JP2001004685A - 電力系統の高調波特性測定方法 - Google Patents

電力系統の高調波特性測定方法

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JP2001004685A
JP2001004685A JP11174938A JP17493899A JP2001004685A JP 2001004685 A JP2001004685 A JP 2001004685A JP 11174938 A JP11174938 A JP 11174938A JP 17493899 A JP17493899 A JP 17493899A JP 2001004685 A JP2001004685 A JP 2001004685A
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JP11174938A
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Isao Koda
勲 香田
Masakazu Tsukamoto
政和 塚本
Soji Nishimura
荘治 西村
Yasukazu Natsuda
育千 夏田
Yoshibumi Minowa
義文 蓑輪
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Chubu Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
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Chubu Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力系統に注入した次数間高調波の電圧を実
測することなく、電力系統の注入点の負荷側の着目高調
波の高調波特性を測定する。 【解決手段】 注入装置9から注入点Piに注入される
両次数間高調波の注入電流Imを測定し、注入点Piか
ら上位側に流れる両次数間高調波の電流Imaを測定
し、注入電流Im,Imaの差により注入点Piから負
荷側に流れる両次数間高調波の電流Imbを求め、系統
1の上位側の既知のアドミタンス又はインピーダンスか
ら換算された両次数間高調波のアドミタンスYma又は
インピーダンスZmaと電流Imaとにより、系統1の
両次数間高調波の電圧Vmを求め、電流Imbと電圧V
mとにより、系統1の注入点Piの負荷側の着目高調波
の高調波アドミタンス又は高調波インピーダンスを決定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の負荷側
の高調波等価回路等を求める高調波測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3相電力系統のn次(n=1,2,…の
整数)の高調波(第n調波)は、系統基本波周波数fs
の整数倍であり、代表的な第5調波の周波数は5・fs
である。この高調波の低減は、その高調波レベル(電圧
レベル)を予測して行われる。
【0003】ところで、電力系統の高調波レベルの予測
においては、とくに、変電所等より下位(負荷側)の高
調波特性を把握してその等価回路(高調波等価回路)を
求めることが重要である。
【0004】そして、電気学会論文誌B,101巻8
号,p.451−458,(昭56−8)には、配電系
統の第5調波についての高調波等価回路を求める際、系
統の基本波の電圧,電流を計測し、その結果から高調波
等価回路のアドミタンス,電流源の大きさ、位相等を算
出して推定することが記載されている。
【0005】しかし、前記論文誌に記載の測定方法で3
相電力系統の高調波特性を測定する場合、系統の基本波
電圧・電流値を計測し、その計測結果から前記第5調波
等の着目高調波のアドミタンス及び高調波電流源の大き
さ、位相を間接的に推定するため、高調波特性を精度よ
く把握することができない。
【0006】そこで、本出願人は、つぎの内容の電力系
統の高調波特性測定方法を既に特願平8−310192
号により出願している。
【0007】この既出願の測定方法によると、注入装置
から電力系統の注入点に、測定対象の着目高調波(周波
数n・fs)を挟む系統基本波周波数fsの非整数倍の
2周波数fm1,fm2(fm1<n・fs<fm2)の中
間高調波,すなわち次数間高調波の電流を注入する。
【0008】さらに、前記注入点に注入される両次数間
高調波の電流及び電力系統の両次数間高調波の電流,電
圧の実測結果により、電力系統の前記注入点の負荷側の
