 A JP 2003006829A JP 2001192218 A JP2001192218 A JP 2001192218A JP 2001192218 A JP2001192218 A JP 2001192218A JP 2003006829 A JP2003006829 A JP 2003006829A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低浮上量を実現すると共に、磁気記録媒体の
うねりに対する追従性の高いスライダを提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面上
の、空気流入端10側には第1の正圧発生部11が設け
られ、空気流出端14側には第2の正圧発生部12が設
けられ、磁気ヘッドスライダの走行方向と直角な方向に
投影された、第1の正圧発生部の長さの中心点と第2の
正圧発生部の長さの中心点との距離をLとし、磁気ヘッ
ドスライダの走行方向の長さをLsとしたとき、 0.40≦(L/Ls)≦0.55 の関係を満たすような空気潤滑面を有することを特徴と
する磁気ヘッドスライダ。
うねりに対する追従性の高いスライダを提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面上
の、空気流入端10側には第1の正圧発生部11が設け
られ、空気流出端14側には第2の正圧発生部12が設
けられ、磁気ヘッドスライダの走行方向と直角な方向に
投影された、第1の正圧発生部の長さの中心点と第2の
正圧発生部の長さの中心点との距離をLとし、磁気ヘッ
ドスライダの走行方向の長さをLsとしたとき、 0.40≦(L/Ls)≦0.55 の関係を満たすような空気潤滑面を有することを特徴と
する磁気ヘッドスライダ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置、光磁気ディスク装置等のディスク装置に搭載される
浮上型の磁気ヘッドスライダ、およびその空気潤滑面の
作成方法に関する。
置、光磁気ディスク装置等のディスク装置に搭載される
浮上型の磁気ヘッドスライダ、およびその空気潤滑面の
作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置に代表される
磁気ディスク装置においては、例えばノートパソコン、
PDA等搭載される機器の小型化、および入出力される
データの大容量化等に伴って、その記録容量を大きくす
ることが強く望まれており、磁気ディスク装置に搭載さ
れた磁気記録媒体においても、その記録密度を高くする
ことが急務となってきている。
磁気ディスク装置においては、例えばノートパソコン、
PDA等搭載される機器の小型化、および入出力される
データの大容量化等に伴って、その記録容量を大きくす
ることが強く望まれており、磁気ディスク装置に搭載さ
れた磁気記録媒体においても、その記録密度を高くする
ことが急務となってきている。
【0003】このため、一般的に磁気ディスク装置に用
いられる、浮上型の磁気ヘッドを搭載した磁気ヘッドス
ライダ(以下スライダと記す)においても、スライダの
磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面(以下ABS面と
記す)に設けられた磁気ヘッドと磁気記録媒体面との距
離(以下浮上量と記す)をできるだけ小さくすることが
できるようにABS面の設計を行う必要があった。
いられる、浮上型の磁気ヘッドを搭載した磁気ヘッドス
ライダ(以下スライダと記す)においても、スライダの
磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面(以下ABS面と
記す)に設けられた磁気ヘッドと磁気記録媒体面との距
離(以下浮上量と記す)をできるだけ小さくすることが
できるようにABS面の設計を行う必要があった。
【0004】また、一方でこのような低浮上量を実現し
ながら、同時に外乱や磁気記録媒体上の異物等の影響が
あっても、一定の距離を保って安定にスライダを浮上さ
せるような特性、いわゆる高い追従性を実現するABS
面の設計も望まれており、これらの要求される多様な特
性を実現させるために、従来から様々なABS面の形状
が提案されてきた。
ながら、同時に外乱や磁気記録媒体上の異物等の影響が
あっても、一定の距離を保って安定にスライダを浮上さ
せるような特性、いわゆる高い追従性を実現するABS
面の設計も望まれており、これらの要求される多様な特
性を実現させるために、従来から様々なABS面の形状
が提案されてきた。
【0005】例えば、高い追従性を実現するスライダを
提供するために、従来から提案されている有効な手段の
一つが、ABS面と磁気記録媒体との間の空気膜の剛性
を高くする方法であり、特開平7−65344号公報に
は、その一例として、100(nm)前後の浮上量を想
定した場合に、図10に示すようなABS面100を一
つの連続面として構成して、ABS面100と磁気記録
媒体との間空気膜剛性を高くすることによって、その磁
気記録媒体への追従性を高めたスライダ101が提案さ
れている。
提供するために、従来から提案されている有効な手段の
一つが、ABS面と磁気記録媒体との間の空気膜の剛性
を高くする方法であり、特開平7−65344号公報に
は、その一例として、100(nm)前後の浮上量を想
定した場合に、図10に示すようなABS面100を一
つの連続面として構成して、ABS面100と磁気記録
媒体との間空気膜剛性を高くすることによって、その磁
