JP2903636B2 - 距離継電器 - Google Patents

距離継電器

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JP2903636B2
JP2903636B2 JP13246090A JP13246090A JP2903636B2 JP 2903636 B2 JP2903636 B2 JP 2903636B2 JP 13246090 A JP13246090 A JP 13246090A JP 13246090 A JP13246090 A JP 13246090A JP 2903636 B2 JP2903636 B2 JP 2903636B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電力系統の電圧信号および電流信号から
一定間隔でサンプリングし量子化した電圧量vおよび電
流量iを使用して、電力系統に故障が発生したときの継
電器と故障点との電気的距離を演算し、電気的距離に比
例した限時で動作を行う距離継電器に係り、特に、故障
発生にともない電力系統上に生じる高調波成分や量子化
に伴う演算誤差等の影響を受けずに精度良い演算を行え
るようにした距離継電器に関する。
〔従来の技術〕
電力系統の規模が拡大するにつれて、系統故障発生時
における電圧・電流の歪波形に含まれる高調波成分の周
波数が低次化すると共に、定格周波数成分に対する重畳
率も大きくなってきている。このため、従来の距離継電
器で安定した特性を得るには、歪波成分を十分に除去で
きるよう高次のフィルタを必要とし、継電器動作時間の
遅れ等、実用上に問題を生じる虞れがある。
この種の距離継電器として、マイクロコンピュータ等
の演算処理部を備えた第2図に示す構成のものが知られ
ている。第2図において、参照符号10は保護対象である
送電線、12,14は計器用変成器であり、それぞれ12は計
器用変圧器、14は変流器を示す。20は距離継電器を示
し、変成器入力部22,24、アナログ/ディジタル変換部
(A/D変換部)26、リレー演算処理部28および動作出力
部30とから構成される。
このように構成される距離継電器20は、系統電圧を計
器用変圧器12を介して取り込み、変成器入力部22を通し
て電圧量vとしてA/D変換部26に入力される。系統電流
は、電流器14を介して導入され、変成器入力部24を通し
て電流量iとしてA/D変換部26に同様に入力される。こ
の各電気量はA/D変換部26において一定時間間隔でサン
プリングされ、ディジタルデータに変換された後、リレ
ー演算処理部28に入力されて後述する演算が行われる。
インピーダンスは送電線10の距離の電気的尺度であるか
ら、送電線10のインピーダンスを演算することにより、
系統の故障点と継電器との電気的距離が得られ、故障が
保護すべき区間内にあると判定した際には、動作出力部
30から図示しない遮断器にトリップ指令等の動作指令を
与える。
ここで、前記ディジタル量としての電圧量vおよび電
流量iを使用した、例えば、特開昭62−18917号公報に
開示される距離継電器による電力系統のインダクタンス
Lおよび抵抗Rを求める方法について説明する。すなわ
ち、R,L,v,iおよび電流微分量jとの間で成立する次式
から、電気量v,i,jを測定もしくは演算処理により算出
してR,Lを求める方法である。
v=R・i+L・j …(1) この(1)式は、時間に関係なく成立するものである
から、異なる2つの時刻tm,tnにおいても成立する。従
って、時刻tm,tnにおいて、 であるから、時刻tm,tnにおけるそれぞれの値vm,im,jm,
vn,in,jnを用いて(2)式を連立させることで、2つの
未知量R,Lを求めることができる。
ただし、jm,jnは、 である。
すなわち、R,Lは(2)式より、 となる。この(3),(4)式を用いて送電線10のイン
ダクタンスLおよび抵抗Rの各値が求められ、これらの
値は故障点までの系統インピーダンスに応じた値である
から、距離継電器20は事故のリレー内外判定を行うこと
ができる。上式において、j項は、ハードウェア的にも
求めることもできるが、ソフトウェア的に下記近似式に
て求められる。
ただし、N,Kkは定数である。(5)式は、時刻tmとt
