JP2611416B2 - 距離継電器 - Google Patents
距離継電器Info
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- JP2611416B2 JP2611416B2 JP1029753A JP2975389A JP2611416B2 JP 2611416 B2 JP2611416 B2 JP 2611416B2 JP 1029753 A JP1029753 A JP 1029753A JP 2975389 A JP2975389 A JP 2975389A JP 2611416 B2 JP2611416 B2 JP 2611416B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電力系統の電圧信号及び電流信号から一
定間隔でサンプリングし量子化した電流量,電圧量およ
び電流微分量を使用して、電力系統に故障が発生したと
きの継電器と故障点との電気的距離を演算し電気的距離
に比例した限時で動作を行う距離継電器に係り、特に、
量子化による誤差等の影響を受けない精度の良い演算を
行えるようにした距離継電器に関する。
定間隔でサンプリングし量子化した電流量,電圧量およ
び電流微分量を使用して、電力系統に故障が発生したと
きの継電器と故障点との電気的距離を演算し電気的距離
に比例した限時で動作を行う距離継電器に係り、特に、
量子化による誤差等の影響を受けない精度の良い演算を
行えるようにした距離継電器に関する。
電力系統の規模が拡大するにつれ、系統事故時の電流
・電圧の波形歪が増大化すると共に歪波形に含まれる高
調波成分の周波数が低次化してきている。このため、従
来の距離継電器で安定した特性を得るには、歪波成分を
十分に除去するために高次のフィルタを必要とし、動作
時間の遅れ等、実用上に問題が生じる恐れがある。
・電圧の波形歪が増大化すると共に歪波形に含まれる高
調波成分の周波数が低次化してきている。このため、従
来の距離継電器で安定した特性を得るには、歪波成分を
十分に除去するために高次のフィルタを必要とし、動作
時間の遅れ等、実用上に問題が生じる恐れがある。
最近、この種の距離継電器として、マイクロコンピュ
ータ等の演算処理部を備えた第2図に示す構成のものが
知られている。第2図において、参照符号10は保護対象
である送電線、12,14は計器用変成器であり、それぞれ1
2は計器用変圧器、14は変流器を示す。20は距離継電器
を示し、変成器入力部22,24、アナログ/ディジタル変
換部(A/D変換部)26、リレー演算処理部28および動作
出力部30とから構成される。
ータ等の演算処理部を備えた第2図に示す構成のものが
知られている。第2図において、参照符号10は保護対象
である送電線、12,14は計器用変成器であり、それぞれ1
2は計器用変圧器、14は変流器を示す。20は距離継電器
を示し、変成器入力部22,24、アナログ/ディジタル変
換部(A/D変換部)26、リレー演算処理部28および動作
出力部30とから構成される。
このように構成される距離継電器20は、系統電圧を計
器用変圧器12を介して取り込み、変成器入力部22を通し
て電圧量vとして、A/D変換部26に入力される。系統電
流は、変流器14を介して導入され、変成器入力部24を通
して電流量iとして、同じくA/D変換部26に入力され
る。この各電気量v,iはA/D変換部26において一定時間間
隔でサンプリングされ、順次ディジタル量に変換されて
マイクロコンピュータ等からなるリレー演算処理部28に
入力されて後述する演算が行われる。インピーダンスは
送電線10の距離の電気的尺度であるから、送電線10のイ
ンピーダンスを演算することにより、系統の故障点と継
電器との電気的距離が得られ、故障が保護すべき区間内
にあると判定した際には、動作出力処理部30から図示し
ない遮断器に動作指令を与える。
器用変圧器12を介して取り込み、変成器入力部22を通し
て電圧量vとして、A/D変換部26に入力される。系統電
流は、変流器14を介して導入され、変成器入力部24を通
して電流量iとして、同じくA/D変換部26に入力され
る。この各電気量v,iはA/D変換部26において一定時間間
隔でサンプリングされ、順次ディジタル量に変換されて
マイクロコンピュータ等からなるリレー演算処理部28に
入力されて後述する演算が行われる。インピーダンスは
送電線10の距離の電気的尺度であるから、送電線10のイ
ンピーダンスを演算することにより、系統の故障点と継
電器との電気的距離が得られ、故障が保護すべき区間内
にあると判定した際には、動作出力処理部30から図示し
ない遮断器に動作指令を与える。