気記録媒体への追従性を高めたスライダ101が提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、磁気
記録媒体の記録密度の向上がさらに求められてきたこと
によって、スライダに要求される浮上量はさらに小さく
なり、現在では10(nm)程度のさらに小さい浮上量
を実現できるようなスライダのABS面形状を設計する
ことが必要となってきており、このような微小な浮上量
を実現する際に、スライダの磁気記録媒体面に対する挙
動を考えた場合、従来問題とならなかったような新たな
課題が発生することが分かってきた。
記録媒体の記録密度の向上がさらに求められてきたこと
によって、スライダに要求される浮上量はさらに小さく
なり、現在では10(nm)程度のさらに小さい浮上量
を実現できるようなスライダのABS面形状を設計する
ことが必要となってきており、このような微小な浮上量
を実現する際に、スライダの磁気記録媒体面に対する挙
動を考えた場合、従来問題とならなかったような新たな
課題が発生することが分かってきた。
【0007】その一つが、磁気記録媒体の表面に存在す
るうねりが、スライダの挙動に大きな影響を与えるた
め、スライダが磁気記録媒体に衝突してしまうなど、安
定な浮上を妨げる要因となることである。
るうねりが、スライダの挙動に大きな影響を与えるた
め、スライダが磁気記録媒体に衝突してしまうなど、安
定な浮上を妨げる要因となることである。
【0008】このうねりは、磁気記録媒体の製造時に発
生する、たわみ等の製造誤差や、ディスク装置の組み立
て時に磁気記録媒体を回転軸に取り付ける際の取付誤差
等によって発生する、磁気記録媒体の回転軸に対する微
小な傾きによる回転時の面ぶれ等、様々な要因から生じ
ると考えられる。
生する、たわみ等の製造誤差や、ディスク装置の組み立
て時に磁気記録媒体を回転軸に取り付ける際の取付誤差
等によって発生する、磁気記録媒体の回転軸に対する微
小な傾きによる回転時の面ぶれ等、様々な要因から生じ
ると考えられる。
【0009】このようなうねりの大きさ、形状等は磁気
記録媒体の材質、製造方法、スライダの磁気記録媒体に
対する内外周の位置、磁気記録媒体のサイズ、磁気記録
媒体を回転軸に取り付ける際の取付誤差等の様々な要因
によって異なるが、一般的にスライダの走行経路は波形
状になると考えて良く、その波長、大きさは大体その振
幅が5(μm)前後、波長が数十〜数百(mm)前後と
考えられる。
記録媒体の材質、製造方法、スライダの磁気記録媒体に
対する内外周の位置、磁気記録媒体のサイズ、磁気記録
媒体を回転軸に取り付ける際の取付誤差等の様々な要因
によって異なるが、一般的にスライダの走行経路は波形
状になると考えて良く、その波長、大きさは大体その振
幅が5(μm)前後、波長が数十〜数百(mm)前後と
考えられる。
【0010】従来の比較的低い記録密度(例えば10
(Gb/in2)、浮上量は100(nm)程度)のス
ライダにおいては、その記録再生に悪影響を及ぼさない
ように、磁気記録媒体のうねりによってひき起こされる
浮上量の変動が、うねり振幅の0.5%以下であること
が要求されていた。前述したようなABS面形状を有す
る従来のスライダを用いることによって、このような磁
気記録媒体表面のうねりの影響に対する浮上量変動の要
求を満足させることが可能であった。
(Gb/in2)、浮上量は100(nm)程度)のス
ライダにおいては、その記録再生に悪影響を及ぼさない
ように、磁気記録媒体のうねりによってひき起こされる
浮上量の変動が、うねり振幅の0.5%以下であること
が要求されていた。前述したようなABS面形状を有す
る従来のスライダを用いることによって、このような磁
気記録媒体表面のうねりの影響に対する浮上量変動の要
求を満足させることが可能であった。
【0011】しかし、機器の小型化に伴って、今後主流
となるであろう高い記録密度(例えば30(Gb/in
2)、浮上量は10(nm)程度)のスライダにおいて
は、うねりに対する浮上量の変動に対する要求はますま
す厳しくなる。
となるであろう高い記録密度(例えば30(Gb/in
2)、浮上量は10(nm)程度)のスライダにおいて
は、うねりに対する浮上量の変動に対する要求はますま
す厳しくなる。
【0012】例えば、磁気記録媒体のうねりによる、ス
ライダの変動量を、うねり振幅の0.2%程度に低減す
ることが記録再生性能への悪影響を考えた場合に要求さ
れ、これに対して何らかの対策を講じることが必要とな
っていた。
ライダの変動量を、うねり振幅の0.2%程度に低減す
ることが記録再生性能への悪影響を考えた場合に要求さ
れ、これに対して何らかの対策を講じることが必要とな
っていた。
【0013】本発明はこのような課題に鑑み、10(n
m)程度の微小な浮上量においても、磁気記録媒体のう
ねりに対する浮上量の変動を小さくすることのできるス
ライダおよびそのABS面の作成方法を提供することを
目的とする。
m)程度の微小な浮上量においても、磁気記録媒体のう
ねりに対する浮上量の変動を小さくすることのできるス
ライダおよびそのABS面の作成方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドスラ
イダは、磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面上の、空
気流入端側には第1の正圧発生部が設けられ、空気流出
端側には第2の正圧発生部が設けられ、磁気ヘッドスラ
イダの走行方向と直角な方向に投影された、第1の正圧
発生部の長さの中心点と第2の正圧発生部の長さの中心
点との距離をLとし、磁気ヘッドスライダの走行方向の
