JPH0829462B2 - 住宅ユニットにおける柱梁接合金具およびその製造方法 - Google Patents

住宅ユニットにおける柱梁接合金具およびその製造方法

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JPH0829462B2
JPH0829462B2 JP32391090A JP32391090A JPH0829462B2 JP H0829462 B2 JPH0829462 B2 JP H0829462B2 JP 32391090 A JP32391090 A JP 32391090A JP 32391090 A JP32391090 A JP 32391090A JP H0829462 B2 JPH0829462 B2 JP H0829462B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数本の柱と梁とを連結して構成される住
宅ユニットにおける柱梁接合金具およびその製造方法に
関する。
〔背景技術〕 近年、予め工場で製造した複数の住宅ユニットを建築
現場まで輸送し、そこで、これらを組み合わせて住宅を
構築する工法が採用されている。通常、住宅ユニット
は、四隅に配置される4本の柱の上端部間および下端部
間を各4本の梁で相互に連結してボックス型の骨組みを
形成し、これに内外壁パネル、天井パネル、床パネルな
どを取り付けて構成される。
ところで、この種の住宅ユニットの骨組みを構成する
柱と梁との連結は、例えば、実公昭59−16402号公報に
示されているように、柱に梁を直接溶接する方法、ある
いは、柱にCチャンネル材からなる仕口を介して梁を溶
接する方法などが採られている。
つまり、直接溶接する方法では、第4図に示す如く、
柱101の端部における相隣接する側面に、それそれ梁102
の端部が直接溶接される。梁102は、Cチャンネル材か
ら構成され、垂直なウェブ102Aの上下に水平フランジ10
2Bが一体的に形成されている。柱101には、それぞれ強
度補強用の端部ダイヤフラム103および内ダイヤフラム1
04がそれぞれ溶接されている。
しかしながら、柱101へのダイヤフラム103,104の溶
接、特に、内タイヤフラム104の溶接は、狭い柱101の内
部で、しかも、端部からある程度内方に入った位置で行
わなければならないので、きわめて作業性が悪く、困難
な作業である。
そこで、ダイヤフラムの溶接作業を省く方法として、
Cチャンネル材からなる仕口を介して溶接する方法が提
案されている。これは、第5図に示す如く、基端部が柱
106の側面の幅とほぼ等しい幅を有し、かつ、先端部を
これより狭い幅に形成したCチャンネル材からなる仕口
部材107を、柱106の一側面に溶接し、この仕口部材107
に梁108を溶接するようにした構造である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、第5図に示す構造は、仕口部材107が柱106
に広い幅で溶接されているため、軽荷重の場合には、確
かにダイヤフラムを省略しても強度的に問題がない。し
かし、梁108が重荷重を受ける場合には、ダイヤフラム
なしでは、必ずしも十分な強度を確保できないという問
題がある。
ここに、本発明の目的は、柱内での溶接作業を不要に
できるとともに、重荷重にも十分耐え得る柱と梁との連
結を行える住宅ユイットにおける柱梁接合金具を提供す
ることにある。
また、本発明の他の目的は、上記柱梁接合金具を安価
にかつ精度よく製造でき、しかも、より高い剛性を備え
た構造体として製造できる製造方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る住宅ユニットにおける柱梁接合金具は、
複数本の柱およびこれらの柱の端部間に連結される複数
本の梁を含んで構成される住宅ユニットにおける柱梁接
合金具であって、前記中と同じ平断面形状を有しかつこ
の柱よりも短寸とされた金具本体と、この金具本体の上
下端面に互いに平行にされて固着され、一方の表面に前
記柱の端部が接合される上下一対の端面部材と、これら
の端面部材の90度をなす2つの側縁間に固着され、先端
が前記金具本体の先端と共に前記梁の接続部を形成する
一対の側面部材とを含んで構成されたことを特徴とする
ものである。
ここで、金具本体は柱の材料を短寸に切断することに
より作ってもよく、あるいは柱とは別材料から作っても
よい。
また、一対の端面部材および一対の側面部材はプレス
機械による板金の打ち抜き加工で作ってもよく、あるい
は他の方法、例えば鋳造により作ってもよい。また金具
本体と端面部材との固着や端面部材と側面部材との固着
は溶接でもよく、あるいは他の方法、例えばボルト、ナ
ットによる締め付けでもよい。
本発明に係る住宅ユニットにおける柱梁接合金具の製
