JP2618538B2 - 住宅ユニットにおける柱梁接合構造 - Google Patents

住宅ユニットにおける柱梁接合構造

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JP2618538B2
JP2618538B2 JP3033491A JP3349191A JP2618538B2 JP 2618538 B2 JP2618538 B2 JP 2618538B2 JP 3033491 A JP3033491 A JP 3033491A JP 3349191 A JP3349191 A JP 3349191A JP 2618538 B2 JP2618538 B2 JP 2618538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数本の柱およびこれ
らの柱の端部間に連結される複数本の梁を含み構成され
る住宅ユニットにおける柱梁接合構造に関する。詳しく
は、柱に対して厚みの異なる複数種の梁を連結できるよ
うにしたユニット住宅における柱梁接合構造に関する。
【0002】
【背景技術】近年、予め工場で製造した複数種の住宅ユ
ニットをトラックなどで建築現場まで輸送し、そこで、
これらを組み合わせてユニット住宅を建てる、いわゆる
ユニット工法が採られている。
【0003】ユニット工法に用いられる住宅ユニット
は、図6に示す如く、四隅に配置される角筒柱状の4本
の柱2の上端同士および下端同士を短辺梁3および長辺
梁4で相互に連結して直方体状の骨組み6を形成し、こ
れに内外壁パネル、天井パネル、床パネル(図示省略)
などを取り付けて構成される。なお、短辺梁3および長
辺梁4には、通常、Cチャンネル材を使用している。
【0004】従来、角筒柱状の柱2にCチャンネル材か
らなる短辺梁3および長辺梁4を連結する場合、図5に
示す如く、柱2の端部に互いに直角向きに溶接した仕口
101,102を利用して行っている。各仕口101,
102は、前記各梁3,4の内形寸法に適合する大きさ
のコ字形形状で、かつ、各梁3,4が所定位置まで挿入
されたとき各梁3,4の位置決め孔3C,4Cと対応す
る位置に位置決め孔103,104を有する。なお、各
梁3,4は、ウェブ3A,4Aおよびその上下縁から同
方向へ直角に折曲された一対のフランジ3B,4Bを有
する形状である。
【0005】従って、柱2に梁3,4を連結するには、
柱2の各仕口101,102に梁3,4の端部を挿入
し、その梁3,4の位置決め孔3C,4Cが位置決め孔
103,104に対応した位置でこれらの位置決め孔3
C,103、4C,104に位置決めピンを差し込め
ば、梁3,4の長手方向が位置決めされた状態となるか
ら、この状態で各梁3,4の端部を柱2に溶接するよう
にしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したユ
ニット工法では、設計の自由度を高めるために、予め、
幅方向寸法および長さ方向寸法が互いに異なる複数種の
住宅ユニットが用意されている。つまり、短辺梁3およ
び長辺梁4の長さの異なるものが複数種用意されてい
る。
【0007】一般に、短辺梁3および長辺梁4の長さが
長くなると、強度的にそれに応じた厚みのCチャンネル
材を用いる必要がある。しかし、厚みが厚くなっても、
Cチャンネル材の外形寸法は同一であるから、厚みが厚
くなった分の寸法がCチャンネル材の内形側に増える。
すると、従来の1種類の仕口101,102では、これ
ら厚みの異なる複数種の梁の連結に適用できない。
【0008】そのため、従来では、厚みの異なる複数種
の梁ごとに、その各梁の内形寸法に適合する仕口を柱2
に溶接して対応するようにしていた。しかし、これに
は、予め、厚みの異なる複数種の梁ごとに複数種の仕口
を用意しておかなければならない上、それらの仕口を柱
2に溶接するにも溶接ロボットなどによって画一的に溶
接することができないから、溶接作業が能率的でないと
いう問題があった。
【0009】しかも、厚みの厚い梁3,4を柱2に溶接
する場合、その梁の端面が長手方向に対して直角に切断
されたままでは確実な溶接が行えないことから、予め、
梁の端面を所定角度の傾斜面になるように、開先加工を
施しておかなければならないという問題もあった。
【0010】また、各梁3,4を柱2に位置決めするに
