JP2610645B2 - 立方晶窒化ほう素焼結体の製造方法 - Google Patents

立方晶窒化ほう素焼結体の製造方法

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JP2610645B2 JP63094440A JP9444088A JP2610645B2 JP 2610645 B2 JP2610645 B2 JP 2610645B2 JP 63094440 A JP63094440 A JP 63094440A JP 9444088 A JP9444088 A JP 9444088A JP 2610645 B2 JP2610645 B2 JP 2610645B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、立方晶窒化ほう素(以下、cBNという)粉
末を高温高圧装置でホットプレスして強固な焼結体を製
造する方法に関するものである。
(従来の技術) cBNは鉄系合金の切削用工具、研削用工具などとして
用いられ、その生産量は年々増大している。cBNを工具
等として使用するためにはcBN粒子をバインダーで固め
ることが多いが、バインダーによる硬度低下等の問題が
ある。
cBNをバインダーなしで焼結するための一般的方法
は、例えば、“High−pressure sintering of cBN",Yin
Sheng et al:Eur.Symp.Powd.Metall.5th[3]'78 p20
1−211に述べられている如く圧力が高い程、高性能の焼
結体が得られ、また温度についてはcBN相が安定な範囲
で適正な温度圧力領域、例えば77kbの場合で、1830℃で
ある。
しかしながらこの条件は、cBNを合成する条件である5
0kb,1500℃前後と比較して過酷であり、またこの条件で
焼結を実施するには、現在50kb程度の圧力で運転されて
いる合成装置とは別の焼結専用装置が必要になることが
多い。
別の方法としては例えば特公昭59−5547号に示された
触媒を使用する焼結法がある。
さらに別の方法としては、cBN粒子と反応するかある
いはcBNに対して濡れ性が良いTiN,Al等の添加剤を使用
して50kb以上、1500℃前後で焼結する方法がある。この
方法では焼結緻密化反応の主要機構であるcBN粒子の塑
性変形が充分に起こらない。そこで焼結不充分を補うた
めに、添加剤を通常10容量%以上使用することが必要に
なる。これにより焼結体の硬さはcBN単結晶体の60%以
下に減少する(「cBNの焼結」,植田他;第25回高圧討
論会講演要旨集、第86頁'84参照)。cBNに関して上記バ
インダーなしの焼結技術に属するものとして特開昭62−
197357号公報に記載された、ほう素を化学量論量より多
くしたcBN(ほう素リッチcBNといわれる)を使用する焼
結法がある。この方法において例示された圧力50kb、温
度1500℃は達成された焼結条件緩和の指標である。
ところで、E.Rapoport(ANCPA(0151−9107)ANN、CH
IM(Paris)10[7],607('85)によれば最近のhBN
(六方晶窒化ほう素cBNの平衡線としてはP=0.03T−
10.3(P:kb,T:K)が与えられており、さらにP=0.0235
T−0.3と高温にシフトする可能性もあるとされている。
したがって、前掲の特開昭62−197357号で例示されてい
る45kb,1500℃という条件はcBNの安定性に関し数kbの余
