JP2615804B2 - 磁気記録体の製造方法 - Google Patents

磁気記録体の製造方法

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JP2615804B2
JP2615804B2 JP63092829A JP9282988A JP2615804B2 JP 2615804 B2 JP2615804 B2 JP 2615804B2 JP 63092829 A JP63092829 A JP 63092829A JP 9282988 A JP9282988 A JP 9282988A JP 2615804 B2 JP2615804 B2 JP 2615804B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、磁気ディスク装置等の磁気記録装置に用い
ろれる磁気記録体の製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、ファイル記憶装置における磁気ディスク装置の
重要性が増大し、その記録密度は年々著しい向上が図ら
れつつある。これまで磁気記録媒体としては、酸化鉄磁
性粉と有機樹脂バインダーの混合物を基板上に塗布後研
磨したいわゆる塗布型ディスクが広く用いられてきた。
塗布型ディスクでは、磁性粉と有機樹脂バインダーの混
煉層中に潤滑剤を含有させ得ることのほかに、磁性層が
約0.4μm以上と厚く表面粗さRmaxもこの一割程度の0.0
4μm前後(RaはRmaxの数分の一の0.01μm程度)と比
較的大きいため、ヘッド吸着なしに十分な膜厚の潤滑膜
を賦与することができ、磁気ヘッドとの接触・摺動に対
し耐久性が優れている。しかし、今後さらに高記録密度
化を達成するには磁気記録層の薄膜化が必要であり、塗
布型ディスクではこの点は不利となる。そこで、高密度
磁気記録体として、めっき法、スパッタ法、蒸着法等に
よって形成された磁性薄膜を磁気記録層とする薄膜磁気
ディスクが用いられ始めた。
薄膜磁気ディスクの基板としては、従来アルミニウム
合金基板等の基体上にNi合金めっき膜を形成して研磨し
たもの(以下Ni合金めっき基板という)が用いられてい
る。通常、この基板は、アルミニウム合金基板上に数μ
mないし数十μmの厚さのNi合金めっき膜をめっき後、
ラッピング、ポリシング等の研磨方法により表面粗さRa
0.004μm程度以下に鏡面研磨して使用される(研究実
用化報告26−2、471頁、1977)。
ところが、この基板に磁性薄膜を形成した場合、通常
塗布型ディスクの磁気記録層の数分の一の膜厚の磁性薄
膜を平滑かつ一様であり、磁気ディスク表面に潤滑剤の
滞留場所がないために極めて少量の潤滑剤しか保持でき
ず、磁気ヘッドのCSS(コンタクト・スタート・ストッ
プ)耐久性が劣るという問題が生じる。また、鏡面研磨
した磁気ディスク表面に液体潤滑剤を塗布した場合、平
滑な表面性を有する磁気ヘッドスライダ面との間に吸着
を生じ、ディスク起動時に損傷を起こしやすい欠点があ
った。
このため、前記の様に鏡面研磨したNi合金めっき基板
を回転させながら研磨砥粒を含有したテープを接触させ
て同心円状の細い筋(テクスチャ)を形成する方法や、
特開昭59−82626号公報に見られるように、Ni合金めっ
き基板を研磨加工によりRa0.006〜0.010μmの表面粗さ
にする方法が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、この様な機械加工により粗面を形成する方法
では、研磨砥粒中の比較的大きな砥粒や研磨時に混入す
る異物等によって信号エラーの原因となる比較的太い研
磨筋を生じやすく、ディスク全面にわたって一様に適度
な粗面を得ることは困難である。こうした不均一な研磨
筋は磁性層の特性に影響を与え、記録再生特性およびサ
ーボ信号品質の劣化を招くという問題があった。さら
に、機械加工では、得られる表面粗さが、用いる研磨砥
粒と大きさによってほぼ決まってしまうため、表面粗さ
を細かく制御することができず、研磨筋の密度を高める
ことが困難であった。従って、ヘッド吸着を防ぎ、十分
な膜厚の潤滑膜を賦与するためには、表面粗さを相当大
きくする必要があり、電磁変換特性の低下を招く問題が
あった。また、このような機密機械加工は一括多量性生
産が難しく、生産性にも問題があった。
本発明の目的は信号エラーの増加やS/Nの低下がな
く、磁気ヘッドとの吸着を防止して耐久性に優れた磁気
記録体の製造方法を提供することにある。
(問題を解決するための手段) 本発明による磁気記録体の製造方法は、保護層の表面
形状として4μm2当たり1個以上の微小突起を有する磁
気記録体において、前記基体を構成する基板、下地厚
膜、または下地薄膜に微小突起を形成すること、前記磁
性層に微小突起を形成すること、または前記保護層を構
成する上地薄膜または薄膜保護膜に微小突起を形成する
ようにしている。
また、本発明による磁気記録体の製造方法は、保護層
の表面形状として4μm2当たり1個以上の微小突起を有
する磁気記録体の形成工程において貴金属粗面化処理を
行うことにより微小突起を形成することを特徴としてい
る。
本発明において用いられる磁気記録体の保護層表面の
微小突起の高さ、大きさなどの要求条件は、磁気記録体
が使用される条件によってそれぞれ異なる。ヘッドの種
類、構造、材質、ヘッド浮上量、潤滑剤、保護膜の種
類、膜厚などのヘッド・ディスク条件によって、磁気ヘ