長さをLsとしたとき、 0.40≦(L/Ls)≦0.55 の関係を満たすような空気潤滑面を有することを特徴と
する。
イダは、磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面上の、空
気流入端側には第1の正圧発生部が設けられ、空気流出
端側には第2の正圧発生部が設けられ、磁気ヘッドスラ
イダの走行方向と直角な方向に投影された、第1の正圧
発生部の長さの中心点と第2の正圧発生部の長さの中心
点との距離をLとし、磁気ヘッドスライダの走行方向の
長さをLsとしたとき、 0.40≦(L/Ls)≦0.55 の関係を満たすような空気潤滑面を有することを特徴と
する。
【0015】このような構成にすることにより、スライ
ダが磁気記録媒体のうねりに対して、ピッチ方向に回転
して追従することにより、高い追従性を実現するスライ
ダを得ることができる。
ダが磁気記録媒体のうねりに対して、ピッチ方向に回転
して追従することにより、高い追従性を実現するスライ
ダを得ることができる。
【0016】また、第1の正圧発生部が複数のパッドか
ら形成されることにより、磁気記録媒体のうねりに高い
追従性を有すると共に、ロール方向の安定性に優れたス
ライダを得ることができる。
ら形成されることにより、磁気記録媒体のうねりに高い
追従性を有すると共に、ロール方向の安定性に優れたス
ライダを得ることができる。
【0017】さらに、第2の正圧発生部が複数のパッド
から形成されることにより、さらにロール方向、ピッチ
方向の安定性に優れたスライダを得ることができる。
から形成されることにより、さらにロール方向、ピッチ
方向の安定性に優れたスライダを得ることができる。
【0018】また、磁気ヘッドを第2の正圧発生部より
もさらに空気流出端側に形成したことにより、さらに高
い追従性を実現することができるスライダを得ることが
できる。
もさらに空気流出端側に形成したことにより、さらに高
い追従性を実現することができるスライダを得ることが
できる。
【0019】また、本発明の磁気ヘッドスライダの空気
潤滑面の作成方法は、磁気記録媒体に対向すべき空気潤
滑面上の、空気流入端側には第1の正圧発生部が設けら
れ、空気流出端側には第2の正圧発生部が設けられた磁
気ヘッドスライダの空気潤滑面の作成方法において、磁
気ヘッドスライダの走行方向に直角な方向に投影され
た、第1の正圧発生部の長さの中心点と第2の正圧発生
部の長さの中心点との距離をLとし、磁気ヘッドスライ
ダの走行方向の長さをLsとしたとき、磁気ヘッドスラ
イダの浮上量変動Δhを磁気記録媒体のうねりの振幅p
pで除した値Δh/ppの値を最小にするように算出さ
れたL/Lsを満足させるように、第1の正圧発生部お
よび第2の正圧発生部を設けることを特徴としている。
潤滑面の作成方法は、磁気記録媒体に対向すべき空気潤
滑面上の、空気流入端側には第1の正圧発生部が設けら
れ、空気流出端側には第2の正圧発生部が設けられた磁
気ヘッドスライダの空気潤滑面の作成方法において、磁
気ヘッドスライダの走行方向に直角な方向に投影され
た、第1の正圧発生部の長さの中心点と第2の正圧発生
部の長さの中心点との距離をLとし、磁気ヘッドスライ
ダの走行方向の長さをLsとしたとき、磁気ヘッドスラ
イダの浮上量変動Δhを磁気記録媒体のうねりの振幅p
pで除した値Δh/ppの値を最小にするように算出さ
れたL/Lsを満足させるように、第1の正圧発生部お
よび第2の正圧発生部を設けることを特徴としている。
【0020】これにより、容易に磁気記録媒体のうねり
に対する高い追従性を有するスライダのABS面を作成
することが可能となる。
に対する高い追従性を有するスライダのABS面を作成
することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。
て、図面を用いて説明する。
【0022】(第1の実施の形態)まず第1の実施の形
態として、本発明の浮上型磁気ヘッドスライダおよびそ
のABS面の作成方法について説明する。
態として、本発明の浮上型磁気ヘッドスライダおよびそ
のABS面の作成方法について説明する。
【0023】図1(a)は本発明の磁気ヘッドスライダ
のABS面の形状を示す平面図であり、図1(b)はそ
の側面図である。
のABS面の形状を示す平面図であり、図1(b)はそ
の側面図である。
【0024】本発明のスライダは、図1(a)および図
1(b)に示すように、スライダ1の空気流入端10側
には矩形状の第1の正圧発生部11と、負圧発生部15
(凹部)を挟んで空気流出端14側には矩形状の第2の
正圧発生部12とが設けられたABS面形状を有し、記
録再生を行う磁気ヘッド13は第2の正圧発生部12よ
りもさらに空気流出端14側に設けられたスライダであ
る。
1(b)に示すように、スライダ1の空気流入端10側
には矩形状の第1の正圧発生部11と、負圧発生部15
(凹部)を挟んで空気流出端14側には矩形状の第2の
正圧発生部12とが設けられたABS面形状を有し、記
録再生を行う磁気ヘッド13は第2の正圧発生部12よ
りもさらに空気流出端14側に設けられたスライダであ
る。
【0025】このような構成にすることにより、スライ
ダ1のピッチ方向の回転をコントロールすることが容易
に可能となる。
ダ1のピッチ方向の回転をコントロールすることが容易
に可能となる。
【0026】次に、この原理について図面を用いて説明
する。
する。
【0027】図7(a)は、磁気記録媒体上のある位置
における、従来のスライダのうねりに対する挙動を連続
的に示す概念図であり、図7(b)は本発明のスライダ