両次数間高調波それぞれのアドミタンス又はインピーダ
ンスを算出する。
【0009】そして、両次数間高調波のアドミタンス又
は前記インピーダンスに基づき電力系統の前記注入点の
負荷側の着目高調波の等価回路の高調波アドミタンス又
は高調波インピーダンスを補間演算して決定し、電力系
統の前記注入点の負荷側の着目高調波の特性を測定す
る。
【0010】この場合、注入電流が電力系統に本来存在
しない系統基本波周波数fsの非整数倍の周波数の電流
であり、電力系統の既存の高調波の影響を受けることな
く、電力系統の負荷側の注入周波数の等価回路のアドミ
タンス又はインピーダンスを実測結果から精度よく求め
ることができ、この結果を用いて着目高調波の等価回路
の高調波アドミタンス又は高調波インピーダンスを決定
し、着目高調波についての高調波特性を精度よく把握し
得る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記既出願の高調波特
性測定方法の場合、電力系統の両次数間高調波それぞれ
の電流だけでなく電圧も実測し、電力系統の両次数間高
調波の電流の注入に基づく電流歪み及び電圧歪みを直接
計測する必要がある。この場合、測定して処理するデー
タ量が多く、演算処理等が複雑化する。
【0012】また、一般に電圧歪みは電流歪みに比して
微小であり、測定が困難であり、とくに注入点を系統上
流の特高系に設けて測定するときには、電圧歪みが極め
て微小になり測定精度が著しく低下する。
【0013】したがって、処理が複雑化するとともに精
度の高い高調波特性の測定が行えない問題点がある。
【0014】本発明は、電力系統の上位側の既知の高調
波インピーダンス又は高調波アドミタンスを利用し、電
力系統の両次数間高調波の電圧を実測することなく、電
力系統の上位側の電流計測に基づき、処理を簡素化して
注入点の負荷側の精度の高い高調波特性の測定が行える
ようにすることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明の電力系統の高調波特性測定方法は、請求
項1の場合、注入装置から注入点に注入される電流を計
測して両次数間高調波それぞれの注入電流Imを測定
し、電力系統の注入点の上位側の電流を計測して注入点
から上位側に流れる両次数間高調波それぞれの電流Im
aを測定し、注入電流Imと電流Imaとの差Im−I
maにより、電力系統の注入点から負荷側に流れる両次
数間高調波それぞれの電流Imbを求め、電力系統の注
入点の上位側の既知の基本波或いは高調波のアドミタン
ス又はインピーダンスから換算して得られた注入点の上
位側の両次数間高調波それぞれのアドミタンスYma又
はインピーダンスZmaと電流Imaとにより、電力系
統の両次数間高調波それぞれの電圧Vm(=Ima/Y
ma又はIma・Zma)を求め、電流Imbと電圧V
mとにより、電力系統の注入点の負荷側の両次数間高調
波それぞれのアドミタンスYmb(=Imb/Vm)又
はインピーダンスZmb(=Vm/Imb)を算出して
注入点の負荷側の着目高調波の等価回路の高調波アドミ
タンス又は高調波インピーダンスを決定する。
【0016】すなわち、請求項1の測定方法は、電力系
統の変電所等の上位側の基本波或いは高調波のアドミタ
ンス又はインピーダンスについては予め判明しているこ
とが多く、また、電力系統の上位側の高調波インピーダ
ンスが負荷側の高調波インピーダンスより十分に小さ
く、上位側のアドミタンス又はインピーダンスと電流と
から電圧を精度よく求め得ることに着目してなされたも
のである。
【0017】そして、電力系統の変電所等に注入点が設
定され、電力系統の注入点の上位側の両次数間高調波の
測定された電流Imaと,既知のアドミタンス又はイン
ピーダンスから換算してもとめた両次数間高調波のアド
ミタンス又はインピーダンスとの演算により、電力系統
の両次数間高調波の電圧Vmが測定することなく精度よ
く求まる。
【0018】さらに、注入装置から注入点に注入される
両次数間高調波の注入電流Imの測定により、測定した
注入電流Imと上位側の電流Imaとの差Im−Ima
の演算に基づき、電力系統の注入点の負荷側の電流Im
b(=Im−Ia)が測定することなく精度よく求ま
る。
【0019】そして、電圧Vmと電流Imbとから注入
点の負荷側の両次数間高調波それぞれのアドミタンスY
mb又はインピーダンスZmbが算出されて求まり、ア
ドミタンスYmb又はインピーダンスZmbから注入点
の負荷側の着目高調波の高調波アドミタンス又は高調波
インピーダンスが補間演算されて精度よく求まる。