ッドとの吸着を防止して耐久性に優れた磁気記録体を得
るための微小突起の高さ、形状などの条件が各場合に応
じて選択されるが、微小突起の高さはヘッド浮上量より
も小さく、潤滑剤の膜厚よりも大きいことが望ましい。
発明者らの検討によれば、ヘッド吸着を防止して耐久性
を向上するには、微小突起の量(微小突起の密度)の影
響がより顕著であることが明かとなった。微小突起の密
度が大きいほど良好な結果が得られるが、4μm2当たり
1個以上の密度にすることにより、磁気ヘッドとの吸着
防止と耐久性の向上に顕著な効果があった。
本発明の磁気記録体の製造方法において用いられる基
体とは、基板、または基板上に種々の付加的皮膜が被覆
されたもの、例えば基板上に下地厚膜が被覆されたも
の、さらにこの上に下地薄膜が被覆されたものなどがあ
る。基板としては、通常アルミニウム合金、銅、黄銅、
鉄、チタン等の金属基板が用いられるが、これらの表面
を酸化処理、クロメート処理したものや適当な活性化処
理によりガラス、セラミックス、樹脂等の非金属基板な
いしはこれらの複合材料からなる基板なども適用でき
る。下地厚膜、下地薄膜として、NiPまたはNiBの無電解
めっき膜を用いることが好ましいが、電気めっき膜やス
パッタ法、蒸着法などによる乾式めっき膜を用いること
もできる。さらに、NiP、またはNiB膜に、Mn,Fe,Co,Al,
Ta,Li,Mg,Ti,V,Cr,Cu,Zn,Ge,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pb,Ag,A
u,Sn,Sb,Te,Cs,W,Re,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Ac,Ba,Pt,Smな
どの少なくとも1種の元素が含有されていてもよく、さ
らにこれにP,B,C,N,O,S,As,Na,K,F,Cl,Br,I,Caなどの非
金属が含まれていてもよい。また、下地厚膜、下地薄膜
としては、Ni合金膜に限定されることはなく、W,Mo,Cu,
Sn,Zn,Re,Mn,Fe,Cr,Co,Au,Ag,Al,Ta,Ti,V,Siなどの少な
くとも1種の元素からなる膜であってもよく、さらにこ
れにP,B,C,N,O,S,As,Na,K,F,Cl,Br,I,Caなどの非金属が
含まれていてもよい。また、下地厚膜、下地薄膜は各々
単層である必要はなく、金属または各種合金膜との多層
であってもよい。下地厚膜は、平滑な表面精度を得るた
め、通常、1〜50μm、好ましくは10〜30μm程度の膜
厚の皮膜を形成した後、研磨加工される。下地薄膜は、
通常、下地厚膜以下の膜厚であり、その上の磁性膜の特
性の制御、磁性膜への基板の影響の除去などを目的に形
成される。
本発明の磁気記録体の製造方法において用いられる磁
性層は、少なくともCo,Ni,Feを含有する磁性膜である
が、さらにP,Bなどの添加元素を含有した合金膜であっ
てもよく、Oを含有した酸化物膜や、Nを含有した窒化
物膜であってもよい。本発明において用いられる磁性膜
のその他の添加元素としては、特に限定される必要はな
いが、Re,Mn,W,Li,Be,Mg,Al,Ru,Si,Mo,Zn,Sr,Y,Zr,Nb,C
d,In,Sb,Ta,Ir,Hg,Tl,Ti,V,Cr,Cu,Ga,Ge,Tc,Rb,Ra,Hf,R
h,Pb,Ag,Au,Pt,Sn,Te,Ba,Cs,Os,Sc,Se,Pb,Bi、およびラ
ンタン系列希土類元素等の元素が含まれていてもよい。
磁性膜中にはこれらの元素のほか、C,S,As,Na,K,F,Cl,B
r,I,Caなどの非金属が含まれていてもよい。磁性膜中に
は、Co,Ni,Feは10%以上含まれるが、好ましくは50%以
上である。P,Bは最大30%程度含有されるが、好ましく
は15%以下の範囲である。磁性膜厚は0.003〜3μmの
範囲が用いられるが、高密度記録用には0.5μm以下が
好ましい。磁性層は1層または2層以上で用いられる。
2層以上の場合、同一または組成、磁気特性等が高密度
となる磁性膜を直接ないし非磁性膜を介して積層され
る。これらの膜は、無電解めっき法、電気めっき法など
の湿式めっき法またはスパッタ法、蒸着法、イオンプレ
ーティング法などの乾式めっき法によって形成される。
本発明の磁気記録体の製造方法において用いられる保
護層としては、薄膜保護膜、または薄膜保護膜の下およ
びまたは上に種々の付加的皮膜が形成されたもの、例え
ば上地薄膜上に薄膜保護膜が被覆されたもの、さらにこ
の上に潤滑膜が被覆されたもの、あるいは上地薄膜上に
付加的皮膜が被覆されさらに薄膜保護膜が被覆されたも
の、さらにこの上に潤滑膜が被覆されたものなどがあ
る。これらの膜は、各々1層、もしくは多層であっても
よい。薄膜保護膜としては、石英ガラス、珪酸ガラス、
燐酸塩ガラス、非晶質アルミナなど一般にガラス状物質
と呼ばれる非晶質の半金属酸化物およびテトラヒドロキ
シシランの縮合化合物であるポリ珪酸などの非晶質無機
酸化物膜あるいは炭素膜を用いることが好ましいが、Si
3N4などの珪素化合物膜、Rh,Agなどの金属膜、Co酸化
物、CoNi酸化物などの酸化膜等も使用されることがあ
る。これらの膜は、適宜スパッタ法、蒸着法、プラズマ
CVD法プラズマインジェクションCVD法、イオンプレーテ
ィング法などの乾式めっき法、無電解めっき法、電気め
っき法などの湿式めっき法、塗布法、溶液中酸化処理
法、熱酸化法などの方法によって形成される。上地薄膜
