JPH09250244A - 仮設屋根構造 - Google Patents

仮設屋根構造

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Publication number
JPH09250244A
JPH09250244A JP8725896A JP8725896A JPH09250244A JP H09250244 A JPH09250244 A JP H09250244A JP 8725896 A JP8725896 A JP 8725896A JP 8725896 A JP8725896 A JP 8725896A JP H09250244 A JPH09250244 A JP H09250244A
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JP
Japan
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girder
ridge
building
temporary roof
film material
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Application number
JP8725896A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Katsumata
源之 勝又
Kenji Tanaka
建治 田中
Akira Yasogawa
昭 八十川
Hiroyoshi Mizukami
浩良 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ando Corp
Original Assignee
Ando Corp
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Publication date
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Publication of JPH09250244A publication Critical patent/JPH09250244A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造で、所定の上昇機構を備えたの全
天候型仮設屋根を提供する。 【解決手段】 構築中の建物躯体1の桁行方向に、建物
躯体1内の少なくとも2層のスラブ位置で支持されるよ
うに2本の支柱15を立設する。2本の支柱15,15
間に棟ガーダー20を架設する。この棟ガーダー20か
ら前記建物躯体の軒部分にかけて建物躯体の上方を覆う
膜材30を展張する。また、各スラブに反力をとりなが
ら支柱15を上方に押し上げる上昇機構をスラブ上に備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は仮設屋根構造に係
り、特に建設現場全面を膜体で覆って全天候型とし、工
事の進捗に応じて仮設屋根の棟部分を昇降させ、仮設屋
根全体を所定高さに設定できるようにした仮設屋根構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ほとんどの建設工事は屋外作業で
あるため、その作業は天候に左右されることが多い。降
雨、降雪、炎暑、酷寒等の悪天候が続くと、工事工程に
遅れが生じたり、そのような状況下で作業を進めると、
作業員に厳しい作業環境を強いることにもなり、労務上
懸念され、また工事の品質管理上も懸念される。このよ
うな状況を解決するために、近年、全天候型仮設屋根が
開発され、いくつかの建設現場で採用されている。全天
候型仮設屋根によれば、建設現場全体やその一部の上方
空間が仮設屋根で覆われているので、悪天候でも仮設屋
根の下で躯体構築作業等を行うことができる。また、地
下工事から所定階数の躯体工事まで順次上方に向かって
施工される建設工事に適用させるために、工事の進捗に
合わせて仮設屋根を所定高さまで上昇させることができ
る上昇機構を備えた仮設屋根もある。
【0003】この仮設屋根は、屋根の架設方式によって
以下の、 (1)屋根閉鎖型 対象となる建物平面全体を固定屋根で覆うように閉鎖
し、固定屋根全体を複数の支柱で支持し、各支柱に設け
られた上昇機構を同時に作動させて、固定屋根全体を一
度に上昇させるタイプ。 (2)屋根開閉型 対象となる建物平面全体を、複数の屋根ユニットで覆
い、施工状況に応じて屋根ユニットを桁行方向に設けら
れたレール上をスライドさせていくとともに、一部に設
