JP2611532B2 - 像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 樹脂材で形成された分離爪を空気吸引手段に連結され
た導管の先端に取り付け、分離爪を像形成体の面に接触
させて、印刷用紙を分離することができる像形成装置に
関し、 像形成体に付着した印刷用紙を確実に分離させること
ができる像形成装置を提供することを目的とし、 像形成体に形成された静電像をトナーで現像し、印刷
媒体に転写させて定着し、トナー除去手段及び第１の空
気吸引手段を有するクリーナ部でトナー除去手段によっ
て像形成体に残留する廃トナーを除去し、第１の空気吸
引手段によって吸入して回収する像形成装置であって、
像形成体の像形成面に付着した印刷媒体の移動方向に対
向するように、像形成面に先端が接触する分離爪と、分
離爪を先端内部に取り付けた導管と、導管の後端に接続
された第２の空気吸引手段とを備えた構成とする。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、複写装置，プリンタ，及びファクシミリ装
置等に使用される電子写真印刷装置等の像形成装置に係
り、特に樹脂材で形成された分離爪を空気吸引手段に連
結された導管の先端に取り付け、分離爪を像形成体の面
に接触させて、印刷用紙を分離することができる像形成
装置に関するものである。

近来、オフィスオートメーション機器の急速な普及に
伴って複写機，プリンタ，或いはファクシミリ装置等に
電子写真印刷装置が広く普及しつつある。

この装置において、感光ドラムに現像されたトナー像
を印刷用紙に転写した後、感光ドラムの面から印刷用紙
が分離しにくいために、印刷用紙の背面からエアー吸着
ローラによって分離させる方法が取られているが、それ
でも分離しない場合があって、用紙のジャムが発生し、
時には感光ドラムの周辺に配置されたクリーナ，帯電
器，光学ユニット，現像器等にまで及んで、これらのユ
ニットを破損させることがあるので、印刷用紙を完全に
分離できる方法が望まれている。

〔従来の技術〕

第３図に電子写真印刷装置の内部側面図を例示してい
る。図において、１はカセット装着部,2はカセット,3は
繰出しローラ,4は搬送路,5はプリンタ部,6はスタッカを
示す。

プリンタ５は、光学ユニット50,感光ドラム51a,クリ
ーナ部52a,帯電器53,現像器54,転写前除電器55,転写器5
6,除電器57,及び定着器58で構成されている。

カセット装着部１にはカセット２がセットされ、カセ
ット２には所望サイズの印刷用紙（以下用紙という）20
aが集積収容されている。

このような構成を有するので、装置の電源ONで定着部
58が所定温度に加熱されて印刷可能状態となり、そこで
印刷指示信号に基いてカセット２から用紙20aを矢印Ａ
方向に繰り出し、搬送路４を搬送して感光ドラム51aの
下方へ送る。この時までに感光ドラム51aは除電器57に
よって除電され、クリーナ部52aにより残留トナー10aが
クリーニングされ、改めて帯電器53で帯電されている。

レーザ光源等により構成される光学ユニット50から照
射された光データが感光ドラム51aに走査され、感光ド
ラム51aに形成された静電像は現像器54でトナー画像に
現像されて、転写前除電器55で感光ドラム51aの表面電
位を落とし、転写器56で用紙20aに転写された後、定着
器58で定着され、用紙20aはスタッカ６へ送出される。

ここにおいて、クリーナ部52aは、ブラシ7a,排出管８
及びエアーを吸引する真空ポンプ9aで構成され、感光ド
ラム61に残留したトナー10aをブラシ6aの回転によって
除去して落下させ、装置の稼働中は運転している真空ポ
ンプ9aでエアーを吸引し、廃トナー10aを排出管８を経
て排出させて図示省略したトナー回収箱に回収する。

