JP2940612B1 - 高調波特性測定方法 - Google Patents
高調波特性測定方法Info
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Abstract
相電流を3相の注入変圧器を介して電力系統に注入し、
電力系統の高調波特性を測定する際に、注入変圧器の巻
線方式及び単相電流の注入2相を知ることなく、精度よ
く測定し得るようにする。 【解決手段】 電力系統1の所定相の系統基本波周波数
fsの電圧と,注入変圧器11の低圧側の注入2相の系
統基本波周波数fsの線間電圧との位相差を計測し、注
入器11の低圧側,高圧側の巻線の結線方式及び注入2
相の組合せによって定まる位相差と系統1の各相の両中
間高調波それぞれの電流との関係から、位相差の計測結
果に対応する系統1の各相の両中間高調波それぞれの単
相電流注入に基づく電流を決定して求める。
Description
目高調波についての特性を測定する高調波特性測定方法
に関する。
整数)の高調波(第n調波)は、系統基本波周波数fs
の整数倍の周波数であり、代表的な第5調波の周波数は
5・fsである。この高調波の低減は、その高調波レベ
ル(電圧レベル)を予測して行われる。
においては、とくに、変電所等より下位(負荷側)の高
調波特性を把握してその等価回路(高調波等価回路)を
求めることが重要であり、この高調波等価回路はノート
ンの定理で表現した場合、アドミタンスと電流源との並
列回路とみなすことができ、そのうちのアドミタンスが
特性把握の上からは最も重要である。
号,p.451−458,(昭56−8)には、配電系
統の第5調波についての高調波等価回路を求める際、系
統の基本波の電圧,電流を計測し、その結果から高調波
等価回路のアドミタンス,電流源の大きさ、位相等を算
出して推定することが記載されている。
相電力系統の高調波特性を測定する場合、系統の基本波
の電圧,電流を計測し、その計測結果から前記第5調波
等の着目高調波のアドミタンス、高調波電流源の大き
さ、位相を間接的に推定するため、高調波特性を精度よ
く把握することができない。
2号の出願により、電力系統に周波数n・fsの測定調
波(着目高調波)の上,下両側の系統基本波周波数fs
の非整数倍の周波数fα,fβ(fα<n・fs<f
β)の電流それぞれを注入し、その注入点における注入
周波数fα,fβの電圧及び注入点の上位,下位を流れ
る注入周波数fα,fβの電流の実測結果に基づき、電
力系統の注入点より下位又は上位につき、注入周波数f
α,fβについての等価回路のアドミタンスを求め、補
間処理により着目高調波についての等価回路のアドミタ
ンスを決定してその高調波特性を測定することを既に発
明している。
存在しない基本波周波数の非整数倍の中間高調波の電流
であり、系統の既存の高調波の影響を受けることなく、
電力系統の負荷側の注入周波数の等価回路のアドミタン
スを実測から精度よく求めることができ、この結果を用
いて着目高調波についての高調波特性を精度よく把握し
得る。
性の測定を実施する場合、周波数fα,fβの3相電流
を電力系統の各相に注入して測定しようとすると、注入
電流を形成するインバータ等の注入装置が極めて大容
量,大型になる。
り周波数fα,fβの200V程度の低電圧,小容量の
単相電流を注入電流として形成し、この単相電流を変電
所の所内変圧器等の3相の注入変圧器の低圧側の2相間
に注入し、この変圧器の高圧側の各相から電力系統の各
相に周波数fα,fβの電流を注入し、いわゆる単相注
入方式で電力系統に周波数fα,fβの中間高調波の電
流を注入して測定することが考えられる。
変圧器の低圧側(注入装置側),高圧側(系統側)の巻
線の結線方式及び単相電流の注入2相の組合せにより、