造方法は、複数本の柱およびこれらの柱の端部間に連結
される複数本の梁を含んで構成される住宅ユニットにお
ける柱梁接合金具を製造する方法であって、前記柱と同
じ平断面形状を有していてこの柱よりも短寸とされた金
具本体の上下端面に、一方の表面に前記柱の端部が接合
される上下一対の端面部材を互いに平行にして溶接し、
この後、これらの端面部材の90度をなす2つの側縁間
に、先端が前記金具本体の先端と共に前記梁の接続部を
形成する一対の側面部材を溶接したことを特徴とするも
のである。
〔作用〕
本発明に係る柱梁接合金具では、一対の端面部材は従
来のダイヤフラムの役割を果たすことになり、このた
め、重荷重にも十分耐え得る柱と梁との連結を行える。
また、一対の端面部材は90度をなす一対の側面部材に
よっても結合されるため、柱梁接合金具は十分に大きな
強度を備える箱型となる。
また、本発明に係る柱梁接合金具の製造方法では、ダ
イヤフラムの役割を果たす一対の端面部材は金具本体の
外面である上下端に溶接されるため、柱の内部にダイヤ
フラムを溶接する面倒な作業を行う必要がなくなる。ま
た、端面部材や側面部材は板状でよいため、これらをプ
レス機械による板金の打ち抜き加工で精度良く得られ、
これらの製造を容易に行えるとともに、金具本体、端面
部材、側面部材を互いに溶接するだけで柱梁接合金具を
生産できるため、この柱梁接合金具の製造作業の簡単化
も達成できる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は、本実施例に係る接合金具1と、この接合金
具1を介して接合される柱2、短片梁3、長辺梁4とを
示す。柱2は平断面正四角形の角筒材からなり、また、
短辺梁3、長辺梁4は垂直なウェブ3A,4Aの上下に水平
なフランジ3B,4B,3C,4Cが形成されたチャンネル材から
なる。
第2図は接合金具1の分解図を示す。この接合金具1
は、金具本体5と、上下一対の水平な端面部材6,7と、9
0度をなす垂直な一対の側面部材8,9とからなる。金具本
体5は前記柱2と同じ材料を短寸に切断することにより
作られ、従って柱2よりも短い寸法を有するとともに、
正四角形の平断面形状を有している。端面部材6,7およ
び側面部材8,9はプレス機械による板金の打ち抜き加工
で作られ、全体形状がほぼ平板状となっている。
端面部材6の90度をなす側縁6A,6Bの先端側には側縁6
A,6Bと直角方向に延びるガイド縁10,11が形成され、こ
れらのガイド縁10,11は下方へ折曲され、ガイド縁10,11
の間は斜縁12となっている。また、端面部材7の90度を
なす側縁7A,7Bの先端側にも側縁7A,7Bと直角方向に延び
るガイド縁13,14が形成され、ガイド縁13は上方へ折曲
されているとともに、ガイド縁14は下方へ折曲され、こ
れらのガイド縁13,14の間は直縁15,16、斜縁17となって
いる。
以上の端面部材6,7の側縁6A,7A,6B,7Bの長さは、平断
面正四角形の金具本体5の一辺よりも長くなっている。
側面部材8,9は共に金具本体5と同じ上下寸法を有
し、また、側辺部材8の水平方向の長さは、端面部材6,
7の側縁6A,7Aの長さと金具本体5の一辺長さとの差と同
じになっており、また、側面部材9の水平方向の長さ
は、端面部材6,7の側縁6B,7Bの長さと金具本体5の一辺
の長さとの差と同じになっている。これらの側面部材8,
9の先端には内方に折曲されたガイド縁18,19が上下方向
に形成されている。
このように側面部材8,9の先端に設けられたガイド縁1
8,19は、第1図の通り、上下一対の端面部材6,7の2つ
の先端に設けられたガイド縁10,11,13,14と共に短辺梁
3、長辺梁4を接続するための接続部20,21を形成する
ものとなっている。
次に、接合金具1を製造する手順を説明する。
まず、金具本体5の上下端面に端面部材6,7を平行に
してあてがい、金具本体5の90度をなす2つの側面と端
面部材6,7の90度をなす側縁6A,6B,7A,7Bとを一致させた
後、これらの金具本体5と端面部材6,7とを金具本体5
の全周に亘って溶接する。この後、金具本体5から2方
向の前方へ突出した端面部材6,7の側縁6A,7Aの間および
側縁6B,7Bの間に側面部材8,9を挿入し、側面部材8の上
下端を側縁6A,7Aに溶接するとともに、側面部材9の上
下端を側縁6B,7Bに溶接する。
以上により、金具本体5、端面部材6,7、側面部材8,9
が溶接で接合一体化され、箱型の接合金具1が出来上が
り、この接合金具1には前記ガイド縁10,13,18からなる
接続部20が形成されているとともに、前記ガイド縁11,1
4,19からなる接続部21も形成されている。
端面部材6の表面には前記柱2の端部があてがわれ、
そしてこの端部が端面部材6に溶接で接合される。ま
た、接続部20には短辺梁3の端部が嵌合され、この端部
が接続部20に溶接で接合される。さらに、接続部21には