m-1の中間の時刻tm−1/2における電流値の微分係数を
示すことになる。
電圧量vm,vn、電流量im,inについて時刻tm−1/2
よびtn−1/2におけるデータを得るために次式のよう
に置くことができる。
(5)式より、Jm,Jnについても、 と置けば、(3),(4)式の分子分母式は次のように
表せる。
(3)式の分子項rmは、 rm=Vm・Jn−Vn・Jm …(8) (4)式の分子項lmは、 lm=Im・Vn−In・Vm …(9) (3),(4)式の分母項umは、 um=Im・Jn−In・Jm …(10) となる。
従って、(3),(4)式は、(8)〜(10)式よ
り、 となる。
さらに、um≒0により演算誤差の著増を回避するた
め、Rm,Lm,Umを(12)式のように定義し、(13)式の形
で電力系統のインピーダンスであるR,Lを求める。
ここで、sign( )は、( )内の量の符号を取るこ
とを意味する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前述した距離継電器は、電圧・電流波
形に含まれる高調波成分の周波数が十分に定格周波数に
近い場合を除いては、なおもフィルタによる高調波成分
の減衰を必要としている。
このような原理的な限界を打破する手段の一つとし
て、A/D変換のサンプリング周期を極力短くすることが
考えられるが、この方法を採用した場合には、電流微分
係数Jを算出する前記(5)式のように時間的に極めて
接近した2電流量(im,im-1)の差を取ることになるた
め、2電流量の差は微小であり、量子化誤差等の影響が
大きくなるという難点がある。
そこで本発明の目的は、電流微分係数Jを算出する際
に時間的にさほど接近していない2電流量を用いて量子
化誤差等の影響を軽減すると共に、電圧量v・電流量i
の加算処理の際に特定の係数を付与して系統インダクタ
ンスLおよび抵抗Rの演算精度を向上し、電力系統の故
障発生時に生じる高調波の影響を受けずに精度良い安定
した特性を有する距離継電器を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本発明に係る距離継電器
は、電力系統の電圧信号と電流信号とからA/D変換部を
介して得られるディジタル化された電圧量v、電流量i
および電流微分量jの3電気量と、電力系統の距離の電
気的尺度であるインダクタンスLおよび抵抗Rとの間に
時刻に関係なく成立する関係式v=R・i+L・jを用
い、異なる時刻tmおよびtnにおける前記各電気量から、
継電器の設けてある位置と故障点までの電気的距離を演
算する演算処理部を有し、該演算処理部で求めた電気的
距離に比例した限時で動作する距離継電器であって、前
記演算処理部において、異なる時刻tmおよびtnにおける
電圧量vm,vn電流量im,inおよび電流微分量jm,jnから、
電気量um(=im・jn−in・jm)を得る分母値の演算処理
部と、電気量lm(=im・vn−in・vm)を得る分子値の演
算処理部および電気量rm(=vm・jn−vn・jm)を得る分
子値の演算処理部とを備え、これらの演算処理部で得ら
れる分母値および分子値とからインダクタンスL(=lm
/um)および抵抗R(=rm/um)を求めるよう構成してな
る距離継電器において、 前記分母値および分子値の演算処理部の前段におい
て、電流微分量jを異なる2時刻のディジタル化された
前記電流量iの差分に電流微分量誤差が零となる単一も
しくは複数の特定の周波数ωにて決定される定数Kを付
加すると共に、連続した複数時刻t1,t2,t3,…,tNにおけ
る各電気量v,i,jの加算値に対する微分係数J′〔=K0
(im−im−N)〕,I′〔=im+2(im−1+im−2+im
−3+…+im−N+1)+im−N〕,V′〔=vm+2(vm
−1+vm−2+vm−3+…+vm−N+1)+vm−N〕を
産出する微分係数演算処理部と、 前記微分係数演算処理部で得られた微分係数J′,
I′,V′を入力して、これによりそれぞれ前記分母値の
演算処理部および分子値の演算処理部において算出して
得られる電気量um,lm,rmの各値を、それぞれ一旦データ
として保存するデータ保存処理部と、 前記データ保存処理部に保存されている複数のデータ