のうねりに対する挙動を示す概念図である。
における、従来のスライダのうねりに対する挙動を連続
的に示す概念図であり、図7(b)は本発明のスライダ
のうねりに対する挙動を示す概念図である。
【0028】図7(a)および図7(b)において、実
線は磁気記録媒体のうねりの形状を示し、点線はスライ
ダの重心の軌跡を示す。
線は磁気記録媒体のうねりの形状を示し、点線はスライ
ダの重心の軌跡を示す。
【0029】従来のスライダ71は、磁気ヘッドの搭載
された正圧発生部43のみがABS面上に形成された構
成であるとし、一方、本発明のスライダ81は、磁気ヘ
ッドの搭載された第2の正圧発生部45とは別に、その
空気流入端側に、第1の正圧発生部44を設けた構成で
ある。
された正圧発生部43のみがABS面上に形成された構
成であるとし、一方、本発明のスライダ81は、磁気ヘ
ッドの搭載された第2の正圧発生部45とは別に、その
空気流入端側に、第1の正圧発生部44を設けた構成で
ある。
【0030】図7(a)に示すように、スライダ71の
重心41が磁気記録媒体42の表面に対して追従してい
ても、正圧発生部43に搭載された磁気ヘッドと磁気記
録媒体42との距離、つまり図示した浮上量H1、H
2、H3およびH4は変化してしまう。
重心41が磁気記録媒体42の表面に対して追従してい
ても、正圧発生部43に搭載された磁気ヘッドと磁気記
録媒体42との距離、つまり図示した浮上量H1、H
2、H3およびH4は変化してしまう。
【0031】これでは、安定した磁気記録再生が不可能
となり、さらにはスライダ71と磁気記録媒体42とが
衝突してしまう危険性も高い。
となり、さらにはスライダ71と磁気記録媒体42とが
衝突してしまう危険性も高い。
【0032】一方、本発明のスライダにおいては、図7
(b)に示したように、スライダ81を磁気記録媒体4
2の表面に沿わせるようにして重心41を中心にピッチ
方向に回転させ、磁気ヘッドの搭載された第2の正圧発
生部45と磁気記録媒体42との距離、つまり浮上量H
1’、H2’、H3’およびH4’を一定に保つことが
可能である。
(b)に示したように、スライダ81を磁気記録媒体4
2の表面に沿わせるようにして重心41を中心にピッチ
方向に回転させ、磁気ヘッドの搭載された第2の正圧発
生部45と磁気記録媒体42との距離、つまり浮上量H
1’、H2’、H3’およびH4’を一定に保つことが
可能である。
【0033】これにより安定した磁気記録再生が可能に
なり、スライダ81が磁気記録媒体42と衝突する可能
性を小さくすることができる。
なり、スライダ81が磁気記録媒体42と衝突する可能
性を小さくすることができる。
【0034】このように、スライダを走行方向に対して
ピッチ方向に回転運動させて、浮上量を一定にして浮上
させるためには、回転方向にトルクを発生させ、その大
きさをコントロールする必要がある。
ピッチ方向に回転運動させて、浮上量を一定にして浮上
させるためには、回転方向にトルクを発生させ、その大
きさをコントロールする必要がある。
【0035】これを実現させるためには、図7(b)に
示したスライダ81の構成のように走行方向の前後に、
2つの正圧発生部を位置させることが最も効果的で、か
つ容易である。
示したスライダ81の構成のように走行方向の前後に、
2つの正圧発生部を位置させることが最も効果的で、か
つ容易である。
【0036】図6(a)に、図8に示した従来のABS
面100を有するスライダ101の走行方向の圧力分布
図を、図6(b)に、図1に示した、前後に2つの正圧
発生部を有する本発明のスライダ1の走行方向の圧力分
布図を示す。
面100を有するスライダ101の走行方向の圧力分布
図を、図6(b)に、図1に示した、前後に2つの正圧
発生部を有する本発明のスライダ1の走行方向の圧力分
布図を示す。
【0037】図6(b)に示したように、本発明の2つ
の正圧発生部を有するスライダ1によれば、スライダ1
の走行方向に2つのピークを有する圧力分布を容易に実
現することができる。図6(a)に示したような従来の
構成のスライダ101では、圧力分布のピークは一つで
あり、前述したような回転トルクのコントロールは容易
ではない。
の正圧発生部を有するスライダ1によれば、スライダ1
の走行方向に2つのピークを有する圧力分布を容易に実
現することができる。図6(a)に示したような従来の
構成のスライダ101では、圧力分布のピークは一つで
あり、前述したような回転トルクのコントロールは容易
ではない。
【0038】このような本発明のスライダ1を用いて、
そのピッチ方向の回転トルクをコントロールするには、
次に挙げるような二つの方法が考えられる。
そのピッチ方向の回転トルクをコントロールするには、
次に挙げるような二つの方法が考えられる。
【0039】1.第1の正圧発生部または第2の正圧発
生部の正圧発生量を変化させる。
生部の正圧発生量を変化させる。
【0040】2.第1の正圧発生部と第2の正圧発生部
との距離を変化させる。
との距離を変化させる。
【0041】実用的に、上記1番目に記載した、二つの
正圧発生部の正圧発生量を変化させることは、最終的な
浮上量の変化と密接な関係を有するので、その調整は大
変難しい。
正圧発生部の正圧発生量を変化させることは、最終的な
浮上量の変化と密接な関係を有するので、その調整は大
変難しい。
【0042】そこで、本発明においては、上記2番目に
記載したような、前後の正圧発生部の距離を変化させる
ことによって、ピッチ方向の回転トルクの大きさをコン
トロールする。
記載したような、前後の正圧発生部の距離を変化させる
ことによって、ピッチ方向の回転トルクの大きさをコン
