JP2739374B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた
電子写真装置並びにファクシミリに関し、詳しくは特定
の構造を有するジスアゾ顔料を含有する感光層を有する
電子写真感光体と該電子写真感光体を備えた電子写真装
置並びにファクシミリに関する。
[従来の技術] 従来、電子写真感光体としては、セレン、硫化カドミ
ウム、酸化亜鉛などの無機光導電性物質が広く用いられ
ていた。
一方、有機光導電性物質からなる電子写真感光体とし
てはポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電
性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子の有機
光導電性物質を用いたもの、さらにはこのような有機光
導電性物質と各種の染料や顔料を組み合わせたものなど
が知られている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が
よく、塗工によって生産できるため、極めて生産性が高
く安価な感光体を提供できる利点を有している。また、
使用する染料や顔料の選択により、感色性を自在にコン
トロールできるなどの利点を有し、これまで、幅広い検
討が成されてきた。特に最近では、有機光導電性染料や
顔料を含有した電荷発生層と前述の光導電性ポリマーや
低分子の有機光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層
した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写
真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善
が成されてきた。
アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかも、アミン成
分とカプラー成分の組み合わせ方で様々な特性を持った
化合物が用意に得られることから、これまでに数多くの
化合物が提案されており、例えば特開昭57−202349号公
報、特開昭57−202545号公報、特開昭60−230147号公報
などですでに公知である。
しかしながら、従来のジスアゾ顔料を用いた電子写真
感光体は、感度や繰り返し使用時の電位安定性の面で必
ずしも十分なものとは言えず、実用化されているのは極
く僅かな材料のみである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は新規な光導電性材料を提供すること、
実用的な高感度特性と繰り返し使用における安定な電位
特性を有する電子写真感光体を提供すること、該電子写
真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリを提
供することにある。
[課題を解決する手段、作用] 本発明は導電性支持体上に下記一般式(1)で示すジ
スアゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴とする
電子写真感光体から構成される。
一般式 式中、Z1は酸素原子、硫黄原子またはジシアノメチン
基を表わし、A1およびA2は同一または異なってフェノー
ル性水酸基を有するカプラー残基を表わす。
具体的にはA1およびA2の表わすフェノール性水酸基を
有するカプラー残基としては、好ましい例としては、下
記一般式(2)〜(6)で示す残基が挙げられる。
一般式(2)、(3)および(4)中のXはベンゼン
環と縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、アン
トラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール環、
ジベンゾフラン環などの多環芳香環または複素環を形成
するに必要な残基を表す。
一般式(6)中のYは置換基を有してもよい2価の芳
香族炭化水素基ないしは窒素原子を環内に含む2価の複
素環基を表し、具体的にはo−フェニレン、o−ナフチ
レン、ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、3,4−ピラ
ゾールジイル、2,3−ピリジンジイル、4,5−ピリジンジ
イル、6,7−インダゾールジイル、6,7−キノリンジイル
などの2価の基が挙げられる。
一般式(2)および(3)中のR1およびR2は水素原
子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基または複素環基を表し、また、R1、R2はとも
に窒素原子と結合して窒素原子を環内に含む環状アミノ
基を形成してもよい。
一般式(4)中のR3は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環
基を表す。
一般式(5)中のR4は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環
基を表す。
上記表現のアルキル基としてはメチル、エチル、プロ
ピルなどの基、アリール基の具体例としてはフェニル、
ナフチル、アンスリルなどの基、アラルキル基としては
ベンジル、フェネチルなどの基、複素環基としてはピリ
ジル、チエニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、
ベンゾチアゾリルなどの基、窒素原子を環内に含む環状