um,lm,rmを使用して、分母の平均値Umを得る分母の平均
化演算処理部、分子の平均値Lmを得る分子の平均化演算
処理部および分子の平均値Rmを得る分子の平均化演算処
理部とを設けて、 前記各平均化演算処理部で得られる分母の平均値Umお
よび分子の平均値Lm,RmとからインダクタンスL(=Lm/
Um)および抵抗R(=Rm/Um)を求めるように構成する
ことを特徴とする。
〔作 用〕
本発明に係る距離継電器によれば、演算処理部は電流
微分係数Jの算出に際し、従来のような時間的に隣接し
た2点の電流量の差分値(im−im-1)を用いる代りに、
時間的に離れた2点の電流量の差分値(im−im-N)を用
いる構成としたため、量子化誤差等による演算精度の低
下を改善することができる。従って、A/D変換のサンプ
リング周期を短くしてフィルタの使用を不要にできる。
また、演算処理部を電気量i,vの加算値であるI,V項の
算出に際し、インピーダンス演算誤差が零となる複数個
の特定の周波数で決定される係数による補正を行うよう
構成することによって、演算精度の向上を図ることがで
きる。
〔実施例〕
次に、本発明に係る距離継電器の実施例につき、添付
図面を参照しながら以下詳細に説明する。
第1図は、本発明の一実施例を示す距離継電器のリレ
ー演算処理部における処理内容の機能ブロック図であ
る。距離継電器の装置構成は従来例で示した第2図と同
様であるので、ハードウェアの構成は省略する。第1図
において、参照符号32は、A/D変換部26より入力された
電流量iおよび電圧量vから後述する微分係数J′,
I′,V′を算出する微分係数演算処理部であり、34は電
流微分量J′および電流量I′より前記(10)式で示し
た分母値umを求める分母値演算処理部である。36は、電
流量I′と電圧量V′とから(9)式で示される分子値
lmの値を算出する分子値演算処理部、38は電流微分量
J′および電圧量V′より前記(8)式で示される分子
値rmの値を算出する分子値演算処理部である。これらの
演算処理部34,36,38で求めたデータum,lm,rmはデータ保
存処理部40にて一旦データとして保存される。
次に、保存されたデータは各平均化演算処理部42,44,
46でそれぞれ(12)式の処理が行われる。これらの平均
化演算処理部で求まったUmおよびLmを用いて第1の演算
処理部48で系統のインダクタンスLを求め、第2の演算
処理部50でUmおよびRmを用いて系統の抵抗Rを求める。
リレーの動作判定処理部52では、前段の演算処理部48,5
0で求めた系統のインダクタンスLおよび抵抗Rから系
統の故障点と継電器との電気的距離が得られるので、故
障が保護すべき区間内にあるかどうかの動作判定をし
て、区間内にある場合は系統の図示しない遮断器に対す
る動作指令を与える。
ここで、前記演算処理部32に関して、本発明に係る3
種類の実施例を挙げて、さらに詳細に説明する。
実施例1 一般に、ディジタル形保護継電器(距離継電器)のA/
D変換周期Δtは通常、電力系統の定格周波数(50/60H
z)に対して30゜電気角相当の時間(=Δt1とする)で
あるが、最近は、、これより短い周期(Δt2とする)で
の変換も行われ始めている。この場合、電流微分係数J
は、 Jm=K0(im−im-1) …(14) と、前記(5)式よりも簡便な形の近似式を採用しても
Δt1間隔の電流値を用いた(5)式の場合と同等以上の
演算精度が得られる場合がある。ここで係数K0は、演算
誤差が常に0になる周波数ωを用いて、 で表せる定数である。
なお、ここで(15)式について簡単に導いておく。
(14)式をΔt2の2倍のサンプリング周期Δt3による
表現に改めると、 Jm=K0(im−im-2) …(15−1) となる。(15−1)式をさらに、 Jn=K0(in+1−in-1) …(15−2) と書き換える。
サンプリング周期Δt3にて得た時刻t近傍における電
流In+1,In-1を In+1=Isinω(t+Δt3) In-1=Isinω(t−Δt3) とすると、 In+1−In-1 =I{sinω(t+Δt3)−sinω(t−Δt3)} =I・2sinωΔt3・cosωt となる。
従って、ω=ωの周波数にて誤差=0となる微分係