また転写器56及び定着器58の間の搬送路４の下側はベ
ルト機構11で構成され、転写された用紙20aが感光ドラ
ム51aから分離する位置に、ベルト12の右端がエアー吸
着ローラ13に掛けられている。ベルト12の左端はプーリ
P1に掛けられている。14はテンションローラを示す。エ
アー吸着ローラ13は外周に放射状に空気孔が設けられ、
内部から図示省略した真空ポンプに連結されている。

従って、用紙20aの先端部がベルト機構11の右端にく
ると、エアー吸着ローラ13によって用紙20aが吸着され
て、感光ドラム51aから分離して定着器58の方向へ搬送
される。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来方法によれば、感光ドラムのトナー画像が転
写された用紙は、転写前除電器による感光ドラムの表面
電位を落とす効果及び転写器による効果と、エアー吸着
ローラのエアー吸着による剥離効果によって感光ドラム
から分離しているが、感光ドラムに付着した用紙がエア
ー吸着ローラで分離できない場合があって、感光ドラム
に巻き付いたまま移動してクリーナ，帯電器，光学ユニ
ット，或いは現像器等の位置でジャムを生じ、オペレー
タによる取り出しが困難となり、またこれらのユニット
を破損することもあるという問題点がある。

本発明は、像形成体に付着した印刷用紙を確実に分離
させることができる像形成装置を提供することを目的と
している。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理構成図である。

図において、７はトナー除去手段、９は第１の空気吸
引手段、10はトナー、20は印刷媒体、51は像形成体、 15は像形成体51の像形成面に付着した印刷媒体20の移
動方向に対向するように、像形成面に先端が接触する分
離爪、 16は分離爪15を先端内部に取り付けた誘導管、 17は誘導管16の後端に接続された第２の空気吸引手段
である。

従って像形成体51の像形成面に付着した印刷媒体20を
分離爪15の先端で分離させるように構成されている。

〔作用〕

分離爪15の先端が像形成体51の像形成面に印刷媒体20
の移動方向に対向して接触しているので、分離爪15の先
端が印刷媒体20を像形成体51の像形成面から容易に分離
させ、またこの時、分離爪15の先端が像形成体51の残留
しているトナー10を誘導管16内に落とし、トナー10は第
２の空気吸引手段17の吸引により回収される。

従って印刷媒体20は分離爪15によって確実に像形成体
51の像形成面から分離し、また分離爪15によって落とさ
れたトナー10は印刷媒体20の面に落ちずに回収されるの
で、印刷媒体20の面が汚れることがない。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第２図を参照して説明す
る。全図を通じて同一符号は同一対象物を示す。第２図
は従来例で説明した電子写真印刷装置に本発明を適用し
た構成図を示す。

第２図のブラシ7a,用紙20a及び感光ドラム51aは、第
１図のトナー除去手段7,印刷媒体20及び像形成体51に夫
々対応し、また第２図の真空ポンプ9bは、第１図の第１
の空気吸引手段９及び第２の空気吸引手段17に対応し、
更に第２図のゴム管16a,吸入ダクト16b,及び取付け部16
cは、第１図の誘導管16に対応している。

第２図（ａ）及び（ｂ）の側面図及び要部拡大図に示
すように、エアー吸着ローラ13とクリーナ部52aの間の
感光ドラム51aの感光面に先端が弾性的に接触する合成
樹脂材で形成された分離爪15aが設けられている。接触
位置は感光ドラム51aの長手方向に中央部である。

分離爪15aは、ゴム管16aの先端部に嵌められた吸入ダ
クト16bを介して取付け部16cの先端内部に一端が支軸16
0によって回動自在に支持され、先端は取付け部16cの先
端より露出している。支軸160にはスプリング150が巻着
されている。また取付け部16c及び分離爪15aの間にはエ
アーが流通する隙間が設けられている。161はパッキン
グ,162はゴム板を示す。

ゴム管16aの後端部はクリーナ部52aの排出管８の後端
部に合流しており、排出管８は真空ポンプ9bに連結され
ている。真空ポンプ9bは装置の稼働中作動している。

また取付け部16c及びベルト機構11は支持部材に支持
されて夫々可動板（支持部材及び可動板はいずれも図示
していない）に取り付けられ、可動板は分離爪15a及び
エアー吸着ローラ13が感光ドラム51aの感光面から退避
する方向に所定距離だけ移動可能に構成されている。

