JP5360969B2 - ポリエステル樹脂組成物、これを用いたポリエステル容器及びポリエステルラミネート紙容器 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物、これを用いたポリエステル容器及びポリエステルラミネート紙容器 Download PDF

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本発明は、ポリエステル樹脂組成物、特に食品用容器に使用するポリエステル樹脂組成物における熱成形性、耐熱性、耐衝撃性及び製品外観の改良に関する。
従来、電子レンジに使用する食品用包装容器としては、結晶性ポリエチレンテレフタレート製容器が用いられている。この容器は、熱成形により金型中で一定時間加熱することでポリエチレンテレフタレートの結晶化を進行させたものであり、比較的良好な耐熱性を有しているものの、結晶化に長時間を要したり、十分な耐衝撃性が得られないといった問題があり、種々の添加成分の適用が検討されている。
例えば、ポリエチレンテレフタレートにポリオレフィンを添加することで、熱成形時の結晶化速度が改善され、さらに離型性や耐衝撃性にも優れていることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようなポリオレフィンを添加した樹脂組成でも、熱成形の際の製品の変形(結晶化の進行による製品のそり等)が生じたり、あるいは十分な耐熱性が得られない場合があった。また、ポリオレフィンに加えて、さらに脂肪酸金属塩等を添加することによって、熱成形性や耐熱性が改善されることも報告されている(例えば、特許文献2参照)ものの、脂肪酸金属塩の添加によって耐衝撃性が悪化してしまったり、また、異物により製品の外観が著しく損なわれてしまうという問題があった。
特開昭59−62660号公報 特開平2−255757号公報
本発明は前記従来技術に鑑みて行われたものであり、その解決すべき課題は、熱成形性、耐熱性、耐衝撃性及び製品外観の改良されたポリエステル樹脂組成物、及びこれを用いて製造した容器を提供することにある。
上記従来技術の課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ポリエチレンテレフタレートを主としたポリエステル樹脂組成において、特定量のポリオレフィンと、特定量の脂肪酸金属塩と、特定量のリン系酸化防止剤とを添加することによって、熱成形性、耐熱性、耐衝撃性及び製品外観のいずれの点にも優れ、食品用容器への使用に非常に適したポリエステル樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるポリエステル樹脂組成物は、主としてポリエチレンテレフタレートからなる固有粘度0.6〜1.1dl/gのポリエステル樹脂100質量部に対し、(A)密度900〜940kg/m の線状低密度ポリエチレン1.0〜10質量部、(B)モンタン酸ナトリウム0.01〜2.0質量部、及び(C)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及び/又はビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.01〜1.0質量部を含有することを特徴とするものである。
また、本発明にかかるポリエステル容器は、前記ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするものである。
また、本発明にかかるポリエステルラミネート紙容器は、前記ポリエステル樹脂組成物が積層された紙からなることを特徴とするものである。
また、本発明にかかるポリエステル容器の製造方法は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対し、(A)前記ポリオレフィン1.0〜10質量部、(B)前記脂肪酸金属塩0.01〜2.0質量部、及び(C)前記リン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部を含有するポリエステル樹脂組成物を熱成形により容器に成形することを特徴とするものである。
また、本発明にかかるポリエステルラミネート紙容器の製造方法は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対し、(A)前記ポリオレフィン1.0〜10質量部、(B)前記脂肪酸金属塩0.01〜2.0質量部、及び(C)前記リン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部を含有するポリエステル樹脂組成物を紙に積層し、容器に成形することを特徴とするものである。