アミノ基としてはピロール、ピロリン、ピロリジン、ピ
ロリドン、インドール、インドリン、カルバゾール、イ
ミダゾール、ピラゾール、ピラゾリン、オキサジン、フ
ェノキサジンなどが挙げられる。
また置換基としては、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素な
どのハロゲン原子、メチル、エチル、プロピルなどのア
ルキル基、メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノなどのアルキルアミノ
基、フェニルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、ト
リフルオロメチルなどのハロメチル基などが挙げられ
る。
一般式(2)中のZ2は酸素原子または硫黄原子を表
し、nは0または1の整数である。
また、本発明は感光層が一般式(1)で示すジスアゾ
顔料を含有する電荷発生層と電荷輸送層の少なくとも二
層からなる請求項1記載の電子写真感光体から構成され
る。
また、本発明は前記本発明の電子写真感光体を備えた
電子写真装置から構成される。
また、本発明は前記本発明の電子写真感光体並びにリ
モート端末からの画像情報を受信する受信手段を有する
ファクシミリから構成される。
以下に本発明の一般式(1)で示すジスアゾ顔料の代
表的な具体例を列挙するが、本発明において用いる上記
ジスアゾ顔料はこれらに限定されるものではない。
例示顔料は、基本型において、相違部分であるZ1、A1
およびA2のみを記載することで具体的構造を表わすこと
とする。
基本型 例示顔料(1) Z1:酸素原子 例示顔料(2) Z1:酸素原子 例示顔料(3) Z1:酸素原子 例示顔料(4) Z1:酸素原子 例示顔料(5) Z1:酸素原子 例示顔料(6) Z1:硫黄原子 例示顔料(7) Z1:ジシアノメチレン基 例示顔料(8) Z1:酸素原子 例示顔料(9) Z1:硫黄原子 例示顔料(10) Z1:酸素原子 例示顔料(11) Z1:酸素原子 例示顔料(12) Z1:硫黄原子 例示顔料(13) Z1:酸素原子 例示顔料(14) Z1:酸素原子 例示顔料(15) Z1:酸素原子 例示顔料(16) Z1:ジシアノメチレン基 例示顔料(17) Z1:酸素原子 例示顔料(18) Z1:硫黄原子 例示顔料(19) Z1:酸素原子 例示顔料(20) Z1:硫黄原子 例示顔料(21) Z1:酸素原子 例示顔料(22) Z1:酸素原子 例示顔料(23) Z1:酸素原子 例示顔料(24) Z1:酸素原子 例示顔料(25) Z1:酸素原子 例示顔料(26) Z1:ジシアノメチレン基 例示顔料(27) Z1:酸素原子 例示顔料(28) Z1:硫黄原子 例示顔料(29) Z1:ジシアノメチレン基 例示顔料(30) Z1:酸素原子 例示顔料(31) Z1:酸素原子 例示顔料(32) Z1:酸素原子 例示顔料(33) Z1:酸素原子 例示顔料(34) Z1:硫黄原子 例示顔料(35) Z1:酸素原子 例示顔料(36) Z1:酸素原子 例示顔料(37) Z1:酸素原子 例示顔料(38) Z1:酸素原子 例示顔料(39) Z1:硫黄原子 一般式(1)で示すジスアゾ顔料は、相当するジアミ
ンを常法によりテトラゾ化し、アルカリの存在下にカプ
ラーと水系でカップリングするか、テトラゾニウム塩を
ホウフッ化塩や塩化亜鉛複塩などに変換した後、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有
機溶剤中で酢酸ソーダ、トリエチルアミン、N−メチル
モルホリンなどの塩基の存在下、カプラーとカップリン
グすることによって用意に合成できる。
一般式(1)中のA1、A2が相異なるカプラーであるジ
スアゾ顔料を合成する場合は、前述のテトラゾニウム塩
1モルに対し初めに一方のカプラー1モルをカップリン
グさせ、次いでもう一方のカプラー1モルをカップリン
グさせて合成するか、あるいはジアミンの一方のアミノ
基をアセチル基などで保護しておき、これをジアゾ化し
一方のカプラーをカップリングさせた後、保護基を塩酸
などで加水分解し、これを再びジアゾ化しもう一方のカ
プラーをカップリングさせて合成することができる。
合成例1(ジアミンの合成) o−フタルアルデヒド()15g(0.112モル)と1,3
−ジ(p−ニトロフェニル)−2−プロパノン()3
4.5g(0.115モル)およびエタノール1をフラスコに
入れ、 これに2.5%水酸化ナトリウム溶液40mlを滴下し、加熱
還流下10時間反応させた。冷却後、析出した結晶を濾別
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し
た。
ジニトロ体() 収量30.0g、収率68.0% ジニトロ体()15g(0.038モル)と還元鉄14.6g
(0.262モル)およびDMF300mlをフラスコに入れ、35%
塩酸を5mlと水5mlの混合液を滴下し、80〜90℃で2時間
撹拌した。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液(2.0g/水1
0ml)を加え、更にケイソウ土5gを加えて濾過を行い、
濾液を濃縮した後、水で洗浄した。
ジアミンの収量11.9g、収率92.7% 合成例2(例示顔料(1)の合成) 300mlビーカーに水150ml、濃塩酸20ml(0.23モル)と
合成例1で合成したジアミン()8.9g(0.029モル)
を入れ0℃まで冷却し、亜硫酸ソーダ4.0g(0.058モ
ル)を水10mlに溶かした液を液温を5℃に保ちながら10
