JP2616363B2

JP2616363B2 - 開口部付き全天候型仮設上屋

Info

Publication number: JP2616363B2
Application number: JP32670992A
Authority: JP
Inventors: 誠榎本
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1992-12-07
Filing date: 1992-12-07
Publication date: 1997-06-04
Anticipated expiration: 2012-06-04
Also published as: JPH06173467A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ダム等の建設工事現
場において、風雨等の気象条件に左右されないで、コン
クリート打ち等の現場作業を継続して行えるようにした
開口部付き全天候型仮設上屋に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ダム等の建設工事現場における
作業は、全て露天作業で行われるため、風雨、気温等の
気象条件に大きく左右されることが多い。この為、仮設
テント等で作業区域を覆う方法も一部で行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、露天作業は、
酷暑、酷寒時には作業員にとって劣悪な作業環境のもと
での作業を強いられる為、作業効率が著しく低下し、さ
らに、気象条件によっては施工・品質等に悪影響を及ぼ
す等の課題があった。

【０００４】また、作業区域を仮設テント等で単に上か
ら覆っただけでは、クレーン等によって建設資材や機材
を仮設テント内に搬入する際に、その都度仮設テントを
移動するか、または一旦仮設テントの外に資材等を仮置
きし、その後、横から仮設テントの中に搬入する必要が
あり、作業性がきわめて悪いものであった。

【０００５】この発明は、このような前記従来の課題を
解決するためになされたもので、悪天候に左右されない
でコンクリート打ち等の現場作業を行うことができ、し
かも、建設資材や機材の搬入をスムーズに行えるように
した開口部付き全天候型仮設上屋を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る開口部付
き全天候型仮設上屋は、所定間隔おきに建て付けられた
支柱2a,2b,2c,2d と、この支柱2a,2b,2c,2d の内側に上
下方向にほぼ等間隔に設置された矩形状のフレーム枠3
a,3b,3cと、このフレーム枠3a,3b,3cを吊るす複数本の
吊りワイヤー４と、前記フレーム枠3a,3b,3cを支持する
複数本のシリンダー５と、前記フレーム枠3a,3b,3cを覆
う帆布６と、この帆布の上端部に開閉自在に設けられた
開口部７と、前記フレーム枠3a,3b,3cを引っ張って前記
開口部７の位置を変えるトラワイヤー8a,8b,8c,8d と、
このトラワイヤー8a,8b,8c,8d を巻き取りおよび繰り出
す（緩める）ためのウィンチ９とを備えて構成されてい
る。

【０００７】

【実施例】

実施例１．図１〜図４は、この発明に係る開口部付き全
天候型仮設上屋の一実施例を示し、図において、開口部
付き全天候型仮設上屋１（以下、単に仮設上屋１とい
う）は、ダム本体Ａの、区画された作業区域の四隅にア
ンカーボルト等によって容易に撤去できるように建て付
けられた支柱2a,2b,2c,2d と、この支柱2a,2b,2c,2d の
内側に上下方向にほぼ等間隔に設置された矩形状のフレ
ーム枠3a,3b,3cと、このフレーム枠3cを吊るす複数本の
吊りワイヤー４と、前記フレーム枠3cを支持する複数本
のシリンダー５と、前記フレーム枠3a,3b,3cを覆う帆布
６と、前記フレーム枠3a,3b,3cを引っ張って仮設上屋１
の上端部に設けられた開口部７の位置を変えるワイヤー
8a,8b,8c,8d と、このワイヤー8a,8b,8c,8d を巻き取
り、あるいは繰り出す（緩める）ためのウィンチ９等を
備えて構成されている。

【０００８】また、仮設上屋１は、最下段のフレーム枠
3aを一番大きく、これより上のフレーム枠3b,3c を徐々
に小さく構成することにより裁頭錐台形状に構成され、
かつ、最下段のフレーム枠3aは四隅の支柱2a,2b,2c,2d
に水平に固定され、最上段のフレーム枠3cがシリンダー
５によって支持され、自立している。なお、フレーム枠
3a,3b,3cの大きさ及びフレーム枠3bの設置数は、仮設上
屋１の規模に応じて適宜決められている。

【０００９】さらに、最上段のフレーム枠3cは、仮設上
屋１の中に建設資材や機材を搬入するための開口部７を
構成している。また、フレーム枠3cの各コーナ部は回転
自在なピン構造になっていて、コーナ部を対角線方向に
引っ張るとフレーム枠3cは菱形に変形し、最終的にフレ
ーム枠3cの各枠材が添い合って開口部７が完全に閉じる
ように構成されている（図５(a),(b) 参照）。

【００１０】シリンダー５は仮設上屋１の各コーナ部の
内側に設置され、その下端部が最下段のフレーム枠3aに
ピン着され、シリンダーロッド5aの上端部が最上段のフ
レーム枠3cにピン着され、シリンダーロッド5aが伸縮す
ることにより最上段のフレーム枠3cを常に水平に保つよ
うに調整できるようになっている。

【００１１】ワイヤー8a,8b,8c,8d の一端は最上段のフ
レーム枠3cの各コーナ部に連結され、他端は支柱2a,2b,
2c,2d の上端部にそれぞれ取り付けられた滑車（図省
略）を経由してウィンチ９に巻き付けられている。

【００１２】ウィンチ９は、各支柱2a,2b,2c,2d の柱脚
部に設置され、手動若しくは動力によってワイヤー8a,8
b,8c,8d を巻き取り若しくは繰り出せるようになってい
る。

