JP2618270B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2618270B2 JP6356189A JP6356189A JP2618270B2 JP 2618270 B2 JP2618270 B2 JP 2618270B2 JP 6356189 A JP6356189 A JP 6356189A JP 6356189 A JP6356189 A JP 6356189A JP 2618270 B2 JP2618270 B2 JP 2618270B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真感光体に関し、詳しくは特定の構
造を有するジスアゾ顔料を含有する電子写真感光体に関
する。
[従来の技術] 従来、無機光導電性物質を用いた電子写真感光体とし
ては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などが広く知
られている。
一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体とし
ては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導
電性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾールの如き低分子の有機光
導電性物質を用いたもの、さらには、かかる有機光導電
性物質と各種染料や顔料を組み合わせたものなどが知ら
れている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が
良く、塗工により生産できるため極めて生産性が高く、
安価な感光体を提供できる利点を有している。また、使
用する染料や顔料などの増感剤の選択により、感色性を
自在にコントロールできるなどの利点を有し、これまで
幅広い検討がなされてきた。特に最近では、有機光導電
性染料や顔料を含有した電荷発生層と、前述の光導電性
ポリマーや低分子の有機導電性物質を含有した電荷輸送
層を積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有
機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著
しい改善がなされてきた。
アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかもアゾ成分と
カプラー成分の組み合せ方で様々な特性を有する顔料化
合物が容易に得られることから、これまでに数多くの顔
料化合物が提案されており、例えば特開昭58−4151号公
報、特開昭61−32064号公報、特開昭61−259258号公
報、特開昭63−36256号公報などに記載される顔料化合
物などはすでに公知である。
しかしながら、従来のジスアゾ顔料を用いた電子写真
感光体は、感度や繰り返し使用時の電位安定性の面で必
ずしも十分とは言えず、実用化されているのはごく僅か
な材料のみである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、新規な光導電性材料を提供するこ
と、実用的な高感度特性と繰り返し使用時の安定した電
位特性を有する電子写真感光体を提供することである。
[課題を解決する手段、作用] 本発明は、導電性支持体上に下記一般式(1)で示す
ジスアゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴とす
る電子写真感光体から構成される。
一般式 式中、R1は水素原子、置換基を有してもよいアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を表わし、A1および
A2は同一または異なるフェノール性水酸基を有するカプ
ラー残基を表わす。
具体的には、R1におけるアルキル基としてはメチル、
エチル、プロピルなどの基、アリール基としてはフェニ
ル、ナフチルなどの基、アラルキル基としてはベンジ
ル、フェネチルなどの基が挙げられる。
A1およびA2の示すフェノール性水酸基を有するカプラ
ー残基の好ましい例としては、下記一般式(2)〜
(6)で示す残基が挙げられる。
一般式 一般式(2)、(3)および(4)中のXは、ベンゼ
ン環と縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、ア
ントラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール
環、ジベンゾフラン環などを形成するのに必要な残基を
表わす。
一般式(2)中のZは酸素原子または硫黄原子を表わ
し、lは0または1の整数を表わす。
一般式(2)および(3)中のR2、R3は水素原子、置
換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、複素環基またはR2とR3の結合する窒素原子を含む
環状アミノ基を表わす。
一般式(4)中のR4は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、アラルキル基、アリール基、または複素
環基を示す。
一般式(5)中のR5置換基を有してもよいアルキル
基、アラルキル基、アリール基または複素環基を示す。