電力系統の各相を流れる周波数fα,fβの中間高調波
の電流(相電流)が異なるため、前記の結線方式及び注
入2相の組合せを正確に把握し、これらの組合せを考慮
した電流,電圧のベクトル演算等から、電力系統の各相
の周波数fα,fβの電流を求めて決定しなければなら
ず、注入変圧器の低圧側,高圧側の結線方式等の情報収
集等を要するとともに、極めて煩雑なベクトル演算等が
必要になる問題点がある。
注入変圧器を介して電力系統に注入し、電力系統の高調
波特性を測定する際に、注入変圧器の低圧側及び高圧側
の巻線の結線方式,単相電流の注入2相が分からなくて
も、簡単な処理で精度よく測定し得るようにする。
めに、本発明の高調波特性測定方法においては、高圧側
が電力系統に接続された3相の注入変圧器の低圧側の2
相間に、測定対象のn次の着目高調波(周波数n・f
s)を挟む系統基本波周波数fsの非整数倍の2周波数
fα,fβ(fα<n・fs<fβ)の単相電流を中間
高調波の電流としてそれぞれ注入し、電力系統の各相の
電流,電圧を周波数解析して電力系統の2周波数fα,
fβの中間高調波それぞれについてのアドミタンス又は
インピーダンスを求め、両中間高調波についてのアドミ
タンス又はインピーダンスから電力系統の着目高調波に
ついてのアドミタンス又はインピーダンスを補間演算し
て求める際に、電力系統の所定相の系統基本波周波数f
sの電圧と,3相の注入変圧器の低圧側の注入2相の系
統基本波周波数fsの線間電圧との位相差を計測し、注
入変圧器の低圧側,高圧側の巻線の結線方式及び前記注
入2相の組合せによって定まる前記位相差と電力系統の
各相の両中間高調波の電流との関係から、前記位相差の
計測結果に対応する電力系統の各相の両中間高調波それ
ぞれの単相電流注入に基づく電流量を決定して求める。
電力系統の所定相の系統基本波周波数fsの電圧と,注
入変圧器の低圧側(注入装置側)の注入2相の系統基本
波周波数fsの線間電圧との位相差が、注入変圧器の低
圧側,高圧側の巻線の結線方式及び周波数fα,fβの
両中間高調波の電流の注入2相の組合せによって定まる
特定の位相差になり、この位相差から、単相電流注入に
基づく電力系統の各相の両中間高調波それぞれの電流を
決定できることに着目してなされたものである。
に中間高調波の単相電流を注入すると、注入された電流
が前記の組合せに応じた割合いで電力系統の各相を流
れ、その電流量が前記位相差によって定まることから、
前記位相差を実測し、その計測結果に対応する両中間高
調波それぞれの電力系統の各相の単相電流注入に基づく
電流を決定して求める。
巻線の結線方式及び注入2相の組合せが分からなくて
も、それらの情報を用いることなく、簡単に電力系統の
各相の単相電流注入に基づく両中間高調波それぞれの電
流を精度よく求め、その結果に基づき精度よく電力系統
の高調波特性を測定できる。
合は、注入変圧器の低圧側,高圧側の電圧比からその巻
数比を求め、この巻数比を加味して単相電流注入に基づ
く電力系統の各相の両中間高調波それぞれの電流を求め
ることが好ましい。
電力系統の各相の両中間高調波の電流が一層精度よく求
められる。
図1ないし図6を参照して説明する。図1は測定対象の
3相の電力系統1を示し、この電力系統1は例えば非接
地3相の配電系統であり、系統基本波周波数fsの整数
倍の周波数n・fsのn次の高調波が存在し、これらの
高調波に対して、注入点Piからみた図の右側の下位側
(負荷側)は、下位側の等価回路2が接続された状態に
あり、左側の上位側(上流側)は、例えば変電所のバン
クトランスのトランスインピーダンス3,線路インピー
ダンス4,遮断器5を介して上位側の等価回路6が接続
された状態にある。
で表現したアドミタンス回路とすれば、それぞれアドミ
タンス7,8と電流源9,10との並列回路とみなすこ