本発明によれば、ポリエチレンテレフタレートを主としたポリエステル樹脂組成において、特定量のポリオレフィンと、特定量の脂肪酸金属塩と、特定量のリン系酸化防止剤とを添加することによって、熱成形性、耐熱性、耐衝撃性及び製品外観のいずれの点にも優れ、食品用容器への使用に非常に適したポリエステル樹脂組成物が得られる。
以下、本発明について詳しく説明する。
〈ポリエステル樹脂組成物〉
ポリエステル樹脂
本発明のポリエステル樹脂組成物においては、基材として、主としてポリエチレンテレフタレートからなる固有粘度0.6〜1.1dl/gのポリエステル樹脂が用いられる。
すなわち、主としてテレフタル酸単位とエチレングリコール単位からなるものであればよい。当然、その全量がポリエチレンテレフタレートのみからなるホモポリマーを使用してもよいが、モノマー全量中5モル%以下、より好ましくは3モル%以下の範囲で他成分モノマーが置換されたコポリマーを用いても構わない。より具体的には、テレフタル酸の一部をイソフタル酸、アジピン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸等の1種以上のジカルボン酸成分へと置換し、あるいはエチレングリコールの一部をジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の1種以上のグリコール成分へと置換したコポリマーを用いることができる。
また、本発明の基材として用いられるポリエチレンテレフタレートは、固有粘度が0.6〜1.1dl/gである。ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.6dl/g未満の場合、耐衝撃性が低下し、1.1dl/gを超える場合、他の添加成分との混練が困難になる。結晶化速度の点からより低い固有粘度が有利であり、より好ましくは0.6〜0.8dl/gである。なお、本発明における樹脂の固有粘度は、20℃の温度条件下、重量比40/60の1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノールの混合溶媒を使用して測定した固有粘度を意味する。
本発明に用いられるポリエチレンテレフタレートは、どのようにして重合したものであっても構わないが、重合触媒としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、テトラ−n−ブチルチタネート等を使用することができる。これらの重合触媒のうち、得られる製品の外観(色調、異物感)の点から、二酸化ゲルマニウムを好適に使用することができる。
本発明にかかるポリエステル樹脂組成物においては、上記ポリエステル樹脂100質量部に対して、特定量の下記(A)ポリオレフィン、(B)脂肪酸金属塩及び(C)リン系酸化防止剤を含有することを特徴とするものである。
(A)ポリオレフィン
本発明に用いられる(A)ポリオレフィンは、炭素数2〜6個を有するオレフィンモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等から誘導されるものである。このような(A)ポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等が挙げられる。これらの(A)ポリオレフィンのうち、製品の色調や熱成形性の点から、特に線状低密度ポリエチレン(密度:900〜940kg/m)を好適に用いることができる。
(A)ポリオレフィンの添加量は、上記ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.0〜10質量部であり、より好ましくは2.0〜6.0質量部である。(A)ポリオレフィンの添加量が1.0質量部未満では、結晶化促進効果が十分に得られず熱成形性に劣るほか、耐熱性、耐衝撃性ともに劣る場合があり、10質量部を超えると、樹脂の耐熱性が低下する場合がある。
(B)脂肪酸金属塩
本発明に用いられる(B)脂肪酸金属塩は、下記一般式(1)により示されるものである。
[化1]
(R−COO)Me (1)
(式中、RはHC−(CH−で示される基であり、nは8〜32である。MeはNa,K,Ca2+,Al3+,Mg2+から選ばれる金属原子であり、xはMeの価数と一致し、xとnの積は20〜96である。)
本発明に用いられる(B)脂肪酸金属塩としては、具体的には、例えば、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ヘプタコ酸ナトリウム、メリシン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの(B)脂肪酸金属塩のうち、結晶化促進効果の点から、特にモンタン酸ナトリウムを好適に用いることができる。なお、本発明においては、エチレンビスモンタネート、ブチレンビスモンタネート等の脂肪酸ジエステルを、上記(B)脂肪酸金属塩と併用してもよい。