上記表現のアルキル基としてはメチル、エチル、プロ
ピル、ブチルなどの基、アラルキル基としてはベンジ
ル、フェネチル、ナフチルメチルなどの基、アリール基
としてはフェニル、ジフェニル、ナフチル、アンスリル
などの基、複素環基としてはピリジル、チエニル、チア
ゾリル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチ
アゾリルなどの基、窒素原子を環内に含むアミノ基とし
てはピロール、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、イ
ンドール、インドリン、カルバゾール、イミダゾール、
ピラゾール、ピラゾリン、オキサジン、フェノキサジン
などから誘導される環状アミノ基などが挙げられる。
一般式(6)中のYは、置換基を有してもよい2価の
芳香族炭化水素基ないしは窒素原子を環内に含む2価の
複素環基を表わし、具体的には、o−フェニレン、0−
ナフチレン、ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、3,4
−ピラゾールジイル、2,3−ピリジンジイル、4,5−ピリ
ジンジイル、6,7−インダゾールジイル、6,7−キノリン
ジイルなどの基が挙げられる。
さらにR1〜R5、XおよびYの有してもよい置換基とし
ては、メチル、エチル、プロピルなどのアルキル基、メ
トキシ、エトキシなどのアルコキシ基、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニルカルバ
モイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチルな
どのハロメチル基などが挙げられる。
なお、一般式(1)中、A1およびA2が一般式(2)、
(3)または(4)であり、式中のXがベンゼン環と縮
合してベンズカルバゾール環を形成しているカプラー残
基であるジスアゾ顔料は、その吸収域が近赤外領域付近
まで広がるため、半導体レーザー用の電荷発生材料とし
ても好適である。
以下に本発明に用いる一般式(1)で示すジスアゾ顔
料の代表例を列挙するが、本発明に用いる一般式(1)
で示すジスアゾ顔料はこれらに限定されるものではな
い。
例示顔料の記載は、一般式(1)を基本型として、
R1、A1およびA2を具体的に示すことによる。
基本型(一般式(1)で示すジスアゾ顔料) 例示顔料(1) 例示顔料(2) 例示顔料(3) 例示顔料(4) 例示顔料(5) 例示顔料(6) 例示顔料(7) 例示顔料(8) 例示顔料(9) 例示顔料(10) 例示顔料(11) 例示顔料(12) 例示顔料(13) 例示顔料(14) 例示顔料(15) 例示顔料(16) 例示顔料(17) 例示顔料(18) 例示顔料(19) 例示顔料(20) 例示顔料(21) 例示顔料(22) 例示顔料(23) 例示顔料(24) 例示顔料(25) 例示顔料(26) 例示顔料(27) 例示顔料(28) 例示顔料(29) 例示顔料(30) 例示顔料(31) 例示顔料(32) 例示顔料(33) 例示顔料(34) 例示顔料(35) 例示顔料(36) 例示顔料(37) 例示顔料(38) 例示顔料(39) 例示顔料(40) 例示顔料(41) 例示顔料(42) 例示顔料(43) 例示顔料(44) 例示顔料(45) 例示顔料(46) 例示顔料(47) 例示顔料(48) 一般式(1)で示すズスアゾ顔料は、相当するジアミ
ンを常法によりテトラゾ化し、アルカリの存在下カプラ
ーと水系でカップリングするか、テトラゾニウム塩をホ
ウフッ化塩や塩化亜鉛複塩などに変換した後、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機
溶剤中で、酢酸ソーダ、トリエチルアミン、N−メチル
モルホリンなどの塩基の存在下、カプラーとカップリン
グすることによって容易に合成できる。
一般式(1)中のA1とA2が相異なるカプラー残基であ
るジスアゾ顔料の合成は、前述のテトラゾニウム塩1モ
ルに対して、初めに一方のカプラー1モルをカップリン
グさせ、次いで、他方のカプラー1モルをカップリング
させて合成するか、あるいはジアミンの一方のアミノ基
をアセチル基などで保護しておき、これをジアゾ化し、
一方のカプラーをカップリングさせた後、保護基を塩酸
などで加水分解し、これを再びジアゾ化し、他方のカプ
ラーをカップリングさせて合成することができる。
合成例(例示顔料(1)の合成) 300mlビーカーに水150ml、濃塩酸20ml(0.23モル)と 7.34g(0.032モル)を入れ0℃まで冷却し、亜硝酸ソー
ダ4.6g(0.067モル)を水10mlに溶かした液を液温を5
℃以下に保ちながら、10分間で液中へ滴下した。15分間
撹拌した後カーボン濾過し、この溶液の中へホウフッ化
ソーダ10.5g(0.096モル)を水90mlに溶かした液を撹拌
下で滴下し、析出したホウフッ化塩を濾取し、冷水で洗
浄した後、アセトニトリルで洗浄し、室温で減圧乾燥し
た。
収量12.02g、収率87.99% 次に、1ビーカーにN,N−ジメチルホルムアミド500
mlを入れ、 12.51g(0.042モル)を溶解し、液温を5℃に冷却した
後、先に得たホウフッ化塩8.54g(0.020モル)を溶解
し、次いでトリエチルアミン5.1g(0.050モル)を5分
間で滴下した。2時間撹拌した後、析出した顔料を濾取
し、N,N−ジメチルホルムアミドで4回、水で3回洗浄
した後、凍結乾燥した。