ここで、演算処理について説明する。系統事故発生時
における送電線10の電圧量v、電流量i、インダクタン
スLおよび抵抗Rとの間には、次式の関係が成立する。
における送電線10の電圧量v、電流量i、インダクタン
スLおよび抵抗Rとの間には、次式の関係が成立する。
v=R・i+L・j ……(1) 上記微分方程式(1)は、過渡領域を含めた高調波成
分に対しても成立するため、(1)式を用いてインダク
タンスLおよび抵抗Rを求める距離継電器が、例えば特
開昭62−18917号公報に開示されている。
分に対しても成立するため、(1)式を用いてインダク
タンスLおよび抵抗Rを求める距離継電器が、例えば特
開昭62−18917号公報に開示されている。
すなわち、(1)式は、インダクタンスLおよび抵抗
Rの2つの未知数を含むため、異なる時刻tm,tnにおい
て、 vm=R・im+L・jm Vn=R・in+L・jn ……(2) の関係式が成立する。
Rの2つの未知数を含むため、異なる時刻tm,tnにおい
て、 vm=R・im+L・jm Vn=R・in+L・jn ……(2) の関係式が成立する。
ただし、 なお、vm,imは時刻tmでのそれぞれ電圧値および電流
値を表す。次に、(2)式をR,Lについて変形すると、 となる。この(3),(4)式を用いて送電線10のイン
ダクタンスLおよび抵抗Rの各値が求められ、これらの
値は故障点までの系統インピーダンスに応じた値である
ので、継電器20は、事故のリレー内外判定を行うことが
できる。上式において、jm項はim項の微分係数、すなわ
ち、電流微分量であり、ハードウェア的にも求められる
が、ソフトウェアにて下記近似式で求めることが可能で
ある。近似値をJmとすると、 ただし、N,Kk(k=0〜N)は定数であり、少なくと
も、 K0≠0,K1≠0 である。なお、(5)式は、時刻tmと時刻tm-1の中間の
時刻tm−1/2における電流値の微分係数を示すことに
なる。
値を表す。次に、(2)式をR,Lについて変形すると、 となる。この(3),(4)式を用いて送電線10のイン
ダクタンスLおよび抵抗Rの各値が求められ、これらの
値は故障点までの系統インピーダンスに応じた値である
ので、継電器20は、事故のリレー内外判定を行うことが
できる。上式において、jm項はim項の微分係数、すなわ
ち、電流微分量であり、ハードウェア的にも求められる
が、ソフトウェアにて下記近似式で求めることが可能で
ある。近似値をJmとすると、 ただし、N,Kk(k=0〜N)は定数であり、少なくと
も、 K0≠0,K1≠0 である。なお、(5)式は、時刻tmと時刻tm-1の中間の
時刻tm−1/2における電流値の微分係数を示すことに
なる。
同様に、電圧量vm,vn、電流量im,inについても次式の
ように置くことができる。
ように置くことができる。
また、(5)式よりJm,Jnについても、 と置けば、(3),(4)式の分子・分母値は、以下の
(8)〜(10)式となる。
(8)〜(10)式となる。
(3)式の分子式(lmとおく)は、 lm=Im・Vn−In・Vm ……(8) (4)式の分子式(rmとおく)は、 rm=Vm・Jn−Vn・Jm ……(9) (3),(4)式の分母式(umとおく)は、 um=Im・Jn−In・Jm ……(10) となる。
従って、(3),(4)式は、(8)〜(10)式よ
り、 となる。しかし、電流値が高調波成分を含有するとき、
高調波成分の次数および含有率によっては、um≒0とな
る場合が生じる。この場合に、(8)〜(11)式を用い
て抵抗RおよびインダクタンスLの各値を求めても量子
化誤差等により誤差が大となってしまう。
り、 となる。しかし、電流値が高調波成分を含有するとき、
高調波成分の次数および含有率によっては、um≒0とな
る場合が生じる。この場合に、(8)〜(11)式を用い
て抵抗RおよびインダクタンスLの各値を求めても量子
化誤差等により誤差が大となってしまう。
このum≒0対策として、異なる複数の時間における
um,lm,rmを求め、各々の加減算値をとり、以下のように
R,Lを求める。
um,lm,rmを求め、各々の加減算値をとり、以下のように
R,Lを求める。
ここで、sign( )は、( )内の量の符号をとるこ
とを意味する。
とを意味する。
(12),(13)式により、um≒0の機会をなくし、精
度良く抵抗RおよびインダクタンスLの各値を求めよう
とするものである。
度良く抵抗RおよびインダクタンスLの各値を求めよう
とするものである。
しかしながら、前述した距離継電器によれば、(13)
式による演算方式は、um≒0が発生した際に、この時刻
における抵抗RおよびインダクタンスLの各値の演算誤