【0020】したがって、両次数間高調波の電流注入に
基づく電力系統の両次数間高調波の電圧歪みを実測する
ことなく、電流歪みの計測のみを行って注入点の負荷側
の着目高調波についての精度の高い高調波特性の測定が
行える。
【0021】つぎに、請求項2の場合は、注入点の着目
高調波の電圧を計測し、注入点の着目高調波の電圧,注
入点の上位側の着目高調波の電流及び決定した着目高調
波の高調波アドミタンス又は高調波インピーダンスとに
より電流源又は電圧源を決定し、注入点の負荷側の着目
高調波の等価回路をアドミタンスと電流源との並列回路
又はインピーダンスと電圧源との並列回路としてより正
確に高調波特性を測定できる。
【0022】つぎに、請求項3の場合は、電力系統の上
位側の既知の基本波或いは高調波のアドミタンス又はイ
ンピーダンスを、電力系統の受電トランスと注入点との
間に設けられたアドミタンス又はインピーダンスが既知
の装置(例えばコンデンサ装置,リアクトル,SVCの
調相設備,フィルタ設備等)における既知のアドミタン
ス又はインピーダンスとし、前記装置の2周波数f
1,fm2の次数間高調波それぞれの電流Ima’を測
定し、前記装置の既知のアドミタンス又はインピーダン
スから換算した前記装置の両次数間高調波それぞれのア
ドミタンスYma’又はインピーダンスZma’と電流
Ima’とにより、電力系統の両次数間高調波の電圧V
m(=Ima’/Yma’又はIma’・Zma’)を
求める。
【0023】したがって、注入点の上位側全体の基本波
或いは高調波のアドミタンス又はインピーダンスが判明
していなくても、電力系統の受電トランスと注入点との
間に基本波或いは高調波のアドミタンス又はインピーダ
ンスが判明しているコンデンサ装置,リアクトル,SV
Cの調相設備,フィルタ設備等の装置が存在すれば、こ
の装置の両次数間高調波の電流Ima’を測定し、この
電流Ima’と前記装置の両次数間高調波のアドミタン
スYma’又はインピーダンスZma’とから電力系統
の両次数間高調波の電圧Vmを求め、注入点の負荷側の
両次数間高調波の電流Imと電圧Vmとにより、請求項
1の場合と同様にして注入点の負荷側の着目高調波の等
価回路の高調波アドミタンス又は高調波インピーダンス
を求めることができ、さらには、請求項2の場合と同様
にして負荷側の着目高調波の等価回路の電流源又は電圧
源を決定することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図3を参照して説明する。 (1形態)まず、本発明の1形態について、図1及び図
2を参照して説明する。図1は測定対象の3相電力系統
1の等価回路を示し、図中のPiは電力系統1の変電所
近傍等の適当な位置に設定された電流注入用の注入点で
ある。
【0025】そして、電力系統1には周波数n・fsの
種々の高調波が存在し、これらの高調波に対して、注入
点Piからみた左の上位側は例えばトランスインピーダ
ンス,線路インピーダンス等を含む等価回路2が接続さ
れた状態にあり、右の負荷側(下位側)は等価回路3が
接続された状態にある。
【0026】このとき、等価回路2,3はノートンの定
理で表現したアドミタンス回路とすれば、それぞれ高調
波アドミタンス4,5と電流源6,7との並列回路とみ
なせる。
【0027】なお、高調波アドミタンス4,5等はいず
れも注入点Piからみた値に換算したものである。
【0028】また、電流源7は実際に存在するのではな
く、負荷による電流歪み等で等価的に形成されたもので
ある。
【0029】そして、第5調波(n=5)等の所定の高
調波を着目高調波とし、この高調波に対する負荷側の等
価回路3の時々刻々変化する回路定数を求める場合、注
入点Piにマイクロコンピュータ構成の高調波測定装置
8の注入装置9を接続する。
【0030】この注入装置9は、例えばインバータ構成
の電流源回路からなり、着目高調波周波数n・fsを挟
む系統基本波周波数fsの非整数倍の2周波数fm1
fm 2 (fm1≪n・fs<fm2)それぞれの電流Im
を例えば一定時間ずつ順次に出力して注入点Piに注入
する。
【0031】なお、注入装置9の低電圧,小型化等を図
るため、注入装置9の出力は、通常、変電所の所内変圧
器等を介して注入点Piに注入される。
【0032】また、注入電流Imは系統に同期,非同期
のいずれの電流であってもよく、同期した場合、着目高
調波を第5調波とすると、例えば着目高調波から0.5
調波ずれた4.5調波,5.5調波の電流に設定され
る。
【0033】つぎに、注入電流Imが本来電力系統1に
存在しない周波数(fm1,fm2)の電流であるため、
電力系統1は注入電流Imに対してアドミタンスのみが