収量15.37g、収率90.97% 元素分析 計算値(%) 実測値(%) C 65.40 65.45 H 3.46 3.44 N 11.61 11.57 本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に一般式
(1)で示すジスアゾ顔料を含有する感光層を有する。
感光層の形態は公知のいかなる形態を取っていてもかま
わないが、一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含有する
感光層を電荷発生層とし、これに電荷輸送物質を含有す
る電荷輸送層を積層した機能分離型の感光層が特に好ま
しい。
電荷発生層は、一般式(1)で示すジスアゾ顔料を適
当な溶剤中でバインダー樹脂と共に分散した塗布液を、
導電性支持体上に公知の方法によって塗布することによ
って形成することができ、その膜圧は例えば5μm以
下、好ましくは0.01〜1μmの薄膜層とすることが望ま
しい。
この際用いられるバインダー樹脂は、広範な絶縁性樹
脂あるいは有機光導電性ポリマーから選択されるが、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルベンザール、ポリアリ
レート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ
樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン
などが好ましく、その使用量は電荷発生層中の含有率で
80重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
また使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述の電荷
輸送層や下引層を溶解しないものから選択することが好
ましい。
具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
などのエーテル類、シクロヘキサノン、メチルエチルケ
トンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル
類、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族
類、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの
アルコール類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロル
エチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪
族ハロゲン化炭化水素類など挙げられる。
電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層され、電
界の存在下電荷発生層から電荷キャリアを受取り、これ
を表面あるいは導電性支持体まで輸送する機能を有して
いる。
電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて適当なバイ
ンダー樹脂と共に溶剤中に溶解し塗布することによって
形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmであるが8
〜30μmが好ましい。
電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送性物質があ
り、電子輸送性物質としては、例えば2,4,7−トリニト
ロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノ
ン、ケロラニル、テトラシアノキノジメタンなどの電子
吸引性物質やこれら電子吸引性物質を高分子化したもの
などが挙げられる。
正孔輸送性物質としてはピレン、アントラセンなどの
多環芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、イ
ミダゾール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサ
ジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジア
ゾール系、トリアゾール系化合物などの複素環化合物、
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチ
リデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化
合物、α−フェニル−4′−N,N−ジフェニルアミノス
チルベン、5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジ
リデン]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンなどの
スチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリール
メタン系化合物、トリフェニルアミンあるいは、これら
の化合物から成る基を主鎖または側鎖に有するポリマー
(例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルア
ントラセンなど)が挙げられる。