とができる。
ス7,8等はいずれも3相であり、注入点Piからみた
値に換算したものである。
在するのではなく、負荷による電流歪み等で等価的に形
成されたものである。
1の所定の高調波を測定対象の着目高調波とし、この高
調波に対する下位側の等価回路2の時々刻々変化する回
路定数を求めてその高調波特性を測定する場合、注入点
Piに例えば変電所の所内変圧器からなる3相の注入変
圧器11を介して高調波特性測定装置12の単相出力の
注入装置13を接続する。
2相の電流,電圧を計測する計器用の単相変流器14,
単相変圧器15を設け、注入点Piの近傍に、電力系統
1の各相の電流(相電流),電圧(相電圧)を計測する
計器用の3相変流器16,3相変圧器17を設ける。
統1の各相をU,V,Wとし、低圧側の3相をu,v,
wとすると、図2に示すように、注入変圧器11は高圧
側の各相が電力系統1の各相U,V,Wに接続され、低
圧側の任意の2相,例えばu,vが注入2相を形成し、
この2相間に注入装置13の周波数fα,fβの中間高
調波の単相電流が注入される。
側の巻線の結線方式がY又はΔであり、その組合せは、
通常、図3のΔ−Δ,Y−Y,Δ−Y,Y−Δのいずれ
かになる。
器,−基礎から応用まで−」東京電機大学出版局(19
94年11月20日 第1版第7刷発行)p.107の
図5.16と同様の接続記号,誘導電圧ベクトル及び結
線を示したものである。なお、図中のO,oは高圧側,
低圧側の中性点を示す。
に対する電圧,電流のベクトルは、前記文献のp.90
−p.111(特にp.101−p.106)に記載の
つぎの手法で求めることができる。
示すように、注入変圧器11としての3相の変圧器TR
は3台の単相変圧器TR1 ,TR2 ,TR3 の1
バンク又は3相変圧器からなり、系統電源に対しては、
そのY結線された高圧側が1次側T1 であり、Δ結線
された低圧側が2次側T2 である。
側T1 の3相は系統電源SのY結線の各相に接続さ
れ、2次側T2 の3相は注入装置13等が形成する負
荷LのΔ結線の各相に接続された状態になる。
相供給電圧(ベクトル)Vu,Vv,Vwに基づく1次
供給線間電圧(ベクトル)をVuv,Vvw,Vwuと
し、電源Sと変圧器TRの1次側T1 との間の各相の
1次線電流(ベクトル)をIu,Iv,Iwとし、1次
側T1 の巻線電流(ベクトル)をIX ,IY ,I
Z ,誘導起電力(ベクトル)をEx,EY ,EZ
とし、変圧器TRの2次側T2 の巻線電流(ベクト
ル)をix ,iy ,iz ,誘導起電力(ベクト
ル)をex ,ey ,ez とし、2次側T2 と負
荷Lとの間の各相の2次線電流(ベクトル)をiu ,
iv ,iw とし、負荷Lの各線間供給電圧(ベクト
ル)をeuv,evw,ewuとする。
線電流IX ,IY ,IZ を流す向きを正とし、巻
線電流IX ,IY ,IZ は中性点Oに流れる向き
を正とし、各線間電圧Vuv,Vvw,Vwuは差Vu
−Vv,Vv−Vw,Vw−Vuの向きを正とする。
びex ,ey ,ez はいわゆる逆起電力の向きを
正とし、巻線電流ix ,iy ,iz 及び線間供給
電圧euv,evw,ewuは誘導起電力ex ,e
y ,ez と同じ方向にとる。
w,Vwuに基づき、1次側T1 に30度遅れ,1/
(√3)(√3は3の平方根を示す)の大きさの誘導起
電力Ex,EY ,EZ が発生し、2次側T2 に誘
導起電力Ex,EY ,EZと同相(平行)で大きさが
1/a(aは1次側T1 と2次側T2 の電圧比(巻
数比)であり、1次側T1 の巻数をn1 ,2次側T
2 の巻数をn2 とすると、n1 /n2 である)
の誘導起電力ex ,ey ,ez が発生し、これに
線間供給電圧euv,evw,ewuが等しくなる。