存在した状態になる。
【0034】そして、高調波アドミタンス4,5に相当
する電力系統1の両次数間高調波についての上位側,負
荷側のアドミタンスをYma,Ymbとし、それらの逆
数のインピーダンスをZma,Zmbとすると、一般
に、電力系統にあっては上位側のインピーダンスが負荷
側のインピーダンスより十分小さくなるため、Yma≫
Ymb(Zma≪Zmb)の関係がある。
【0035】一方、上位側のトランスインピーダンス,
線路インピーダンス等は、基本波インピーダンスからの
換算や高調波特性曲線等に基づき、予め判明しているこ
とが多く、この結果、電力系統1は上位側の基本波或い
は高調波のアドミタンス又はインピーダンスが既知であ
る。
【0036】この場合、既知のアドミタンス又はインピ
ーダンスと両次数間高調波の次数とに基づく換算から、
両次数間高調波それぞれについての上位側のアドミタン
スYma又はインピーダンスZmaが求まる。
【0037】具体的には、高調波アドミタンス4が図2
のコイルL,抵抗R,コンデンサCのインピーダンス回
路Zの逆数で示されるアドミタンス回路の場合、両次数
間高調波が4.5調波,5.6調波であれば、コイルL
のインピーダンスは基本波インピーダンスの4.5倍,
5.5倍,コンデンサCのインピーダンスは基本波イン
ピーダンスの1/4.5,1/5.5とし、抵抗Rのイ
ンピーダンスは基本波インピーダンスに等しいとして、
その合成インピーダンスの逆数を求めることにより、両
次数間高調波それぞれのアドミタンスYmaが求まる。
【0038】そして、注入電流Imに基づく上位側,負
荷側の両次数間高調波の電流をIma,Imbとする
と、前記したようにYma≫Ymb(Zma≪Zmb)
の関係があるため、両次数間高調波の電流注入に基づく
電力系統1の注入点Piでの両次数間高調波の電圧Vm
は、前記の換算により求めた上位側のアドミタンスYm
a又はインピーダンスZmaと電流Imaとにより、実
測することなく、Vm=Ima/Yma又はVm=Im
a・Zmaの演算から求めることができる。
【0039】つぎに、注入電流Imと上位側の電流Im
aとを測定すれば、負荷側の電流Imbは、実測するこ
となく、Imb=Im−Imaの演算から求めることが
できる。
【0040】そして、電圧Vmと電流Imbとが求まれ
ば、両次数間高調波の負荷側のアドミタンスYmb又は
インピーダンスZmbは、Ymb=Imb/Vm又はZ
mb=Vm/Imbの演算から求めて決定することがで
きる。
【0041】したがって、図1の場合、注入装置9から
注入点Piに注入した両次数間高調波の注入電流Imを
計器用変流器10により計測し、電力系統1の上位側の
電流を計器用変流器11により計測する。
【0042】そして、変流器10,11の計測信号を測
定装置8のA/D変換器12によりそれぞれデジタルの
計測データに変換する。
【0043】さらに、A/D変換器12の各計測データ
を信号処理装置13のFFT解析等により処理し、両次
数間高調波それぞれにつき、注入電流Im及び電流Im
aを抽出して測定する。
【0044】そして、信号処理装置13の計測結果を後
段の演算処理装置14に供給し、この処理装置14によ
り、計測された電流Im,Imaと設定された上位側の
既知のアドミタンスYmaとに基づき、前記の演算Vm
=Ima/Yma,Ymb=Imb/Vm=(Im−I
ma)/Vmを実行し、両次数間高調波それぞれにつ
き、電圧Vm,電流Imbを求めて負荷側のアドミタン
スYmbを決定する。
【0045】このとき、電流Im,Imaは電力系統1
に本来存在しない周波数fm1 ,fm2 であり、微小量
の注入であっても正確に測定される。
【0046】しかも、電流歪みに比して微小で計測困難
な電圧歪みについては、電力系統1の上位側の既知のア
ドミタンスYmaが電圧Vmを支配することから、電圧
Vmを測定することなく、アドミタンスYmaと電流I
maとから正確に求めて検出される。
【0047】さらに、演算処理装置14は両次数間高調
波のアドミタンスYmbに基づき、単純平均或いは最小
二乗法等の補間演算を実行し、両次数間高調波の中間の
周波数の着目高調波についての高調波アドミタンス5の
値Ynbを求めて決定する。
【0048】このとき、アドミタンスYmbが電力系統
1の高調波の影響を受けることなく正確に求まるため、
着目高調波についての高調波アドミタンス5の値Ynb
についても正確に求まる。
【0049】なお、着目高調波についての上位側の高調
波アドミタンス4の値Ynaは既知である。
【0050】そして、電圧Vmを測定しないため、測定