数は、 Jn=ω0 I cos ωt =K0(In+1−In-1) =K0I・2sinωΔt3・cosωt より、 であり、Δt3=Δt2/2より(15−3)式中のΔt3にΔt2
/2を代入することで(15)式が導かれる。
さて、(14)式にあわせてI,V項は、 となる。(14)式と(16)式とを前記(8)〜(10)式
に代入することにより前記(13)式のように電力系統の
インピーダンスである抵抗RおよびインダクタンスLが
算出される。しかしながら、前述したようにΔt2が極小
の場合、(14)式中の時間的に隣接した2点の電流量の
差分値は、 im−im-1≒0 と非常に小さくなり、量子化誤差等の影響により、J項
演算誤差が著増する問題が生じる。
そこで、本実施例では、この問題を解決するために、
連続した複数時刻の(14)〜(16)式相当を算出し、そ
の和を取る。すなわち、 とする。ただし、N≧1である。
これら(17−1)〜(17−3)式で求めたJm′,Im′,
Vm′をそれぞれ前記(8)〜(10)式のJm,Im,Vmに代入
し、(13)式により電力系統のインピーダンスR,Lを算
出する。
本実施例によれば、電流微分係数Jの算出において、
第3図に示すように誤差が0となる周波数は、ωの1
箇所だけであり、他の周波数成分に対しては誤差を持っ
ている。この特徴は、(13)式にて導かれるインピーダ
ンス、特にインダクタンス成分L項についても言える。
なお、第3図は、単一周波数成分の電圧・電流入力を与
えたときの本発明に係る上記実施例による(13)式の周
波数−インピーダンス演算誤差特性を示す図である。
実施例2 前記実施例における(17−1)〜(17−3)式をそれ
ぞれ下記(18−1)〜(18−3)式とすることにより、
電流微分係数Jの算出誤差が0となる周波数は1箇所だ
けであっても、最終的に求める(13)式の結果において
インピーダンスの算出誤差を0とする周波数は第4図に
示すように2箇所となる。同じA/D変換周期Δt2による
電圧・電流量を演算に用いた場合でも、(13)式のイン
ピーダンス算出における周波数−インピーダンス演算誤
差特性は、第4図から判るように前記実施例よりも更に
広い周波数領域において改善できる。
Jm′=K1(im−im-N) …(18−1) Im′=im+K2(im-1+im-2 +im-3+・・・+im-N+1)+im-N …(18−2) Vm′=vm+K2(vm-1+vm-2 +vm-3+・・・−vm-N+1)+vm-N …(18−3) 上式においてK1,K2は、インピーダンス演算誤差が0
となる2つの特定周波数ω1およびA/D変換周期Δt
2によって決定される定数である。
以下、このK1,K2の求めかたについて説明する。(18
−1)〜(18−3)式を説明の便宜上、 Jn=K1(In+k−In-k) …(a) In=In+k+K2(In+k-1+In+k-2 +・・・+In-k+1)+In-k …(b) Vn=Vn+k−K2(Vn+k-1+Vn+k-2 +・・・+Vn-k+1)+Vn-k …(c) と書替える。ここで、In=|I|sinωt, Vn=|V|sin(ωt+θ) =|Z||I|sin(ωt+θ), |Z|sinθ=ωL,|Z|cosθ=R を用い、 とおく。ただし、α=2K1sin kωΔt2である。(b),
(c)式はそれぞれ、 ただし、上式で sinω(t+kΔt2)+sinω(t−kΔt2) =2cos kωΔt2・sinωt を利用している。
β=2cos kωΔt2+2K2[cos(k−1)ωΔt2 +cos(k−2)ωΔt2+・・・・・・+cosωΔt2]+K2 とおいて、(e),(f)式を、 と表す。
ここで、m=n−xとすると、 前記(4)式に上記(l),(p)式を用いると、 が得られる。
β,αをもどして変形すると、 2K1sin kωΔt2 −K2ω{2cos(k−1)ωΔt2 +2cos(k−2)ωΔt2+・・・ ・・・+2cosωΔt2+1} =2ωcos(kωΔt2) …(s) ω=ω1にてL算出誤差が0であるならば、(s)
式のωにω1を代入しても符号は成立する。