けられた上昇機構によって所定の屋根ユニットを施工段
階に応じて上昇させるタイプ。の2種類に区分できる。
【0004】図20は、上述の屋根閉鎖型、屋根開閉型
に共通する仮設屋根100の骨組構造の一例を示した断
面図である。仮設屋根構造の支柱101はラチス構造
で、同図に示したように、3階まで構築された躯体10
2の周囲に所定段数だけ組み上げられた枠組足場103
上に立設されている。合掌フレーム104も形鋼を組み
立てたラチス構造の梁106からなる。梁106上には
合掌フレーム104全体を覆う膜材107が展張されて
いる。膜材107には、ポリエステル樹脂織布の基布に
塩化ビニル樹脂をコーティングした公知膜材が用いられ
ている。
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の仮
設屋根構造は、剛性の高いフレーム構造で構成されてい
る。さらにこれらの重量の大きいフレーム構造を上昇さ
せたり、レール上を水平方向に移動させたりするため
に、大がかりな駆動装置を必要としていた。このため、
仮設コストが高くなるとともに、組立、解体作業の負担
が大きく、工事コストのアップにもつながっていた。ま
た、冬季に降雪がある地域では、従来、積雪荷重をその
まま負担させる構造となっていた。フレーム構造の部材
が降雪荷重で決定されることが多かった。このため、屋
根の勾配を変化させて雪降ろしのできる屋根部分の採用
が望まれていた。
【0005】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、簡易な上昇機構と屋根勾配
を変化できる機構とを備え、建設現場全体を覆えるよう
な仮設屋根構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は構築中の建物躯体の桁行方向に配置され、
前記建物躯体の少なくとも2層のスラブ位置で支持され
立設された2本の支柱と、前記2本の支柱間に架設され
た棟ガーダーと、該棟ガーダーから前記建物躯体の軒部
分にかけて展張され、前記建物躯体の上方を覆う膜材
と、前記各スラブに反力をとりながら前記支柱を上方に
押し上げる上昇機構とを備えたことを特徴とするもので
ある。このとき、前記膜材を、前記棟ガーダー内の巻取
り軸に巻き取ることができるようにし、棟ガーダー内に
収容できるようにすることが好ましい。このような構成
によれば、建物の周囲に仮設スペースがとれない場合や
建物平面形状が複雑な場合にも、建物躯体上に仮設屋根
を構築することができる。
【0007】また、構築中の建物躯体の外側位置で該建
物躯体の桁行方向に立設された2本の支柱と、該2本の
支柱間に架設され、前記支柱の一部に上昇反力をとる上
昇駆動部が設けられ、前記支柱に対して昇降可能な棟ガ
ーダーと、該棟ガーダーから前記建物躯体の軒部分にか
けて展張され、前記建物躯体の上方を覆う膜材とを備え
たことを特徴とするものである。
【0008】構築中の建物躯体の平面を覆うように展開
され、所定箇所が前記建物躯体の固定部に定着された膜
材の一部を、浮力により浮上させて前記膜材の一部に前
記建物躯体の桁行方向に延びる棟形状を形成させる気球
を備えたことを特徴とするものである。
【0009】また、前記気球は、前記建物躯体の桁行方
向に沿って複数個が所定の間隔をあけて配置され、該気
球の配置位置に棟形状が形成されるか、あるいは前記建
物躯体の桁行方向に沿って延びる長筒形状をなし、該気
球により棟形状が形成されるようにすることが好まし
い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の仮設屋根構造の一
実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1
は、建物平面形状がほぼ矩形をなした全体を覆うように
した仮設屋根構造10を示した概略斜視図、図2は同平
面図、図3は図2のIII−III断面線に沿った断面図であ
る。各図に示したように、建物躯体1(図3参照)の外
側全周には、枠組足場11が立設されている。また、建
物躯体1上には桁行方向(図1参照)に沿って2列の棟
ガーダー20がそれぞれ2本の支柱15、15間に架設
されている。棟ガーダー20は形鋼を箱形に組み立て溶
接して製作したボックス梁である。また、棟ガーダー2
0の両端位置には、図3〜図5に示したように、2本の
屋根展張ビーム21が取り付けられている。屋根展張ビ
ーム21の端部21cは棟ガーダー20の側壁面に揺動
可能に支持されている(図5参照)。建物外方に向いた
一方の屋根展張ビーム21は建物躯体の端部近傍まで伸
び、建物内方を向いた他方の屋根展張ビーム21は2本