分間で滴下した。15分撹拌した後、カーボン濾過し、こ
の溶液の中へホウフッ化ソーダ9.6g(0.088モル)を水8
0mlにとかした液を撹拌下滴下し、析出したホウフッ化
塩を濾取し、更に5%ホウフッ化ソーダ水溶液200mlで
洗浄した後アセトニトリル−イソプロピルエーテルの混
合溶剤で洗浄し、室温で減圧乾燥した、収量8.7g、収率
70.8% 次に1ビーカーにDMF500mlを入れ、ナフトールAS1
0.5g(0.040モル)を溶解し液温を5℃に冷却した後、
先に得たホウフッ化塩8.0g(0.019モル)を溶解し、次
いでトリエチルアミン5.1g(0.050モル)を5分間で滴
下した。2時間撹拌した後析出した顔料を濾取し、DMF
で4回、水で4回洗浄した後凍結乾燥した。
収量13.0g、収率73.4% 本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に一般式
(1)で示すジスアゾ顔料を含有する感光層を有する。
感光層の形態は公知のいかなる形態を取っていてもかま
わないが、一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含有する
感光層を電荷発生層とし、これに電荷輸送物質を含有す
る電荷輸送層を積層した機能分離型の感光層が特に好ま
しい。
電荷発生層は、前記のアゾ顔料を適当な溶剤中でバイ
ンダー樹脂と共に分散した塗布液を、導電性支持体上に
公知の方法によって塗布することによって形成すること
ができ、その膜厚は例えば5μm以下、好ましくは0.1
〜1μmの薄膜層とすることが望ましい。
この際用いられるバインダー樹脂は、広範な絶縁性樹
脂あるいは有機光導電性ポリマーから選択されるが、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルベンザール、ポリアリ
レート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ
樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン
などが好ましく、その使用量は電荷発生層中の含有率で
80重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
また使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述の電荷
輸送層や下引層を溶解しないものから選択することが好
ましい。
具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
などのエーテル類、シクロヘキサノン、メチルエチルケ
トンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル
類、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族
類、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの
アルコール類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロル
エチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪
族ハロゲン化炭化水素類など挙げられる。
電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層され、電
界の存在下電荷発生層から電荷キャリアを受取り、これ
を輸送する機能を有している。
電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて適当なバイ
ンダー樹脂と共に溶剤中に溶解し塗布することによって
形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmであるが15
〜30μmが好ましい。
電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送性物質があ
り、電子輸送性物質としては、例えば2,4,7−トリニト
ロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノ
ン、クロラニル、テトラシアノキノジメタンなどの電子
吸引性物質やこれら電子吸引性物質を高分子化したもの
などが挙げられる。
正孔輸送性物質としてはピレン、アントラセンなどの
多環芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、イ
ミダゾール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサ
ジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジア
ゾール系、トリアゾール系化合物などの複素環化合物、
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチ
リデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化
合物、α−フェニル−4′−N,N−ジフェニルアミノス
チルベン、5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジ
リデン]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンなどの
スチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリール
メタン系化合物、トリフェニルアミンあるいは、これら
の化合物から成る基を主鎖または側鎖に有するポリマー
(例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルア
ントラセンなど)が挙げられる。
これらの有機電荷輸送物質の他にセレン、セレン−テ
ルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウムなどの無
機材料も用いることができる。
また、これらの電荷輸送物質は1種または2種以上組
合せて用いることができる。
電荷輸送物質が成膜性を有していないときには適当な
バインダーを用いることができる。具体的には、アクリ
ル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポ
リマー、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム
などの絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマ
ーなどが挙げられる。
感光層が形成される導電性支持体としては、例えばア
ルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレ
ス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケ
ル、インジウム、金や白金などが用いられる。またこう
した金属あるいは合金を、真空蒸着法によって被膜形成
したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ア
クリル樹脂など)や、導電性粒子(例えばカーボンブラ
ック、銀粒子など)を適当なバインダー樹脂と共にプラ
スチックまたは金属基板上に被覆した支持体あるいは導
電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体などを用
いることができる。
導電性支持体と感光層の中間にバリヤー機能と接着機
能をもつ下引き層を設けることもできる。
下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロ
セルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイ
ロンなど)、ポリウレタン、酸化アルミニウムなどによ
って形成できる。
下引き層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μ
mが適当である。
本発明の別の具体例として、前述のジスアゾ顔料と電
荷輸送物質を同一層に含有させた電子写真感光体を挙げ
ることができる。この際、電荷輸送物質としてポリ−N
−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンからな
る電荷移動錯体を用いることもできる。
この例の電子写真感光体は、前述のジスアゾ顔料と電
荷移動錯体を適当な樹脂溶液中に分散させた液を塗布乾
燥して形成することができる。
いずれの電子写真感光体においても用いる顔料は一般
式(1)で示すジスアゾ顔料の結晶形は非晶質であって
も結晶質であってもよく、また必要に応じて一般式
(1)で示すジスアゾ顔料を2種類以上組み合せたり、
公知の電荷発生物質と組み合せて使用することも可能で
ある。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用する
のみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンタ
ー、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版な
どの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
次に、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置
並びにファクシミリについて説明する。
第1図に本発明のドラム型感光体を用いた一般的な転
写式電子写真装置の概略構成を示した。
図において、1は像担持体としてのドラム型感光体で
あり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動さ
れる。該感光体1はその回転過程で帯電手段2によりそ
の周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次い
で露光部3にて不図示の像露光手段により光像露光L
(スリット露光・レーザービーム走査露光など)を受け
る。
これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が
順次形成されていく。
その静電潜像は、次いで現像手段4でトナー現像さ
れ、そのトナー現像像が転写手段5により不図示の給紙
部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と
同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写され
ていく。
像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて像
