JP2617868B2 - 地下構造物用蓋 - Google Patents

地下構造物用蓋

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JP2617868B2
JP2617868B2 JP5260375A JP26037593A JP2617868B2 JP 2617868 B2 JP2617868 B2 JP 2617868B2 JP 5260375 A JP5260375 A JP 5260375A JP 26037593 A JP26037593 A JP 26037593A JP 2617868 B2 JP2617868 B2 JP 2617868B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下構造物等の上部に
設置される地下構造物用蓋に関し、特に、蓋本体の開閉
に使用する蓋開閉用バールを挿入するバール孔が設けら
れた地下構造物用蓋に関する。なお、本願明細書でいう
「地下構造物用蓋」とは、下水道における地下埋設物,
地下構造施設等と地上とを通じる開口部を閉塞する大型
鉄蓋,マンホール蓋,汚水桝蓋、電力・通信における地
下施設機器や配線等を保護する開閉可能な共同溝用鉄
蓋,送電用鉄蓋,配電用鉄蓋、上水道やガス配管におけ
る路面下の埋設導管及びその付属機器と地上とを結ぶ開
閉扉としての機能を有する消火栓蓋,制水弁蓋,仕切り
弁蓋,空気弁蓋,ガス配管用蓋,量水器蓋等を総称す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、地下構造物用蓋の受枠の開口
部を開閉可能に閉止する蓋本体の周縁には蓋本体を開閉
するための蓋開閉用バールを挿入するバール孔が設けら
れており、この地下構造物用蓋のバール孔については、
種々の提案がなされている。例えば、実公昭58−57
12号公報、実開平2−26646号公報に有底のバー
ル孔を備えた地下構造物用蓋が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
地下構造物用蓋のバール孔は、蓋本体の側方から見ると
縁巻を切欠した状態となっているため、受枠に対して蓋
本体が傾斜して支持されると、受枠内周面と前記切欠部
との間に地下構造物内部と連通する隙間が生じる。した
がって、該隙間から雨水等が地下構造物内に流入してし
まい、下水処理量が増大するという問題や、臭気が地上
に漏れることにより環境衛生上も好ましくなかった。本
発明は、上記の課題を解決するためになされたものであ
り、受枠内周面と蓋本体のバール孔との間に隙間が生じ
ない地下構造物用蓋を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の地下構造物用蓋は、受枠に支持される蓋本
体の周縁一部に、蓋本体の縁巻の一部により構成される
外壁部と、左右の側壁部と内壁部及び底板部で囲まれて
上方にのみ開口する袋状の凹部を形成し、前記外壁部の
上端に、蓋本体の中心方向に向けて張り出させて蓋開閉
用バールの鉤部が係合可能となる張出部を設けたこと
特徴とする。また本発明によれば、張出部は、外壁部の
上端全長に設けられ、若しくは外壁部の上端一部に設け
られているものである
【0005】
【作用】上記構成を有する本発明の地下構造物用蓋にあ
っては、受枠に支持される蓋本体の周縁一部に、蓋本体
の縁巻の一部により構成される外壁部と、左右の側壁部
と内壁部及び底板部で囲まれて上方にのみ開口する袋状
の凹部を形成したことにより、設置したとき受枠と蓋本
体のバール孔との間に地下構造物内部と連通する隙間が
生じるのを防止する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。本発明の第1実施例である地下構造物用蓋1の
全体構成を図1及び図2に示す。地下構造物用蓋1は、
下水道等の地下構造物へ通じる縦孔等の地上部に設けら
れる略円環状の受枠2と、この受枠2の開口部を開閉可
能に閉止する蓋本体3とを図3に示すように蝶番6で連
結させている。
【0007】前記蓋本体3は、周縁全体に外周面を下向
きに縮径するように傾斜させた縁巻17を形成し、該蓋
本体3の裏面周縁には受枠2と連結するための蝶番6を
取付ける蓋側取付部5が形成されるとともに、該蓋側取
付部5の反対側には蓋本体3の表面側を開口させたバー
ル孔15が形成されている。
【0008】該バール孔15は、蓋本体3の縁巻17の
一部により構成される外壁部17aと、左右の側壁部1
7b、17bと内壁部17c及び底板部17dとで囲ま