としては、Ni合金ないしはクロム化合物、ジルコニウム
化合物などの薄膜を用いることが好ましいが、前記下地
厚膜、下地薄膜と同様の材質を使用することもできる。
潤滑膜としては、非極性固体潤滑材、極性固体潤滑材、
液体潤滑材などが使用される(第46回応用磁気学会研究
回資料、46−5、1986年)。
本発明の磁気記録体の製造方法において用いられる貴
金属粗面化処理としては、磁気記録体の形成工程におい
てパラジウム、金、銀などの貴金属粗面化処理液に浸漬
し貴金属粒子を吸着させる方法が好ましいが、湿式ある
いは乾式のめっき法即ち、無電解めっき、電気めっき、
スパッタ、蒸着、イオンプレーティング、クラスタイオ
ンビーム蒸着等の処理方法でパラジウム、金、銀、白
金、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属を付着させても
よい。磁気記録体は、基板から保護膜・潤滑膜に至るま
で、これら貴金属よりもイオン化傾向の大きい金属(卑
な金属)を成分とする多層構造をしている場合が殆どで
ある。従って、貴金属の微小突起による粗面化された状
態は安定であり、その後の膜形成により溶出したり、変
質したりする可能性が少ない。また、これら貴金属は非
磁性である磁気記録体の記録再生特性に影響を与えるこ
とも殆どない。このため貴金属が選定されたが、磁気記
録体を構成する各層よりもイオン化傾向が小さく、磁性
の低い金属、合金、化合物も用いることができる。処理
液を用いた貴金属粗面化処理法としては、プラスチック
めっき法等の前処理である活性化処理法を転用すること
ができる。これには、酸性領域で行う塩化すず溶液によ
る感受性化処理と塩化パラジウム溶液による活性化処理
の2段活性化処理法、酸性領域で行うすず/パラジウム
コロイド触媒溶液と酸・アルカリ溶液を用いた促進化処
理からなる1段階活性化処理法、アルカリ性領域で行う
すず/パラジウム錯体触媒溶液を用いた1段階活性化処
理法、酸性、アルカリ性、中性のいずれでも行える貴金
属塩溶液による活性化処理方法などがある。
従来より広く行われている2段階処理法は、米国特許
2702253号に示されているようにSnCl2溶液からなるセン
シタイザー液による感受性化処理、それに続くPd,Au,Ag
などの貴金属イオンを有するアルチベーター液による活
性化処理の工程であり、この処理により基板表面にはめ
っき反応の触媒作用をもつPb,Au,Agなどの微粒子が付着
する。処理液組成の例としては、金属表面技術講座9
「無電解メッキ」、石橋知著、朝倉書店、1968年発行に
見られるような、 Narcus液(酸性):SnCl210g/1,HCl40ml/l, Narcus液(アルカリ性):SnCl2100g/1,ロッシェル塩175
g/l,NaOH150g/l Weiss液:SnSO425〜40g/l,H2SO45〜20ml/l,アルコール15
0〜250ml/l,キノール5〜15ml/l,水600〜1000ml/l Walkar液:SnCl290g/l,HCl55ml/l などのセンシタイザー液、 Pb処理液(1):PdCl22g/l,HCl20ml/l, Pb処理液(2):PdCl20.15〜0.25g/l,HCl2.5ml/l, Au処理液:塩化金酸1g/l,HCl2m/l, Ag処理液:硝酸銀1.5g/l,アンモニア1.2m/l などのアクチベーター液を用いることができる。
また、市販液の1例として日本カニゼン社製、ピンク
シューマー(センシタイザー液)、レッドシューマー
(アクチベーター液)などを用いることができる。
近年、より均一な触媒化法として米国特許3011920
号、3532518号、3650913号に示されているようにすず/
パラジウムコロイド触媒溶液による触媒化処理と酸ない
しはアルカリ溶液による促進化処理液からなる1段階処
理法が行われるようになった。処理液組成の例として
は、テイ・オオサカ他(T.Osaka et al)、ジャーナル
・オブ・エレクトロケミカル・ソサイアティ(J.Elctro
chemical Society)、127巻、5号、1980年、1021頁に
あるように、 A液:HCl60ml/l→水→PdCl21g→SnCl22H2O22gの順で調
整し、水を加えて100mlとしたコロイド液、 B液:HCl60ml/l→水→PdCl20.25g→SnCl22H2O12gの順で
調整し、水を加えて1000mlとしたコロイド液、 C液:HCl300ml→水→PdCl21g→Na2SnO31.5g→SnCl22H2O
27.5gの順で加えて調整したコロイド液、 D液:HCl320ml→水→PdCl21g→SnCl22H2O4gの順で加え
1日熟成後SnCl22H2O46gを加えて調整したコロイド液な
ど、市販液ではE液:日立化成製塩酸ベースコロイド液
HS101B、F液:シプレイファイースト製塩ベースコロイ
ド液キャタポジット44などの触媒溶液と、ティ・オオサ
カ他(T.Osaka et al)、ジャーナル・オブ・エレクト
ロケミカル・ソサイアティ(J.Elctrochemical Societ
y)、127巻、11号、1980年、2343頁にあるように、G
液:NaOH1mol/l、H液:HCl6mol/l、I液:H2SO41.12mol/
l、J液:アンモニア1mol/l、K液:NH4BF41mol/lなど、
市販液ではL液:日立化成製ADP201、M液:シプレイフ
ァイースト製アクセスレレータ19などの促進化処理液を
用いることができる。