の棟ガーダー20、20の中間位置まで伸びている。棟
ガーダー20から内方に伸びた屋根展張ビーム21は、
2本の棟ガーダー20の中間位置で谷部を形成するよう
に相対している。この屋根展張ビーム21は、図6の各
図に示したように、ビームの中間位置にヒンジ部21a
を有し、先端21bは棒材25(後述する。)でピン接
合されている。各ヒンジ部は滑らかに動くように連結さ
れているため、屋根展張ビーム21がたとえば図7に示
したような勾配で支持されると、屋根展張ビーム21及
び棒材25の自重の作用により、図6(b)〜6(c)
に示したように下方に向かって伸長するように動作す
る。
【0011】図5は、屋根展張ビーム21の伸長状態を
示した部分拡大断面図である。屋根展張ビーム21に沿
って膜材30が展開され、この膜材30により屋根部分
が構成されている。この膜材30の両側には展張時に、
屋根展張ビーム21が位置する。また端部30aには桁
行方向に沿って棒材25が固着されている。膜材30は
展開した際に、この棒材25によって裾部分を張った状
態にしておくことができる。また、棒材25には桁行方
向の複数箇所で吊りワイヤWが結束されている。さらに
吊りワイヤWの他端は、棟ガーダー20上に立設された
ポスト27上に搭載された方向変換リール28を介して
棟ガーダー20内に導かれ、棟ガーダー20内のモータ
Mによって、その長さを調整できるようになっている。
したがって、モータMを運転して吊りワイヤWを適宜繰
り出したり、巻き取ったりすることにより屋根展張ビー
ム21及び膜材30を所定の勾配に設定することができ
る(図7参照。) 一方、膜材30の他端は、棟ガーダー20内に収容さ
れ、巻き取り軸31に巻き取られるようになっている。
この巻き取り軸31は、棟ガーダー20内に収容されて
いるモータMによって回転できる。膜材30は巻き取り
軸31に巻き取られるように棟ガーダー20内に収容さ
れる。このときモータMの回転動作は、所定の切り換え
機構により吊りワイヤWの巻き取り動作と膜材30の巻
き取り動作とを適宜切り換えて行ったり、同期をとって
行ったりすることができる。これにより、膜材30を展
開した状態で屋根展張ビーム21の伸長量は、所定の範
囲で任意に調整できる。
【0012】以下、膜材30の展張及び巻取り動作につ
いて、図5を参照して説明する。まず、棟ガーダー20
内に収容されている膜材30を展張する場合は、棟ガー
ダー20内の巻き取り軸31の回転をフリー状態にし、
屋根展張ビーム21が自重によって伸長するのに合わせ
て巻き取り軸31に巻き取られている膜材30を棟ガー
ダー20内から引き出す。このとき屋根勾配は吊りワイ
ヤWの繰り出し量を変えることで適宜設定することがで
きる。一方、膜材30を巻き取る場合には、モータMを
回転して膜材30を棟ガーダー20内の巻き取り軸31
に巻き取り、棟ガーダー20内に収容する。また、膜材
30の巻取りに合わせて吊りワイヤWも巻き取るように
し、屋根勾配を調整することが好ましい。
【0013】付帯設備として、屋根展張ビーム21の先
端には桁行方向に延設された樋フレーム23が固着され
ている(図5参照)。この樋フレーム23は、膜材30
が所定の雨勾配で展張された際に、膜材30を伝わった
雨水を集水でき、立て樋(図示せず)に導く役割を果た
す。また、向かい合った樋フレーム23間の隙間を塞ぐ
ために、隙間用樋材24が一方の樋フレーム23の下面
に固着されている。これにより、2本の棟ガーダー20
の間に展開された屋根は、降雨に対して万全となる。
【0014】図8は、膜材を棟ガーダー内に収容しない
簡易なタイプの仮設屋根構造の一例を示した部分拡大斜
視図である。同図に示した仮設屋根構造は、膜材30を
棟ガーダー20の側面にフックを介して固着している。
さらにこの部分からの雨漏り防止のために、棟先カバー
61で覆うようになっている。棟先カバー61の下端6
1aには膜押え棒62が取り付けられている。膜押さえ
棒62は、棟ガーダー20に設けられたラッチ機構63
により、その端部が棟ガーダー20の側面に固定でき
る。一方、膜材30の軒先側の先端30aには棒材25
が固着されている。棒材25には樋フレーム23がピン
接合されている。本実施の態様では、向かい合った樋フ
レーム23間の隙間を塞ぐために、隙間カバー64が取
り付けられている。この隙間カバー64は図8、図9
(b)に示したように、樋フレーム23に形成されたフ
ック65に係止させて樋フレーム23に止めることがで
き、隣接した樋フレーム23の位置がずれているような
場合にも隙間を自在に調整することができる。また、図
9(a)に示したように、仮設屋根構造の外側に位置す
る樋フレーム26のフック65を利用して養生シート6