(B)脂肪酸金属塩の添加量は、上記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜2.0質量部である。(B)脂肪酸金属塩の添加量が0.01質量部未満では、結晶化促進効果が十分に得られず熱成形性に劣るほか、耐熱性も十分に得られない場合があり、2.0質量部を超えると、樹脂の大幅な粘度低下が生じ、耐衝撃性に劣る場合がある。
(C)リン系酸化防止剤
本発明に用いられる(C)リン系酸化防止剤は、亜リン酸トリエステル基を有するリン系の酸化防止剤である。なお、亜リン酸トリエステルは(R−O)−Pで表され、このような構造で示される化合物をホスファイト化合物ともいう。(C)リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。これらの(C)リン系酸化防止剤のうち、製品外観(異物)の点から、特にビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、又はビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを好適に用いることができる。なお、本発明においては、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン等のフェノール系酸化防止剤を、上記(C)リン系酸化防止剤と併用してもよい。
(C)リン系酸化防止剤の添加量は、上記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜1.0質量部である。(C)リン系酸化防止剤の添加量が0.01質量部未満では、耐衝撃性に劣るとともに、製品外観(異物)が悪化する場合があり、1.0質量部を超えるとこれ以上の添加による効果改善が得られない一方で、樹脂の物性が低下し、耐衝撃性に劣る場合がある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記ポリエステル樹脂と、特定量の(A)ポリオレフィンと、特定量の(B)脂肪酸金属塩と、特定量の(C)リン系酸化防止剤とを混練することによって得られる。混練方法は公知の方法を用いればよいが、例えば、二軸混練機を用いて混練を行うことができる。また、つづいて成形を行うために、樹脂をペレット化しておくことが望ましい。
なお、本発明のポリエステル樹脂組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の添加剤、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、アルミナ、ワラストナイト、ガラスビーズ、カーボンブラック等の無機粒子や帯電剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤等を添加してもよい。
〈ポリエステル容器〉
本発明のポリエステル容器は、上記ポリエステル樹脂組成物を熱成形により容器に成形することで得られる。ポリエステル樹脂組成物は、予め製膜し、熱成形に供する。製膜方法は公知の方法を用いればよいが、例えば、Tダイ法を好適に用いることができる。なお、熱成形においては、通常、適切な温度範囲(樹脂の結晶化温度付近)で数秒〜数十分間、樹脂を金型中で保持することにより、樹脂の結晶化を進行しつつ、容器の形に成形する。より具体的には、真空成形法や圧空成形法を使用し、金型温度を160〜180℃として3〜10秒程度保持する。
〈ポリエステルラミネート紙容器〉
本発明のポリエステルラミネート紙容器は、上記ポリエステル樹脂組成物を紙に積層し、容器に成形することによって得られる。ポリエステル樹脂組成物は、製膜時に直接紙に積層してもよく、あるいは一旦ポリエステル樹脂組成物のフィルムを作成してから、紙に積層してもよい。ポリエステル樹脂を積層した紙は、従来の紙容器を成形する方法を用いて成形することができる。なお、ポリエステル樹脂の結晶化は、熱成形により成形と同時に行ってもよく、あるいは予め熱間により結晶化したポリエステルフィルムを紙に積層してもよい。例えば、ポリエステル樹脂を積層した紙を金型温度160〜180℃の金型中で熱成形により容器に成形する方法、160〜180℃の熱間により結晶化したポリエステルフィルムを積層した紙製のブランクを絞り加工により容器に成形する方法、160〜180℃の熱間により結晶化したポリエステルフィルムを積層した紙製のブランクの四隅を重ね合わせて接着して容器とする方法等が挙げられる。
本発明のポリエステル容器あるいはポリエステルラミネート紙容器において、その用途は特に限定されるものではないが、特に電子レンジ等に使用可能な耐熱性の食品用包装容器として好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。まず最初に、本実施例で用いた評価方法について説明する。なお、固有粘度は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=40/60(質量比)の混合溶媒中20℃での溶液粘度から求めた。