これらの有機電荷輸送物質の他にセレン、セレン−テ
ルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウムなどの無
機材料を用いることができる。
また、これらの電荷輸送物質は1種または2種以上組
合せて用いることができる。
電荷輸送物質が成膜性を有していないときには適当な
バインダーを用いることができる。具体的には、アクリ
ル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポ
リマー、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム
などの絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマ
ーなどが挙げられる。
感光層が形成される導電性支持体としては、例えばア
ルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属
を用いることができる。
また、こうした金属を、真空蒸着法によって被膜形成
したプラスチックや導電性粒子(例えばカーボンブラッ
ク、銀粒子など)を適当なバインダー樹脂と共にプラス
チックまたは金属支持体上に被覆した支持体あるいは導
電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体などを用
いることができる。
導電性支持体と感光層の中間に、バリヤー機能と接着
機能を持つ下引層を設けることもできる。
下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセ
ルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン310、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロ
ンなど)、ポリウレタン、酸化アルミニウムなどによっ
て形成できる。
下引層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μm
が適当である。
本発明の別の具体例として、一般式(1)で示すジス
アゾ顔料と電荷輸送物質を同一層に含有させた電子写真
感光体を挙げることができる。この際、電荷輸送物質と
してポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオ
レノンからなる電荷移動錯体を用いることもできる。
この例の電子写真感光体は、一般式(1)で示すジス
アゾ顔料と電荷輸送物質を適当な樹脂溶液中に分散させ
た液を塗布乾燥して形成することができる。
いずれの電子写真感光体においても用いる顔料は一般
式(1)で示すジスアゾ顔料から選ばれる少なくとも1
種類の顔料を含有し、この結晶形は非晶質であっても結
晶質であってもよく、また必要に応じて一般式(1)で
示すジスアゾ顔料を2種類以上組み合せたり、公知の電
荷発生部質と組み合せて使用することも可能である。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用する
のみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンタ
ー、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版な
どの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
[実施例] 実施例1〜10 アルミニウム支持体上にメトキシメチル化ナイロン
(数平均分子量3万2千)5gとアルコール可溶性共重合
ナイロン(数平均分子量2万9千)10gをメタノール95g
に溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が
1μmの下引き層を設けた。
次に、電荷発生物質として例示顔料(1)の5gをシク
ロヘキサノン95mlにブチラール樹脂(ブチラール化度63
モル%)2gを溶解した液に加え、サンドミルで20時間分
散した。この分散液を先に形成した下引き層の上に乾燥
後の膜厚が0.2μmとなるようにマイヤーバーで塗布し
乾燥して電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として のヒドラゾン化合物5gとポリメチルメタクリレート(数
平均分子量10万)5gをクロロベンゼン40gに溶解し、こ
れを電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が20μmとなるよう
にマイヤーバーで塗布し乾燥して電荷輸送層を形成し、
実施例1の電子写真感光体を作成した。
例示顔料(1)に代えて他の例示顔料を用い、実施例
2〜10に対応する感光体を全く同様にして作成した。
このようにして作成した電子写真感光体を静電複写紙
試験装置(Model SP−428、川口電機(株)製)を用
い、−5KVのコロナ放電で負に帯電し、1秒間暗所放置
した後、ハロゲンランプを用いて照度10ルックスの光で
露光し、帯電特性を評価した。
帯電特性としては、表面電位(V0)と暗所放置後の表
面電位が1/2に減衰するに必要な露光量(E1/2)を測定
した。結果を示す。
比較例1および2 実施例1に用いたジスアゾ顔料を下記構造式で示す顔
料に代えて用いた他は実施例1と同様にして比較例1お