6を垂らし、その下端66aを建物の周囲に立設された
枠組足場11に固定してもよい。
【0015】以上の構成からなる図8に示した仮設屋根
構造で膜材30を展開するには、支柱の下方位置に設け
られた巻取りリール29をフリー状態にすればよい。こ
の状態では屋根展張ビーム(図示せず)が自重で伸長
し、畳まれた状態の膜材30が展開する。巻取りリール
29の巻取りは手動、モータ駆動のいずれかを任意に選
択することができる。また、風による屋根部分の吹き上
げ防止に棒材25に控えワイヤー67が取り付けられて
いる。この控えワイヤー67の下端67aは支柱15の
固定部15aに定着しておくことができ、屋根の勾配に
合わせてその長さを調整することが好ましい。
【0016】ここで、棟ガーダー20を支持する支柱1
5の構成について図3、図10を参照して説明する。棟
ガーダー20の両端は、独立した支柱15で支持されて
いる。本実施の形態では、支柱15としてH形鋼(H-20
0×200)が使用されている(図10(a)参照)。この
支柱15は図3に示したように、建物躯体1の2層のス
ラブ2、3を貫通した状態で、各スラブ2、3上にそれ
ぞれ設置された上昇機構をロックした状態でスラブ上に
支持されている。各スラブ2、3上には支柱上昇機構と
しての油圧ジャッキ4が装備されている。油圧ジャッキ
4は図10(a)に示したように、H形鋼の支柱15の
ウェブ位置にはまり込むように、スラブ2(3)上に設
置されたジャッキ架台5に固定されている。油圧ジャッ
キ4の作動ストロークは、本実施の形態では、300m
mに設定されている。支柱15のフランジ15aには、
この作動ストロークごとにロックピン6をセットできる
開口が形成されている。
【0017】棟ガーダー20を上昇させるには、まず、
2本の支柱15が貫通する上下階位置のスラブ2、3上
に設置された4基の油圧ジャッキ4のシリンダロッド
を、図示しない制御装置により同期をとりながら伸長さ
せる。所定のストロークまでシリンダロッドが伸長した
ら、支柱15のロックピン6による支持を架台ブロック
7に盛替えて(図10(b)参照)、ロックピン6の位
置を次の伸長動作のためのフランジ開口位置にセットし
直す。この盛り替え動作を繰り返して棟ガーダー20を
所定の位置まで上昇させることができる。なお、鋼管柱
を使用し、この鋼管柱を部分的に把持しながらシリンダ
ロッドを伸長可能なセンターホールタイプの油圧ジャッ
キ等を採用してもよい。また、支柱と駆動部分とにラッ
ク−ピニオン駆動方式を採用してもよい。
【0018】以上のような構成によれば、屋根部分を大
幅に軽量化することができるので、2本の支柱によって
棟ガーダーを支持することができ、上昇機構をコンパク
トにすることができる。また、膜材を支持する吊りワイ
ヤを伸長させることにより屋根勾配を変化させることが
でき、積雪荷重の低減を図ることができる。
【0019】次に、建物躯体の外側位置の支柱に支持さ
れ、建物躯体平面のほぼ中央位置の桁行き方向に1本の
棟ガーダー40を架設し、この棟ガーダー40部分から
膜材30を枠組足場頂部の軒にかけて展開することによ
り、仮設屋根を構成した仮設屋根構造の一実施の形態に
ついて説明する。図11は、膜材30の一部を取り除い
て棟ガーダー40を示した概略斜視図、図12は膜材3
0を取り除いて棟ガーダー40の全体を示した平面図、
図13は図12のXIII−XIII断面線に沿って棟ガーダー
40の断面を示した縦断面図、図14は図12のXIX−X
IX断面線に沿って棟ガーダー40の断面を示した横断面
図である。
【0020】この棟ガーダー40は、図16に示したよ
うに、作業員が内部を通過できる程度の断面寸法を有す
るボックストラス構造で構成されている。また、棟ガー
ダー40は、棟ガーダー40の下部に取り付けられた上
昇駆動部41と、図11に示した2本の三角トラス支柱
42、42との間に組み込まれた公知のラックピニオン
駆動方式によりに、三角トラス支柱42に上昇反力をと
りながら上昇できるようになっている。この三角トラス
支柱42は建物躯体の周囲に構築された枠組足場11の
一部に立設されており、すでに完成した建物躯体の外壁
に支持アンカー43をとって支持されている。また、棟
ガーダー40を外周枠組足場11より高くし、屋根勾配
をつけるために、三角トラス支柱42を外周枠組足場1
1より突出させている。三角トラス支柱42の突出部分
を支持するために、三角トラス支柱42の周囲に2段分
の枠組足場11Aが構築されている。さらに、この足場
部分11Aの安定を確保するために控えワイヤー45が
張設されている。
【0021】膜材30は、図11、図14に示したよう
