JP2614200B2 - 熱成形ポリエステル容器 - Google Patents

熱成形ポリエステル容器

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JP2614200B2 JP7915589A JP7915589A JP2614200B2 JP 2614200 B2 JP2614200 B2 JP 2614200B2 JP 7915589 A JP7915589 A JP 7915589A JP 7915589 A JP7915589 A JP 7915589A JP 2614200 B2 JP2614200 B2 JP 2614200B2
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    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、食品包装用容器、詳しくは成形性に優れた
熱成形ポリエステル容器に関する。
<従来の技術> ポリエチレンテレフタレートより成るシートを熱成形
して得られた容器は、電子レンジ/オーブン食品容器と
して優れた耐熱性を持つが、優れた成形性(特に短い成
形サイクル)と優れた耐衝撃性の両方を兼ね合せた容器
は、未だ開発されていない。
他成分を含まない未変性ポリエステルを熱成形する場
合、高温時の熱安定性を改良するため、結晶化度を上げ
るには、成形サイクルとして30〜60秒を必要とし、極め
て生産性が悪い。またポリエチレンテレフタレートの結
晶化速度を速める為に無機粒子等の核剤、及び衝撃改善
効果を有するクラック防止剤(好ましくはポリオレフィ
ン)を配合した場合、結晶化速度、耐衝撃性は改善され
たが、核剤により該最終製品の結晶化度が上がり過ぎる
為に、衝撃強度、特に低温時の衝撃強度が充分とはいえ
なかった。そのため、ポリエチレンテレフタレートに結
晶化促進効果と衝撃改善効果を共有する高分子系核剤
(好ましくはポリオレフィン)を配合する方法が考えら
れ耐衝撃性は改善されたが、結晶化速度が劣る為、高速
の成形サイクルでは、金型から製品を取りはずす際に離
型不良となり、型くずれを起こし、製品の品位を著しく
低下させるという問題点があった。
また、特開昭58−63743号公報には、ポリエチレンテ
レフタレートにカルボキシル基の金属塩を有する高分子
化合物などの結晶化促進剤及び変性ポリオレフィンなど
の衝撃改善剤を配合し、射出成形サイクルを短くするこ
とが開示されているが、変性ポリオレフィンを使用する
ため、熱で着色したり、耐熱性や成形時における離型性
が劣るという問題が生じる。
本発明者等は、この様な従来の問題点を解決する為に
鋭意検討した結果、脂肪酸より誘導された脂肪酸のジエ
ステルあるいは脂肪酸の金属塩を配合することにより、
優れた成形性,耐衝撃強度を得ることができることを見
出し本発明に至った。
<問題を解決する為の手段> (1)固有粘度0.6〜1.1のポリエチレンテレフタレート
100重量部に対して、炭素原紙2〜6個を含有するモノ
マーより誘導された繰返し単位を有するポリオレフィン
1.0〜10重量部及び脂肪酸から誘導された下記式〔I〕
で示される脂肪酸のジエステル及び/又は〔II〕で示さ
れる脂肪酸の金属塩0.01〜2.0重量部を配合した組成物
から成るシートを熱成形したことを特徴とする200℃以
上の耐熱性を有するポリエステル容器。
(R3−COO)YMe 〔II〕 (但し式〔I〕〔II〕中のR1,R2,R3はそれぞれCH
2 mCH3,CH2 lCH3,CH2 nCH3であって、m=13
〜32,1=13〜32,n=8〜32である。式〔I〕中のxはx
=1〜8,式〔II〕中のMeは金属であり、YはMeの金属の
価数と一致し、Yとnの積が20〜96である。) (2)〔I〕で示される脂肪酸のジエステルがブチレン
ビスモンタネート、エチレンビスモンタネート、メチレ
ンビスモンタネート、エチレンビスメリシネート、エチ
レンビスヘプタネートよりなる群より選ばれた1又は2