差を、異なる時刻のum値と加減算による平均化処理を行
うことで演算精度の向上を図ったものであるが、演算結
果には平均化により誤差量が少なくなったとはいえ、um
≒0時刻におけるum,rm,lmの各値による演算誤差は残っ
ている。
式による演算方式は、um≒0が発生した際に、この時刻
における抵抗RおよびインダクタンスLの各値の演算誤
差を、異なる時刻のum値と加減算による平均化処理を行
うことで演算精度の向上を図ったものであるが、演算結
果には平均化により誤差量が少なくなったとはいえ、um
≒0時刻におけるum,rm,lmの各値による演算誤差は残っ
ている。
そこで、本発明の目的は、um≒0時刻におけるum,rm,
lmの各値を(12)式の処理から取り除くことで、より一
層の演算精度の向上を図った距離継電器を提供するにあ
る。
lmの各値を(12)式の処理から取り除くことで、より一
層の演算精度の向上を図った距離継電器を提供するにあ
る。
本発明に係る距離継電器は、電力系統の電圧信号と電
流信号とから得られる電圧量v、電流量iおよび電流微
分量jの各電気量と、電力系統の距離の電気的尺度であ
るインダクタンスLおよび抵抗Rとの間に成立する関係
式v=R・i+L・jを用い、異なる時刻tmおよびtnに
おける前記各電気量から、継電器の設けてある位置と故
障点までの電気的距離を演算する演算処理部を有し、該
演算処理部で求めた電気的距離に比例した限時で動作す
る距離継電器であって、前記演算処理部において、異な
る時刻tmおよびtnにおける電圧量vm,vn、電流量im,inお
よび電流微分量jm,jnから、電気量um(=im・jn−in・j
m)を得る分母値の演算処理部と、電気量lm(im・vn−i
n・vm)を得る分子値の演算処理部および電気量rm(=v
m・jn−vn・jm)を得る分子値の演算処理部とを備え、
これらの演算処理部で得られる分母値および分子値とか
らインダクタンスL(=lm/um)および抵抗R(=rm/
um)を求めるよう構成してなる距離継電器において、 前記分母値の演算処理部で得られる電気量umと、前記
分子値の演算処理部で得られる電気量lmおよびrmとの各
値をそれぞれ一旦データとして保存するデータ保存処理
部と、 前記データ保存処理部に保存されている複数の分母値
からなる電気量umについて、それぞれの絶対値|um|を取
ると共にこれらの平均値umeanを求めてこれに所定の係
数εを掛けた値ε*umeanと、前記分母値の絶対値|um|
との大小比較をそれぞれ行い、絶対値|um|が小さい場合
にその電気量umを求めた時刻におけるデータum,lm,rmを
廃棄する分母値の大小比較演算処理部と、 前記分母値の大小比較演算処理部で廃棄されなかった
時刻のデータum,lm,rmを使用して、分母の平均値Um を得る分母の平均化演算処理部、分子の平均値Lm を得る分子の平均化演算処理部およびRm を得る分子の平均化演算処理部とを設けて、 前記各平均化演算処理部で得られる分母の平均値Umお
よび分子の平均値Lm,RmとからインダクタンスL(=Lm/
Um)および抵抗R(=Rm/Um)を求めるよう構成するこ
とを特徴とする。
流信号とから得られる電圧量v、電流量iおよび電流微
分量jの各電気量と、電力系統の距離の電気的尺度であ
るインダクタンスLおよび抵抗Rとの間に成立する関係
式v=R・i+L・jを用い、異なる時刻tmおよびtnに
おける前記各電気量から、継電器の設けてある位置と故
障点までの電気的距離を演算する演算処理部を有し、該
演算処理部で求めた電気的距離に比例した限時で動作す
る距離継電器であって、前記演算処理部において、異な
る時刻tmおよびtnにおける電圧量vm,vn、電流量im,inお
よび電流微分量jm,jnから、電気量um(=im・jn−in・j
m)を得る分母値の演算処理部と、電気量lm(im・vn−i
n・vm)を得る分子値の演算処理部および電気量rm(=v
m・jn−vn・jm)を得る分子値の演算処理部とを備え、
これらの演算処理部で得られる分母値および分子値とか
らインダクタンスL(=lm/um)および抵抗R(=rm/
um)を求めるよう構成してなる距離継電器において、 前記分母値の演算処理部で得られる電気量umと、前記
分子値の演算処理部で得られる電気量lmおよびrmとの各
値をそれぞれ一旦データとして保存するデータ保存処理
部と、 前記データ保存処理部に保存されている複数の分母値
からなる電気量umについて、それぞれの絶対値|um|を取
ると共にこれらの平均値umeanを求めてこれに所定の係
数εを掛けた値ε*umeanと、前記分母値の絶対値|um|
との大小比較をそれぞれ行い、絶対値|um|が小さい場合
にその電気量umを求めた時刻におけるデータum,lm,rmを
