JPH09125507A - 便器用底蓋、便器の防露改装方法及び便器の据付工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洋風便器の据付作業を容易に行なえ、しかも
排水管又は排水ソケットと排水口とを確実に水密的に嵌
合させることができる便器用底蓋及び便器据付工法を提
供する。既設の洋風便器に対しても容易に防露用底蓋を
装着できる便器の防露改装工法を提供する。 【解決手段】 底蓋１は、洋風便器２の底面に内嵌する
外形形状のものであり、この上面には周縁部に沿って凸
条３が周設されている。この底蓋１には、洋風便器固定
用ボルトの挿通用の開口４と、排水ソケット５の挿通用
の開口５とが設けられている。開口４の周囲にはリング
状の凸部７が設けられている。開口６の周囲には、排水
ソケット５の外筒部５ａの外周面に弾性的に密着するリ
ップ部８が設けられている。このリップ部８も、凸部７
と同様に底蓋１の上面から上方に突出している。この底
蓋１は、洋風便器２を据え付けるに先立って予め床面Ｆ
上に敷設される

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洋風便器の底蓋と、
底蓋を用いた防露改装方法及び据付工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の洋風便器の防露方法として、洋風
便器の底面に発泡ポリウレタン等の断熱材よりなる板状
の底蓋を嵌合させることがある（実公平１−３７０２４
号公報第３欄第２９行〜第３１行）。

【０００３】従来、洋風便器をトイレルームの床面上に
据え付けるには、トイレルームの底面上に洋風便器を載
置し、ボルトで固定するようにしている。床排水型の洋
風便器の場合、トイレルームの床面から排水管が突出し
ているので、この排水管にゴムパッキン又は排水ソケッ
トを装着した後、該排水管又は排水ソケットと洋風便器
の排水口とが嵌合するように洋風便器を床面上に静かに
降ろし、次いで洋風便器をボルトで床面に固定する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】実公平１−３７０２４
号公報では、底蓋を洋風便器底面に嵌合させるには、洋
風便器をひっくり返して洋風便器底面を上向きとし、こ
の状態で底蓋を該底面に嵌合させるようにする必要があ
り、作業に大きな労力を要する。

【０００５】また、既設の洋風便器の場合には、洋風便
器をひっくり返したときに洋風便器内に残っていた水が
流出し、トイレルーム床面を汚すおそれが大きい。

【０００６】従来の床排水型便器の据付工法において
は、洋風便器を床面上に降ろす際に排水口と排水管又は
排水ソケットとを正確に位置合わせして嵌合させる必要
があり、作業に熟練を要する。また、たとえ作業員が熟
練していても、この嵌合作業時に洋風便器の位置を前後
左右に動かした場合、パッキンがずれ、接続部の水密性
が損なわれるおそれもある。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点を解決し、洋
風便器の据付作業を容易に行なえ、しかも排水管又は排
水ソケットと排水口とを確実に水密的に嵌合させること
ができる便器用底蓋及び便器据付工法を提供することを
目的とする。

【０００８】また、本発明は、既設の洋風便器に対して
も容易に防露用底蓋を装着できる便器の防露改装工法を
提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の便器用底蓋は、
洋風便器の底面に内嵌される底蓋において、該底蓋の周
縁部の上面に、該周縁部に沿って延在する凸条を設けた
ことを特徴とするものである。

【００１０】この便器用底蓋は、これをトイレルームの
床面上の所定位置に敷設し、この底蓋を底面に嵌合させ
るように洋風便器を該床面上に降ろして洋風便器の設置
を行なうように用いられる。

【００１１】この便器用底蓋には、周縁部に凸条が延設
されているため、洋風便器底面に該底蓋が嵌合する際に
該凸条がガイドの役割を果すようになり、洋風便器底面
に該底蓋を容易に嵌合させることができる。