2K1sin kωΔt2 −2ω1K2{cos(k−1)ωΔt2 +cos(k−2)ωΔt2+・・・ ・・・+cosωΔt2+1/2} =2ω1cos(kωΔt2) 2K1sin kωΔt2 −2ω2K2{cos(k−1)ωΔt2 +cos(k−2)ωΔt2+・・・ ・・・+cosωΔt2+1/2} =2ω2cos(kωΔt2) ここで、 γ=cos(k−1)ωΔt2 +cos(k−2)ωΔt2+・・・ ・・・+cosωΔt2+1/2 γ=cos(k−1)ωΔt2 +cos(k−2)ωΔt2+・・・ ・・・+cosωΔt2+1/2 とおくと上式は、 2K1sin kωΔt2−2ω1K2γ =2ω1cos(kωΔt2) …(w) 2K1sin kωΔt2−2ω2K2γ =2ω2cos(kωΔt2) …(y) となる。(w),(y)式を連立させてK1,K2について
解くと、 が導かれる。
実施例3 前記実施例(17−1)〜(17−3)式の加算数Nが大
きな値をとる場合、次の(19−1)〜(19−3)式とす
ることによって、(13)式によるインピーダンス演算誤
差が0となる特定周波数の個数をさらに増やすことがで
きる。
ここで、係数KS,K0〜KNは、前記(13)式にてインピ
ーダンス演算誤差が0となるN+1個の特定周波数ωお
よびA/D変換周期Δt2によって決定される定数である。
ただし、係数KS,K0〜KN決定においてこの中の1つの
定数は、予め任意に決定しておく必要がある。
上記(19−1)〜(19−3)式を(13)式に適用する
ことによって、第5図に示すように良好な周波数−イン
ピーダンス演算誤差特性を実現することができる。
以下、係数KS,K0〜KNの求めかたについて説明する。
(19−1)〜(19−3)式を と書替える。ここで、In=|I|sinωt, Vn=|V|sin(ωt+θ) =|Z||I|sin(ωt+θ), |Z|sinθ=ωL,|Z|cosθ=R を用い、 とする。ただし、α=2KSsin NωΔt2 である。式は、 と表す。ただし、βは、 β=2KNcos NωΔt2 +2KN-1cos(N−1)ωΔt2+・・・ ・・・+2K1cosωΔt2+K0 同様に、式を と表す。
ここでm=n−xとすると、 前記(4)式に上記,式を用いると、 が得られる。
α,βをもどして変形すると、 2KSsin NωΔt2 −ω{2KN-1cos(N−1)ωΔt2+ ・・・・+2K1cosωΔt2+K0} =2ωKNcos NωΔt2 … 上記式には、KS,K0〜KNの計N+2個の変数がある
(定数項がない)ので、仮に、KN=1とおくことにより
式右辺を定数項とする。
ω=ωS〜ωN-1にてL算出誤差が0であるな
ら、式のωにωS〜ωN-1を代入しても式の等
号は成立する。
上記式を と考えると、 として求められる。
ここでAは式左辺第1項の(N+1)×(N+1)
の正方行列、δは式右辺の行列、そしてKは左辺第2
項の行列すなわち式である。
〔発明の効果〕 前述した実施例から明らかなように、本発明の距離継
電器によれば、リレー演算処理部において電流微分量J
項の算出に当り時間的に離れた2点の差分値(im
im-N)を使用するよう構成したため、従来のように時間
的に隣接した2点の差分値(im−im-1)を使用した場合
よりも量子化誤差等による演算精度の低下を改善するこ
とができる。従って、フィルタの使用による高調波成分
の減衰を必要とせずに、A/D変換のサンプリング周期を
短くするだけで故障発生時の電圧・電流波形に含まれる
高調波成分に影響されない安定した距離継電器の動作を
実現することができる。
また、本願発明の演算方法は従来の(14),(16)式
での各々の和をとるだけであるため、ハードウェア的な
誤差要因を除いた(14),(16)式による原理的な演算
精度を保持することができる。
さらに、電流量加算値I,電圧量加算値Vの算出に際
し、係数KKによる補正を行うため、原理的な演算精度を
向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本
発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神
を逸脱しない範囲内において種々の設計変更をなし得る
ことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る距離継電器の一実施例を示すリレ
ー演算処理部における処理内容の機能ブロック図、第2