廃棄する分母値の大小比較演算処理部と、 前記分母値の大小比較演算処理部で廃棄されなかった
時刻のデータum,lm,rmを使用して、分母の平均値Um を得る分母の平均化演算処理部、分子の平均値Lm を得る分子の平均化演算処理部およびRm を得る分子の平均化演算処理部とを設けて、 前記各平均化演算処理部で得られる分母の平均値Umお
よび分子の平均値Lm,RmとからインダクタンスL(=Lm/
Um)および抵抗R(=Rm/Um)を求めるよう構成するこ
とを特徴とする。
〔作 用〕 本発明に係る距離継電器によれば、電気量um,lm,rmの
各値を一旦データとして保存し、保存されているN個の
データのumについて各々の絶対値を取った後に平均値u
meanを求め、この平均値umeanに所定係数εを掛けたε
*umeanと、N個のデータの各|um|値とを比較し、|um|
が小さい場合には、そのumを求めた時刻のum,lm,rmの値
を廃棄し、廃棄されなかったum,lm,rmの値を用いて(1
2)式の処理を行い抵抗RおよびインダクタンスLを算
出するように構成したため、um≒0時刻におけるum,rm,
lmの各値を(12)式の処理から取り除くことになる。す
なわち、um≒0時刻におけるum,rm,lmの各値による演算
誤差はなくなるので、精度の良い演算結果を得ることが
できる。
各値を一旦データとして保存し、保存されているN個の
データのumについて各々の絶対値を取った後に平均値u
meanを求め、この平均値umeanに所定係数εを掛けたε
*umeanと、N個のデータの各|um|値とを比較し、|um|
が小さい場合には、そのumを求めた時刻のum,lm,rmの値
を廃棄し、廃棄されなかったum,lm,rmの値を用いて(1
2)式の処理を行い抵抗RおよびインダクタンスLを算
出するように構成したため、um≒0時刻におけるum,rm,
lmの各値を(12)式の処理から取り除くことになる。す
なわち、um≒0時刻におけるum,rm,lmの各値による演算
誤差はなくなるので、精度の良い演算結果を得ることが
できる。
次に本発明に係る距離継電器の実施例につき、添付図
面を参照しながら以下詳細に説明する。
面を参照しながら以下詳細に説明する。
第1図は、本発明の一実施例を示す距離継電器のリレ
ー演算処理部における処理内容の機能ブロック図であ
る。距離継電器の装置構成は従来例で示した第2図と同
様であるので、ハードウェアの構成は省略する。第1図
において、参照符号32は、A/D変換部26より入力された
電流量iから、微分係数J、すなわち電流微分量を算出
する演算処理部であり、34は電流量iおよび電流微分量
Jより前記(10)式で示した分母値umを求める演算処理
部である。36は、電流量iと電圧量vとから(8)式で
示される分子量lmの値を算出する演算処理部、38は電圧
量vと電流微分量Jとから(9)式で示される分子値rm
を算出する演算処理部である。これら演算処理ステップ
で求めた各サンプリング時刻におけるデータum,lm,rmは
データ保存処理部40にて一旦データとして保存される。
ー演算処理部における処理内容の機能ブロック図であ
る。距離継電器の装置構成は従来例で示した第2図と同
様であるので、ハードウェアの構成は省略する。第1図
において、参照符号32は、A/D変換部26より入力された
電流量iから、微分係数J、すなわち電流微分量を算出
する演算処理部であり、34は電流量iおよび電流微分量
Jより前記(10)式で示した分母値umを求める演算処理
部である。36は、電流量iと電圧量vとから(8)式で
示される分子量lmの値を算出する演算処理部、38は電圧
量vと電流微分量Jとから(9)式で示される分子値rm
を算出する演算処理部である。これら演算処理ステップ
で求めた各サンプリング時刻におけるデータum,lm,rmは
データ保存処理部40にて一旦データとして保存される。
次の分母値の大小比較演算処理部42では、先ず、保存
されているN個のumについて各々の絶対値|um|を取り、
さらにこのN個の|um|の平均値umeanを求めた後、この
平均値umeanに対し所定の係数εを掛けた値ε*u
meanと、平均値umeanを求めたN個の分母値の絶対値|um
|との大小比較をそれぞれ行い、|um|が小さい場合に
は、そのumを求めた時刻におけるデータum,lm,rmを廃棄
する。この分母値の大小比較演算処理部42で廃棄されな
かった時刻のum,lm,rmの値を使用して、(12)式の処理
を行うのが、分母の平均化演算処理部44と分子の平均化
演算処理部46,48である。これらの平均化演算処理部で
求まったUmおよびLmを用いて系統のインダクタンスLを
