JPH0328216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば都市ガス供給のために地下に
埋設された配管を開閉する地下埋設弁を地上より
操作するために地表面下に埋設されたバルブボツ
クスに関するものである。

〔従来の技術〕

従来一般的に使用されているバルブボツクス
は、地表面下に設置されたコンクリート等で形成
された環状の側壁と、石等によつて形成された底
壁と、上部開口を閉止する鉄等により形成された
上蓋とを有し、地下埋設弁を操作する操作具を通
すための鞘管が底壁中央からバルブボツクス内に
突出している。鞘管の上端は、通常時、中蓋によ
つて密封閉止されている。

地下埋設弁操作時には、先ず、バルブボツクス
の上蓋を開き、次に、該鞘管の上端の中蓋を開
き、地下埋設弁を操作するための操作具を該鞘管
に通し、その下端を弁の作動部に係合させて、こ
れにより地下埋設弁の操作を行う。このようにし
て、地下埋設弁を地上より操作することができ
る。

上述のように、地下埋設弁用バルブボツクス
は、常時、上蓋によつて閉止されていて、この上
蓋を地表面と同一平面としておくことによつて、
地上に何等かの障害、例えば交通上の障害を与え
ることがなく、また、地下埋設弁の開閉操作の必
要が生じた時に上蓋をあけて地表面から地下埋設
弁の操作を可能とするものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この種のバルブボツクスは、上述のように、上
蓋が地表面と同一平面となるように設置されるの
で、上蓋と側壁上縁との隙間あるいは上蓋に設け
られている小孔から雨水または泥水がバルブボツ
クス内に侵入することが多く、上蓋をあけた時
に、バルブボツクス内に泥がつまつていたり、雨
水が充満していることが、しばしば生ずる。その
ため、弁の操作に先立つて、バルブボツクス内の
水をかき出したり、泥を取り出す作業が必要とな
つて、弁操作に支障をきたすことになる。また、
バルブボツクス内に雨水がたまつた状態で中蓋を
あけると、折角、中蓋によつて密封閉止されてい
た地下埋設弁操作具挿入用鞘管内に水が流入して
地下埋設弁に悪影響を与える。

〔考案の目的〕

本考案は、従来の地下埋設弁用バルブボツクス
における上述の問題点を解決し、弁操作の際に、
バルブボツクス内の空間に水あるいは泥が充満し
ている状態を生ずるのを防止し、地下埋設弁の操
作を容易ならしめることを目的とするものであ
る。

〔考案の構成〕

上記の目的を達成する手段として、本考案は、
地下埋設弁を地上より操作するために地表面下に
埋設され、常時、上蓋によつて閉鎖されているバ
ルブボツクス内に設置されるようにしたバルブボ
ツクス充填部材であつて、バルブボツクスの底部
中央からバルブボツクス内に突出し、常時、中蓋
により密封閉止されている地下埋設弁操作具挿入
用鞘管と該バルブボツクスの側壁および底壁の間
に形成される環状空間をほぼ完全に充填するよう
に、バルブボツクス内に取出自在に設置されるこ
とを特徴とする地下埋設弁用バルブボツクスの充
填部材を提供する。

〔実施例〕

以下、第１図および第２図を参照して本考案の
一実施例を説明する。第１図は、本考案に係る充
填部材を地下埋設弁用バルブボツクス内に設置し
た状態を示す断面図、第２図は、本考案充填部材
の一実施例を示す斜視図である。

第１図において、１は地表面、２はバルブボツ
クス、３はその中に設置された充填部材を示す。
バルブボツクスは、コンクリート製の環状側壁
４、グリ石によつて形成された底壁５、上部開口
を常時閉止している鉄製の上蓋６を有している。
地下埋設弁（図示せず）を操作するための操作具
を挿入する鞘管７が底壁中央からバルブボツクス
内に突出し、その上端は中蓋８によつて常時密封
閉鎖されている。

地下埋設弁の開閉操作をする時には、先ず、上
蓋６を開き、次に、中蓋８を取外し、弁操作具を
鞘管７の中に通し、その下端を弁の操作部に係合
させて、操作具により弁の操作を行う。

本考案に係る充填部材３は、上記の鞘管７とバ
ルブボツクスの底壁５と側壁４とによつて囲まれ
た環状空間をほぼ完全に充填するような環状構造
のものとして形成されバルブボツクス内に取出自
在に設置されるようになつている。この充填部材
は、例えば、発泡スチロールの一体成型により形
成され、図示のものでは、設置および取出しを容
易にするために把手９が一体に形成されている。
また、充填部材の設置または取出しの際のエア抜
きまたは水抜きのために充填部材を垂直に貫通す
る貫通孔１０が形成されている。

〔作用〕

上記の充填部材は、弁の操作が終了し中蓋８を
閉じた後に、バルブボツクス２内に設置され、そ
の後、上蓋６が閉じられる。このように充填部材
をバルブボツクス内に設置しておけば、バルブボ
ツクス内の空間は殆んど充填部材によつて占めら
れていて雨水または泥が侵入する余地は殆んどな
くたとえ水または泥がバルブボツクス内に流入す
るとしても、その量は極めて少量である。従つ
て、弁操作の際、上蓋６を開いて充填部材をとり
出せば、バルブボツクス内に水または泥が殆んど
残留せず、たとえ少量の水が残留するとしても、
その水位は鞘管７の上端よりずつと下方に位置
し、従つて、中蓋を開けた時に水が鞘管の中に流
入する恐れは全くない。また、図示のように充填
部材を上下に貫通する貫通孔を設けることによつ
て、充填部材の設置および取出しは容易とされ
る。

〔考案の効果〕

上述のように、本考案によれば、バルブボツク
ス内に溜まる水または泥は最少量としておくこと
ができ、弁操作にあたつてバルブボツクス内にた
まつている水をかき出したり或いは泥を除去した
りする必要がなくなり、従つて、地下埋設弁操作
の作業性が著しく改良される。また、このような
充填部材を設置しておくと、この部材を取出さな
い限り弁の操作ができないため、弁の操作ミス防
止という効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る充填部材を地下埋設弁用
バルブボツクス内に設置した状態を示す断面図、
第２図は本考案充填部材の一実施例を示す斜視図
である。 １……地表面、２……バルブボツクス、３……
充填部材、４……側壁、５……底壁、６……上
蓋、７……鞘管、８……中蓋、９……把手、１０
……貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地下埋設弁を地上より操作するために地表面下
   に埋設され、常時、上蓋によつて閉鎖されている
   バルブボツクス内に設置されるようにしたバルブ
   ボツクス充填部材であつて、バルブボツクスの底
   部中央からバルブボツクス内に突出し、常時、中
   蓋により密封閉止されている地下埋設弁操作具挿
   入用鞘管と該バルブボツクスの側壁および底壁の
   間に形成される環状空間をほぼ完全に充填するよ
   うに、バルブボツクス内に取出自在に設置される
   ことを特徴とする地下埋設弁用バルブボツクスの
   充填部材。