も、各梁3,4の位置決め孔3C,4Cが位置決め孔1
03,104に対応した位置でこれらの位置決め孔3
C,103、4C,104に位置決めピンを差し込んで
梁3,4の長手方向を位置決めしなければならないの
で、位置決め作業に手間がかかるという問題もあった。
【0011】ここに、本発明の目的は、このような従来
の問題を解消すべくなされたもので、厚みの異なる複数
種の梁の連結を1つの仕口で兼用できる上、これらの梁
の長手方向の位置決めも容易にでき、しかも、開先加工
なども不要にできる住宅ユニットにおける柱梁接合構造
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明の住宅
ユニットにおける柱梁接合構造は、複数本の柱およびこ
れらの柱の端部間に連結される複数本の梁を含み構成さ
れる住宅ユニットにおける柱梁接合構造において、前記
柱側に、前記梁の厚み方向へ傾斜する斜面部を有する仕
口を設け、この仕口の斜面部に前記梁の端部を当接させ
た状態でその梁の端部を斜面部に溶接したことを特徴と
する。
【0013】
【作用】梁の端部を柱の仕口に差し込み、その梁の端部
を仕口の斜面部に当接させた状態でその梁の端部を斜面
部に溶接するようにしたので、1種類の仕口で厚みの異
なる複数種の梁を柱に連結できる。このとき、柱と梁の
基準面同士を一致させれば、梁の厚みに応じて梁の長手
方向が自動的に位置決めされるから、厚みの異なる複数
種の梁の長手方向の位置決めを容易にできる。また、
の端部を仕口の斜面部に当接させた状態で斜面部に溶接
するようにしているから、斜面部は溶接時の開先の役目
を果たすことになるから、予め、梁の接合端部に開先加
工をしなくても済む利点がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図4を参照
しながら説明する。なお、これらの図の説明に当たっ
て、前述した図5および図6と同一構成要件について
は、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】図1は本実施例の柱梁接合構造の分解斜視
図である。同図において、柱2の端部には、柱梁接合金
具1が溶接される。柱梁接合金具1は、断面コ字形の金
具本体10と、この金具本体10の他方のコ字形端面に
固着される側壁部材30と、この側壁部材30と前記金
具本体10との角部開放側に固着される断面L字形の補
助部材40とから構成されている。
【0016】前記金具本体10は、ウェブ11およびこ
のウェブ11を挟んでそれと直角でかつ互いに平行な一
対のフランジ12,13を有する断面コ字形に形成され
ている。上方のフランジ12は、一側途中から先端途中
にかけて略45°で切り欠かれた平面略台形状に形成さ
れ、かつ、その外面(上面)が前記柱2の端部が接続可
能にされた接続面14にされている。下方のフランジ1
3は、一側途中から他側へ向かってウェブ11と平行に
切り欠かれた後先端途中に向かって略45°に切り欠か
れている。
【0017】これら上下のフランジ12,13およびウ
ェブ11によって形成された一方のコ字形端面側(図1
の左側)には、前記短辺梁3が接続可能な短辺梁接合仕
口21が形成されている。短辺梁接合仕口21は、図2
にも示す如く、上下のフランジ12,13およびウェブ
11の先端から梁3の厚み方向、つまり互いに内方へ向
かって45°の角度で斜面状に折曲された斜面部22
A,22B,22Cと、これらの斜面部22A,22
B,22Cの先端から外方へ向かって略水平に突出形成
されたガイド縁23A,23B,23Cとから形成され
ている。
【0018】また、上下のフランジ12,13および前
記側壁部材30によって形成された他方のコ字形端面
(図1の右側)には、前記長辺梁4が接続可能な長辺梁
接合仕口24が形成されている。長辺梁接合仕口24
は、図3にも示す如く、上方のフランジ12および側壁
部材30の先端から梁3の厚み方向、つまり互いに内方
へ向かって45°の角度で斜面状に折曲された斜面部2
5A,25Bおよび下方のフランジ13の先端から上方
のフランジ12の斜面部25Aと同方向へ向かって斜面
状に折曲された斜面部25Cと、これらの斜面部25
A,25B,25Cの先端から外方へ向かって略水平に
突出形成されたガイド縁26A,26B,26Cとから