裕があることになるが、この程度の余裕では充分な安定
性が達成されたとは言えない。この点に関し、B.Γ.Γ
aprин(CBEPXTBEPДЫE MATEPИAЛЫ No.3,7(198
6)等が述べている如く試料セル内の不可避的な圧力分
布不均一の故に不可避的なhBNへの部分転換があるか
ら、数kbの圧力余裕は充分な安定性を実現するとは考え
られない。
一方、A.M.Maзyeнko他(ibid.No.5,12'84)によれ
ば、hBNcBN平衡線はけい素をcBN単結晶に添加するこ
とにより、数百度高温へシフトさせることが可能である
といわれる。
一般的に言って、焼結体への添加剤は、焼結条件を緩
和し、硬さを著しく低下させるという前述の作用の外
に、cBN粒子の結合力を高めるという作用がある。この
結合力が充分な場合には、焼結体のタフネスは単結晶よ
り高くなる。この場合焼結体のタフネスはcBN粒子が細
かいほど高くなる。従って細かいcBNを用い添加剤なし
で結合力が充分に大きい焼結体を製造すると、硬さは単
結晶に近く、タフネスは単結晶より大であるcBN焼結体
を提供することができる。
添加剤なしでの焼結を試みる場合、cBN粒子の焼結緻
密化が焼結性能に大きな影響を及ぼすので、cBN粒子の
焼結緻密化をもたらすcBN粒子の塑性変形に着目する必
要がある。この点に関し、圧力が一定の場合温度の増加
により塑性変形を加速することができる(「多結晶cBN
の性質に及ぼす焼結条件の影響」、B,Б,шипило
他;ПOPIIIK.METAЛЛ.,1986,No.1,p71〜75(198
6))。圧力はホットプレス装置の能力により限定され
るが、温度は断熱手法の改善等により比較的簡単に高め
ることができるので、温度はcBN焼結体製造の制約には
ならないが、圧力は制約となる。
この文献は、密度、硬さ等の特性が飽和する焼結体を
得る温度条件は、圧力80kbにおいて、2800〜3000Kであ
ると述べている。
(発明が解決しようとする課題) 前記圧力条件の80kbはcBNの焼結を工業的に実施する
には高過ぎ過酷な焼結条件に該当する。
cBNの焼結圧力を比較的低圧にすると、圧力がcBNの安
定限界以下となる可能性がある。現在解明されているcB
NhBN(六方晶窒化ほう素)平衡線:P=0.03T−10.3
(但しPは圧力(kb):Tは温度(K)である)において
P=50kbとすると、T=2010Kとなり、上記文献中で比
較的良好な焼結体が得られる2170Kの温度ではhBN安定領
域に入ってしまう。そこで、本発明者は比較的低圧でcB
Nを焼結する方法を提供することを目的として研究を行
なった。
ほう素リッチcBNのみを用いる方法は、BとN以外の
成分が不純物として作用することによる悪影響はないも
のの、欠陥が生み出す焼結推進力のみでhBNへの転換を
確実に防止することは困難である。よって、本発明者等
は、ほう素リッチcBNにおける欠陥による焼結推進力を
利用するとともに、A.M.Maзypeнko他の教示によるけ
い素の添加による高温安定性を同一のcBN粒子内で実現
する方法を検討した。この結果、予めほう素リッチで且
つSiを含有するcBNを合成し、その粉末を原料として焼
結を行なうことが、プロセス上有利であり、且つ焼結体
の特性も向上することが判明した。
(課題を解決するための手段) 「cBN多結晶体の生成プロセスと物性へのSiの影響」,
A.M.Maзypeнko他;CBEPXTBEPДЫE MATEPИAПЫ,NO.