あれば、線間電圧euv,evw,ewuから位相ψ遅
れて巻線電流ix ,iy ,iz が流れ、2次側T
2から負荷Lに流れる線電流iu ,iv ,iw は
巻線電流ix ,iy ,iz よりそれぞれ30度遅
れた√3倍の大きさになる。
iy ,iz と同相で大きさ1/aの巻線電流
IX ,IY ,IZ が流れ、これらの電流IX ,
IY ,I Z は線電流Iu,Iv,Iwに等しい。
電圧Vu,Vv,Vwより位相ψ遅れ、線間電圧Vu
v,Vvw,Vwuより位相が30度+ψ遅れる。
ルを図4の(b)のように定めると、その1次側T1
及び2次側T2 の電圧,電流のベクトル図は図5の
(a)に示すようになり、これらのベクトルは図中の
,,…,の順序で書いて求めることができる。
v,Vvw,Vvu、はより30度遅れ,1/(√
3)の大きさの1次供給電圧Vu,Vv,Vw(=誘導
起電力Ex,Ey,Ez),はと同相,1/aの大
きさの誘導起電力ex ,ey ,ez (=線間供給電
圧euv,evw,ewu),はより30度+ψ遅
れの線電流iu ,iv ,iw ,はより30度
進み,1/(√3)の大きさの巻線電流ix ,
iy ,iz ,はと同様,1/aの大きさの巻線
電流IX ,IY ,IZ (=線電流Iu,Iv,I
w)である。
1 ,2次側T2 のベクトル関係は同図の(b)に示
すようになる。
の巻線の結線方式がΔ−Y,Δ−Δ,Y−Yの場合に
も、前記と同様にして注入変圧器11の高圧側(1次側
T1),低圧側(2次側T2 )の電圧,電流のベクト
ル関係を求めることができる。
き、注入変圧器11の1次側T1(高圧側)の所定相
U,V又はWの電圧(Vu,Vv又はVw)を基準にし
た2次側T2 (低圧側)の注入2相の線間供給電圧e
uv,evw又はewuの注入相側をホット側とする位
相差は、図5の(b)の,のベクトルからも明らか
なように、例えばY−Δ結線で1次側T1 の所定相を
U相とした場合、UV相注入であれば0度,VU相注入
であれば180度,VW相注入であれば−120度,W
V相注入であれば60度,WU相注入であれば120
度,UW相注入であれば−60度になる。
次側T2 のu相への注入(図4の(b)の巻線電流i
x が流れる注入)であり、VU相注入とは注入装置1
3から2次側T2 のv相への注入(図4の(b)の巻
線電流ix と逆向きの電流が流れる注入)であり、V
W相注入,…も同様である。
注入装置13の周波数fα,fβの中間高調波の注入電
流をIinj とし、注入変圧器11の巻数比aを1と
すると、図6に示すように、2次側T2 (Δ側)にお
いて、ix −iy −Ii nj =0,−Iy=−I
zであり、1次側T1 (Y側)のIX +IY +I
Z =0よりix +iy +iz =0であることか
ら、1次側T1 及び2次側T2 の各相の電流Ix
(=Iu),IY (=Iv),IZ (=Iw),i
x ,iy ,iz の注入電流Iinj についての
係数が決まり、これらの係数は負荷条件によらず一定に
なる。
数の電流は、正確には、バンク電流(負荷方向を正とす
る))+(2/3)×(系統基本波周波数fsの電圧
比)×(√3)×Iinj であるが、本来、注入電流
が電力系統1に存在しない中間高調波の電流であり、そ
のバンク電流は無視することができ、しかも、巻数比a
を1とすると、図6に示したように、(2/3)×√3
×Iinj =(2/√3)×Iinj となる。同様
に、V相,W相の注入周波数の電流は、−(1/√3)
×Iinj となる。
(2/√3)を2/3,(1/√3)を1/3とし、各
結線方式につき、所定相をU相とし、注入2相で定まる
前記の各位相差と、各相の注入電流量との関係を求める
と、つぎのようになることが判明した。