に、棟ガーダー40から両側の軒にかけて垂下させるよ
うにして展開されている。膜材30を軒部分まで覆うよ
うに展開した状態で、膜材30の端部30aを枠組足場
11の所定位置に定着し、吹き上げ等による膜材30の
めくれ上がりを防止する。膜材30の材質は、図1に示
した仮設屋根に使用されている膜材30と同等のもので
よい。
【0022】図15は、棟ガーダー40を上昇させてい
る状態での棟ガーダー40の一部を示した部分斜視図で
ある。同図に示したように、棟ガーダー40の上昇時に
は、膜材30は折り畳まれ、棟ガーダー40脇に収容さ
れる。すなわち膜材30は、図16に示したように、順
次折り畳まれ、棟ガーダー40の脇に設けられている収
容用吊りフック46にナイロン製係止テープ(商品名:
ベルクロ)等で係止され、吊持される。
【0023】以上のような構成によれば、屋根部分を1
本のボックストラスの棟ガーダーとしたことにより、大
幅に軽量化することができ、2本の支柱によって棟ガー
ダーを支持することができ、公知のコンパクトな昇降機
構を採用できる。また、この昇降機構を運転することに
より棟ガーダーを昇降させて屋根勾配を容易に変化させ
ることができ、積雪荷重の低減を図ることができる。さ
らに、天候が良い時には膜材30を折り畳んで工事を進
めることができ、資材の搬入作業を支障なく行うことが
できる。また、仮設屋根構造が軽量で、取扱いが容易な
ため、作業の迅速化が図れ、工事コストの低減が図れる
という効果がある。
【0024】図17〜図19は、仮設屋根の上昇機構と
してヘリウムガスを充填した気球を用いた例を示した概
略説明図である。周知のようにヘリウムガス等の空気よ
り比重の小さい気体を充填した気球50は、その容積に
応じた浮力を有する。そこで、図17に示したように、
仮設屋根の軒となる膜材30の両端部30aを枠組足場
11の頂部に定着し、仮設屋根が山形をなすように建物
の梁間方向のほぼ中央位置に、桁行方向に並ぶように複
数の気球50を、吊りワイヤ51を介して取り付ける。
このようにして気球50にガスを供給することにより、
建物躯体平面の上空に仮設屋根を展開することができ
る。気球50へガスを供給するために、地上あるいは建
物躯体の所定位置にガス供給手段52としてのガスボン
ベ等を装備し、気球50にフレキシブルホース53によ
る配管を設け、任意のタイミングで各気球50にガスを
充填できるようにすることが好ましい。各気球50への
ガス供給は同量を同時に行えるようにしてもよい。この
場合、各気球50に独立してガス供給できるように配管
系統を切り換えられるようにすることが好ましい。
【0025】膜材30を定着する方法として、膜材30
の端部30aに調整ワイヤ55をつなぎ、中間位置にタ
ーンバックル(図示せず)を設けて地上の基礎部分に定
着できる。また、妻部分の開口を保形するために端部に
控えワイヤ56を取り付けて地上の固定部57に定着す
ることも好ましい。さらに、気球50の防護のために気
球全体を袋状の樹脂製ネット58に収容して浮かすよう
にしてもよい。
【0026】図18は、図17に示した気球50を膜材
30の下側に位置させた仮設屋根を示したものである。
同図に示した仮設屋根では、強風時にも気球50が風に
流されて揺動したりしないので、仮設屋根を安定した状
態に保つことができる。各気球50へのガス供給は図1
3に示した場合と同様に設定することができる。図19
は、円筒形状の気球50を桁行方向に配置し、その気球
50を膜材30で覆って仮設屋根とした例を示したもの
である。同図に示した形状の気球50を使用すると、棟
ガーダーの役割を果たす気球50は、常に水平を保持し
て昇降することができるという利点を有する。
【0027】以上のような構成によれば、屋根部分に相
当する膜材の棟部分に相当する箇所を気球の浮力で上昇
下降させるようにしたことにより、仮設屋根を大幅に軽
量化することができる。また、この気球のガス充填量を
調整することにより、気球の浮上量を調整し、屋根勾配
を容易に変化させることができ、積雪荷重の低減を図る
ことができる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、簡易な構造により建物躯体平面を覆うように
仮設屋根を架設することができ、また工事の進捗に合わ
せて仮設屋根を容易に上昇させて必要な作業空間を確保
することができ、作業環境及び工事の品質の向上を果た
せるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮設屋根構造の一実施の態様を示した
全体斜視図。
【図2】図1に示した仮設屋根構造の平面形状を示した
平面図。
【図3】図2のIII−III断面線に沿った断面図。