装置8は測定入力が少なく、処理が簡単になり、処理を
簡素化して注入点Piの負荷側の着目高調波についての
高調波アドミタンス4を精度よく求め、電力系統1の負
荷側の高調波特性を測定することができ、とくに注入量
が不足して電圧歪みが極めて微小になる系統上位の特高
系に適用すると、従来は極めて困難であった精度の高い
高調波特性の測定が簡単に行える。
【0051】つぎに、この実施の形態においては、着目
高調波についての等価回路2,3をより完全に求めるた
め、着目高調波についての高調波アドミタンス5の値Y
nbを求めて決定した後、つぎに説明するようにして着
目高調波についての電流源6,7を求める。
【0052】すなわち、電力系統1の注入点Piの近傍
に計器用変圧器15を接続し、高調波アドミタンス5の
値Ynbを決定した後、注入装置9の電流注入を停止
し、変流器11,変圧器15の計測信号に基づき、信号
処理装置13により電力系統1の着目高調波の電流(高
調波電流),電圧(高調波電圧)を測定する。
【0053】そして、測定した高調波電流,高調波電圧
とアドミタンス4とにより上位側の電流源6を決定し、
同時に、測定した高調波電流,高調波電圧とアドミタン
ス5とにより負荷側の電流源7も決定する。
【0054】具体的には、例えば電流源7については、
測定した着目高調波についての高調波電流をIn,高調
波電圧をVnとし、電流源7の電流をIn’とすると、
Vn=(In+In’)/Ynbの式から決定する。
【0055】そして、高調波等価回路2,3の決定され
た各回路定数等を、記憶部16に記憶するとともに表示
部17に例えば等価回路図の形式で画面表示する。
【0056】なお、図1では等価回路2,3をアドミタ
ンス4,5と電流源6,7との並列回路としてぞれぞれ
の回路定数を決定したが、等価回路2,3をインピーダ
ンスと電圧源との直列回路としてそれぞれの回路定数を
前記と同様に決定してもよいのは勿論である。
【0057】この場合、等価回路3の着目高調波につい
てのインピーダンス,電圧源は前記と同様にして求める
ことができ、例えば等価回路3の着目高調波についての
インピーダンスは、前記のVm=Ima・Zma,Zm
b=Vm/Imb=Vm/(Im−Ima)の演算から
両次数間高調波についての負荷側のインピーダンスZm
bを求め、補間演算から求めて決定すればよい。
【0058】そして、図1の測定装置8の構成等はどの
ようであってもよく、例えば注入装置9の電流注入方式
は、注入装置9の3相出力を注入する3相注入方式,注
入装置9の単相出力を注入する単相注入方式のいずれで
あってもよい。
【0059】(他の形態)つぎに、本発明の実施の他の
形態について、図3を参照して説明する。図3におい
て、図1と同一符号は同一もしくは相当するものを示
し、18は電力系統1の受電トランス、19は受電トラ
ンス18と注入点Piとの間に設けられた装置、20は
装置19の電流を計測する計器用変流器であり、計測信
号がA/D変換器12により計測データに変換されて信
号処理装置13で処理される。
【0060】そして、装置19は基本波或いは高調波の
アドミタンス又はインピーダンスが予め判明している種
々の電力装置,例えば変電所に設置されている力率改善
用の進相コンデンサ装置(スタコン装置),電圧調整用
のリアクトル装置等からなる。
【0061】そして、両次数間高調波の注入電流Imの
注入に基づき電力系統1の上位側に電流Imaが流れる
と、この電流Imaの一部Ima’が装置19を流れ、
この電流Ima’を変流器20により計測する。
【0062】さらに、変流器10,11,20の計測信
号に基づき、信号処理装置13により注入電流Im及び
上位側の電流Ima,その一部の電流Ima’を抽出し
て測定する。
【0063】つぎに、演算処理装置14は、装置19の
既知のアドミタンス又はインピーダンスから換算して得
られた装置19の両次数間高調波それぞれのアドミタン
スYma’又はインピーダンスZma’(=1/Ym
a’)と、抽出された電流Ima’とに基づき、Vm=
Ima’/Yma’又はVm=Ima’・Zma’の演
算から注入点Piでの両次数間高調波の電圧Vmを求め
る。
【0064】そして、電圧Vmが求まると、前記1形態
の場合と同様、電流Im,Imaと電圧Vmとに基づ
き、例えば、Ymb=Imb/Vm=(Im−Ima)
/Vmの演算から負荷側のアドミタンスYmbを決定
し、着目高調波についての高調波アドミタンス5の値Y
nbを求めて決定する。
【0065】また、高調波アドミタンス5に並列の電流
源7を、前記1形態の場合と同様にして決定する。
【0066】したがって、電力系統1の上位側に基本波