さらに最近アルカリ性領域を行うすず/パラジウム錯
体触媒溶液が使用されるようになった。市販液としては
シェーリング社製アクチベーターネオガント834があ
る。
酸性、アルカリ性ないしは中性領域で行う貴金属塩溶
液による粗面化処理方法としては、前記アクチベーター
液のPd処理液(1)、Pd処理液(2)、Au処理液、Ag処
理液などを用いることができる。PbCl2濃度としては0.0
001〜50g/l、好ましくは0.005〜15g/lの範囲が、塩化金
酸濃度としては0.001〜30g/l、好ましくは0.1〜10g/lの
範囲が、硝酸銀濃度としては0.001〜35g/l、好ましくは
0.1〜15g/lの範囲が用いられる。HCl濃度としては、0.0
01〜500ml/l、好ましくは0.1〜100ml/lの範囲が、アン
モニア濃度としては、0.005〜600ml/l、好ましくは0.1
〜150ml/lの範囲が用いられる。貴金属としては、Au,A
g,PdのほかにPt,Rh,Ru,Reなどの元素も用いることがで
き、貴金属塩としては、塩化塩のほかに硫酸塩、硝酸
塩、有機酸塩なども用いることができる。また使用する
酸も塩酸のほかに、硫酸、硝酸、有機酸等を用いること
ができる。そのほか、pH緩衝剤、錯化剤の作用を与える
コハク酸、酢酸などの有機産、界面活性剤などの添加剤
が加えられることがある。市販液としては、酸性液には
日本カニゼン社製の活性液1アルカリ性液には同じく日
本カニゼン社製の活性液2,3などがある。処理法として
は、処理温度0〜95℃、好ましくは15〜80℃の範囲、浸
漬処理時間1秒〜100分、好ましくは5秒〜15分間の範
囲で行われる。処理液pHは、HCl酸性では通常1以下の
ことが多いが、14以上のアルカリ性あるいはその間のpH
範囲で行われることがあり特に限定されない。
以上の処理方法によって必ずしも本発明の目的とする
微小突起が形成されるとは限らない。この処理を行なう
表面の状態との関係が重要であり、前処理として表面改
質を行なっておくことが望ましい。表面改質を行なう調
整処理には、酸処理、アルカリ処理などが用いられる。
その後の粗面化処理が酸性であれば酸処理、アルカリ性
であればアルカリ処理が用いられ、塩酸、硫酸、硝酸、
有機酸などの各種酸やアンモニア、苛性ソーダのどの各
種アルカリの種類、濃度、浸漬時間などの調整処理条件
は所要粗さや粗面化処理に応じて選定される。
得られる磁気ディスクの表面の表面状態は、電子顕微
鏡観察、表面粗さ計を用いて調べることができる。この
ような処理法により、4μm2当たり1個以上の微小突起
が形成でき、Raとして0.0003〜0.05μm、好ましくは0.
01μm以下の表面粗さを得ることができる。
本発明の主要な目的は、4μm2当たり1個以上の微小
突起を有する保護層を表面形状とすることにより従来の
問題を改善して、磁気ヘッドとの吸着を防止して耐久性
に優れた磁気記録体を提供することにある。従って、種
々の用途に用いるために磁気記録層の上下の層について
種々の材質の付加的層を加えた構成の磁気記録体に対し
ても本発明を適用し得ることは明らかである。この様な
構成の磁気記録体としては例えば、材質が選定され精度
よく加工されたガラス基板、セラミック基板、アルマイ
ト基板などのように、基板のみで硬度、機械的精度など
の基体に要求される条件を満たすため、下地厚膜ないし
下地薄膜を要しないもの、アルミ基板上にNiPめっき下
地厚膜を形成する基体において欠陥減少の目的で下地厚
膜を多層化したもの、磁気記録層の磁気特性、結晶構造
の制御や作製の容易さ等の目的で磁性層の下にクロム、
モリブデン、チタン、シリコン、金等の前処理層を形成
したもの、磁気記録特性の向上やデータ情報とサーボ情
報を多重すること等の目的で磁気記録層を直接または非
磁性層を介して多層にしたもの、耐候性をより向上させ
るために保持層の多層の多層構造にしたものなどが挙げ
られる。
(作用) 高密度磁気記録体として磁性薄膜を媒体に用いた磁気
ディスクでは、表面が平滑で潤滑剤の滞留場所がないた
め磁気ヘッドとのCSS耐久性に劣り、潤滑剤の量を増す
と磁気ヘッドスライダ面との間に吸着を生じるという問
題があった。このため、平滑なディスク基板面に機械加
工によってテクスチャと呼ばれる筋をつけることが広く
行われている。しかし、このような機械加工により粗面
を形成する方法では、研磨粗さの不均一によって信号エ
ラーを生じやすいほか、粗さを細かく制御できないため
研磨筋の密度を高めることが困難であった。ヘッド吸着
を防ぎ十分な膜厚の潤滑膜を賦与するためには、表面粗
さを相当大きくする必要があり、電磁変換特性の低下を
招く問題があった。発明者らは、ディスク表面の粗さ・
形状が、ヘッド吸着、耐久性、電磁変換特性などに与え
る影響を詳細に検討した結果、機械加工よりも物理的あ
るいは化学的表面処理による方がはるかに微細で密な表
面形状が得られしかもその制御が容易なこと、機械加工
によって形成される研磨筋(凹部)よりも物理的あるい
は化学的表面処理によって形成した微小突起(凸部)の
方がヘッド吸着防止効果が格段に大きいことが明かとな
った。物理的あるいは化学的表面処理による微小突起は
微細かつ緻密に形成できるため小さい表面粗さで十分で
あり、耐久性、電磁変換特性などに良好な結果が得られ
ることも明らかとなった。磁気ヘッドとの吸着を防止し
て耐久性に優れた磁気記録体を得るための微小突起の高
さ、形状などの条件はヘッド・ディスク条件に応じて選