【００１２】また、この凸条を設けたことにより、底蓋
の上に便器から結露水が落下してきた場合、この水が底
蓋周囲に流れ落ちることが防止される。

【００１３】この洋風便器据付工法は、既設の洋風便器
を持ち上げた後、再びトイレルーム床面上に据え付ける
場合でも、また新規に洋風便器をトイレルーム床面上に
据え付ける場合でも適用できる。

【００１４】なお、既設の洋風便器を持ち上げた後、こ
の便器用底蓋をトイレルーム床面上に敷設し、この底蓋
を底面に内嵌させるように洋風便器を降ろして再据え付
けする場合、洋風便器をひっくり返す必要が全くなく、
洋風便器内の残水が床面にこぼれ落ちることがない。

【００１５】この便器用底蓋には、便器固定用ボルトや
排水管又は排水ソケットの挿通用の開口を設けておくの
が好ましい。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態について図１，
２を参照して説明する。図１は実施の形態に係る便器用
底蓋の斜視図、図２はこの底蓋を装着した洋風便器の断
面図である。この底蓋１は、洋風便器２の底面に内嵌す
る外形形状のものであり、この上面には周縁部に沿って
凸条３が周設されている。この底蓋１には、洋風便器固
定用ボルト（図示略）の挿通用の開口４と、排水ソケッ
ト５の挿通用の開口６とが設けられている。

【００１７】開口４の周囲にはリング状の凸部７が設け
られている。開口６の周囲には、排水ソケット５の外筒
部５ａの外周面に弾性的に密着するリップ部８が設けら
れている。このリップ部８も、凸部７と同様に底蓋１の
上面から上方に突出している。

【００１８】この排水ソケット５は、外筒５ａと内筒５
ｂとの間に床排水管（図示略）の上部がパッキンを介し
て挿入される。この排水ソケット５は、フランジ部５ｃ
がビスによってトイレルーム床面Ｆに固定される。この
外筒５ａの上端部にパッキン９が装着され、このパッキ
ン９の中央孔を通して外筒５ａの上部に洋風便器２の排
水口１０が挿入される。

【００１９】このように底蓋１を底面に内嵌された洋風
便器２にあっては、トラップ部１１と底蓋１との間の空
間部が密閉状となるため、トラップ部１１や排水口１０
付近を保温し、トラップ部１１や排水口１０の外面の結
露や、トラップ部１１の凍結を防止ないし抑制できる。

【００２０】また、仮にトラップ部１１等に結露が生
じ、この水滴が底蓋１上に落下したとしても、この底蓋
１の周縁に凸条３が周設されているため、水が底蓋１の
外方へ流れ落ちることがない。

【００２１】さらに、開口４，６の周囲に凸条７、リッ
プ部８が上方に立ち上げられているため、この開口４，
６から水が流れ落ちることもない。

【００２２】加えて、排水口１０の外面に結露が生じ、
この結露水が排水ソケット５の外面を伝って流れ落ちて
きたとしても、この水はリップ部８から底蓋１上に伝わ
るようになり、開口６から流れ出ることがない。

【００２３】この底蓋１は、洋風便器２を据え付けるに
先立って予め床面Ｆ上に敷設される。

【００２４】この実施の形態にあっては、まず排水ソケ
ット５を床面Ｆに固定し、この排水ソケット５の外筒部
５ａを開口６に挿入するようにして底蓋１を床面Ｆ上に
敷設し、該底蓋１の長手方向を据付予定洋風便器２の前
後方向に正確に合わせる。

【００２５】次いで、この底蓋１が底面に嵌合するよう
に、上方から洋風便器２を静かに床面Ｆ上に降ろす。こ
の場合、凸条３によって洋風便器２の底部内面が案内さ
れるので、洋風便器２の底面に底蓋１を容易に嵌合でき
る。

【００２６】その後、洋風便器２のボルト孔１２（図
２）及び底蓋１の開口４を通して便器固定用ボルトを床
面Ｆに螺じ込み、洋風便器２を固定する。

【００２７】底蓋１を備えていない既設の洋風便器２に
底蓋１を装着するには、まず便器固定用ボルトを外し、
洋風便器２を持ち上げる。この後は、上記と同様に底蓋
１を排水ソケット５に係合させつつ敷設し、次いで洋風
便器２を降ろし、便器固定用ボルトを再び床面Ｆにねじ
込む。