れて上方にのみ開口する袋状の凹部16を形成し、前記
外壁部17aの上端に、蓋本体3の中心方向に向けて張
り出させて蓋開閉用バールの鉤部が係合可能となる張出
部21を設けている。そして、張出部21を張り出させ
たことにより、蓋本体3の表面には、図4に示すよう
に、G方向における幅L1およびG方向に直交するH方
向における幅L2からなる略長方形状の開口部19が形
成されている。
【0009】また前記凹部16は、H方向における幅L
2および該幅L2よりも略狭く形成されH方向に直交す
るG方向における幅L3とからなる略4分割円状に形成
されている。なお、底板部17dの外壁部17a側に形
成されている段部22は、蓋本体3の縁巻17の高さと
凹部16の深さとの差によって設けたものである。
【0010】前記受枠2は、内周に下方に向けて縮径す
ように傾斜させて、前記蓋本体3の縁巻17を嵌合す
る内周面18を形成するとともに、前記蓋側取付部5に
対応する位置に蝶番6を取付ける蝶番受座4が形成さ
れ、さらに、前記蓋本体3のバール孔15に対応する受
枠2の上端面には係止用凹部23を形成している。
【0011】前記蝶番6は、長孔7Hを有する第1蝶番
部材6Aと第2蝶番部材6Bとからなり、第1蝶番部材
6Aの一端は受枠2の蝶番受座4に取付けられ、第2蝶
番部材6Bの一端は蓋本体3の蓋側取付部5に取付けら
れるとともに、他端は前記第1蝶番部材6Aの長孔7H
に摺動可能に取付けられている。
【0012】前記蓋本体3を受枠2に嵌合支持させる場
合は、蓋本体3の蓋側取付部5と受枠2の蝶番受座4と
を蝶番6で連結して受枠2の傾斜させた内周面18で、
蓋本体3の傾斜した縁巻17を嵌合して支持する。この
とき、蓋本体3のバール孔15は外壁部17aと、左右
の側壁部17b、17bと内壁部17c及び底板部17
dで囲まれて上方にのみ開口する袋状の凹部16によっ
て構成されるので受枠2の内周面18との間に地下構
造物内部と連通する隙間は形成されない。
【0013】次に、受枠2に嵌合支持された蓋本体3を
開蓋する場合について説明するが、開蓋するに際しては
専用の蓋開閉用バール30を使用する。該蓋開閉用バー
ル30は、図ないし図11において、バール本体33
の一端にフック状に曲がった先端部31を形成し、該先
端部31の先端に鉤部32を形成しており、さらに、バ
ール本体33の一端で前記先端部31が曲がった側に係
止爪部35を突設している。
【0014】なお、先端部31は、B矢視で厚みL4、
N矢視で幅L5に形成されており、これは、前記蓋本体
3の開口部19と比較して、幅L2>幅L3>幅L5お
よび幅L1>厚みL4の関係となっている。特に、幅L
3を幅L5よりわずかに広く形成している。
【0015】前記蓋開閉用バール30を使用して開蓋す
る場合は、図4及び図6ないし図8に示すように、蓋開
閉用バール30の先端部31を前記開口部19から凹部
16内に挿入するが、凹部16の平面視4分の1円弧と
なる円弧側に鉤部32および係止爪部35を向けて挿入
した後、係止爪部35が受枠2の上端面に形成した係止
用凹部23に一致するように90度水平方向に回転させ
る。このとき、蓋開閉用バール30の鉤部32は、外壁
部17aの上端に蓋本体3の中心方向に向けて張り出さ
せた張出部21の下方に位置する。
【0016】次に、係止用凹部23に係止させた係止爪
部35を「てこ」の支点として、蓋開閉用バール30に
I方向の回転モーメント力を加えると、凹部16の幅L
3が蓋開閉用バール30の先端部31の幅L5よりもわ
ずかに広いだけであるため、ガタつくことなく張出部2
1の係止部21aに係合した鉤部32が蓋本体3を押し
上げ、嵌合支持が解かれる。このとき、万が一係止部2
1aまたは鉤部32の摩耗等により開蓋時に係止状態が
ずれても、開口部19の幅L1が蓋開閉用バール30の
先端部31の幅L5より狭いため、蓋開閉用バール30
がバール孔15から抜けることはない。また、このずれ
た状態では、縁巻17の一部により構成される外壁部1
7aに対向する内壁部17cに先端部31が接触して蓋
本体を押し上げる力として加えられる。
【0017】その後、蓋開閉用バール30をJ矢視方向
に引き上げて、蓋本体3を受枠2の縁に載置し、そのま
ま蝶番6を中心として水平旋回させて開蓋したり、手に
持ち替えて180度反転させて開蓋することができる。
【0018】次に、本発明の地下構造物用蓋の第2実施
例をバール孔15a付近の構成について図12及び図
に示す。
【0019】該バール孔15aは、縁巻17の一部を構
成する外壁部17aと、左右の側壁部17b、17bと
内壁部17c及び底板部17dで囲まれて上方にのみ開