択されるが、微小突起の高さよりも微小突起の量(微小
突起の密度)の影響がより顕著であった。微小突起の密
度が大きいほど良好な結果が得られるが、好ましくは4
μm2当たり1個以上の密度であることが明かとなった。
本発明は、このような知見を得たことによりもたらされ
たものである。
(実施例) (実施例1) 十分な硬度と良好な表面精度(Ra0.001μm、TIR≦20
μm、加速度≦2G)のアルミナセラミックス基板(内径
100mm、外径210mm)の表面を洗浄・調整処理を行った
後、この表面上に下記の条件で貴金属粗面化処理をおこ
なった。
貴金属粗面化処理(1) センシタイザー液(SnCl210g/l,HCl40ml/l,30℃)に
1分間浸漬後、アクチベーター液(PdCl20.2g/l,HCl2ml
/l,40℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(2) センシタイザー液(SnCl25g/l,HCl5ml/l,35℃)に2
分間浸漬後、アクチベーター液(塩化金酸1g/l,HCl2ml/
l,45℃)に3分間浸漬。
貴金属粗面化処理(3) センシタイザー液(SnCl212g/l,HCl45ml/l,35℃)に
3分間浸漬後、アクチベーター液(硝酸銀1.5g/l,アン
モニア1.2ml/l,55℃)に4分間浸漬。
貴金属粗面化処理(4) センシタイザー液(日本カニゼン社製ピンクシューマ
ー、25℃)に2分間浸漬後、アクチベーター液(日本カ
ニゼン社製レッドシューマー、40℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(5) 触媒化処理液(D液:HCl320ml→水→PdCl21g→SnCl22
H2O4gの順で加え1日熟成後SnCl22H2O46gを加えて調整
したコロイド液、30℃)に2分間浸漬後、促進化処理液
(K液:NH4BF41mol/l,45℃)に3分間浸漬。
貴金属粗面化処理(6) 触媒化処理液(F液:シプレイファイースト製塩ベー
スコロイド液キャタポジット44、50℃)に1分間浸漬
後、促進化処理液(M液:シプレイファイースト製アク
セレレータ19,30℃)に4分間浸漬。
次にその上に無電解めっき法によりめっき浴(1)を
用いて膜厚0.08μmの磁性薄膜を形成した。
めっき浴(1) めっき浴組成 硫酸コバルト 0.07mol/l 硫酸ニッケル 0.035mol/l 次亜リン酸ナトリウム 0.25mol/l マロン酸ナトリウム 0.5mol/l リンゴ酸ナトリウム 0.3mol/l コハク酸ナトリウム 0.4mol/l 硫酸アンモニウム 0.4mol/l めっき条件 浴温82℃ めっき浴のpH9.2(室温にてアンモニア水でpH調節) めっき液の容量1001 次にこの上に珪酸モノマーを回転塗布し、190℃で30
時間焼成して膜厚0.08μmの珪酸重合体を主成分とする
薄膜保護膜を形成し、更にこの上に固体潤滑剤(モノス
テアリン)からなる潤滑層を形成し磁気ディスク(1〜
6←…貴金属粗面化処理の番号に対応)を作製した。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察を行な
った結果、4μm2当たり1個以上の微小突起が形成され
ていた。こうして得られた磁気記録体の構造をモデル図
で示すと第1図のようになる。
(実施例2) 実施例1と同様の手順で磁気記録体の作製を行なった
が、本実施例では実施例1の各貴金属粗面化処理の後、
日本カニゼン社製無電解NiPめっき液(シューマー)を
用いて膜厚0.05μmの非磁性Ni−P下地薄膜を形成する
工程を加えた。
用いた各貴金属粗面化処理(1)〜(6)に対して、
ディスク番号を順に(7)〜(12)とする。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察を行な
った結果、4μm2当たり1個以上の微小突起が形成され
ていた。こうして得られた磁気記録体の構造をモデル図
で示すと第2図のようになる。
(実施例3) アルミ合金基板(内径100ml外径210mm)上に、公知の
前処理(洗浄、亜鉛置換処理等)を行った後、シプレイ
ファイースト社製無電解NiPめっき液(ニポジット)を
用いて膜厚25μmの非磁性Ni−P下地厚膜をめっきし
た。次に下地厚膜表面を鏡面研磨した後、調整処理を行
ないこの表面上に下記の条件で貴金属粗面化処理をおこ
なった。
貴金属粗面化処理(7) センシタイザー液(SnCl27g/l,HCl30ml/l,25℃)に2
分間浸漬後、アクチベーター液(PdCl20.05g/l,HCl2ml/
l,45℃)に1分間浸漬。
貴金属粗面化処理(8) センシタイザー液(SnCl290g/l,ロッシェル塩150g/l,
NaOH100g/l)に2分間浸漬後、アクチベーター液(塩化
金酸1.5g/l,HCl2ml/l,25℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(9) センシタイザー液(SnCl25g/l,HCl15ml/l,40℃)に30
秒間浸漬後、アクチベーター液(硝酸銀1g/l,アンモニ
ア2ml/l,40℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(10) センシタイザー液(日本カニゼン社製ピンクシューマ
ー、25℃)に2分間浸漬後、アクチベーター液(日本カ