【００２８】このような洋風便器２の据付工法及び防露
改装工法にあっては、洋風便器２の底部を底蓋１に嵌合
させるように洋風便器２を静かに床面Ｆ上に降ろすだけ
で、排水口１０がパッキン９を通って排水ソケット５の
上部に確実に挿入される。この際、洋風便器２を前後左
右に頻繁に動かして排水口１０を排水ソケット５に挿入
することが不要であり、洋風便器２の底部を底蓋１の上
方に配置した後、真直ぐ鉛直下方に洋風便器２を降ろす
だけでよく、作業が簡単である。また、排水口１０がパ
ッキン９を強く擦ることもなく、パッキン９のめくれ等
もなく、排水口１０がパッキン１０を介して排水ソケッ
ト５の上部に水密的に嵌合するようになる。

【００２９】また、既設の洋風便器２に底蓋１を装着す
るに際し、取り外した洋風便器２を傾けたりひっくし返
す必要がなく、洋風便器２から残留水がこぼれることも
全くない。さらに、洋風便器２の上面にロータンク１３
を取り付けたまま作業を行える。

【００３０】なお、底蓋１としては、発泡スチロール、
発泡ポリウレタン、発泡ゴムなどの断熱材よりなるもの
が好適である。

【００３１】上記説明では、排水ソケット５と排水口１
０とを嵌合させているが、配水管に対し直接的に排水口
を接続する場合でも本発明を適用できることは明らかで
ある。

【００３２】

【発明の効果】以上の通り、本発明によると、洋風便器
底面に容易に底蓋を装着でき、洋風便器に簡単に防露施
工することが可能となる。また。トラップ部などの結露
を防止ないし抑制できる。さらに、仮に結露水がトラッ
プ部等から落ちてきても、外部に流出することを防止で
きる。

【００３３】本発明によると、洋風便器据付作業時に配
水管や排水ソケットと洋風便器排水口とを簡単に嵌合さ
せることができる。

【００３４】本発明によると、既設の洋風便器に底蓋を
装着する場合、洋風便器から水がこぼれることがなく、
床面を便器残留水で汚すこともない。また、洋風便器に
ロータンクを取り付けたまま作業を行なえ、きわめて便
利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る底蓋の斜視図である。

【図２】実施の形態に係る底蓋の装着状態を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ 底蓋 ２ 洋風便器 ３ 凸条 ４ ボルト挿通用開口 ５ 排水ソケット ６ 排水ソケット挿通用開口 ７ 凸部 ８ リップ部 １０ 排水口 １１ トラップ部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洋風便器の底面に内嵌される底蓋におい
   て、該底蓋の周縁部の上面に、該周縁部に沿って延在す
   る凸条を設けたことを特徴とする便器用底蓋。
2. 【請求項２】 請求項１において、便器取付ボルト挿通
   用の開口が設けられていることを特徴とする便器用底
   蓋。
3. 【請求項３】 請求項２において、排水管又は排水ソケ
   ットを挿通させるための開口が設けられていることを特
   徴とする便器用底蓋。
4. 【請求項４】 既設の洋風便器に対し防露改装を行なう
   便器の防露改装方法において、該洋風便器をトイレルー
   ム床面に固定しているボルトを取り外し、該洋風便器を
   上方に持ち上げ、請求項２又は３の便器用底蓋を該床面
   上に敷設した後、該底蓋を底面に内嵌させるように該洋
   風便器を該床面上に載置し、次いで該洋風便器をボルト
   にて床面に固定することを特徴とする便器の防露改装方
   法。
5. 【請求項５】 洋風便器をトイレルームの床面上に載置
   して据え付ける便器の据付工法において、 請求項２又は３の底蓋を該床面上に敷設した後、該底蓋
   を底面に内嵌させるように該洋風便器を該床面上に載置
   することを特徴とする便器の据付工法。