【図4】図3に示した棟ガーダー及び仮設屋根の各部を
示した部分拡大断面図。
【図5】図4の仮設屋根構造を拡大して示した拡大断面
図。
【図6】屋根展張ビームの伸長動作を示した模式説明
図。
【図7】吊りワイヤによる屋根勾配の調整動作を示した
模式説明図。
【図8】仮設屋根構造の他の実施の形態を示した部分斜
視図。
【図9】図8に示した仮設屋根構造の部分詳細を示した
部分拡大図。
【図10】図1の仮設屋根構造に組み込まれた上昇機構
の構成と動作状態とを示した部分拡大図。
【図11】本発明の他の仮設屋根構造の他の実施の態様
を示した全体斜視図。
【図12】図11に示した仮設屋根構造の平面形状を示
した平面図。
【図13】図12のXIII−XIII断面線に沿って棟ガーダ
ーを示した縦断面図。
【図14】図12のXIX−XIX断面線に沿って棟ガーダー
の断面を示した横断面図。
【図15】棟ガーダー端部を支持している昇降機構の一
部を示した部分拡大図。
【図16】膜材を棟ガーダー位置に収容する作業状態を
示した状態説明図。
【図17】本発明の他の仮設屋根構造の他の実施の態様
を示した全体斜視図。
【図18】図17に示した仮設屋根構造の変形例を示し
た全体斜視図。
【図19】図17に示した仮設屋根構造の変形例を示し
た全体斜視図。
【図20】従来の仮設屋根構造の一例を示した横断面
図。
【符号の説明】
2,3 スラブ 4 油圧ジャッキ 10 仮設屋根構造 11 外周枠組足場 15,42 支柱 20,40 棟ガーダー 30 膜材 50 気球
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水上 浩良 東京都港区芝浦三丁目12番8号 安藤建設 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構築中の建物躯体の桁行方向に配置され、
    前記建物躯体の少なくとも2層のスラブ位置で支持され
    立設された2本の支柱と、前記2本の支柱間に架設され
    た棟ガーダーと、該棟ガーダーから前記建物躯体の軒部
    分にかけて展張され、前記建物躯体の上方を覆う膜材
    と、前記各スラブに反力をとりながら前記支柱を上方に
    押し上げる上昇機構とを備えたことを特徴とする仮設屋
    根構造。
  2. 【請求項2】前記膜材は、前記棟ガーダー内の巻取り軸
    に巻き取られ、該棟ガーダー内に収容されることを特徴
    とする請求項1記載の仮設屋根構造。
  3. 【請求項3】構築中の建物躯体の外側位置で該建物躯体
    の桁行方向に立設された2本の支柱と、該2本の支柱間
    に架設され、前記支柱の一部に上昇反力をとる上昇駆動
    部が設けられ、前記支柱に対して昇降可能な棟ガーダー
    と、該棟ガーダーから前記建物躯体の軒部分にかけて展
    張され、前記建物躯体の上方を覆う膜材とを備えたこと
    を特徴とする仮設屋根構造。
  4. 【請求項4】構築中の建物躯体の平面を覆うように展開
    され、所定箇所が前記建物躯体の固定部に定着された膜
    材の一部を、浮力により浮上させて前記膜材の一部に前
    記建物躯体の桁行方向に延びる棟形状を形成させる気球
    を備えたことを特徴とする仮設屋根構造。
  5. 【請求項5】前記気球は、前記建物躯体の桁行方向に沿
    って複数個が所定の間隔をあけて配置され、該気球の配
    置位置に沿って棟形状が形成されるようにしたことを特
    徴とする請求項4記載の仮設屋根構造。
  6. 【請求項6】前記気球は、前記建物躯体の桁行方向に沿
    って延びる長筒形状をなし、該気球により棟形状が形成
    されるようにしたことを特徴とする請求項4記載の仮設
    屋根構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010101135A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Sekisui Chem Co Ltd 建物ユニット用カバー
KR200467545Y1 (ko) * 2011-10-21 2013-06-18 삼성중공업 주식회사 빗물 유입 방지 장치
KR101279775B1 (ko) * 2011-06-16 2013-07-03 강원 파고라
JP2023087141A (ja) * 2021-12-13 2023-06-23 株式会社鳶浩工業 建物解体時の養生システム及び建物解体時の養生方法

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