ニゼン社製レッドシューマー、30℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(11) 触媒化処理液(A液:HCl60ml/l→水→PdCl21g→SnCl2
2H2O22gの順で調整し、水を加えて1000mlとしたコロイ
ド液)に1分間浸漬後、促進化処理液(K液:NH4BF41mo
l/l,45℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(12) 触媒化処理液(F液:シプレイファイースト製塩ベー
スコロイド液キャタポジット44、40℃)に30秒間浸漬
後、促進化処理液(M液:シプレイファイースト製アク
セレレータ19,25℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(13) アクチベーター液(PdCl20.02g/l,HCl2ml/l,65℃)に
5分間浸漬。
貴金属粗面化処理(14) アクチベーター液(塩化金酸0.8g/l,HCl1.5ml/l,40
℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(15) アクチベーター液(硝酸銀1.2g/l,アンモニア1.2ml/
l,45℃)に3分間浸漬。
貴金属粗面化処理(16) アクチベーター液(日本カニゼン社製の活性液1、50
℃)に1分間浸漬。
次にこの上に実施例1と同様の条件で膜厚0.08μmの
磁性薄膜を形成した。
次にこの上に珪酸モノマーを回転塗布し、190℃で1
時間焼成して膜厚0.08μmの珪酸重合体を主成分とする
薄膜保護膜を形成し、更にこの上に液体潤滑剤(パーフ
ロロアルキルポリエーテル)からなる潤滑層を形成し磁
気ディスクを作製した。
用いた各貴金属粗面化処理(7)〜(16)に対して、
ディスク番号を順に(13)〜(22)とする。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察を行な
った結果、4μm2当たり1個以上の微小突起が形成され
ていた。こうして得られた磁気記録体の構造をモデル図
で示すと第3図のようになる。
(実施例4) 実施例3と同様の手順で磁気記録体の作製を行なった
が、本実施例では実施例3の下地厚膜表面の鏡面研磨
後、シプレイファーイースト社製無電解NiCuPめっき液
(ニクロイ)を用いて膜厚0.5μmの非磁性NiCuP下地薄
膜を形成する工程を加えた。したがって実施例3で下地
厚膜表面上に行なった調整処理と各貴金属粗面化処理
を、本実施例ではこの下地薄膜表面上に行なうことにな
る。
用いた各貴金属粗面化処理(7)〜(16)に対して、
ディスク番号を順に(23)〜(32)とする。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察を行な
った結果、4μm2当たり1個以上の微小突起が形成され
ていた。こうして得られた磁気記録体の構造をモデル図
で示すと第4図のようになる。
(実施例5) 実施例3と同様の手順で磁気記録体の作製を行なった
が、本実施例では実施例3の下地厚膜表面の鏡面研磨
後、その上に無電解めっき法によりめっき浴(2)を用
いて膜厚0.08μmの磁性薄膜を形成した。次に、この磁
性層の表面上に調整処理の後下記の条件で貴金属粗面化
処理をおこなった。
貴金属粗面化処理(17) センシタイザー液(SnCl21g/l,HCl15ml/l,25℃)に1
分間浸漬後、アクチベーター液(PdCl20.02g/l,HCl1.5m
l,40℃)に50秒間浸漬。
貴金属粗面化処理(18) センシタイザー液(SnCl250g/l,ロッシェル塩100g/l,
NaOH50g/l,25℃)に1分間浸漬後、アクチベーター液
(塩化金酸0.5g/l,HCl3ml/l,25℃)に30秒間浸漬。
貴金属粗面化処理(19) センシタイザー液(SnCl220g/l,ロッシェル塩50g/l,N
aOH20g/l,25℃)に30秒間浸漬後、アクチベーター液
(硝酸銀1.5g/l,アンモニア3ml/l,45℃)に2分間浸
漬。
貴金属粗面化処理(20) 触媒化処理液(F液:シプレイファイースト製塩ベー
スコロイド液キャタポジット44、30℃)に10秒間浸漬
後、促進化処理液(M液:シプレイファイースト製アク
セレレータ19,25℃)に1分間浸漬。
貴金属粗面化処理(21) アクチベーター液(PdCl20.01g/l,HCl1ml/l,30℃)に
2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(22) アクチベーター液(塩化金酸0.7g/l,HCl1.5ml/l,35
℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(23) アクチベーター液(硝酸銀1.5g/l,アンモニア2ml/l,2
5℃)に1分間浸漬。
貴金属粗面化処理(24) アクチベーター液(日本カニゼン社製の活性液3,60
℃)に2分間浸漬。
したがって、実施例3で下地厚膜表面上に行った貴金
属粗面化処理を本実施例では磁性層表面上に行なったこ
とになる。
用いた各貴金属粗面化処理(17)〜(24)に対してデ
ィスク番号を順に(33)〜(40)とする。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察を行な
った結果、4μm2当たり1個以上の微小突起が形成され
ていた。こうして得られた磁気記録体の構造をモデル図
で示すと第5図のようになる。