或いは高調波のアドミタンス又はインピーダンスが判明
している装置19が存在すれば、上位側全体のアドミタ
ンス又はインピーダンスが判明していなくても、装置1
9の既知のアドミタンス又はインピーダンスを用いて負
荷側の着目高調波についての等価回路の高調波アドミタ
ンス又は高調波インピーダンスを決定し、その高調波特
性を測定することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。請求項1の場合は、電力系統1の変電所等に注入点
Piを設定し、注入装置13の電流注入に基づく注入点
Piの上位側の両次数間高調波の測定した電流Ima
と,既知のアドミタンス又はインピーダンスから換算し
て求めた両次数間高調波のアドミタンス又はインピーダ
ンスとの演算により、電力系統1の両次数間高調波の電
圧Vm(電圧歪み)を、系統上位側の既知のアドミタン
ス又はインピーダンスを利用し、測定することなく精度
よく求めることができる。
【0068】さらに、注入装置13から注入点Piに注
入した両次数間高調波の注入電流Imと上位側の電流I
maとの差Im−Imaの演算に基づき、電力系統1の
注入点Piの負荷側の電流Imb(=Im−Ia)を、
測定することなく精度よく求めることができる。
【0069】そして、電圧Vmと電流Imbとから注入
点Piの負荷側の両次数間高調波それぞれのアドミタン
スYmb又はインピーダンスZmbを算出して求めるこ
とができ、アドミタンスYmb又はインピーダンスZm
bから注入点Piの負荷側の着目高調波の高調波アドミ
タンス5又は高調波インピーダンスを補間演算して精度
よく求めることができる。
【0070】したがって、電力系統1の計測困難な電圧
歪みの測定を省き、両次数間高調波の電圧を実測するこ
となく、電流計測により、計測入力が少ない簡単な処理
で電力系統1の注入点Piの負荷側の着目高調波につい
ての精度の高い高調波特性の測定を行うことができる。
【0071】つぎに、請求項2の場合は、注入点Piの
着目高調波の電圧を計測し、この電圧,上位側の着目高
調波の電流及び決定した着目高調波の高調波アドミタン
ス5又は高調波インピーダンスにより、高調波アドミタ
ンス5に並列の電流源7又は高調波インピーダンスに直
列の電圧源を決定したため、電力系統1の着目高調波の
電圧を計測することにより、請求項1の場合より一層正
確に注入点Piの負荷側の着目高調波についての等価回
路を求めて高調波特性を測定することができる。
【0072】つぎに、請求項3の場合は、注入点Piの
上位側全体の基本波或いは高調波のアドミタンス又はイ
ンピーダンスが判明していなくても、電力系統1の受電
トランス18と注入点Piとの間に基本波或いは高調波
のアドミタンス又はインピーダンスが判明している装置
19が存在すれば、この装置19の両次数間高調波の電
流Ima’を測定し、この電流Ima’と装置19の両
次数間高調波のアドミタンスYma’又はインピーダン
スZma’とから電力系統1の両次数間高調波の電圧V
mを求め、この電圧Vmと注入点Piの負荷側の両次数
間高調波の電流Imb(=Im−Ima)とにより、請
求項1の場合と同様にして注入点Piの負荷側の着目高
調波の高調波アドミタンス5又は高調波インピーダンス
を求めてその高調波特性を測定することができ、さらに
は、請求項2の場合と同様にして負荷側の着目高調波の
等価回路の電流源又は電圧源を決定して高調波特性を測
定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の回路ブロック図であ
る。
【図2】図1の上位側のアドミタンスの等価回路側の結
線図である。
【図3】本発明の実施の他の形態の回路ブロック図であ
る。
【符号の説明】 1 電力系統 2,3 等価回路 4,5 高調波アドミタンス 6,7 電流源 8 高調波測定装置 9 注入装置 18 受電トランス 19 装置 Pi 注入点
フロントページの続き (72)発明者 塚本 政和 名古屋市東区東新町1番地 中部電力株式 会社内 (72)発明者 西村 荘治 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 夏田 育千 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 蓑輪 義文 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 Fターム(参考) 2G028 AA01 BF03 CG08 CG20 DH30 2G036 AA03 AA06 BA01 BA37 CA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注入装置から電力系統の注入点に、測定