(1)熱成形性:単発熱成形機で樹脂シートあるいは樹脂ラミネート紙を120℃に予熱し、170℃の金型で6秒間保持して、熱成形した容器(縦100mm×横100mm×深さ30mm)の外観を目視して、容器の変形の程度を評価した。
○:変形なし。
△:底部のみ変形。
×:全体的に変形。
(2)耐熱性:熱水125℃×60分処理後のポリエステル容器、あるいは熱風150℃×60分処理後のポリエステルラミネート紙容器の寸法変化率を評価し、判定した。
○:寸法変化率≦3%
△:3%<寸法変化率≦6%
×:寸法変化率≧6%
(3)耐衝撃性:熱水125℃×60分処理後のポリエステル容器、あるいは熱風150℃×60分処理後のポリエステルラミネート紙容器の底部について、ハイドロショット(高速衝撃試験機:島津製作所製)を用い、20℃の破壊エネルギーを評価した。
○:破壊エネルギー≧1.0kJ/m
△:0.5≦破壊エネルギー<1.0kJ/m
×:破壊エネルギー<0.5kJ/m
(4)外観:ポリエステル容器あるいはポリエステルラミネート紙容器の色調及び異物の有無を目視で評価した。
○:色調良好で異物なし。
△:色調不良あるいは異物ありのいずれか。
×:色調不良で且つ異物あり。
実施例1(ポリエステル容器)
二酸化ゲルマニウムを用いて重合した固有粘度0.71dl/gのポリエチレンテレフタレート(EFG6C,ベルポリエステル社製)100質量部に対して、(A)線状低密度ポリエチレン(ウルトゼックス3021F,三井化学社製;メルトインデックス(MI):2.2g/10分,密度:926kg/m)5質量部、(B)モンタン酸ナトリウム(NS−8,日東化成工業社製)0.1質量部、エチレンビスモンタネート(リコワックスE,クラリアントジャパン社製)0.2質量部、(C)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(アデカスタブPEP−36,旭電化社製)0.1質量部、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン(イルガノックス1010,チバ・ジャパン社製)0.1質量部を、二軸混練機(TEM−35B,東芝機械社製)を用いてシリンダ温度280℃で混練し、ペレット化した。得られたペレットを130度(真空)×12時間乾燥後、プラコー製押出機で厚み600μmのシートを作製した。つづいて、単発熱成形機を用い、金型温度170℃で熱成形品(ポリエステル容器)を成形した。得られたポリエステル容器について、熱成形性、耐熱性、耐衝撃性、及び外観を評価した。ポリエステル樹脂組成物の組成と、評価結果とを併せて下記表1に示す。
実施例2〜4(ポリエステル容器)
ポリエステル樹脂組成物の組成を下記表1の実施例2〜4に示すとおりに変更し、上記実施例1と同様にしてポリエステル容器を成形し、各種評価を行った。評価結果を併せて下記表1に示す。
比較例1〜6(ポリエステル容器)
ポリエステル樹脂組成物の組成を下記表2の比較例1〜6に示すとおりに変更し、上記実施例1と同様にしてポリエステル容器を成形し、各種評価を行った。評価結果を併せて下記表2に示す。
Figure 0005360969
Figure 0005360969
上記表1に示すように、固有粘度0.7dl/gのポリエチレンテレフタレート100質量部に対して、2.5〜5.0質量部の(A)ポリオレフィンと、0.1〜0.5質量部の(B)脂肪酸金属塩と、0.1〜0.5質量部の(C)リン系酸化防止剤とを配合したポリエステル樹脂組成物を熱成形して得られた実施例1〜4のポリエステル容器は、熱成形性、耐熱性、耐衝撃性、及び外観のいずれの評価においても優れているものであった。
これに対して、(A)ポリオレフィンを含まない比較例1のポリエステル容器は、熱成形性、耐熱性、耐衝撃性に劣っており、15質量部の(A)ポリオレフィンを配合した比較例2のポリエステル容器は、熱成形性、耐熱性が十分でなかった。また、(B)脂肪酸金属塩を含まない比較例3のポリエステル容器は、熱成形性及び耐熱性の点で劣り、3質量部の(B)脂肪酸金属塩を配合した比較例4のポリエステル容器は、熱成形性、耐熱性とも改善されているものの、耐衝撃性が十分でない。さらに、(C)リン系酸化防止剤を含まない比較例5では、耐衝撃性及び外観の点で劣っており、一方で2質量部の(C)リン系酸化防止剤を配合した比較例6のポリエステル容器においても耐衝撃性が不十分であった。
実施例5,6(ポリエステル容器)
ポリエステル樹脂組成物の組成を下記表3の実施例5に示すとおりに変更し、上記実施例1と同様にしてポリエステル容器を成形し、各種評価を行った。評価結果を併せて下記表3に示す。