長辺梁4の端部が嵌合され、この端部が接続部21に溶接
で接合される。なお、長辺梁4の端部の接続部21への嵌
合は、長辺梁4の下フランジ4Cをガイド縁14の上に載せ
て行われる。
第3図(A)(B)(C)は、以上の接合金具1、柱
2、梁3,4により住宅ユニットの骨組みを形成する作業
工程を示す。
第3図(A)に示す通り、左右2本の柱2の上端同士
および下端同士を接合金具1を介して短辺梁3で連結
し、これにより妻フレーム22を作る。この妻フレーム22
は、第3図(B)の通り、2個作られ、これらの妻フレ
ーム22同士を長辺梁4で連結し、これにより第3図
(C)で示す住宅ユニット23の骨組みが出来上がる。
以上説明した本実施例の接合金具1によれば、金具本
体5は柱2の一部をなすものとなり、上下一対の端面部
材6,7はこの柱の通しダイヤフラムとなり、柱はダイヤ
フラムを備えることになるため、柱2と梁3,4との接合
部分は重荷重にも十分耐え得る強度を有するものとな
る。また、上下一対の端面部材6,7は金具本体5によっ
て結合されているとともに、90度をなす一対の側面部材
8,9によっても結合され、接合金具1は全体形状が箱型
となっているため、十分に大きな強度を備えることにな
る。
また、ダイヤフラムとなっている上下一対の端面部材
6,7は柱2、金具本体5の外側に突出する大きさを有
し、従って、端面部材6,7によるダイヤフラムは、前述
の通り、通しダイヤフラムとなっているため、このダイ
ヤフラムと柱2、金具本体5との溶接作業を柱2、金具
本体5の外側から行え、柱の内部にダイヤフラムを溶接
する場合と比較し、この溶接作業を極めて容易に行え
る。また、端面部材6,7と側面部材8,9は板状でよいた
め、これらをプレス機械による板金の打ち抜き加工で精
度良好に容易に得られ、これらの製造を簡単化できると
ともに、柱2、金具本体5、端面部材6,7、側面部材8,9
を互いに溶接するだけで接合金具1を製造でき、従って
この接合金具1の製造作業も簡単化できる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の目的を達成できる範囲内での変形、改良は
本発明に含まれる。
例えば、本発明の接合金具を適用できる住宅ユニット
は、上述した実施例のボックス型の骨組みを有するもの
に限定されず、例えば上方の梁が設けられていないいわ
ゆるU型の骨組みにも適用できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ダイヤフラムの柱内での溶接作業を
不要にでき、従って接合金具の製造作業の簡単化を達成
でき、また、重荷重にも十分耐え得る柱と梁との連結を
行え、さらに精度良好し、しかも大きい強度を備えるも
のとし製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の一実施例を示し、第1図は接
合金具と柱、梁との位置関係を示す斜視図、第2図は接
合金具の分解斜視図、第3図(A)(B)(C)は住宅
ユニットの骨組みを作る作業工程を示す説明図、第4図
および第5図は従来の柱と梁との接続構造を示す斜視図
である。 1……接合金具、2……柱、3,4……梁、5……金具本
体、6,7……端面部材、8,9……側面部材、20,21……接
続部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の柱およびこれらの柱の端部間に連
    結される複数本の梁を含んで構成される住宅ユニットに
    おける柱梁接合金具であって、 前記柱と同じ平断面形状を有しかつこの柱よりも短寸と
    された金具本体と、 この金具本体の上下端面に互いに平行にされて固着さ
    れ、一方の表面に前記柱の端部が接合される上下一対の
    端面部材と、 これらの端面部材の90度をなす2つの側縁間に固着さ
    れ、先端が前記金具本体の先端と共に前記梁の接続部を
    形成する一対の側面部材とを含んで構成されたことを特
    徴とする住宅ユニットにおける柱梁接合金具。
  2. 【請求項2】複数本の柱およびこれらの柱の端部間に連
    結される複数本の梁を含んで構成される住宅ユニットに
    おける柱梁接合金具を製造する方法であって、 前記柱と同じ平断面形状を有していてこの柱よりも短寸
    とされた金具本体の上下端面に、一方の表面に前記柱の
    端部が接合される上下一対の端面部材を互いに平行にし
    て溶接し、 この後、これらの端面部材の90度をなす2つの側縁側
    に、先端が前記金具本体の先端と共に前記梁の接続部を
    形成する一対の側面部材を溶接したことろ特徴とする住
    宅ユニットにおける柱梁接合金具の製造方法。
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