定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピ
ー)として機外へプリントアウトされる。
像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6にて
転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光手
段7により除電手段がされて繰り返して像形成に使用さ
れる。感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ帯電装
置が一般に広く使用されている。また、転写装置5もコ
ロナ転写手段が一般に広く使用されている。
電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、クリ
ーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置
ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを
装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、
感光体1とクリーニング手段6とを一体化してひとつの
装置ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を
用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の
装置ユニットのほうに帯電手段および/または現像手段
を伴って構成しても良い。
また、光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、原稿を読み取り信号化し、この信号によ
りレーザービームの走査、発光ダイオードアレイの駆
動、または液晶シャッターアレイの駆動などにより行わ
れる。
また、ファクシミリのプリンターとして使用する場合
には、光像露光Lは受信データをプリントするための露
光になる。
第2図は、この場合の1例をブロック図で示したもの
である。
コントローラ10は画像読取部9とプリンター18を制御
する。
コントローラ10の全体はCPU16により制御されてい
る。
画像読取部からの読取りデータは、送信回路12を通し
て相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信
回路11を通してプリンター18に送られる。画像メモリに
は所定の画像データが記憶される。プリンタコントロー
ラ17はプリンター18を制御している。13は電話である。
回線14から受信された画像(回線を介して接続された
リモート端末からの画像情報)は、受信回路11で復調さ
れた後、CPU16は画像情報の信号処理を行い順次画像メ
モリ15に格納される。そして、少なくとも1ページの画
像がメモリ15に格納されると、そのページの画像記憶を
行う。CPU16は、メモリ15により1ページの画像情報を
読み出しプリンタコントローラ17に信号化された1ペー
ジの画像情報を送出する。
プリントコントローラ17は、CPU16からの1ページの
画像情報を受け取るとそのページの画像情報記録を行う
べく、プリンタ18を制御する。
なお、CPU16は、プリンター18による記録中に、次の
ページの受信を行っている。
以上のように、画像の受信と記録が行われる。
[実施例] 実施例1〜39 アルミ基板上にメトキシメチル化ナイロン(重量平均
分子量3万2千)5gとアルコール可溶性共重合ナイロン
(重量平均分子量2万9千)10gをメタノール95gに溶解
した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が1μm
の下引き層を形成した。
次に例示顔料(1)を5gをシクロヘキサノン95gにブ
チラール樹脂(ブチラール化度63モル%)を2gを溶かし
た液に加え、サンドミルで20時間分散した。この分散液
を先に形成した下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.2μm
となるようにマイヤーバーで塗布し、乾燥して電荷発生
層を形成した。
次に、下記構造式で示すヒドラゾン化合物5g とポリメチルメタクリレート(数平均分子量10万)5gを
クロロベンゼン40gに溶解し、これを電荷発生層の上に
乾燥後の膜厚が20μmとなるようにマイヤーバーで塗布
し、乾燥して電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真
感光体を作成した。
例示顔料(1)に代えて他の例示顔料を用い、実施例
2〜39に対応する電子写真感光体を全く同様にして作成
した。
作成した電子写真感光体を川口電機(株)製、静電複
写紙試験装置Model SP−428を用いて−5KVのコロナ放電
で負に帯電し、暗所で1秒間保持した後、ハロゲンラン
プを用いて照度10ルックスで露光し、帯電特性を評価し
た。
帯電特性としては、表面電位(VO)と暗所放置後の表
面電位が1/2に減衰するに必要な露光量(E1/2)を測定
した。結果を示す。
比較例1および2 実施例1に用いたアゾ顔料を下記構造式で示す比較顔
料(A)および(B)に代えた他は、実施例1と全く同
様にして電子写真感光体を作成し、同様に帯電特性を評
価した。結果を示す。
比較顔料(A) 比較顔料(B) この結果から、本発明の電子写真感光体は十分な帯電
能と優れた感度を有することが分かる。