線方式の組合せ) 位相差は0度,60度,…の60度間隔の計6種類にな
る。
式の場合 位相差0度…UV相注入であれば、U相は(+2/3)
×Iinj 、他相(V相,W相)は(−1/3)×I
inj 位相差180度…VU相注入であれば、U相は(−2/
3)×Iinj 、他相(V相,W相)は(+1/3)
×Iinj 位相差−120度…VW相注入であれば、V相は(+2
/3)×Iinj 、他相(W相,U相)は(−1/
3)×Iinj 位相差60度…WV相注入であれば、V相は(−2/
3)×Iinj 、他相(W相,U相)は(+1/3)
×Iinj 位相差120度…WU相注入であれば、W相は(+2/
3)×Iinj 、他相(U相,V相)は(−1/3)
×Iinj 位相差−60度…UW相注入であれば、W相は(−2/
3)×Iinj 、他相(U相,V相)は(+1/3)
×Iinj
式の場合 位相差0度…UW相注入であれば、U相は(+2/3)
×Iinj 、他相(V相,W相)は(−1/3)×I
inj 位相差180度…WU相注入であれば、U相は(−2/
3)×Iinj 、他相(V相,W相)は(+1/3)
×Iinj 位相差−120度…VU相注入であれば、V相は(+2
/3)×Iinj 、他相(W相,U相)は(−1/
3)×Iinj 位相差60度…UV相注入であれば、V相は(−2/
3)×Iinj 、他相(W相,U相)は(+1/3)
×Iinj 位相差120度…WV相注入であれば、W相は(+2/
3)×Iinj 、他相(U相,V相)は(−1/3)
×Iinj 位相差−60度…VW相注入であれば、W相は(−2/
3)×Iinj 、他相(U相,V相)は(+1/3)
×Iinj
線方式の組合せ) 位相差は30度,90度,…の60度間隔の計6種類に
なりΔ−Δ,Y−Yのいずれであっても同じ結果にな
る。 位相差30度…UV相注入であれば、U相は+I
inj 、V相は−Iinj 、W相は0 位相差−150度…VU相注入であれば、U相は−I
inj 、V相は+Ii nj 、W相は0 位相差−90度…VW相注入であれば、V相は+I
inj 、W相は−Iin j 、U相は0 位相差90度…WV相注入であれば、V相は−I
inj 、W相は+Iinj 、U相は0 位相差150度…WU相注入であれば、W相は+I
inj 、U相は−Iin j 、V相は0 位相差−30度…UW相注入であれば、W相は−I
inj 、U相は+Iin j 、V相は0
は、前記(イ),(ロ)の比較からも明らかなように、
位相差に対する各相の注入電流量が結線方式によっては
異ならない。
位相差に対する各相の注入電流量が結線方式によっては
異ならない。
位相差は0度,60度,…であり、Δ−Δ,Y−Y結線
方式の場合の位相差は30度,90度,…であり、一致
することはない。
V相,W相とした場合にも、位相差と各相の注入電流量
との間に、所定相をU相の場合と同様の関係がある。
し、前記の位相差と各相の注入電流量との関係式をいわ
ゆるルックアップテーブルとして記憶すれば、注入変圧
器11の低圧側及び高圧側の結線方式の情報を用いるこ
となく、位相差を測定して単相電流注入に基づく電力系
統1の各相の注入電流量を正確に知ることができる。
器13,17の計測信号が測定装置12のA/D変換器
18によりデジタルの計測データに変換され、これらの
計測データが次段の信号処理装置19に供給され、この
信号処理装置19はFFT解析等のデジタル周波数解析
により、各相の系統基本波周波数fsの系統電圧,電流
及び周波数fα,fβの電流,電圧等を検出する。
置20に供給され、この処理装置20は、注入装置13
の単相注入電流をIinj として、前記の各位相差0
度,30度,…における各相の単相注入電流Iinj
に基づく電流量のデータを予め記憶保持する。
により、測定直前の注入装置13の出力がオフしている