形成されている。
【0019】前記補助部材40は、前記側壁部材30と
前記金具本体10のウェブ11との角部開放側に固着さ
れ側壁部材30およびウェブ11とともに略角筒形状を
形成する断面L字形に形成されている。つまり、前記金
具本体10のウェブ11と平行な垂直壁41と、前記側
壁部材30と平行な垂直壁42とを有するL字形に形成
されている。各垂直壁41,42は、幅寸法が前記柱2
の一辺の幅寸法と略同じで、かつ、高さ寸法が前記上下
のフランジ12,13間の高さ寸法に形成されている。
【0020】次に、本実施例の住宅ユニットの製造方法
を説明する。柱梁接合金具1を用いて住宅ユニットの骨
組みを組み立てるには、図4(A)〜(C)のようにし
て行う。
【0021】まず、図4(A)に示す如く、両端に柱梁
接合金具1を所定の向きで溶接した2本の柱2を、水平
面上に長辺梁接合仕口24をそれぞれ上向きにした姿勢
でかつ所定間隔離して互いに平行に配置する。続いて、
各柱梁接合金具1の対向する短辺梁接合仕口21間に短
辺梁3をそのウェブ3A面を下側にして配置し、その両
端接合端部を短辺梁接合仕口21に差し込んだ状態にお
いて、2本の柱2を互いに接近する方向へ移動させる。
【0022】この際、金具本体10のウェブ11外面お
よび短辺梁3のウェブ3A外面をそれぞれ水平面に接し
た状態に保ったまま、2本の柱2を互いに接近する方向
へ移動させていくと、図2に示す如く、短辺梁3の接合
端部が短辺梁接合仕口21の斜面部22A〜22Cに当
接した位置で2本の柱2の移動が規制される。これによ
り、短辺梁3は、その長手方向の位置決めが行われると
ともに、斜面部22A,22Cによって幅方向の位置決
めが行われる。従って、この状態において、短辺梁3の
両端接合端部を斜面部22A〜22Cに溶接すれば、妻
フレーム5を形成することができる。
【0023】このとき、図2に示す如く、短辺梁3の厚
みが異なると、斜面部22A〜22Cに対して短辺梁3
が当接する位置が異なる。例えば、短辺梁3の厚みがT
1のものでは斜面部22A〜22CのP1位置で、ま
た、短辺梁3の厚みがT2のものでは斜面部22A〜2
2CのP2位置で、また、短辺梁3の厚みがT3のもの
では斜面部22A〜22CのP3位置でそれぞれ接合端
部が当接する。従って、短辺梁3の厚みT1,T2,T
3に対応して、短辺梁3の長さ寸法を予め各モジュール
に対応した所定寸法L1,L2,L3に切断しておけ
ば、所定モジュール幅を有する住宅ユニットの骨組みを
製造することができる。
【0024】次に、図4(B)に示す如く、2枚の妻フ
レーム5を起立させた状態でかつ長辺梁接合仕口24を
互いに内向きにして向かい合わせに配置する。続いて、
各柱梁接合金具1の対向する長辺梁接合仕口24間に長
辺梁4の両端部を嵌合させた後、2枚の妻フレーム5を
互いに接近する方向へ移動させる。
【0025】この際、金具本体10の上側フランジ12
および長辺梁4の上フランジ4Bを同一面に保ったま
ま、かつ、側壁部材30外面および長辺梁4のウェブ4
Aを同一面に保ったまま、2枚の妻フレーム5を互いに
接近する方向へ移動させていくと、図3に示す如く、長
辺梁4の接合端部が長辺梁接合仕口24の斜面部25A
〜25Cに当接した位置で2枚の妻フレーム5の移動が
規制される。これにより、長辺梁4は、その長手方向の
位置決めが行われるとともに、斜面部25A,25Cに
よって幅方向の位置決めが行われる。従って、この状態
において、長辺梁4の両端接合端部を斜面部25A〜2
5Cに溶接すれば、図4(C)に示すボックス状の住宅
ユニットの骨組みを形成することができる。
【0026】このとき、図3に示す如く、長辺梁4の厚
みが異なると、斜面部25A〜25Cに対して長辺梁4
が当接する位置が異なる。例えば、長辺梁4の厚みがT
4のものでは斜面部25A〜25CのP4位置で、ま
た、長辺梁4の厚みがT5のものでは斜面部25A〜2
5CのP5位置で、また、長辺梁4の厚みがT6のもの
では斜面部25A〜25CのP6位置でそれぞれ接合端
部が当接する。従って、長辺梁4の厚みT4,T5,T
6に対応して、長辺梁4の長さ寸法を予め各モジュール
に対応した所定寸法L4,L5,L6に切断しておけ
ば、所定モジュール長さを有する住宅ユニットの骨組み
を製造することができる。
【0027】このようにして形成された骨組みには、必