トロールする。
【0043】図1に示したような、2つの正圧発生部を
スライダの走行方向に直列に有するABS面形状を形成
した本発明のスライダ1においては、第1の正圧発生部
11と第2の正圧発生部12との距離Lが、磁気記録媒
体表面のうねりに対する追従特性に大きな影響を与え
る。
スライダの走行方向に直列に有するABS面形状を形成
した本発明のスライダ1においては、第1の正圧発生部
11と第2の正圧発生部12との距離Lが、磁気記録媒
体表面のうねりに対する追従特性に大きな影響を与え
る。
【0044】次に、本発明における、このような構造の
ABS面の第1の正圧発生部11と第2の正圧発生部1
2との距離を決定する方法について説明する。
ABS面の第1の正圧発生部11と第2の正圧発生部1
2との距離を決定する方法について説明する。
【0045】まず、設計者は、目標とすべき浮上量およ
びスライダに付与される荷重等の仕様から、必要な正圧
を算出し、2つの正圧発生部の大きさを決定する。
びスライダに付与される荷重等の仕様から、必要な正圧
を算出し、2つの正圧発生部の大きさを決定する。
【0046】次に、図1(b)において、2つの正圧発
生部の、スライダの走行方向と直角な方向に投影した長
さの中心点間の距離であるLは、 L=(A1+A2−B1−B2)/2 で、表わされる。
生部の、スライダの走行方向と直角な方向に投影した長
さの中心点間の距離であるLは、 L=(A1+A2−B1−B2)/2 で、表わされる。
【0047】このLを決定するに際しては、任意の間隔
Lに対して、浮上量変動Δhを算出して、磁気記録媒体
のうねりの振幅ppで除した値Δh/ppを算出する必
要がある。
Lに対して、浮上量変動Δhを算出して、磁気記録媒体
のうねりの振幅ppで除した値Δh/ppを算出する必
要がある。
【0048】ここで、浮上量変動Δhと、うねりの振幅
ppの定義について図9を用いて説明する。
ppの定義について図9を用いて説明する。
【0049】図9において、磁気記録媒体表面のうねり
が波形状であると仮定した場合の一波長分のうねりの波
形51を実線で示し、この時の最大振幅をppとする。
が波形状であると仮定した場合の一波長分のうねりの波
形51を実線で示し、この時の最大振幅をppとする。
【0050】次にこのうねりの波形51に対して、設計
対象となるスライダの浮上量hを動解析した結果を浮上
量の波形52として点線で示す。
対象となるスライダの浮上量hを動解析した結果を浮上
量の波形52として点線で示す。
【0051】また、このスライダの浮上量の波形52か
らうねりの波形51を減算した結果を浮上量変動の波形
53として一点鎖線で示し、この一点鎖線にて示された
浮上量変動の波形53の振幅を浮上量変動Δhとする。
らうねりの波形51を減算した結果を浮上量変動の波形
53として一点鎖線で示し、この一点鎖線にて示された
浮上量変動の波形53の振幅を浮上量変動Δhとする。
【0052】これらの定義に基づいて、Δh/ppの値
の算出を任意のLについて行い、その結果を、図2に示
したようにL/Ls(Lsは図1に示すスライダの走行
方向の長さ)に対してそれぞれのΔh/ppをプロット
する。
の算出を任意のLについて行い、その結果を、図2に示
したようにL/Ls(Lsは図1に示すスライダの走行
方向の長さ)に対してそれぞれのΔh/ppをプロット
する。
【0053】このような計算を行うことにより、図2に
示すような、L/Lsに対して、算出されたΔh/pp
の値が、極小点を有する曲線を得ることができる。
示すような、L/Lsに対して、算出されたΔh/pp
の値が、極小点を有する曲線を得ることができる。
【0054】この極小点におけるL/Lsの値にスライ
ダ1の走行方向の長さLsを積算することにより、Lの
最適値を算出することができる。
ダ1の走行方向の長さLsを積算することにより、Lの
最適値を算出することができる。
【0055】このようにして、図1におけるスライダ1
の第1の正圧発生部11と第2の正圧発生部12との最
適な距離を容易に算出することが可能となる。
の第1の正圧発生部11と第2の正圧発生部12との最
適な距離を容易に算出することが可能となる。
【0056】様々な試作、評価を行った結果、この極小
値近辺のL/Lsを満たすようなLに第1の正圧発生部
11と第2の正圧発生部12との距離を設定すれば、磁
気ディスクのうねりに対して最も追従性のよいABS面
形状を有するスライダが得られることが分かった。
値近辺のL/Lsを満たすようなLに第1の正圧発生部
11と第2の正圧発生部12との距離を設定すれば、磁
気ディスクのうねりに対して最も追従性のよいABS面
形状を有するスライダが得られることが分かった。
【0057】なお、第1の正圧発生部と第2の正圧発生
部とをスライダの走行方向と直角な方向へ投影させた場
合において、両者が重なりあう部分がある場合には所望
の効果が得られない、ということも分かった。これは、
走行方向に顕著に二つの圧力分布のピークを有する形状
でないと、本発明のスライダのようなピッチ方向の回転
トルクの制御が難しいためである。
部とをスライダの走行方向と直角な方向へ投影させた場
合において、両者が重なりあう部分がある場合には所望
の効果が得られない、ということも分かった。これは、
走行方向に顕著に二つの圧力分布のピークを有する形状
でないと、本発明のスライダのようなピッチ方向の回転
トルクの制御が難しいためである。
【0058】従来のスライダのABS面の作成において
は、この第1の正圧発生部と第2の正圧発生部との距離
は、設計者の経験等から決定され、実際に試作、評価を