間に、演算処理装置20は、変圧器17の計測電圧に基
づき、注入変圧器11の高圧側の予め設定されたU相の
系統基本波周波数fsの系統電圧を検出し、変圧器15
の計測電圧に基づき、注入変圧器11の低圧側の注入2
相間の系統基本波周波数fsの線間電圧を検出し、この
線間電圧のU相系統電圧に対する位相差を求めて測定す
る。
差とを比較し、該当する位相差に対応した各相の電流量
のデータを選定する。
数fα,fβそれぞれの設定された大きさの単相注入電
流Iinj の出力に制御し、周波数fα,fβの中間
高調波の単相電流を注入して高調波測定を開始する。
と,変流器14によって計測された単相注入電流I
inj とに基づき、注入変圧器11の低圧側,高圧側
の結線方式及び注入2相の組合せが分からなくても、単
相注入電流Iinj に基づく電力系統1の各相の両中
間高調波それぞれの注入電流が正確に求まる。
より計測された電力系統1の上位側に流れる周波数f
α,fβの電流との差から、電力系統1の下位側(負荷
側)の各相に注入された周波数fα,fβの中間高調波
の電流を求め、この各相の中間高調波の電流(線電流)
と変圧器17により計測された各相の周波数fα,fβ
の中間高調波の電圧(線電圧)とに基づき、アドミタン
ス7に相当する周波数fα,fβの中間高調波それぞれ
についての系統負荷側のアドミタンスを求める。
象座標法により、各相の線電流,線電圧,アドミタンス
を零相成分,正相成分,逆相成分に分解して求めること
ができる。
05408号)にも記載されているように、電力系統1
はコンデンサ設備(スタコン)等が接続されて負荷側の
不平衡が小さく、平衡負荷とみなすことができ、非対象
成分が0になることから、単相電流注入であっても、線
電圧/線電流の演算から各相の両中間高調波についての
アドミタンスが精度よく求まる。
波数fα,fβの中間の周波数であることから、最も簡
単には、周波数fα,fβの両中間高調波についてのア
ドミタンスの平均値(中間値)を求める補間演算から、
着目高調波についてのアドミタンス7が求まる。
いてのアドミタンス7を求めて決定した後、注入装置1
3による電流注入を停止し、変流器16,変圧器17に
より、電力系統1の着目高調波の電流(高調波電流),
電圧(高調波電圧)を実測し、実測した高調波電流,高
調波電圧と、決定したアドミタンス7とから求めて決定
する。
めて等価回路2の定数を決定し、電力系統1の下位側の
高調波特性を測定すると、演算処理装置20は決定した
各回路定数等を記憶部21に記憶するとともに表示部2
2に例えば等価回路図の形式で画面表示する。
圧側の結線方式及び単相電流の注入2相の組合せを知る
ことなく、周波数fα,fβの両中間高調波の単相電流
を注入して電力系統1の下位側(負荷側)の着目高調波
についての高調波特性を精度よく自動測定することがで
きる。
流注入量が3相電流を注入する場合より少なくて済み、
3相注入の場合より極めて小容量の電流注入で測定する
ことができる。
みなせる場合、電力系統1に他の負荷が接続されていな
い状態においては、注入装置13に流入する周波数fs
の電流位相をその電圧位相として計測し、例えば、電力
系統1のU相との位相差は90度加算して求めるように
しても同様の効果が得られる。
記と同様にして等価回路6を決定して高調波特性を測定
できる。
回路2,6をアドミタンス7と電流源9,10の並列回
路としたが、アドミタンスの逆数がインピーダンスにな
ることから、等価回路2,6をインピーダンスと電圧源
との直列回路とし、周波数fα,fβの単相電流注入に
基づき、前記と同様にして、両中間高調波についての電
力系統1のインピーダンスを求め、着目高調波について
の等価回路2,6のインピーダンス,電圧源を求めて高