実施例40〜43 実施例1で作成した電子写真感光体を−6.5KVのコロ
ナ帯電器、露光光学系、現像器、転写帯電器、除電露光
光学系およびクリーナーを備えた電子写真複写機のシリ
ンダーに貼り付けた。
初期の暗部電位VDと明部電位VLをそれぞれ−700V、−
200V付近に設定し、5千回繰り返し使用した際の暗部電
位の変動量(ΔVD)と明部電位の変動量(ΔVL)を測定
した。
実施例23、24および25で作成した電子写真感光体につ
いても同様に評価を行った。結果を示す。
なお、電位の変動量における負記号は電位の絶対値の
低下を表わし、正記号は電位の絶対値の増加を表わす。
比較例3および4 比較例1および2で作成した電子写真感光体を実施例
21と同じ方法で繰り返し使用時の電位変動量を測定し
た。結果を示す。
上記の結果から、本発明の電子写真感光体は繰り返し
使用時の電位変動が少ないことが分かる。
実施例44 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムのア
ルミ面上に膜厚0.5μmのポリビニルアルコールの下引
き層を形成した。この上に実施例1で用いたアゾ顔料の
分散液をマイヤーバーで塗布乾燥して、膜厚0.2μmの
電荷発生層を形成した。
次いで下記構造式のスチリル化合物5gと ポリカーボネート(数平均分子量5万5千)5gをテトラ
ヒドロフラン40gに溶かした液を電荷発生層の上に塗布
乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
作成した電子写真感光体について帯電特性と耐久特性
を実施例1と実施例40と同じ方法によって測定した。結
果を示す。
VO:−700V E1/2:1.8lux・sec ΔVD:−5V ΔVL:0V 実施例45 実施例1で作成した電子写真感光体の電荷発生層と電
荷輸送層を逆の順番で塗布した電子写真感光体を作成
し、実施例1と同じ方法で帯電特性を評価した。ただ
し、帯電は正帯電とした。
VO:+690V E1/2:4.3lux・sec 実施例46 実施例1で作成した電荷発生層の上に2,4,7−トリニ
トロ−9−フルオレン5gとポリ−4,4′−ジオキシジフ
ェニル−2,2−プロパンカーボネート(分子量30万)5g
をテトラヒドロフラン50gに溶かした液をマイヤーバー
で塗布乾燥して、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
作成した電子写真感光体について実施例1と同じ方法
で帯電特性を評価した。ただし、帯電は正帯電とした。
VO:−690V E1/2:3.9lux・sec 実施例47 例示顔料(1)を0.5gをシクロヘキサノン9.5gと共に
ペイントシェイカーで5時間分散した。ここへ実施例1
で用いた電荷輸送材料5gとポリカーボネート5gをテトラ
ヒドロフラン40gに溶かした液を加え、更に、1時間振
とうした。こうして調製した塗布液をアルミ基板上にマ
イヤーバーで塗布乾燥して膜厚20μmの感光層を形成し
た。
作成した電子写真感光体を実施例1と同じ方法で帯電
特性を評価した。帯電は正帯電とした。
VO:+700V E1/2:4.6lux・sec [発明の効果] 本発明の電子写真感光体は、感光層に特定構造のジス
アゾ顔料を用いたことにより、感光層内部における電荷
キャリアの発生効率ないしは注入効率のいずれか一方あ
るいは双方が改善され、感度や繰り返し使用時の電位安
定性に優れた特性が得られるという顕著な効果を奏し、
更に、電子写真装置並びにファクシミリに用いて同様の
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。 符号1は像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電
子写真感光体)、2はコロナ帯電装置、3は露光部、4
は現像手段、5は転写手段、6はクリーニング手段、7
は前露光手段、8は像定着手段、Lは光像露光、Pは像
転写を受けた転写材である。 第2図は電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。 符号9は画像読取部、10はコントローラ、11は受信回
路、12は送信回路、13は電話、14は回線、15は画像メモ
リ、16はCPU、17はプリンタコントローラ、18はプリン
ターである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に下記一般式(1)で示す
    ジスアゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴とす
    る電子写真感光体。 一般式 式中、Z1は酸素原子、硫黄原子またはジシアノメチレン
    基を表わし、A1およびA2は同一または異なってフェノー
    ル性水酸基を有するカプラー残基を表わす。
  2. 【請求項2】感光層が一般式(1)で示すジスアゾ顔料
    を含有する電荷発生層と、電荷輸送層の少なくとも二層
    からなる請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電子写真感光体を備えた電
    子写真装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の電子写真感光体およびリモ
    ート端末からの画像情報を受信する受信手段を有するフ
    ァクシミリ。
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