要に応じて内外壁パネル。天井パネル。床パネルが取り
付けられ、更に、作り付けの家具などの内装品が取り付
けられて住宅ユニットが構成される。従って、この住宅
ユニットを適宜組み合わせれば、ユニット住宅を構築す
ることができる。この際、各住宅ユニットの上下方向の
連結は、金具本体10のフランジ13に貫通して設けら
れたボルト挿通孔17にボルトを挿通し、ナット締めし
て行われる。
【0028】従って、本実施例によれば、柱2の端部に
溶接される金具本体10に、短辺梁3の接合端部が当接
する斜面部22A〜22Cを有する短辺梁接合仕口21
と、長辺梁4の接合端部が当接する斜面部25A〜25
Cを有する長辺梁接合仕口24とを設けたので、これら
の斜面部22A〜22C、25A〜25Cを利用して厚
みの異なる梁3,4を柱2に連結することができる。よ
って、予め、複数種の仕口を用意しておかなくてもよい
上、柱梁接合金具1の製造も簡単である。
【0029】また、斜面部22A〜22C、25A〜2
5Cと梁3,4の厚みの変化とを利用して、これらの梁
3,4の長手方向および幅方向の位置決めを自動的に行
うことができる。よって、従来のような位置決め孔およ
び位置決めピンが不要であるから、前加工が容易であ
る。
【0030】また、斜面部22A〜22C、25A〜2
5Cに梁3,4の接合端部を当接させたまま直接溶接す
ることができるから、予め、梁3,4の端部に開先加工
を形成しなくても済む利点がある。
【0031】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良を含む。
【0032】例えば、上記実施例では、柱2の端部に短
辺梁接合仕口21および長辺梁接合仕口24を有する柱
梁接合金具1を溶接するようにしたが、柱2の端部側に
短辺梁接合仕口21および長辺梁接合仕口24を直接設
けるようにしてもよい。更に、仕口21,24のいずれ
か一方のみを設けるようにしてもよい。
【0033】また、住宅ユニットの形状については、上
記実施例で述べたボックス形の骨組みに限らず、柱と梁
とによって構成される各種形状の骨組みにも適用でき
る。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、本発明の住宅ユニットにお
ける柱梁接合構造によれば、柱側に梁の厚み方向へ傾斜
しかつ梁の接合端部が当接する斜面部を有する仕口を設
けたので、次のような効果が期待できる。厚みの異な
る梁でも、1種類の仕口で対応できる。厚みの異なる
複数種の梁の長手方向の位置決めを容易に行える。梁
の接合端部に開先加工を施す必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の柱梁接合構造の要部を示す分解斜視図
である。
【図2】図1における短辺梁接続部の構造を示す図であ
る。
【図3】図1における長辺梁接続部の構造を示す図であ
る。
【図4】本発明による住宅ユニットの骨組みの作業工程
を示す説明図である。
【図5】従来の柱梁接合金具を示す斜視図である。
【図6】一般的な住宅ユニットの骨組みを示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 柱梁接合金具 2 柱 3 短辺梁 4 長辺梁 21 短辺梁接合仕口 22A〜22C 斜面部 24 長辺梁接合仕口 25A〜25C 斜面部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の柱およびこれらの柱の端部間に連
    結される複数本の梁を含み構成される住宅ユニットにお
    ける柱梁接合構造において、前記柱側に、前記梁の厚み
    方向へ傾斜する斜面部を有する仕口を設け、この仕口の
    斜面部に前記梁の端部を当接させた状態でその梁の端部
    を斜面部に溶接したことを特徴とする住宅ユニットにお
    ける柱梁接合構造。
JP3033491A 1991-02-01 1991-02-01 住宅ユニットにおける柱梁接合構造 Expired - Lifetime JP2618538B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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