比較例7〜10(ポリエステル容器)
ポリエステル樹脂組成物の組成を下記表3の比較例7〜10に示すとおりに変更し、上記実施例1と同様にしてポリエステル容器を成形し、各種評価を行った。評価結果を併せて下記表3に示す。
Figure 0005360969
上記表3に示されるように、フェノール系酸化防止剤を単独で配合した比較例7、ヒドロキノン系酸化防止剤を配合した比較例8、芳香族アミン系酸化防止剤を配合した比較例9、及びイオウ系酸化防止剤を配合した比較例10では、いずれも耐衝撃性が不十分であり、外観も劣っていた。これに対して、(C)リン系酸化防止剤として、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを単独で配合した実施例5では、いずれの評価にも優れたポリエステル容器が得られた。一方で、比較的かさの小さいトリフェニルホスファイトを配合した実施例6では、おおよそ優れた評価が得られたものの、容器の外観が若干劣る傾向にあった。
実施例7,8(ポリエステルラミネート紙容器)
上記実施例1と同一組成のポリエステル樹脂組成物を同様にして製造した。得られたポリエステル樹脂組成物をテストラミネータ(E−50,住友重機械モダン製)で290℃で溶融し、Tダイから押出時に厚み70μmの紙に直接ラミネートして、ポリエステルフィルム厚み40μm(実施例7)、及び80μm(実施例8)のポリエステルラミネート紙を作成した。つづいて、このラミネート紙を用いて、金型170℃の熱成形機により、縦100mm×横100mm×深さ30mmの紙箱(ポリエステルラミネート紙容器)を成形し、各種評価を行った。評価結果を併せて下記表4に示す。
Figure 0005360969
上記表4に示されるように、ポリエチレンテレフタレートに対し、特定量の(A)ポリオレフィンと、特定量の(B)脂肪酸金属塩と、特定量の(C)リン系酸化防止剤とを配合した本発明のポリエステル樹脂組成物を用いて成形した実施例7,8のポリエステルラミネート紙容器は、熱成形性、耐熱性、耐衝撃性、及び外観のいずれの評価においても優れているものであった。

Claims (5)

  1. 主としてポリエチレンテレフタレートからなる固有粘度0.6〜1.1dl/gのポリエステル樹脂100質量部に対し、
    (A)密度900〜940kg/m の線状低密度ポリエチレン1.0〜10質量部、
    (B)モンタン酸ナトリウム0.01〜2.0質量部、及び
    (C)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及び/又はビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.01〜1.0質量部
    を含有することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 請求項に記載のポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするポリエステル容器。
  3. 請求項に記載のポリエステル樹脂組成物が積層された紙からなることを特徴とするポリエステルラミネート紙容器。
  4. 主としてポリエチレンテレフタレートからなる固有粘度0.6〜1.1dl/gのポリエステル樹脂100質量部に対し、
    (A)密度900〜940kg/m の線状低密度ポリエチレン1.0〜10質量部、
    (B)モンタン酸ナトリウム0.01〜2.0質量部、及び
    (C)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及び/又はビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.01〜1.0質量部
    を含有するポリエステル樹脂組成物を熱成形により容器に成形することを特徴とするポリエステル容器の製造方法。
  5. 主としてポリエチレンテレフタレートからなる固有粘度0.6〜1.1dl/gのポリエステル樹脂100質量部に対し、
    (A)密度900〜940kg/m の線状低密度ポリエチレン1.0〜10質量部、
    (B)モンタン酸ナトリウム0.01〜2.0質量部、及び
    (C)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及び/又はビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.01〜1.0質量部
    を含有するポリエステル樹脂組成物を紙に積層し、容器に成形することを特徴とするポリエステルラミネート紙容器の製造方法。
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