行ってからその結果に応じて設計値を変更して再度作成
する、という手法で決定されてきたが、本発明のスライ
ダの作成方法によれば、実際に試作を行わなくても、第
1の正圧発生部と第2の正圧発生部との距離を決定する
ことができ、低浮上量を実現しつつ、高い追従性を実現
可能なスライダのABS面形状を作成することができ
る。
は、この第1の正圧発生部と第2の正圧発生部との距離
は、設計者の経験等から決定され、実際に試作、評価を
行ってからその結果に応じて設計値を変更して再度作成
する、という手法で決定されてきたが、本発明のスライ
ダの作成方法によれば、実際に試作を行わなくても、第
1の正圧発生部と第2の正圧発生部との距離を決定する
ことができ、低浮上量を実現しつつ、高い追従性を実現
可能なスライダのABS面形状を作成することができ
る。
【0059】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態として、第1の実施の形態に示したような方
法によってABS面を作成されたスライダの構成につい
てさらに詳しく説明する。
実施の形態として、第1の実施の形態に示したような方
法によってABS面を作成されたスライダの構成につい
てさらに詳しく説明する。
【0060】図1に、前述したABS面作成方法の検討
結果、作成されたスライダのABS面構造を示す。
結果、作成されたスライダのABS面構造を示す。
【0061】図1(a)はスライダ1のABS面の構造
を示す平面図であり、図1(b)はその側面図である。
磁気ディスク装置の動作時、空気流は空気流入端10側
から流入し、空気流出端14側から流出する。また、第
2の正圧発生部12よりさらに空気流出端14側には磁
気ヘッド13が設けられている。
を示す平面図であり、図1(b)はその側面図である。
磁気ディスク装置の動作時、空気流は空気流入端10側
から流入し、空気流出端14側から流出する。また、第
2の正圧発生部12よりさらに空気流出端14側には磁
気ヘッド13が設けられている。
【0062】スライダ1はセラミック製であり、その寸
法は、図1に示すように、長さ×幅×高さ=1.3(m
m)×1(mm)×0.3(mm)である。
法は、図1に示すように、長さ×幅×高さ=1.3(m
m)×1(mm)×0.3(mm)である。
【0063】スライダのABS面の設計にあたっては、
磁気記録媒体の回転数は4500(rpm)、うねりの
波長λは13(mm)、うねりの振幅ppは5(μm)
という条件にて計算を行った。
磁気記録媒体の回転数は4500(rpm)、うねりの
波長λは13(mm)、うねりの振幅ppは5(μm)
という条件にて計算を行った。
【0064】まず図1(a)において、スライダ1の空
気流入端10側には矩形状の第1の正圧発生部11が設
けられ、空気流出端14側には矩形状の第2の正圧発生
部12が設けられる。第1の正圧発生部11および第2
の正圧発生部12の大きさ、形状はスライダ1に付与さ
れる荷重および目標浮上量等の仕様から決定される。
気流入端10側には矩形状の第1の正圧発生部11が設
けられ、空気流出端14側には矩形状の第2の正圧発生
部12が設けられる。第1の正圧発生部11および第2
の正圧発生部12の大きさ、形状はスライダ1に付与さ
れる荷重および目標浮上量等の仕様から決定される。
【0065】また、第1の正圧発生部11と第2の正圧
発生部12との距離は、図1(b)において、スライダ
1の紙面に向かって右方向(磁気記録媒体がスライダに
対して走行する方向であり、本明細書において走行方向
と記す)、と直角な方向に沿って設定される縦軸に対し
ての、第1の正圧発生部11の幅の中心点と第2の正圧
発生部12の幅の中心点との距離をLとした場合、 L=(A1+A2−B1−B2)/2 で表わされ、前述のパラメータに基づいて、任意のL/
Ls(Lsはスライダの走行方向の長さ)について第1
の実施の形態に記載したΔh/ppを求める演算を行っ
た結果、図8のAに示すような曲線が得られた。
発生部12との距離は、図1(b)において、スライダ
1の紙面に向かって右方向(磁気記録媒体がスライダに
対して走行する方向であり、本明細書において走行方向
と記す)、と直角な方向に沿って設定される縦軸に対し
ての、第1の正圧発生部11の幅の中心点と第2の正圧
発生部12の幅の中心点との距離をLとした場合、 L=(A1+A2−B1−B2)/2 で表わされ、前述のパラメータに基づいて、任意のL/
Ls(Lsはスライダの走行方向の長さ)について第1
の実施の形態に記載したΔh/ppを求める演算を行っ
た結果、図8のAに示すような曲線が得られた。
【0066】図8のAに示した曲線において、最小のΔ
h/ppを与えるL/Lsは、その比が、 L/Ls=0.5 の時最小となることが分かる。
h/ppを与えるL/Lsは、その比が、 L/Ls=0.5 の時最小となることが分かる。
【0067】また、この時のΔh/pp=0.0016
となることが分かる。
となることが分かる。
【0068】次に、例えば本実施の形態においては、L
s=1.30(mm)を代入することによって、L=
0.65(mm)と求めることができる。
s=1.30(mm)を代入することによって、L=
0.65(mm)と求めることができる。
【0069】これにより、図1(a)および図1(b)
に示すように、スライダのABS面形状をA1=0.8
85(mm)、A2=0.735(mm)、B1=0.
285(mm)、B2=0.035(mm)と決定する
ことができる。
に示すように、スライダのABS面形状をA1=0.8
85(mm)、A2=0.735(mm)、B1=0.
