JP2617190B2 - 文字列出力装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、複数の文字を含む文字列を出力する文字列
出力装置に関する。

［従来の技術］ 従来、ワードプロセッサにおいては、明朝体等の一定
の字体によって表現されているキャラクタジェネレータ
内のドットパターンを読み出して例えば１行印字する場
合、各文字のドットパターンを傾体文字、転回文字等の
ような文字形態に変更することができるが、変更可能な
文字形態は予めメーカサイドによって決められている複
数の文字形態の中から所望する文字形態を選択すること
によって行っていた。

［発明が解決しようとする問題点］ このように複数の文字形態の中から所望する文字形態
を選択してドットパターンを変更するものにおいては、
選択可能な文字形態が限られている為、複数の文字を含
む文字列パターンをユーザの希望する任意の形態で印字
することができないという欠点があった。

この発明の課題は、複数の文字を含む文字列パターン
の出力形態をユーザの希望する任意の形態に変化させて
出力可能とすることにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明の手段は次のとおりである。

複数の文字からなる文字列を記憶する文字記憶手段
と、上記文字列に含まれる各文字の各出力座標位置を、
その文字列の文字配列方向に沿って縦横方向に曲線形状
でずらして出力するために曲線を入力して複数の補正座
標を指示する座標指示手段と、上記座標指示手段により
縦横方向の各補正座標が指示された際に、その指示され
た各補正座標に基づく曲線を表示する補正座標表示手段
と、上記座標指示手段により指示された上記各補正座標
を記憶する補正座標記憶手段と、上記補正座標記憶手段
に記憶された上記各補正座標に基づいて、上記各文字の
各出力座標位置を縦横方向に補正すると共に、その出力
座標位置が縦横方向で補正された個々の文字の文字パタ
ーン形状を変形する文字列変形手段と、上記文字変形手
段による個々の文字の出力座標位置の補正により上記文
字列に含まれる各文字の出力座標位置が上記曲線形状で
補正され、且つ上記個々の文字の文字パターン形状の変
形によりその各文字パターン形状が上記曲線形状で変形
された各文字を出力する文字列出力手段と、を有する。

［作用］ 本発明の手段の作用は次のとおりである。

複数の文字からなる文字列に含まれる各文字の各出力
座標位置を、その文字列の文字配列方向に沿って縦横方
向に曲線形状でずらして出力するために曲線を入力して
複数の補正座標を指示すると、その指示された各補正座
標に基づく曲線が表示され、またその指示さた各補正座
標が記憶される。そして、この記憶された上記各補正座
標に基づいて上記各文字の各出力座標位置が縦横方向に
補正されると共に、その出力座標位置が縦横方向で補正
された個々の文字の文字パターン形状が変形される。こ
の個々の文字の出力座標位置の補正により上記文字列に
含まれる各文字の出力座標位置が上記曲線形状で補正さ
れ、且つ上記個々の文字の文字パターン形状の変形によ
りその各文字パターン形状が上記曲線形状で変形された
各文字が出力される。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を第１図〜第７図を参照し
て具体的に説明する。なお、本実施例はワードプロセッ
サに適用したものである。

構成（第１図） 第１図はこのワードプロセッサの基本的な構成を示す
ブロック回路図である。CPU11は予め記憶されているマ
イクロプログラムにしたがってこのワードプロセッサの
各種の動作を制御する。例えば、CPU11はキー入力部12
から入力された文書データを取り込み、かな漢字変換等
を行ってテキストメモリ13に格納する。このテキストメ
モリ13は文書を文字コード形式で記憶する文書保存用の
メモリで、CPU11はキー入力部12からの印字指令に応答
してテキストメモリ13から文字コードを読み出し、この
文字コードをキャラクタジェネレータを構成する文字パ
ターンメモリ14を用いて対応するドットパターンに変換
し、印刷バッファ15に格納する。この印刷バッファ15は
１ページ分（例えばA4サイズの用紙で１ページ分）の印
字データを記憶可能なもので、この印刷バッファ15内に
格納されたデータはプリンタ16にセットされている記録
紙に印字される。なお、文字パターンメモリ14は各種の
文字コードに対応して１文字24×24ドット構成のドット
パターン（以下、基本ドットパターンと称する）を記憶
する周知の構成となっている。また、プリンタ16はサー
マルプリンタで、その印字ヘッドには48本のサーマル素
子を有する構成となっている。