調波特性を測定するようにしてもよい。
比)a(=n1 /n2 )を考慮する場合、巻数n
2 の低圧側の各定数を巻数n1 の高圧側に、又はそ
の逆に換算して前記の位相差と各相の注入電流量との関
係等を求める。
注入電流量を1/a又はa倍して演算処理装置20に記
憶保持すればよく、巻数比aが分からない場合は、注入
変圧器11の高圧側と低圧側の系統電圧の比から巻数比
aを決定して前記の各相の注入電流量を1/a又はa倍
に補正すればよい。
入に基づく電力系統1の各相の周波数fα,fβの中間
高調波の電流を一層正確に決定して求めることができ
る。
る。注入変圧器11の高圧側の電力系統1の所定相の系
統基本波周波数fsの電圧と,注入変圧器11の低圧側
(注入装置側)の注入2相の系統基本波周波数fsの線
間電圧との位相差が、注入変圧器11の低圧側,高圧側
の巻線の結線方式及び両中間高調波の電流の注入2相の
組合せに基づき、特定の位相差になり、この位相差から
周波数fα,fβの中間高調波の単相電流注入に基づく
電力系統の各相の中間高調波の電流量を決定できる。
両中間高調波それぞれの電力系統1の各相の単相電流注
入に基づく電流を決定して求めたため、注入変圧器11
の低圧側,高圧側の巻線の結線方式及び両中間高調波の
電流の注入2相の組合せが分からなくても、それらの情
報を用いることなく、簡単に、電力系統の各相の両中間
高調波それぞれの電流を求め、その結果に基づき精度よ
く電力系統の高調波特性を測定することができる。
電圧比からその巻数比を求め、この巻数比を加味して単
相電流注入に基づく電力系統の各相の両中間高調波それ
ぞれの電流を求めた場合は、注入変圧器11の巻数比が
計測に影響する場合に、注入変圧器11の巻数比を考慮
して電力系統の各相の両中間高調波の電流量を一層精度
よく求めることができる。
る。
る。
同等価回路図である。
1次側及び2次側のベクトル図である。
の電流の説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 高圧側が電力系統に接続された3相の注
入変圧器の低圧側の2相間に、測定対象のn次の着目高
調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波周波数fsの
非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・fs<f
β)の単相電流を中間高調波の電流としてそれぞれ注入
し、 前記電力系統の各相の電流,電圧を周波数解析して前記
電力系統の前記2周波数fα,fβの中間高調波それぞ
れについてのアドミタンス又はインピーダンスを求め、 前記両中間高調波についての前記アドミタンス又は前記
インピーダンスから前記電力系統の前記着目高調波につ
いてのアドミタンス又はインピーダンスを補間演算して
求める際に、 前記電力系統の所定相の系統基本波周波数fsの電圧
と,前記注入変圧器の低圧側の注入2相の系統基本波周
波数fsの線間電圧との位相差を計測し、 前記注入変圧器の低圧側,高圧側の巻線の結線方式及び
前記注入2相の組合せによって定まる前記位相差と前記
電力系統の各相の前記両中間高調波の電流との関係か
ら、前記位相差の計測結果に対応する前記電力系統の各
相の前記両中間高調波それぞれの単相電流注入に基づく
電流を決定して求めることを特徴とする高調波特性測定
方法。 - 【請求項2】 注入変圧器の低圧側,高圧側の電圧比か
ら前記注入変圧器の巻数比を求め、 前記巻数比を加味して電力系統の各相の両中間高調波そ
れぞれの単相電流注入に基づく電流を決定して求めるこ
とを特徴とする請求項1記載の高調波特性測定方法。
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