口する袋状の凹部16aを形成し、前記外壁部17aの
中央一部から凹部16a内に向けて係止部21cを下面
に有した張出部21bを張り出させている。また、受枠
2の上端面にはバール孔15aに対応する位置に係止用
凹部23aを形成している。
【0020】上記のバール孔15aに差し込まれて使用
される蓋開閉用バール30aの構成を図12及び図14
に示す。これらの図に示すように、蓋開閉用バール30
aは、その一端に屈曲した角形の先端部31aを形成
し、該先端部31aが屈曲した側に、上記の係止用凹部
23aに食い込むことにより支持される係止用爪部35
aを有して構成されている。先端部31aは、その中央
部分が開口しており、この開口部が上記の張出部21b
と嵌合するように形成されている。この先端部31aの
先端は、張出部21bの下面に形成した係止部21cに
係合させる係合用斜面部36aを形成している。
【0021】次に、上記のバール孔15aと蓋開閉用バ
ール30aの協動作用により、蓋本体3aが開閉される
動作について、以下に説明を行う。図12の状態から、
係止用爪部35aを「てこ」の支点として、Q方向に回
転モーメント力を加えると、係止用爪部35aを「て
こ」の支点とする力は、係合用斜面部36aが張出部2
1bを下方から押し上げる力となって加えられる。従っ
て、蓋本体3aは、僅かに上方に持ち上げられ、嵌合支
持が解かれる。
【0022】以上説明したように、本実施例の地下構造
物用蓋にあっては、バール孔を蓋本体の縁巻の一部によ
り構成される外壁部と、左右の側壁部と内壁部及び底板
部で囲まれて上方にのみ開口する袋状の凹部としたこと
により、受枠への嵌合が傾斜していても、地下構造物内
とバール孔とを連通する隙間が形成されない。そのた
め、雨水等が地下構造物内に流入することがなく、下水
処理量の増加を防止することができる。さらに、地下構
造物内の臭気が地上に漏れないため、環境衛生上も問題
が発生しない。また、開蓋時、蓋開閉用バールが受枠の
内周面に当接しないため、内周面を損傷させることがな
く蓋本体を確実に嵌合支持することができる。また、張
出部を外壁部の上端一部に設けた場合には、凹部に堆積
した土砂を排出しやすくなる。更に、本発明の地下構造
物用蓋においては、バール及びバール孔の形状を任意
設定できるので、地下構造物用蓋の設計の自由度が増大
し、仕様に対応させて最適な形状のバール及びバール孔
を選択して製造することができる等、実用的価値の高い
ものとなる
【0023】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特
許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な
構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる
ものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0024】例えば、前記実施例では、張出部を凹部の
外壁部の上端全長または中央の一部に張り出させた構成
としているが、図15に示すように、外壁部17aの上
端両側に張出部21dを張り出させてバール孔15bの
両コーナー部分に位置させてもよい。このとき、開蓋す
るのに使用する蓋開閉用バール30bは、図16に示す
ように、先端に左右に突出する係合部37を形成してお
り、前記バール孔15bの両コーナー部分に位置する
出部21dに、蓋開閉用バール30bの係合部37を係
合させて嵌合支持を解くようにしている。
【0025】また、実施例での張出部に加えて凹部の
壁部の上部からも突出部を張り出させたバール孔を有す
る蓋本体であってもよい。この蓋本体を開蓋する場合
は、まず該突出部の下部に蓋開閉用バールの先端を係合
させ、蓋開閉用バールの係止爪部を「てこ」の支点とし
て力を加えて受枠との嵌合を解いた後、張出部に蓋開閉
用バールの先端を係合させて受枠上に引き出すようにし
てもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の地下構造
物用蓋にあっては、受枠に支持される蓋本体の周縁一部
に、蓋本体の縁巻の一部により構成される外壁部と、左
右の側壁部と内壁部及び底板部で囲まれて上方にのみ開
口する袋状の凹部を形成したことにより、設置したとき
受枠と蓋本体のバール孔との間に地下構造物内部と連通
する隙間が生じない。そのため、受枠に対して蓋本体が
傾斜して嵌合されていても同様に隙間は形成されず、雨
水等の流入を防止し、下水処理量が増加するという問題
を防止することができる。また、地下構造物内の臭気が