一方、このワードプロセッサには液晶タッチキーボー
ド17が設けられている。この液晶タッチキーボード17は
感圧式の透明タッチキーボードの下側に液晶パネルを配
置し、タッチキーボード上にペン等を用いて描かれた軌
跡を液晶表示パネルに表示させながら文字変形用の任意
の線分パターンを手書入力するようにしたものである。
即ち、液晶タッチキーボード17は平面座標のＸ軸を基準
として手書入力された横線分パターンに基づいて文字列
パターンの基準出力領域に対する縦方向の変化量を指定
し、また、平面座標のＹ軸を基準として手書入力された
縦線分パターンに基づいて基準出力領域に対する横方向
の変化量を指定するものである。

この液晶タッチキーボード17から手書入力された線分
パターンのうち横線分は横線分メモリ18に格納され、縦
線分は縦線分メモリ19に格納される。

また、CPU11はキー入力部12に設けられている１文字
変化印刷キーKA、１行変化印刷キーKB、１頁変化印刷キ
ーKCのうちそのいずれかが操作されると、それに対応し
て文字パターンメモリ14から読み出した基本ドットパタ
ーンの出力形態を横線分メモリ18、縦線分メモリ19の内
容に応じて変更する処理を実行する。この場合のパター
ン変更処理はワークメモリ20、21を用いて行なわれ、こ
れによって変更されたパターンは、印刷バッファ15に格
納される。

なお、図中22はCRT表示装置等の表示部である。

動 作 いま、１行分の文字列パターンの印刷形態を変化させ
る場合を例に挙げて説明する。

この場合、先ず１行変化印刷キーKBを操作する。する
と、第２図のフローにしたがった動作が実行される。

（ステップS1） テキストメモリ13内の文書のうち印刷形態を変化させ
るべき所望の変化行をキー入力部12のカーソルキー（図
示せず）を操作することによって指定する。第３図
（Ａ）はこの場合の表示状態を示し、変化行の指定が行
なわれると、それに対応する表示部22内の文字列が反転
表示される。

（ステップS2、S3） 指定行の桁数（文字数）および文字ピッチからその文
字列パターンの横方向の総ドット数を求める。例えば、
指定行が６文字で文字ピッチが36ドットであれば、36×
６＝216ドットが横線分の総ドット数となる。このよう
にして求めた横線分の総ドット数に基づいて液晶タッチ
キーボード17を構成する液晶表示パネルに横線分の入力
範囲をガイダンス表示する。第３図（Ｂ）はこの場合の
表示状態を示し、その斜線部分が横線分の入力範囲を示
すと共に、破線表示によって各行が視覚的に区画され、
また、BPがXY座標の基点となり、この基点を通る横線が
Ｘ軸、縦線がＹ軸に対応している。

（ステップS4、S5） このガイダンス表示を目視確認し、この入力範囲に所
望する横線分を液晶タッチキーボード17から手書入力す
る。第３図（Ｃ）はこの場合の表示状態を示し、液晶タ
ッチキーボード17から波形の横線分パターンを手書入力
すると、その軌跡が液晶タッチキーボード17を構成する
液晶表示パネルに表示される。このようにして入力され
た横線分パターンのうち、入力範囲内の横線分が切り出
され、横線分メモリ18に格納される。この横線分メモリ
18に格納された入力範囲内の横線分パターンは第４図
（Ａ）に示す如く、Ｘ軸を境にプラス方向の変化量、マ
イナス方向の変化量を示すデータとなる。

（ステップS6、S7） 次に、液晶タッチキーボード17から横線分パターンを
手書入力すると、入力された縦線分パターンは縦線分メ
モリ19に格納される。いま、第３図（Ｃ）に示す如く、
Ｙ軸を基準にして左方向に傾いた縦線分パターンを手書
入力すると、縦線分メモリ19には第４図（Ｂ）に示すよ
うな縦線分パターンが格納され、この縦線分パターンは
Ｙ軸を境にプラス方向の変化量、マイナス方向の変化量
を示すデータとなる。