このような構成を有するので、感光ドラム51aのトナ
ー画像が転写された用紙20aが、エアー吸着ローラ13に
よって分離されないで、分離爪15aの先端が感光ドラム5
1aの感光面に接触している位置にくると、感光ドラム51
aの感光面の湾曲と用紙20aの弾力によって用紙20aの先
端と感光面との間に僅かの隙間を生じて、分離爪15aの
先端によって用紙20aの先端が感光面より分離される。

この時、感光面に残留しているトナー10aが分離爪15a
の先端により擦れて落下するが、真空ポンプ9bによって
エアーが吸引されているので、落下トナー10aは取付け
部16cと分離爪15aの隙間から吸い込まれて、吸入ダクト
16b及びゴム管16aを経て回収される。従って落下トナー
10aは用紙20a上に落下せずに回収される。

分離された用紙20aはベルト機構11によって定着器58
へ送られて定着されて送出される。

また感光ドラム51aの清掃，交換時やジャム処理等の
場合には、可動板の移動により分離爪15a及びエアー吸
着ローラ13を感光ドラム51aの感光面から退避させて作
業することができる。

このようにして、分離爪15aは合成樹脂材で形成され
ていて、感光ドラム51aの感光面を擦っても傷を付ける
ことがなく、エアー吸着ローラ13によって分離されなか
った用紙20aを、分離爪15aによって確実に、且つ用紙20
aをトナー10aで汚すことなく分離することができる。

従って、分離が確実にできることから用紙20aの分離
不良に起因するジャムの発生が防止でき、感光ドラム51
aの周辺に配置されたクリーナ，帯電器，光学ユニッ
ト，及び現像器等の各ユニットの破損を防止することが
できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、像形成体の像形
成面に付着した印刷媒体を分離爪の先端で分離させ、分
離爪によって像形成体の像形成面から落とした残留トナ
ーを第２の空気吸引手段によって吸引することができる
ので、分離爪によって落とされたトナーは印刷媒体の面
に落ちずに回収されて印刷媒体の面が汚れることがな
く、印刷媒体を確実に像形成体の像形成面から分離させ
ることができ、印刷媒体の分離不良に原因するジャムの
発生を著しく減少させることができ、像形成体周辺に配
置されているユニットの破損を防止することができると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理構成図、 第２図は本発明の実施例を示す構成図、 第３図は従来例を示す電子写真印刷装置の内部側面図で
ある。 図において、 ７はトナー除去手段、7aはブラシ、９は第１の空気吸引
手段、9a,9bは真空ポンプ、10,10aはトナー、15,15aは
分離爪、16は誘導管、16aはゴム管、16bは吸入ダクト、
16cは取付け部、17は第２の空気吸引手段、51は像形成
体、51aは感光ドラム、52,52aはクリーナ部を示す。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】像形成体（51）に形成された静電像をトナ
   ー（10）で現像し、印刷媒体（20）に転写させて定着
   し、トナー除去手段（７）及び第１の空気吸引手段
   （９）を有するクリーナ部（52）で該トナー除去手段
   （７）によって該像形成体（51）に残留するトナー（1
   0）を除去し、該第１の空気吸引手段（９）によって吸
   入して回収する像形成装置であって、 前記像形成体（51）の像形成面に付着した印刷媒体（2
   0）の移動方向に対向するように、該像形成面に先端が
   接触する分離爪（15）と、 該分離爪（15）を先端内部に取り付けた誘導管（16）
   と、 該誘導管（16）の後端に接続された第２の空気吸引出力
   手段（17）とを備えたことを特徴とする像形成装置。
2. 【請求項２】前記誘導管（16）の後端を前記クリーナ部
   （52）の前記第１の空気吸引手段（９）に接続したこと
   を特徴とする請求項１記載の像形成装置。