以上の化合物であり、〔II〕で示される脂肪酸の金属塩
がモンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、ヘプ
タコサン酸ナトリウム、メリシン酸ナトリウム、メリシ
ン酸ナトリウムよりなる群より選ばれた1又は2以上の
化合物であるような請求項(1)に記載の熱成形ポリエ
ステル容器。
(3)〔1〕で示される脂肪酸のジエステルがエチレン
ビスモンタネート、〔II〕で示される脂肪酸の金属塩が
モンタン酸ナトリウムである請求項(1)に記載の熱成
形ポリエステル容器。
以下に本発明の構成要件を具体的に詳述する。
本発明を構成する第1の要件であるマトリックスとな
るポリエステルとはポリエチレンテレフタレートのホモ
ポリマーは勿論のこと、テレフタル酸成分の一部をイソ
フタル酸,アジピン酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸,ジフェニルスルフォンジ
カルボン酸,セバシン酸,ナフタレンジカルボン酸等の
如き他の1種以上のジカルボン酸成分へ置換し、エチレ
ングリコール成分の一部をジエチレングリコール,ヘキ
サメチレングリコール,トリメチレングリコール,プロ
ピレングリコール,シクロヘキサンジメタノール,ネオ
ペンチルグリコール,ブチレングリコール等の如き他の
1種以上のグリコール成分で置換したコポリエステルを
包含する。該コポリエステル中の共重合成分の総割合は
全酸成分に対して5モル%以下であることが好ましい。
又、ポリエステル中にカーボンブラック,タルク,マイ
カ,二酸化チタン,炭酸カルシウム,アルミナ,シリ
カ,ワラストナイト,カオリン等の無機粒子を含有する
事が出来る。しかしながら、本発明において、上記無機
粒子は製品の低温時の衝撃強度低下を引き起こす為,10
重量%以下、特に5重量%以下が好ましい。
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、20℃に於
て、重量比60/40のフェノール/テトラクロロエタン混
合溶媒中での測定において、0.6〜1.1が必要であり、好
ましくは0.75〜1.0である。固有粘度の低いポリエチレ
ンテレフタレートの方が結晶化速度の点からでは有利で
あるが、低温衝撃が低くなる為、少なくとも0.6が必要
で好ましくは0.75以上である。逆に固有粘度が1.1を超
えるものは低温時の衝撃強度に対して有利であるが、熱
成形の際の結晶化速度が遅くなり、金型面への粘着を起
こす為、成形サイクルを上げる場合には不利である。
第2の構成要素は、ポリエチレンテレフタレートの結
晶化度上昇に伴う、耐衝撃性の低下を抑制する為のポリ
オレフィンである。一般にポリオレフィンは、ポリエチ
レンテレフタレートに比べガラス転移点が低く、衝撃に
対し抗力を有する。従ってポリオレフィンを配合するこ
とにより結晶化度を上げたポリエチレンテレフタレート
の耐衝撃性を向上させる事が出来る。
本発明に用いられるポリオレフィンとしては炭素数2
〜6個を含有するモノマーより誘導された繰り返し単位
を有するものが適当であり、低密度ポリエチレン,線状
低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリプロピ
レン,ポリブテン,ポリペンテン,ポリメチルペンテ
ン,が例として挙げられる。中でも低密度ポリエチレン
及びポリプロピレンが好ましい。該ポリオレフィンの配
合量は、ポリエチレンテレフタレート100重量部に対し
て1〜10重量部が必要であり、2〜6重量部が好まし
い。1重量部未満では結晶化度が高くなったポリエチレ
ンテレフタレートの衝撃強度を上げる事は難しい。一
方、10重量部を超えると耐熱性の低下が大きくなり、20
0℃を超える使用に充分耐えることが出来なくなる。
本発明の第3の構成要素は熱成形時のポリエチレンテ
レフタレートの結晶化速度を促進する効果のある脂肪酸
から誘導された下記式〔I〕で示される脂肪酸のジエス
テル及び/又は〔II〕で示される脂肪酸の金属塩であ
る。