地上に漏れるのを防止できるため、環境衛生上も問題が
発生しない。また、外壁部の上端に、蓋本体の中心方向
に向けて張り出させて蓋開閉用バールの鉤部が係合可能
となる張出部を構成したため、蓋開閉用バールの先端を
前記張出部に係合させることにより、受枠の内周面を損
傷することなく容易に開蓋することができる。更に、張
出部を外壁部の上端一部に設けた場合には、凹部に堆積
した土砂を排出しやすくなる。また、袋状の凹部が、蓋
本体の縁巻の一部により構成される外壁部と、左右の側
壁部と内壁部及び底板部で囲まれて上方にのみ開口する
ので、開口部分にゴム等のキャップを被着した場合には
凹部を密に閉塞することができるため、土砂等が堆積す
るのを防止することができる。したがって、開蓋する場
合には凹部に被着したキャップをはずすだけで蓋開閉用
バールを容易に挿入することができ、堆積した土砂を排
出する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるマンホール蓋の全体
構成を示す一部切欠平面図である。
【図2】図1に示す蓋本体の底面図である。
【図3】バール孔および蝶番連結部分を示す断面図であ
る。
【図4】図1に示すバール孔へ蓋開閉用バールを横方向
から差込み、約90度回動するまでの動作を説明する平
面図である。
【図5】バール孔の部分の横断面図である。
【図6】図4において蓋開閉用バールを差込み後、約9
0度回動した状態をH方向から見た側断面図である。
【図7】図6の状態から蓋本体が僅かに持ち上げられ開
かれた状態を示している。
【図8】図6の状態から僅かに持ち上げられた蓋本体を
そのまま斜め上方のJ方向にずらしつつ引き上げている
状態を示している。
【図9】本発明の第1実施例である地下構造物用蓋の開
閉に使用する蓋開閉用バールの先端部付近を示す斜視図
である。
【図10】本発明の第1実施例である地下構造物用蓋の
開閉に使用する蓋開閉用バールの先端部付近を図9にお
けるM方向から見た側面図である。
【図11】本発明の第1実施例である地下構造物用蓋の
開閉に使用する蓋開閉用バールの先端部付近を図10に
おけるN方向から見た正面図である。
【図12】本発明の第2実施例である地下構造物用蓋
バール孔に蓋開閉用バールを差し込んだ状態を示す側断
面図である。
【図13】本発明の第2実施例である地下構造物用蓋
おけるバール孔の構成を示す平面図である。
【図14】本発明の第2実施例である地下構造物用蓋の
開閉に使用する蓋開閉用バールの先端部付近の構成を示
す斜視図である。
【図15】バール孔の他の実施例を示す平面図である。
【図16】図15のバール孔に係合させる蓋開閉用バー
ルの先端部付近の構成を示す斜視 図である。
【符号の説明】
1 地下構造物用蓋 2,2a 受枠 3,3a 蓋本体 4 蝶番受座 5 蓋側取付部 6 蝶番 6A 第1蝶番部材 6B 第2蝶番部材 7H 長孔 15,15a,15b バール孔 16,16a 凹部 17 縁巻 17a 外壁部 17b 側壁部 17c 内壁部 17d 底板部 18 内周面 19 開口部 21,21b 張出部 21a,21c 係止部 22 段部 23,23a 係止用凹部 30,30a,30b 蓋開閉用バール 31,31a,31b 先端部 32 鉤部 33 バール本体 35,35a,35 係止用爪部 36a 係合用斜面部 37 係合部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受枠に支持される蓋本体の周縁一部に、
    蓋本体の縁巻の一部により構成される外壁部と、左右の
    側壁部と内壁部及び底板部とで囲まれて上方にのみ開口
    する袋状の凹部を形成し、前記外壁部の上端に、蓋本体
    の中心方向に向けて張り出させて蓋開閉用バールの鉤部
    が係合可能となる張出部を設けたことを特徴とする地下
    構造物用蓋。
  2. 【請求項2】 張出部は、外壁部の上端全長に設けられ
    ている請求項1に記載の地下構造物用蓋
  3. 【請求項3】 張出部は、外壁部の上端一部に設けられ
    ている請求項1に記載の地下構造物用蓋
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JPS585712U (ja) * 1981-07-06 1983-01-14 株式会社東芝 プラスチツク製パネル
JPS5923089U (ja) * 1982-08-03 1984-02-13 三菱電機株式会社 冷蔵庫箱体

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