【００１３】つづいて、この発明に係る仮設上屋１の動
作手順を順を追って説明する。

【００１４】まず、開口部７の位置をダム本体Ａの施工
ブロックの任意の位置に移動するには、ウインチ９によ
ってそれぞれのワイヤー8a,8b,8c,8d を巻き取り、ある
いは繰り出す（緩める）ことによって開口部７を横に移
動する。すなわち、図3,4 において、開口部７を施工ブ
ロックの中央から左端中央に移動するには、支柱2a,2c
のワイヤー8a,8c をほぼ同じ張力で巻き取り、同時に支
柱2b,2d のワイヤー8b,8d をほぼ同じ張力で緩める。こ
のとき、シリンダー５を伸縮させて開口部７が水平を保
つように調整する。

【００１５】また、開口部７を閉じるには、フレーム枠
3cの対向する一組のコーナ部をワイヤー8a,8d 又は8b,8
c によってフレーム枠3cが菱形に変形し、さらに、フレ
ーム枠3cの枠部材が添い合うまで外側に引っ張る（図５
(a),(b) 参照）。

【００１６】実施例２．図６及び図７は、この発明に係
る開口部付き全天候型仮設上屋の他の実施例を示し、図
において、実施例１と同一部分及び相当する部分には同
一符号を付しその説明を省略する。また、符号10は開口
部７を水平に保持しつつ、移動させるシリンダーであ
る。シリンダー10は仮設上屋１の台形状をなす各側面の
内側に対角線に沿って交差するように設置され、その下
端部がフレーム枠3aのコーナ部に連結され、シリンダー
ロッド5aの上端部がフレーム枠3cのコーナ部に連結され
ている。この実施例によれば、支柱、トラワイヤー及び
ウィンチを省略できる効果がある。

【００１７】実施例３．図８は、同じくこの発明に係る
開口部付き全天候型仮設上屋の他の実施例を示し、図に
おいて、実施例１と同一部分及び相当する部分には同一
符号を付しその説明を省略する。符号11は開口部７に、
単に横方向にスライドして開閉するように取り付けられ
たシャッター11である。この実施例にぱれば、開口部７
の開閉をより簡単に行うことができる効果がある。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る仮
設上屋によれば、所定間隔おきに建て付けられた支柱2
a,2b,2c,2d と、この支柱2a,2b,2c,2d の内側に上下方
向にほぼ等間隔に設置された矩形状のフレーム枠3a,3b,
3cと、このフレーム枠3a,3b,3cを吊るす複数本の吊りワ
イヤー４と、前記フレーム枠3cを支持する複数本のシリ
ンダー５と、前記フレーム枠3a,3b,3cを覆う帆布６とを
備えて構成されているので、コンクリート打ち等の現場
作業を天候に何ら左右されないで継続して行うことがで
きる。

【００１９】また、帆布６の上端部に建設資材等を搬入
するための開口部７が開閉自在に設けられているので、
ケーブルクレーン等による建設資材の搬入もこの開口部
７を利用してスムーズに行うことができる。

【００２０】しかも、前記フレーム枠3a,3b,3cを引っ張
って前記開口部７の位置を変えるためのワイヤー8a,8b,
8c,8d と、このワイヤー8a,8b,8c,8d を巻き取り、ある
いは繰り出す（緩める）ためのウィンチ９が設けられて
いるので、前記開口部の位置を適当に移動することによ
り、建設資材を目的の場所にダイレクトに搬入すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る開口部付き全天候型仮設上屋の
一実施例の設置状態を示す縦断面図である。

【図２】図１の開口部付き全天候型仮設上屋の平面図で
ある。

【図３】図１の開口部付き全天候型仮設上屋の移動後の
縦断面図である。

【図４】図３の開口部付き全天候型仮設上屋の平面図で
ある。

【図５】図５（ａ）, （ｂ）は開口部の開閉方法を示す
図１の開口部付き全天候型仮設上屋の斜視図である。

【図６】この発明に係る開口部付き全天候型仮設上屋の
他の実施例の設置状態を示す平面図である。

【図７】図６の開口部付き全天候型仮設上屋の縦断面図
である。

【図８】この発明に係る開口部付き全天候型仮設上屋の
他の実施例の斜視図である。

【符号の説明】

１…開口部付き全天候型仮設上屋（仮設上屋）、2a,2b,
2c,2d …支柱、3a,3b,3c…フレーム枠、４…吊りワイヤ
ー、５…シリンダー、６…帆布、７…開口部、8a,8b,8
c,8d …ワイヤー8a,8b,8c,8d 、９…ウィンチ、10a,10h
…トラワイヤー。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】所定間隔おきに建て付けられた支柱2a,2
b,2c,2d と、この支柱2a,2b,2c,2d の内側に上下方向に
ほぼ等間隔に設置された矩形状のフレーム枠3a,3b,3c
と、このフレーム枠3a,3b,3cを吊るす複数本の吊りワイ
ヤー４と、前記フレーム枠3a,3b,3cを支持する複数本の
シリンダー５と、前記フレーム枠3a,3b,3cを覆う帆布６
と、この帆布の上端部に開閉自在に設けられた開口部７
と、前記フレーム枠3a,3b,3cを引っ張って前記開口部７
の位置を変えるトラワイヤー8a,8b,8c,8d と、このトラ
ワイヤー8a,8b,8c,8d を巻き取りおよび繰り出すための
ウィンチ９と備えて構成されていることを特徴とする開
口部付き全天候型仮設上屋。