(R3−COO)YMe 〔II〕 (但し式〔I〕〔II〕中のR1,R2,R3はそれぞれCH
2 mCH3,CH2 lCH3,CH2 nCH3であって、m=13
〜32,1=13〜32,n=8〜32である。式〔I〕中のxはx
=1〜8,式〔II〕中のMeは金属であり、YはMeの金属の
価数と一致し、Yとnの積が20〜96である。) 本発明に用いられる脂肪酸ジエステルとしては、ブチ
レンビスモンタネート,エチレンビスモンネート,メチ
レンビスモンタネート,エチレンビスメリシネート,エ
チレンビスヘプタネート等が挙げられ、脂肪酸金属塩と
してはモンタン酸ナトリウム,モンタン酸マグネシウ
ム,モンタン酸カルシウム,ヘプタコサン酸ナトリウ
ム,メリシン酸ナトリウム等が挙げられるが、中でもエ
チレンビスモンタネート,モンタン酸ナトリウムが好ま
しい。
上記〔I〕式のCH2 xの部分が の如く、側鎖があっても構わないが側鎖の長さや数は、
少ない方が好ましい。
〔I〕式の脂肪酸ジエステルのメチル基の数m,1が13
未満の場合、熱成形時のプレートアウトが発生する傾向
があり、金型を汚す危険が大きく、また熱劣化が起こる
ため適当でない。一方、xが10より大きい場合やm,1が3
2より大きい場合においては、ポリエチレンテレフタレ
ートとの相溶性が悪くなるため、大巾な結晶化促進効果
は得られない。
同様に、〔II〕式におけるYとnの積は、20〜96であ
り、96より大きい場合には、ポリエチレンテレフタレー
トとの相溶性が悪くなり、充分な結晶化促進効果が得ら
れない。〔II〕式中のMeはCa2+,Na+,Al3+,Mg2+の如
き、アルカリ金属及びアルカリ土類金属等が好ましい。
該脂肪酸ジエステル及び/又は脂肪酸金属塩の配合量
はポリエチレンテレフタレート100重量部に対して0.01
〜2.0重量部が必要であり、0.1〜1.0重量部が好まし
い。0.01重量部未満では、充分な結晶化促進効果が得ら
れず、結晶化させる為の熱処理温度を高くしたり、処理
時間を長くしなければならない。一方、配合量が2.0重
量部を超える場合には、熱成形時にプレートアウトして
金型を汚す恐れがある上、大きな結晶化促進効果も見ら
れず、また配合量の増加にともない分子量低下を引き起
こすため不適である。
ところで、ポリエチレンテレフタレートは結晶化度を
上げることによって耐熱性は向上するが一方では固く脆
くなるという性質がある為、結晶化度を不必要に高くす
る事は好ましくない。一般に製品の結晶化度は15〜30%
程度が適当とされている。製品の結晶化度が15%未満で
は熱成形品取出時金型に粘着する為、充分な寸法安定性
が得られない。一方、製品の結晶化度が30%を超えてく
ると、衝撃強度、特に低温時の衝撃強度が低下する傾向
がある。製品の結晶化度が35%を大巾に超える場合には
搬送時及び販売店や家庭での取扱い時に容器の破損が多
くなる。一般に無機系核剤を使用した場合、結晶化速度
は速く、成形サイクルは短縮されるが、シート押出時に
ポリエチレンテレフタレートの分子量低下を引き起こし
たり、熱成形時の到達結晶化度が、必要以上に高くなっ
て、耐衝撃性を低下させる傾向がある。一方、高分子系
核剤を使用する場合はポリエチレンテレフタレートの分
子量低下は見られず、熱成形時の到達結晶化度も低く抑
えられる為に耐衝撃性に優れた製品を得る事が可能であ
る。しかし、高速で熱成形を行う場合には、結晶化速度
が充分でない為製品を金型から容易に取りはずす為に必
要な結晶化度に達せず、著しい外観の不良(変形)を引
き起こす。又、成形サイクルを長くしても結晶化速度が
不充分である為、高い金型温度が必要となり、生産時の
微妙な温度変化であっても不良品の発生が多い。
ところが、ポリエチレンテレフタレートにポリオレフ
ィン及び脂肪酸ジエステルあるいは脂肪酸の金属塩を配
合した場合には、結晶化速度が大巾に向上し、特に低温
度での結晶化速度が著しく高められる為高速での熱成形
が安定して行われることが可能となる事を見出した。
本発明のポリマー組成物は、低温金型での高速熱成形
が可能となり又、成形温度条件巾の拡大や、生産時の温