285(mm)、B2=0.035(mm)と決定する
ことができる。
【0070】また、このようなABS面を有するスライ
ダを試作し、その浮上特性を実際に測定し、検討を行っ
た結果、直径3.5インチ(88.9(mm))の磁気
ディスク装置においては、スライダのL/Lsの値が 0.40≦L/Ls≦0.55 の範囲を満たす場合に、良好な磁気記録媒体への追従性
を実現できることが確認できた。
ダを試作し、その浮上特性を実際に測定し、検討を行っ
た結果、直径3.5インチ(88.9(mm))の磁気
ディスク装置においては、スライダのL/Lsの値が 0.40≦L/Ls≦0.55 の範囲を満たす場合に、良好な磁気記録媒体への追従性
を実現できることが確認できた。
【0071】(第3の実施の形態)次に第3の実施の形
態として、本発明のスライダのABS面の別構成を説明
する。
態として、本発明のスライダのABS面の別構成を説明
する。
【0072】本発明の第2の実施の形態においては、第
1の正圧発生部11および第2の正圧発生部12の形状
が共に矩形である場合のスライダ1を示したが、本発明
のスライダのABS面作成方法は、そのABS面の正圧
発生部の形状が矩形である場合に限定されず、スライダ
の走行方向に2つの正の圧力分布を発生させるようなA
BS面を有するスライダであれば全てに適用可能であ
る。
1の正圧発生部11および第2の正圧発生部12の形状
が共に矩形である場合のスライダ1を示したが、本発明
のスライダのABS面作成方法は、そのABS面の正圧
発生部の形状が矩形である場合に限定されず、スライダ
の走行方向に2つの正の圧力分布を発生させるようなA
BS面を有するスライダであれば全てに適用可能であ
る。
【0073】本発明の第3の実施の形態として、図3
に、第1の正圧発生部60および第2の正圧発生部62
を有し、第1の正圧発生部60がステップ構造61を有
するABS面形状を有するスライダ31を示す。
に、第1の正圧発生部60および第2の正圧発生部62
を有し、第1の正圧発生部60がステップ構造61を有
するABS面形状を有するスライダ31を示す。
【0074】このようなスライダ31のL/Lsに対す
るΔh/ppの演算結果を図8の曲線Bに示す。
るΔh/ppの演算結果を図8の曲線Bに示す。
【0075】図8によれば、このようなステップ構造6
1を有するスライダ31も、Δh/ppの値が、ある範
囲で極小値を有することは第2の実施の形態で述べた図
8の曲線Aと共通しており、このようなスライダ31に
おいても、第1の実施の形態で述べたような、ピッチ方
向の回転トルクが、磁気記録媒体のうねりに沿うように
発生するLが存在することが分かる。
1を有するスライダ31も、Δh/ppの値が、ある範
囲で極小値を有することは第2の実施の形態で述べた図
8の曲線Aと共通しており、このようなスライダ31に
おいても、第1の実施の形態で述べたような、ピッチ方
向の回転トルクが、磁気記録媒体のうねりに沿うように
発生するLが存在することが分かる。
【0076】これを利用して、それぞれのスライダ形状
において、磁気記録媒体のうねりに強いスライダ形状を
算出することが可能となる。
において、磁気記録媒体のうねりに強いスライダ形状を
算出することが可能となる。
【0077】この方法によれば、スライダの走行方向と
直角な方向に投影して考えた場合に、第1の正圧発生部
と第2の正圧発生部との間に凹部(負圧発生部)が存在
する形状のスライダであれば、前述したようなうねりに
よる影響を除去できるスライダのABS面の作成が可能
であることが分かった。
直角な方向に投影して考えた場合に、第1の正圧発生部
と第2の正圧発生部との間に凹部(負圧発生部)が存在
する形状のスライダであれば、前述したようなうねりに
よる影響を除去できるスライダのABS面の作成が可能
であることが分かった。
【0078】例えば、図4に示したように、第1の正圧
発生部46および第2の正圧発生部47が共にサイドレ
ールを有したABS面を有するスライダ40であり、ま
た図5に示したスライダ50においては、第1の正圧発
生部58が複数のパッド55からなり、第2の正圧発生
部59も複数のパッド56からなるABS面を有するス
ライダ50である。
発生部46および第2の正圧発生部47が共にサイドレ
ールを有したABS面を有するスライダ40であり、ま
た図5に示したスライダ50においては、第1の正圧発
生部58が複数のパッド55からなり、第2の正圧発生
部59も複数のパッド56からなるABS面を有するス
ライダ50である。
【0079】このような様々なABS面の形状を有する
スライダにおいても、本発明の第1の実施の形態に示し
たような作成方法によって、もっとも磁気記録媒体のう
ねりに対する追従性の高い、第1の正圧発生部と第2の
正圧発生部との最適な距離を得て、ABS面を作成する
ことができる。
スライダにおいても、本発明の第1の実施の形態に示し
たような作成方法によって、もっとも磁気記録媒体のう
ねりに対する追従性の高い、第1の正圧発生部と第2の
正圧発生部との最適な距離を得て、ABS面を作成する
ことができる。
【0080】このような様々なABS面を有するスライ
ダを試作し、様々な大きさの磁気記録媒体のうねりに対
する追従性評価を行った結果、 0.40≦L/Ls≦0.55 を満たす場合に、最も追従性の高いスライダを得ること
ができる。
ダを試作し、様々な大きさの磁気記録媒体のうねりに対
する追従性評価を行った結果、 0.40≦L/Ls≦0.55 を満たす場合に、最も追従性の高いスライダを得ること
ができる。
【0081】本発明によれば、スライダの空気流入端か
ら流出端に向かって2つの圧力分布を発生させるような
様々なABS面形状を有するスライダにおいて、要求さ
れる仕様に応えながら、磁気記録媒体のうねりに対して
追従性の高いスライダを提供することが可能となる。
ら流出端に向かって2つの圧力分布を発生させるような
様々なABS面形状を有するスライダにおいて、要求さ
れる仕様に応えながら、磁気記録媒体のうねりに対して
追従性の高いスライダを提供することが可能となる。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁気記録
媒体のうねりに対して、記録再生を行う磁気ヘッドの浮
上量変動を抑制する効果を得ることのできる、追従性の
高いスライダのABS面形状の作成が可能となり、その
結果追従性の高いスライダを得ることができる。
媒体のうねりに対して、記録再生を行う磁気ヘッドの浮
上量変動を抑制する効果を得ることのできる、追従性の
高いスライダのABS面形状の作成が可能となり、その
結果追従性の高いスライダを得ることができる。
【図1】(a)本発明の磁気ヘッドスライダのABS面
の形状の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
の形状の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
【図2】Δh/ppとL/Lsとの関係を示すグラフ
【図3】(a)本発明の磁気ヘッドスライダのABS面
の別の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