(実施例6) 実施例5と同様の手順で磁気記録体の作製を行なった
が、本実施例では実施例5での磁性層めっき後、その上
に日本カニゼン社製無電解NiPめっき液(シューマー)
を用いて膜厚0.04μmの非磁性Ni−P上地薄膜を形成す
る工程を加え、この上地薄膜の表面上に実施例5と同様
の条件で貴金属粗面化処理を行った。したがって実施例
5で磁性層表面に行った貴金属粗面化処理を、本実施例
ではこの上地薄膜表面上に行なうことになる。次にこの
上にRFスパッタ法により膜厚0.04μmの炭素膜よりなる
薄膜保護膜を形成した。
用いた各貴金属粗面化処理(17)〜(24)に対して、
ディスク番号を順に(41)〜(48)とする。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察を行な
った結果、4μm2当たり1個以上の微小突起が形成され
ていた。こうして得られた磁気記録体の構造をモデル図
で示すと第6図のようになる。
(実施例7) 実施例5と同様の手順で磁気記録体の作製を行なった
が、本実施例では実施例5の磁性層のめっき後、その上
にRFスパッタ法により膜厚0.03μmのクロム化合物(主
成分はクロムであるが、一部酸化クロムを含む)よりな
る上地薄膜を形成し、この上にRFスパッタ法により膜厚
0.04μmの炭素膜よりなる薄膜保護膜を形成した。次
に、この薄膜保護膜の表面上に下記の条件で貴金属粗面
化処理を行った。
貴金属粗面化処理(25) センシタイザー液(SnCl23g/l,HCl3ml/l,30℃)に1
分間浸漬後、アクチベーター液(PdCl20.03g/l,HCl2ml/
l,35℃)に1分間浸漬。
貴金属粗面化処理(26) センシタイザー液(SnCl270g/l,ロッシェル塩120g/l,
NaOH50g/l,25℃)に2分間浸漬後、アクチベーター液
(塩化金酸1.3g/l,HCl5ml/l,30℃)に50秒間浸漬。
貴金属粗面化処理(27) センシタイザー液(SnCl230g/l,ロッシェル塩60g/l,N
aOH30g/l,35℃)に2分間浸漬後、アクチベーター液
(硝酸銀1.5g/l,アンモニア4ml/l,40℃)に3分間浸
漬。
貴金属粗面化処理(28) 触媒化処理液(F液:シプレイファイースト製塩ベー
スコロイド液キャタポジット44、50℃)に45秒間浸漬
後、促進化処理液(M液:シプレイファイースト製アク
セレレータ19,25℃)に30秒間浸漬。
貴金属粗面化処理(29) アクチベーター液(PdCl20.1g/l,HCl6ml/l,30℃)に
3分間浸漬。
貴金属粗面化処理(30) アクチベーター液(塩化金酸1g/l,HCl1.5ml/l,30℃)
に3分間浸漬。
貴金属粗面化処理(31) アクチベーター液(硝酸銀1.5g/l,アンモニア5ml/l,3
5℃)に2分間浸漬。
貴金属粗面化処理(32) アクチベーター液(日本カニゼン社製の活性液2、60
℃)に2分間浸漬。
したがって実施例5で磁性層表面上に行った貴金属粗
面化処理を、本実施例ではこの薄膜保護膜表面上に行な
うことになる。
用いた各貴金属粗面化処理(25)〜(32)に対して、
ディスク番号を順に(49)〜(56)とする。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察を行な
った結果、4μm2当たり1個以上の微笑突起が形成され
ていた。こうして得られた磁気記録体の構造をモデル図
で示すと第7図のようになる。
(比較例1) 実施例3と同様の手順で磁気記録体の作製を行なった
が、本比較例では下地厚膜表面上に行った各貴金属粗面
化処理を省略した。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察および
表面粗さの測定を行なった結果、微小突起はなく極めて
平滑な表面であった。こうして得られたディスクの番号
を(57)とする。この磁気記録体の構造をモデル図で示
すと第8図のようになる。
(比較例2) 実施例7と同様の手順で磁気記録体の作製を行なった
が、本比較例では薄膜保護膜表面上に行なった各貴金属
粗面化処理を省略した。
得られた磁気ディスクの表面の電子顕微鏡観察および
表面粗さの測定を行なった結果、微小突起はなく極めて
平滑な表面であった。こうして得られたディスクの番号
を(58)とする。この磁気記録体の構造をモデル図で示
すと第9図のようになる。
実施例および比較例で得られた磁気ディスクについ
て、3350型Mn−Znフェライト磁気ヘッドを用いてヘッド
吸着の有無を検討した。磁気ヘッドと各ディスクをドラ
イブに設定し、放置前後の摩擦係数を測定した。放置前
の摩擦係数は全てのディスクにつて0.23〜0.27の範囲に
あったが、比較例のディスク(57)および(58)では10
0時間放置後の摩擦係数が1.0以上に増加しヘッド吸着現
象を生じていた。しかし、実施例では得られたディスク
(1)〜(56)については、100時間放置後の摩擦係数
の値は0.21〜0.25の範囲にありヘッド吸着に関しなんら
問題がなかった。また実施例および比較例で得られた磁
気ディスクについて、3350型Mn−Znフェライト磁気ヘッ
ドを用いてCSS(接触・始動・停止)試験を行ない表面
に傷が発生するまでのCSS回数を調べた。この回数が2
万回以上であれば実用上十分な耐久性をもつと考えられ
る。比較例のディスク(57)および(58)では数百回で
表面に傷が発生し、ディスク(57)てCSS66500回、ディ