図は従来の演算処理部を備えた距離継電器の構成を示す
ブロック図、第3図は本発明に係る距離継電器における
演算処理部の一実施例によるインダクタンスL値の電圧
・電流周波数に対する演算誤差特性を示す波形図、第4
図は本発明に係る距離継電器における演算処理部の別の
実施例によるインダクタンスL値の電圧・電流周波数に
対する演算誤差特性を示す波形図、第5図は本発明に係
る距離継電器における演算処理部のさらに別の実施例に
よるインダクタンスL値の電圧・電流周波数に対する演
算誤差特性を示す波形図である。 10……送電線、12……計器用変圧器 14……変流器、20……距離継電器 22,24……変成器入力部 26……A/D変換部、28……リレー演算処理部 30……動作出力処理部 32……微分係数演算処理部 34……分母値演算処理部 36、38……分子値演算処理部 40……データ保存処理部 42、44、46……平均化演算処理部 48……第1の演算処理部 50……第2の演算処理部 52……動作判定処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02H 3/08 - 3/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統の電圧信号と電流信号とからA/D
    変換部を介して得られるディジタル化された電圧量v、
    電流量iおよび電流微分量jの3電気量と、電力系統の
    距離の電気的尺度であるインダクタンスLおよび抵抗R
    との間に時刻に関係なく成立する関係式v=R・i+L
    ・jを用い、異なる時刻tmおよびtnにおける前記各電気
    量から、継電器の設けてある位置と故障点までの電気的
    距離を演算する演算処理部を有し、該演算処理部で求め
    た電気的距離に比例した限時で動作する距離継電器であ
    って、前記演算処理部において、異なる時刻tmおよびtn
    における電圧量vm,vn電流量im,inおよび電流微分量jm,j
    nから、電気量um(=im・jn−in・jm)を得る分母値の
    演算処理部と、電気量lm(=im・vn−in・vm)を得る分
    子値の演算処理部および電気量rm(=vm・jn−vn・jm)
    を得る分子値の演算処理部とを備え、これらの演算処理
    部で得られる分母値および分子値とからインダクタンス
    L(=lm/um)および抵抗R(=rm/um)を求めるよう構
    成してなる距離継電器において、 前記分母値および分子値の演算処理部の前段において、
    電流微分量jを異なる2時刻のディジタル化された前記
    電流量iの差分に電流微分量誤差が零となる単一もしく
    は複数の特定の周波数ωにて決定される定数Kを付加す
    ると共に、連続した複数時刻t1,t2,t3,…,tNにおける各
    電気量v,i,jの加算値に対する微分係数J′〔=K0(im
    −im−N)〕,I′〔=im+2(im−1+im−2+im−3
    +…+im−N+1)+im−N〕,V′〔=vm+2(vm−1
    +vm−2+vm−3+…+vm−N+1)+vm−N〕を算出
    する微分係数演算処理部と、 前記微分係数演算処理部で得られた微分係数J′,I′,
    V′を入力して、これによりそれぞれ前記分母値の演算
    処理部および分子値の演算処理部において算出して得ら
    れる電気量um,lm,rmの各値を、それぞれ一旦データとし
    て保存するデータ保存処理部と、 前記データ保存処理部に保存されている複数のデータu
    m,lm,rmを使用して、分母の平均値Umを得る分母の平均
    化演算処理部、分子の平均値Lmを得る分子の平均化演算
    処理部および分子の平均値Rmを得る分子の平均化演算処
    理部とを設けて、 前記各平均化演算処理部で得られる分母の平均値Umおよ
    び分子の平均値Lm,RmとからインダクタンスL(=Lm/U
    m)および抵抗R(=Rm/Um)を求めるように構成するこ
    とを特徴とする距離継電器。
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