よび2に対応する感光体を作成し、同様に帯電特性を評
価した。結果を示す。
(実施例4に対し比較例1) VO:−680V E1/2:10.4lux・sec (実施例7に対し比較例2) VO:−660V E1/2:4.1lux・sec 実施例および上記比較例から、本発明の電子写真感光
体はいずれも十分な帯電能と優れた感度を有しているこ
とが分る。
実施例11〜15 実施例1で作成した感光体を用い、繰り返し使用時の
明部電位と暗部電位の変動を測定した。
方法としては、−6.5KVのコロナ帯電器、露光光学
系、現像器、転写帯電器、除電露光光学系およびクリー
ナーを備えた電子写真複写機のシリンダーに上記感光体
を貼り付けた。
初期の暗部電位(VD)と明部電位(VL)を、それぞれ
−700V、−200V付近に設定し、5,000回繰り返し使用し
た際の暗部電位の変動量(△VD)と明部電位の変動量
(△VL)を測定した。
実施例4、7、8および10で作成した電子写真感光体
についても同様に評価を行なった。
なお、電位の変動量における負記号は、電位の絶対値
の低下を表わし、正記号は電位の絶対値の増加を表わ
す。
比較例3および4 比較例1および2で用いた感光体について、実施例11
と同様の方法により、繰り返し使用時の電位変動を測定
した。結果を示す。
(実施例12に対し比較例3) △VD:−100V △VL:+45V (実施例13に対し比較例4) △VD:−110V △VL:+35V 上記結果から、本発明の電子写真感光体は、繰り返し
使用時の電位変動が少ないことが分る。
実施例16 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムのア
ルミ面上に膜厚0.5μmのポリビニルアルコールの下引
き層を形成した。
この上に、実施例1で用いたジスアゾ顔料の分散液を
乾燥後の膜厚が0.2μmとなるようにマイヤーバーで塗
布、乾燥して電荷発生層を形成した。
次いで下記構造式で示すスチリル化合物5gと ポリカーボネート(数平均分子量5万5千)5gをテトラ
ヒドロフラン40gに溶かした液を電荷発生層上に乾燥後
の膜圧が20μmとなるように塗布、乾燥して電荷輸送層
を形成した。
こうして作成した電子写真感光体の帯電特性および耐
久特性を実施例1および実施例11と同様の方法により測
定した。結果を示す。
VO:−710V E1/2:2.6lux・sec △VD:−5V △VL:+5V 実施例17 実施例1で作成した感光体の電荷輸送層と電荷発生層
を逆の順で塗布積層した感光体を作成し、実施例1と同
様に帯電特性を評価した。但し、帯電極性は+とした。
結果を示す。
VO:+690V E1/2:2.9lux・sec 実施例18 実施例3で作成した電荷発生層の上に、2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン5gとポリ−4,4′−ジオキシ
ジフェニル−2,2−プロパンカーボネート(分子量30
万)5gをテトラヒドロフラン50gに溶解して作成した塗
布液を乾燥後の膜厚が18μmとなるように塗布し、乾燥
して電荷輸送層を形成した。
こうして作成した電子写真感光体を実施例1と同様の
方法で帯電特性を測定した。但し、帯電極性は+とし
た。結果を示す。
VO:+700V E1/2:4.6lux・sec 実施例19 例示顔料(13)の0.5gをシクロヘキサノン9.5gと共に
ペイントシェイカーで5時間分散した。ここへ実施例1
で用いた電荷輸送物質5gとポリカーボネート5gをテトラ
ヒドロフラン40gに溶かした液を加え、さらに1時間振
とうした。こうして調製した塗布液を導電性支持体であ
るアルミニウム板上にマイヤーバーで塗布、乾燥して、
膜厚が20μmの感光層を形成した。
こうして作成した電子写真感光体の帯電特性を実施例
1と同様の方法で測定した。但し、帯電極性は+とし
た。結果を示す。
VO:+690V E1/2:4.8lux・sec [発明の効果] 本発明の電子写真感光体は、特定のジスアゾ顔料を感
光層に用いることにより、感光層内部における電荷キヤ
リアの発生効率ないしは注入効率のいずれか一方あるい
は双方が改善され、感度や繰り返し使用時の電位安定性
に優れた特性を有するという顕著な効果を奏する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に下記一般式(1)で示す
    ジスアゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴とす
    る電子感光体。 一般式 式中、R1は水素原子、置換基を有してもよいアルキル
    基、アリール基またはアラルキル基を表わし、A1および
    A2は同一または異なるフェノール性水酸基を有するカプ
    ラー残基を表わす。
  2. 【請求項2】感光層が、一般式(1)で示すジスアゾ顔
    料を含有する電荷発生層と電荷輸送層の少なくとも二層
    からなる請求項1記載の電子写真感光体。
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JP6356189A Expired - Lifetime JP2618270B2 (ja) 1989-03-17 1989-03-17 電子写真感光体

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