スク(58)でCSS7300回でヘッドクラッシュに至った。
実施例で得られたディスク(1)〜(56)については、
CSS5万回後においもディスク表面に傷の発生は認められ
ず、耐久性が著しく向上していた。さらに実施例および
比較例で得られた磁気ディスクについて、記録再生特性
の比較を行なったが、出力、分解能、オーバーライト、
ノイズ、ピークシフトのいずれの特性も同様の値を示
し、実施例において微小突起を磁気記録体の表面に形成
したことによる影響は認められなかった。
(発明の効果) 以上、実施例および比較例で示されたように本発明に
よれば、基体と、この基体を被覆する磁性層と、この磁
性層を被覆する保護層からなる磁気記録体において、前
記基体を構成する基板表面、下地厚膜表面または下地薄
膜表面、前記磁性層の表面、または前記保護層を構成す
る上地薄膜または薄膜保護膜に微小突起を形成して、4
μm2当たり1個以上の突起密度の表面状態とすることに
より、信号エラーの増加やS/Nの低下がなく、磁気ヘッ
ドとの吸着を防止して耐久性に優れた磁気記録体が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は、それぞれ本発明の磁気記録体の実施
例1〜実施例7の断面模式図第8図および第9図は本発
明の実施例と比較される磁気記録体の断面模式図であ
る。 1……基板、2……下地厚膜、3……下地薄膜、4……
磁性層、5……上地薄膜、6……薄膜保護膜、7……潤
滑膜、8……貴金属粗面化処理層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 雄二 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 柳沢 雅広 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−40528(JP,A) 米国特許3011920(US,A) 米国特許3650913(US,A) 米国特許3532518(US,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と、この基体を被覆する磁性層と、こ
    の磁性層を被覆する保護層からなり、前記基体が基板、
    または前記基体が基板およびこれを被覆する付加的皮膜
    からなる磁気記録体において、前記基板に貴金属粗面化
    処理により微小突起を形成することを特徴とする保護層
    の表面形状として4μm2当たり1個以上の微小突起を有
    する磁気記録体の製造方法。
  2. 【請求項2】基体と、この基体を被覆する磁性層と、こ
    の磁性層を被覆する保護層からなり、前記基体が基板お
    よびこれを被覆する下地厚膜、または前記基体が基板お
    よびこれを被覆する下地厚膜およびこれを被覆する付加
    的皮膜からなる磁気記録体において、前記下地厚膜に貴
    金属粗面化処理により微小突起を形成することを特徴と
    する保護層の表面形状として4μm2当たり1個以上の微
    小突起を有する磁気記録体の製造方法。
  3. 【請求項3】基体と、この基体を被覆する磁性層と、こ
    の磁性層を被覆する保護層からなり、前記基体が基板お
    よびこれを被覆する下地厚膜およびこれを被覆する下地
    薄膜からなる磁気記録体において、前記下地薄膜に貴金
    属粗面化処理により微小突起を形成することを特徴とす
    る保護層の表面形状として4μm2当たり1個以上の微小
    突起を有する磁気記録体の製造方法。
  4. 【請求項4】基体と、この基体を被覆する磁性層と、こ
    の磁性層を被覆する保護層からなる磁気記録体におい
    て、前記磁性層に貴金属粗面化処理により微小突起を形
    成することを特徴とする保護層の表面形状として4μm2
    当たり1個以上の微小突起を有する磁気記録体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】基体と、この基体を被覆する磁性層と、こ
    の磁性層を被覆する保護層からなり、前記保護層が上地
    薄膜およびこれを被覆する薄膜保護膜、または前記保護
    層が上地薄膜およびこれを被覆する薄膜保護膜およびこ
    れを被覆する潤滑膜、または前記保護層が上地薄膜およ
    びこれを被覆する付加的皮膜およびこれを被覆する薄膜
    保護膜、または前記保護層が上地薄膜およびこれを被覆
    する付加的皮膜およびこれを被覆する薄膜保護膜および
    これを被覆する潤滑層からなる磁気記録体において、前
    記上地薄膜に貴金属粗面化処理により微小突起を形成す
    ることを特徴とする保護層の表面形状として4μm2当た
    り1個以上の微小突起を有する磁気記録体の製造方法。
  6. 【請求項6】基体と、この基体を被覆する磁性層と、こ
    の磁性層を被覆する保護層からなり、前記保護層が薄膜
    保護膜、または前記保護層が薄膜保護膜およびその上お
    よびまたは下に形成された付加的皮膜からなる磁気記録
    体において、前記薄膜保護膜に貴金属粗面化処理により
    微小突起を形成することを特徴とする保護層の表面形状
    として4μm2当たり1個以上の微小突起を有する磁気記
    録体の製造方法。
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