(13)式により50の演算処理部で求め、UmおよびRmを用
いて系統の抵抗Rを同様に(13)式により52の演算処理
部で求める。リレーの動作判定処理部54では、前段の演
算処理部50,52で求めた系統のインダクタンスLおよび
抵抗Rから系統の故障点と継電器との電気的距離が得ら
れるので、故障が保護すべき区間内にあるかどうかの動
作判定をして、区間内にある場合は系統の図示しない遮
断器に動作指令を与える。
されているN個のumについて各々の絶対値|um|を取り、
さらにこのN個の|um|の平均値umeanを求めた後、この
平均値umeanに対し所定の係数εを掛けた値ε*u
meanと、平均値umeanを求めたN個の分母値の絶対値|um
|との大小比較をそれぞれ行い、|um|が小さい場合に
は、そのumを求めた時刻におけるデータum,lm,rmを廃棄
する。この分母値の大小比較演算処理部42で廃棄されな
かった時刻のum,lm,rmの値を使用して、(12)式の処理
を行うのが、分母の平均化演算処理部44と分子の平均化
演算処理部46,48である。これらの平均化演算処理部で
求まったUmおよびLmを用いて系統のインダクタンスLを
(13)式により50の演算処理部で求め、UmおよびRmを用
いて系統の抵抗Rを同様に(13)式により52の演算処理
部で求める。リレーの動作判定処理部54では、前段の演
算処理部50,52で求めた系統のインダクタンスLおよび
抵抗Rから系統の故障点と継電器との電気的距離が得ら
れるので、故障が保護すべき区間内にあるかどうかの動
作判定をして、区間内にある場合は系統の図示しない遮
断器に動作指令を与える。
この様にして、um≒0時刻におけるum,rm,lmの各値を
(12)式の処理から取り除き、um≒0時刻におけるum,r
m,lmの各値による演算誤差はなくなるので、精度の良い
演算結果を得ることができる。
(12)式の処理から取り除き、um≒0時刻におけるum,r
m,lmの各値による演算誤差はなくなるので、精度の良い
演算結果を得ることができる。
前述した実施例から明らかなように、本発明によれ
ば、(10)式で示した分母値umに対して、|um|》0の時
の保存データum,rm,lmのみを用いて演算を行うため、量
子化による誤差等の影響を受けない精度の良い演算結果
を得ることができる。従って、電力系統に事故が発生し
た際に電流・電圧及び電流微分量を用いて、系統のイン
ピーダンスを精度よく求められ、低次自由振動電流・電
圧分の影響を受けずに安定したリレー動作を実現するこ
とができる。
ば、(10)式で示した分母値umに対して、|um|》0の時
の保存データum,rm,lmのみを用いて演算を行うため、量
子化による誤差等の影響を受けない精度の良い演算結果
を得ることができる。従って、電力系統に事故が発生し
た際に電流・電圧及び電流微分量を用いて、系統のイン
ピーダンスを精度よく求められ、低次自由振動電流・電
圧分の影響を受けずに安定したリレー動作を実現するこ
とができる。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更
をなし得ることは勿論である。
発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更
をなし得ることは勿論である。
第1図は本発明に係る距離継電器の一実施例を示すリレ
ー演算処理部における処理内容の機能ブロック図、第2
図は従来の演算処理部を備えた距離継電器の構成を示す
ブロック図である。 10……送電線、12……計器用変圧器 14……変流器、20……距離継電器 22,24……変成器入力部 26……A/D変換部、28……リレー演算処理部 30……動作出力処理部 32……(微分係数の)演算処理部 34……(分母値の)演算処理部 36,38……(分子量の)演算処理部 40……データ保存処理部 42……(分母値の)大小比較演算処理部 44……(分母の)平均化演算処理部 46,48……(分子の)平均化演算処理部 50……(インダクタンスLの)演算処理部 52……(抵抗Rの)演算処理部 54……動作判定処理部
ー演算処理部における処理内容の機能ブロック図、第2
図は従来の演算処理部を備えた距離継電器の構成を示す
ブロック図である。 10……送電線、12……計器用変圧器 14……変流器、20……距離継電器 22,24……変成器入力部 26……A/D変換部、28……リレー演算処理部 30……動作出力処理部 32……(微分係数の)演算処理部 34……(分母値の)演算処理部 36,38……(分子量の)演算処理部 40……データ保存処理部 42……(分母値の)大小比較演算処理部 44……(分母の)平均化演算処理部 46,48……(分子の)平均化演算処理部 50……(インダクタンスLの)演算処理部 52……(抵抗Rの)演算処理部 54……動作判定処理部