    対象の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波
    周波数fsの非整数倍の2周波数fm1 ,fm2(fm1
    <n・fs<fm2)の次数間高調波の電流を注入し、 前記注入点の前記両次数間高調波の注入電流及び電力系
    統の前記両次数間高調波の電流,電圧により、電力系統
    の前記注入点の負荷側の前記両次数間高調波それぞれの
    アドミタンス又はインピーダンスを算出し、 前記両次数間高調波のアドミタンス又はインピーダンス
    に基づき電力系統の前記注入点の負荷側の前記着目高調
    波の等価回路の高調波アドミタンス又は高調波インピー
    ダンスを補間演算して決定し、 電力系統の前記注入点の負荷側の前記着目高調波の特性
    を測定する高調波特性測定方法において、 前記注入装置から前記注入点に注入される電流を計測し
    て前記両次数間高調波それぞれの注入電流Imを測定
    し、 電力系統の前記注入点の上位側の電流を計測して前記注
    入点から上位側に流れる前記両次数間高調波それぞれの
    電流Imaを測定し、 前記注入電流Imと前記電流Imaとの差Im−Ima
    により、電力系統の前記注入点から負荷側に流れる前記
    両次数間高調波それぞれの電流Imbを求め、 電力系統の前記注入点の上位側の既知の基本波或いは高
    調波のアドミタンス又はインピーダンスから換算して得
    られた注入点の上位側の前記両次数間高調波それぞれの
    アドミタンスYma又はインピーダンスZmaと前記電
    流Imaとにより、電力系統の前記両次数間高調波それ
    ぞれの電圧Vm(=Ima/Yma又はIma・Zm
    a)を求め、 前記電流Imbと前記電圧Vmとにより、電力系統の前
    記注入点の負荷側の両次数間高調波それぞれのアドミタ
    ンスYmb(=Imb/Vm)又はインピーダンスZm
    b(=Vm/Imb)を算出して前記注入点の負荷側の
    前記着目高調波の等価回路の高調波アドミタンス又は高
    調波インピーダンスを決定することを特徴とする電力系
    統の高調波特性測定方法。
  2. 【請求項2】 電力系統の注入点の負荷側の着目高調波
    の等価回路を、決定した高調波アドミタンスと,電流源
    との並列回路又は決定した高調波インピーダンスと,電
    圧源との直列回路とし、 前記注入点の着目高調波の電圧を計測し、 前記注入点の着目高調波の電圧,前記注入点の上位側の
    着目高調波の電流及び決定した高調波アドミタンス又は
    高調波インピーダンスにより、前記電流源又は前記電圧
    源を決定することを特徴とする請求項1記載の電力系統
    の高調波特性測定方法。
  3. 【請求項3】 電力系統の上位側の既知の基本波或いは
    高調波のアドミタンス又はインピーダンスを、前記電力
    系統の受電トランスと注入点との間に設けられたアドミ
    タンス又はインピーダンスが既知の装置における既知の
    アドミタンス又はインピーダンスとし、 前記装置の2周波数fm1,fm2の次数間高調波それぞ
    れの電流Ima’を測定し、 前記装置の既知のアドミタンス又はインピーダンスから
    換算した前記装置の両次数間高調波それぞれのアドミタ
    ンスYma’又はインピーダンスZma’と前記電流I
    ma’とにより、電力系統の前記両次数間高調波の電圧
    Vm(=Ima’/Yma’又はIma’・Zma’)
    を求めることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    電力系統の高調波特性測定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102998535A (zh) * 2012-12-10 2013-03-27 华北电力大学(保定) 一种基于极大似然估计理论的系统谐波阻抗计算方法
CN110045186A (zh) * 2019-04-25 2019-07-23 四川大学 电力系统公共连接点处的系统谐波阻抗估计方法和系统
CN115065053A (zh) * 2022-08-19 2022-09-16 山东大学 基于源荷等效导纳的台区谐波责任定性评估方法及系统

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