度変化による不良品発生の割合低下も可能である。更
に、無機系核剤使用時に見られた、分子量低下や熱成形
時の不必要な結晶化度の上昇は見られず、素早く、安定
な結晶化度に達する為、得られた製品は低温衝撃に非常
に優れたものが得られる。
本発明に於いて、前記脂肪酸誘導体の配合により、何
故ポリエチレンテレフタレートの結晶化が大巾に促進す
るかについては明らかではないが、脂肪酸誘導体のみ又
は、前記脂肪酸誘導体のみ配合の場合、結晶化開始温度
の低下はあるが、大巾な結晶化促進効果はないこと、及
びポリオレフィン等の核剤併用により、はじめて著しい
結晶化促進効果が発現することから、脂肪酸誘導体は、
熱を受けた時のポリエステルポリマーセグメントを動き
易くさせることによって結晶化開始温度を低温側に移行
させ、無機粒子やポリオレフィン等の核から成長するポ
リエチレンテレフタレートの結晶の成長速度を高める作
用を持っていると考えられる。
本発明は、優れたハイサイクル性、衝撃強度を有する
が約140〜170℃で熱成形された製品が実際に電子レンジ
/オーブンで200℃以上で加熱処理される時には、結晶
化度が更に上昇し、40〜55%程度になるので充分な耐熱
性を有していることは言うまでもない。
本発明容器は、高い結晶化度による改善された低温衝
撃強度及び高温使用時に高められた結晶化度による優れ
た耐熱性が得られるという極めて秀でた特性を備えてお
り、TVディナーと称される調理済冷凍食品容器等に最適
である。
<実施例> 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明す
る。
(実施例1〜9,比較例1〜8) 20℃の重量比60/40のフェノール/テトラクロロエタ
ン混合溶媒中で測定した固有粘度が下記表−1に示され
るポリエチレンテレフタレートを水分率0.01%以下にな
るように乾燥させ、表−1に示した組成のポリオレフィ
ン(低密度ポリエチレン)及び脂肪酸誘導体(実施例1
〜8及び比較例1〜7にはモンタン酸ナトリウム,比較
例8にはステアリン酸ナトリウムを,実施例9はエチレ
ンビスモンタネートを配合)を、また表中の添加剤とし
ては粒子5μタルクをドライブレンドし、90mmφの単一
スクリューフィルム押出機によりシートを作製した。該
シートは直接チルドキャスティングロール上に押出され
急冷される。次いで該シートを予熱し柔らかい状態に
し、雌型を取り付けた165〜170℃の金型温度の熱成形機
によって成形を行った。
以下の実施例において縦157mm×横110mm×深さ34mmの
容器を作製し、下記の事項について評価を行った。
1.耐衝撃性:容器に水200g入れシールし、−30℃中で24
時間放置。コンクリート床面に容器の底部を下にして落
下させ50%破壊時の高さを測定、60cm未満を×,60〜80c
mを△,80cmを超えるものを○とした。
2.離型性:成形体を金型より離型させた時の形状のくず
れ状態にて評価。金型通りの形状で円滑に成形体が取り
出せた場合○,寸法が0〜2mm伸びた形状で取り出され
た場合を△,2mm以上伸びた形状で取り出された場合を×
とした。
3.耐熱性:成形品を220℃のオーブンに60分間放置。全
く変形のないものを○,容器側部のふくれや底部のへこ
みが2mm以内の場合を△,2mm以上の場合を×とした。但
し、良好な外観を有する成形品が得られたもののみ評価
を行った。
4.金型汚れ:金型汚れがあるものを×,無いものを○,
多少あるものを△とする。
結果を表−1に示す。
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.6未満の
場合、結晶化は素早く進行し、離型性に優れるけれど
も、衝撃改善剤としてのポリオレフィンを配合しても衝
撃強度に著しく劣り好ましくない。一方、固有粘度が1,
1よりも大きい場合には、結晶化の進行が遅い為に、金
型からの離型性が悪くなる。本発明においてポリエチレ
ンテレフタレートの固有粘度は0.7〜1.0のものが好まし
いことが判る。一般にポリエチレンテレフタレートは結