Claims (1)
- 【請求項1】電力系統の電圧信号と電流信号とから得ら
れる電圧量v、電流量iおよび電流微分量jの各電気量
と、電力系統の距離の電気的尺度であるインダクタンス
Lおよび抵抗Rとの間に成立する関係式v=R・i+L
・jを用い、異なる時刻tmおよびtnにおける前記各電気
量から、継電器の設けてある位置と故障点までの電気的
距離を演算する演算処理部を有し、該演算処理部で求め
た電気的距離に比例した限時で動作する距離継電器であ
って、前記演算処理部において、異なる時刻tmおよびtn
における電圧量vm,vn、電流量im,inおよび電流微分量
jm,jnから、電気量um(=im・jn−in・jm)を得る分母
値の演算処理部と、電気量lm(=im・vn−in・vm)を得
る分子値の演算処理部および電気量rm(=vm・jn−vn・
jm)を得る分子値の演算処理部とを備え、これらの演算
処理部で得られる分母値および分子値とからインダクタ
ンスL(=lm/um)および抵抗R(=rm/um)を求めるよ
う構成してなる距離継電器において、 前記分母値の演算処理部で得られる電気量umと、前記分
子値の演算処理部で得られる電気量lmおよびrmとの各値
をそれぞれ一旦データとして保存するデータ保存処理部
と、 前記データ保存処理部に保存されている複数の分母値か
らなる電気量umについて、それぞれの絶対値|um|を取る
と共にこれらの平均値umeanを求めてこれに所定の係数
εを掛けた値ε*umeanと、前記分母値の絶対値|um|と
の大小比較をそれぞれ行い、絶対値|um|が小さい場合に
その電気量umを求めた時刻におけるデータum,lm,rmを廃
棄する分母値の大小比較演算処理部と、 前記分母値の大小比較演算処理部で廃棄されなかった時
刻のデータum,lm,rmを使用して、分母の平均値Um を得る分母の平均化演算処理部、分子の平均値Lm を得る分子の平均化演算処理部およびRm を得る分子の平均化演算処理部とを設けて、 前記各平均化演算処理部で得られる分母の平均値Umおよ
び分子の平均値Lm,RmとからインダクタンスL(=Lm/
Um)および抵抗R(=Rm/Um)を求めるよう構成するこ
とを特徴とする距離継電器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1029753A JP2611416B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 距離継電器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1029753A JP2611416B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 距離継電器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02211020A JPH02211020A (ja) | 1990-08-22 |
JP2611416B2 true JP2611416B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=12284849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1029753A Expired - Fee Related JP2611416B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 距離継電器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2611416B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6218917A (ja) * | 1985-07-17 | 1987-01-27 | 東京電力株式会社 | 距離継電器 |
JPH0757066B2 (ja) * | 1986-09-26 | 1995-06-14 | 株式会社東芝 | 距離継電器 |
-
1989
- 1989-02-10 JP JP1029753A patent/JP2611416B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02211020A (ja) | 1990-08-22 |
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