の別の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
【図4】(a)本発明の磁気ヘッドスライダのABS面
の別の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
の別の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
【図5】(a)本発明の磁気ヘッドスライダのABS面
の別の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
の別の実施の形態を示す平面図 (b)同側面図
【図6】(a)従来の磁気ヘッドスライダの走行方向の
圧力分布を示す図 (b)本発明の磁気ヘッドスライダの走行方向の圧力分
布を示す図
圧力分布を示す図 (b)本発明の磁気ヘッドスライダの走行方向の圧力分
布を示す図
【図7】(a)磁気記録媒体のうねりに対する従来のス
ライダの追従の様子を示す概念図 (b)磁気記録媒体のうねりに対する本発明のスライダ
の追従の様子を示す概念図
ライダの追従の様子を示す概念図 (b)磁気記録媒体のうねりに対する本発明のスライダ
の追従の様子を示す概念図
【図8】Δh/ppとL/Lsとの関係を示すグラフ
【図9】Δhとppとを説明するための原理図
【図10】従来の磁気ヘッドスライダのABS面形状を
示す斜視図
示す斜視図
1,31,40,50,71,81,101 磁気ヘッ
ドスライダ 10 空気流入端 11,44,58,60 第1の正圧発生部 12,45,59,62 第2の正圧発生部 13 磁気ヘッド 14 空気流出端 15 負圧発生部 41 重心 42 磁気記録媒体 43 正圧発生部 51 うねりの波形 52 浮上量の波形 53 浮上量変動の波形 55,56 パッド 61 ステップ構造
ドスライダ 10 空気流入端 11,44,58,60 第1の正圧発生部 12,45,59,62 第2の正圧発生部 13 磁気ヘッド 14 空気流出端 15 負圧発生部 41 重心 42 磁気記録媒体 43 正圧発生部 51 うねりの波形 52 浮上量の波形 53 浮上量変動の波形 55,56 パッド 61 ステップ構造
フロントページの続き
(72)発明者 稲垣 辰彦
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 5D042 NA02 PA01 PA05 QA02
Claims (5)
- 【請求項1】 磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面上
の、空気流入端側には第1の正圧発生部が設けられ、空
気流出端側には第2の正圧発生部が設けられ、磁気ヘッ
ドスライダの走行方向と直角な方向に投影された、前記
第1の正圧発生部の長さの中心点と前記第2の正圧発生
部の長さの中心点との距離をLとし、前記磁気ヘッドス
ライダの走行方向の長さをLsとしたとき、 0.40≦(L/Ls)≦0.55 の関係を満たすような空気潤滑面を有することを特徴と
する磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項2】 前記第1の正圧発生部が複数のパッドか
ら形成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘ
ッドスライダ。 - 【請求項3】 前記第2の正圧発生部が複数のパッドか
ら形成されることを特徴とする請求項1または請求項2
に記載の磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項4】 磁気ヘッドを前記第2の正圧発生部より
もさらに空気流出端側に形成したことを特徴とする請求
項1から請求項3までのいずれか1項に記載の磁気ヘッ
ドスライダ。 - 【請求項5】 磁気記録媒体に対向すべき空気潤滑面上
の、空気流入端側には第1の正圧発生部が設けられ、空
気流出端側には第2の正圧発生部が設けられた磁気ヘッ
ドスライダの空気潤滑面の作成方法において、 前記磁気ヘッドスライダの走行方向に直角な方向に投影
された、前記第1の正圧発生部の長さの中心点と前記第
2の正圧発生部の長さの中心点との距離をLとし、前記
磁気ヘッドスライダの走行方向の長さをLsとしたと
き、前記磁気ヘッドスライダの浮上量変動Δhを磁気記
録媒体のうねりの振幅ppで除した値Δh/ppの値を
最小にするように算出されたL/Lsを満足させるよう
に、前記第1の正圧発生部および前記第2の正圧発生部
を設けることを特徴とする磁気ヘッドスライダの空気潤
滑面の作成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001192218A JP2003006829A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 磁気ヘッドスライダおよびその空気潤滑面の作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001192218A JP2003006829A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 磁気ヘッドスライダおよびその空気潤滑面の作成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003006829A true JP2003006829A (ja) | 2003-01-10 |
Family
ID=19030703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001192218A Pending JP2003006829A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 磁気ヘッドスライダおよびその空気潤滑面の作成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003006829A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005339783A (ja) * | 2004-05-25 | 2005-12-08 | Shinka Jitsugyo Kk | スライダ、ディスクドライブおよび磨耗パッドの除去方法 |
CN100392726C (zh) * | 2004-03-29 | 2008-06-04 | 株式会社东芝 | 浮动块,头组件和盘装置 |
-
2001
- 2001-06-26 JP JP2001192218A patent/JP2003006829A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100392726C (zh) * | 2004-03-29 | 2008-06-04 | 株式会社东芝 | 浮动块,头组件和盘装置 |
JP2005339783A (ja) * | 2004-05-25 | 2005-12-08 | Shinka Jitsugyo Kk | スライダ、ディスクドライブおよび磨耗パッドの除去方法 |
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