（ステップS8、S9、S10） テキストメモリ13から読み出した指定行の文字列コー
ドに対応する24×24ドット構成の基本パターンを文字パ
ターンメモリ14から１文字ずつ順次読み出すと共に、こ
の基本パターンを文字ピッチ（36ドット）単位でワーク
メモリ20に順次格納する。第５図（Ａ）はこの場合にお
けるワークメモリ20内の記憶状態を示し、この文字列パ
ターンが基準出力領域となる。このワークメモリ20内の
文字列パターンは横線分メモリ18内の各ドットの変化量
に応じてドット列毎に上下方向に移動され、これによっ
て変更された文字列パターンはワークメモリ21に格納さ
れる。第５図（Ｂ）はこの場合におけるワークメモリ21
内の記憶状態を示し、第４図（Ａ）に示すような波形の
縦線分パターンに応じてワークメモリ20内の文字列パタ
ーンが波形状に変形される。このようにして、縦方向の
パターン変更処理が終ると、横方向のパターン変更処理
が実行される。即ち、ワークメモリ21内の文字列パター
ンは縦線分メモリ19内の各ドットの変化量に応じてドッ
ト列毎に左右方向に移動され、これによって変更された
文字列パターンはワークメモリ20に格納される。この結
果、第５図（Ｃ）に示すように、縦線分メモリ19内の変
化量に応じてワークメモリ21内の文字列パターンは左に
傾いたパターンに変更される。

（ステップS11、S12） このようにして縦方向および横方向に変更された文字
列パターンは、印刷バッファ15に格納されたのち、プリ
ンタ16にセットされている記録紙に印字される。

この結果、第５図（Ａ）に示す文字列パターンは第５
図（Ｃ）に示すような文字列パターンで印字されるの
で、文字列全体および各文字の出力形態が極めて変化に
富んだものとなる。

なお、１文字変化印刷キーKAが操作された場合あるい
は１頁変化印刷キーKCが操作された場合においても第２
図と同様の動作が実行される結果、第６図、第７図に示
すような印刷形態で１文字単位あるいは１ページ単位で
の印刷が可能となる。

変形応用例 本実施例は文字列変形用の横線分や縦線分パターンを
液晶タッチキーボード17を用いて手書入力するようにし
たが、例えばカーソルキーを操作することによってこれ
らを入力するようにしてもよく、また、ライトペン等を
用いて光学的に入力するようにしてもよく、その入力手
段は任意である。

［発明の効果］ 本発明によれば、文字列全体に対する曲線変化形態の
指定により、その曲線変化形態の曲線に沿った複数の位
置に、上記文字列に含まれる各文字を自動的に配置でき
るものであり、更に、その各文字の文字パターンは、対
応するその各位置における上記曲線変化形態の曲線に沿
った曲線形状に自動的に変形できる。即ち、文字列に含
まれる各文字は１文字毎に曲線形状に変形されるが、個
々の文字に対する曲線形状は、その各文字を含む文字列
の曲線位置上での配置を指定する曲線変化形態の曲線に
沿った曲線形状で変形することができ、文字列全体に対
する所望の曲線変化形態の指定のみで、その文字列全体
を曲線表現された滑らかな出力形態で出力することが可
能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を適用したワードプロセッサの基本的
な構成を示すブロック回路図、第２図は１行変化印刷キ
ーが操作された場合の動作を示すフローチャート、第３
図は文字列変形用の横線分あるいは縦線分を入力する際
の表示状態図、第４図は横線分メモリ18、縦線分メモリ
19の記憶状態を示した図、第５図は文字列パターンが変
形される過程を示したワークメモリ20、21の記憶状態
図、第６図は１文字単位、第７図は１頁単位の変化を指
定したときの変形パターンを示した図である。 11……CPU、14……文字パターンメモリ、16……プリン
タ、17……液晶タッチキーボード、18……横線分メモ
リ、19……縦線分メモリ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の文字からなる文字列を記憶する文字
   記憶手段と、 上記文字列に含まれる各文字の各出力座標位置を、その
   文字列の文字配列方向に沿って縦横方向に曲線形状でず
   らして出力するために曲線を入力して複数の補正座標を
   指示する座標指示手段と、 上記座標指示手段により縦横方向の各補正座標が指示さ
   れた際に、その指示された各補正座標に基づく曲線を表
   示する補正座標表示手段と、 上記座標指示手段により指示された上記各補正座標を記
   憶する補正座標記憶手段と、 上記補正座標記憶手段に記憶された上記各補正座標に基
   づいて、上記各文字の各出力座標位置を縦横方向に補正
   すると共に、その出力座標位置が縦横方向で補正された
   個々の文字の文字パターン形状を変形する文字列変形手
   段と、 上記文字変形手段による個々の文字の出力座標位置の補
   正により上記文字列に含まれる各文字の出力座標位置が
   上記曲線形状で補正され、且つ上記個々の文字の文字パ
   ターン形状の変形によりその各文字パターン形状が上記
   曲線形状で変形された各文字を出力する文字列出力手段
   と、 を具備したことを特徴とする文字列出力装置。