晶化速度が遅いが、ポリオレフィンあるいは無機粒子等
の核剤を配合したものは、結晶化が促進され、10秒以内
のサイクルで熱成形を行うことができる。しかし、ポリ
オレフィンのみを配合したものは、耐衝撃性に優れる
が、結晶化速度が不充分であり、成形サイクルを7秒以
下にした場合に金型からの離型不良を起こす。一般にポ
リオレフィンの配合量を増やす事により、熱成形時の金
型離型は改良されるが反面耐熱性が低下する傾向があ
り、ポリオレフィンを10%以上含むものは220℃以上の
使用には不適である。又、比較的低粘度のポリエチレン
テレフタレートにポリオレフィンを配合する事により結
晶化速度が改善され金型離型性は向上するが、反面ポリ
オレフィンの衝撃改善効果は著しく低下する。
一方、該剤にタルク等の無機粒子を配合した場合、結
晶化速度が素早く進行し、離型性に優れるけれども耐衝
撃性に劣り、衝撃改善剤としてのポリオレフィンを併用
した場合においてもその傾向は変わらない。しかし、ポ
リオレフィンと脂肪酸ジエステルあるいは脂肪酸の金属
塩を配合した場合は、結晶化開始温度が低下し、又、結
晶化速度が大巾に向上している為、低温金型による高速
熱成形が可能となる。又、得られた製品の外観及び物性
(耐熱性・低温衝撃強度)は非常に優れたものであっ
た。
<発明の効果> 特定の固有粘度を有するポリエチレンテレフタレート
にポリオレフィン及び本発明における脂肪酸ジエステル
あるいは脂肪酸の金属塩を特定量配合することにより、
熱成形時の結晶化速度をはやめることができ、成形性が
改善され、かつ得られた成形品は耐衝撃性及び耐熱性が
優れていることがわかった。本発明は、電子レンジ/オ
ーブン用食品容器として実用可能であり、有用な熱成形
ポリエステル容器を提供し得ることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:00)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固有粘度0.6〜1.1のポリエチレンテレフタ
    レート100重量部に対して、炭素原子2〜6個を含有す
    るモノマーより誘導された繰返し単位を有するポリオレ
    フィン1.0〜10重量部及び脂肪酸から誘導された下記式
    〔I〕で示される脂肪酸のジエステル及び/又は〔II〕
    で示される脂肪酸の金属塩0.01〜2.0重量部を配合した
    組成物から成る200℃以上の耐熱性を有する熱成形ポリ
    エステル容器。 (R3−COO)YMe 〔II〕 (但し式〔I〕〔II〕中のR1,R2,R3はそれぞれCH2
    mCH3,CH2 lCH3,CH2 nCH3であって、m=13〜
    32,1=13〜32,n=8〜32である。式〔I〕中のxはx=
    1〜8,式〔II〕中のMeは金属であり、YはMeの金属の価
    数と一致し、Yとnの積が20〜96である。)
  2. 【請求項2】〔I〕で示される脂肪酸のジエステルがブ
    チレンビスモンタネート、エチレンビスモンタネート、
    メチレンビスモンタネート、エチレンビスメリシネー
    ト、エチレンビスヘプタネートよりなる群より選ばれた
    1又は2以上の化合物であり、〔II〕で示される脂肪酸
    の金属塩がモンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウ
    ム、ヘプタコサン酸ナトリウム、メリシン酸ナトリウ
    ム、メリシン酸ナトリウムよりなる群より選ばれた1又
    は2以上の化合物であるような請求項(1)に記載の熱
    成形ポリエステル容器。
  3. 【請求項3】〔I〕で示される脂肪酸のジエステルがエ
    チレンビスモンタネート、〔II〕で示される脂肪酸の金
    属塩がモンタン酸ナトリウムである請求項(1)に記載
    の熱成形ポリエステル容器。
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