5,12('84)によればSiを添加することによりcBN安定領
域を約500℃高めることを述べている。また、A.M.Maзy
peнko他の論文は、けい素を15%以下添加してhBNからc
BNへの直接転換を行ないcBN多結晶体を得ると、けい素
により転換が加速されることを述べている。
cBNを焼結するプロセスに応用し、原料cBN粉末に、1
μm以下に分級したけい素微粉末を1%以下添加し、約
50kb,2000℃の条件でホットプレスしたところ、hBNへの
逆転は生じなかったが金属Siが析出し、cBN粒子の焼結
を妨げ、満足な焼結体を得ることができなかった。
このことは、けい素によるhBNへの逆転防止作用を利
用する一方でけい素による焼結阻害作用を取り除かなけ
ればならないことを意味する。これは、cBN粒子全体に
けい素を固溶させるとともに、固溶しない過剰けい素を
取り除いたcBN粉末を原料とすることにより達成され、
かかる知見に基づいて、本発明者は特願昭62−289496号
において予め合成したほう素リッチのcBNに、Siを含有
するcBNまた窒化けい素(以下、Si−cBNと総称する)を
添加して焼結を行なう方法を提案した。この焼結法では
ほう素リッチcBNとSi−cBNとが別個の粒子として混合さ
れた原料において、焼結中にそれぞれの作用が独立して
但し同時並行的に表われると考えられる。その後の研究
によると、同一のcBN粒子中に共存する過剰ほう素およ
びSiは各作用を打ち消すことなく、けい素を予め含有さ
せたほう素リッチcBNにおいては過剰ほう素により易焼
結性を付与され、かつ結晶中に含有されるSiによって高
温安定性になるとの知見が得られた。この知見に基づい
て、Siを含有させたほう素リッチな立法晶窒化ほう素を
粉砕、分級して得た粉末を焼結原料として使用すること
により、圧力50kb以上80kb未満、温度1600℃以上2000℃
以下cBNの逆転移温度未満という、従来は焼結に不充分
であった条件でcBN焼結体を製造することが可能になっ
た。
cBN焼結体用の原料を得るための手段としては本出願
人による特開昭59−199513及び特開昭59−199514を組合
わせることにより可能である。つまり六方晶窒化ほう素
(以下hBNと記す)に5重量%以下のBと0.01〜1.0重量
%の金属Siまたは化合物Si(化合物で加える場合はSi換
算重量)とを加えLiMBN2(但しMはアルカリ土類金属を
触媒として高温(1300〜1600℃)、高圧(40〜60kb)下
でcBNを合成し、次いでこのcBN中の未反応hBN、触媒等
を比重分離等の手段によってとり除くことにより、cBN
焼結体用原料を得ることができる。必要ならば、この原
料を、好ましくは30μm以下に、さらに微粉砕する。こ
の合成法において、Bを5%以上、Siを1%を越えて加
えても精製段階で除去されるので意味がなく、両者0.01
%未満では焼結に対する効果が及ばない。上記原料を50
kb以上、1600℃以上の条件で焼結することにより強固な
焼結体を得ることが可能である。
(作 用) Siは過剰のBと相まってNの欠陥の生成に寄与するも
のと考えられる。一方、予めほう素リッチcBNに固溶さ
れたけい素は、固溶限が1000〜1500ppmであり、格子定
数を高純度cBNの格子定数はa0=3.616Åとして比較して
増大させる。
固溶けい素はcBNの高温安定性を高め、これによりcBN
粒子が塑性変形し易い条件が整い、従来焼結に不適であ
った比較的低圧条件でもcBNが添加剤なしで焼結可能と
なる。一方固溶していない過剰のSiは、hBNからのcBN合
成に対しては有害ではないが、cBNの焼結にとっては有
害であるため、けい素は固溶もしくは極微粒子状介在物
の形態で存在することが必要である。
焼結原料としてのcBN中に、BN組成に対し過剰に存在
するBの一部または全部が結晶格子中にNの欠陥を生
じ、その結果ホットプレスに際しcBN結晶の塑性変形を
助長し、高密度焼結体を生じると推定される。
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。
(実施例) 実施例1 hBNに対しほう素0.05(w/t)%、けい素0.005%、触
媒としてLiCaBN210%(粉末の粒度はいずれも325メッシ
ュ下)を加えた粉末混合物の圧粉体を圧力50kb,温度145
0℃の条件で10分保持してcBNを合成し、比重分離によっ
て未反応hBN等を分離精製した。得られたcBNをプラズマ
励起発光分析法により分析し、B及びSiを求めたとこ
ろ、各43.6%(理論値43.6%)及び5PPMであった。この
cBNを粉砕し、粒度20μ以下の部分を60kb、1700℃の条
件で30分ホットプレスし、得られた焼結体の密度を学振
法により測定した。又わずかではあるがX線回析法によ
りhBNが検出された。焼結体の密度を他の実施例および
比較例とともに表1に示す。
実施例 2 実施例1に於てcBN合成原料であるhBNに対しほう素4.
5%、けい素0.9%とし、他の条件は変えずに合成して得
られたcBNを分析したところB−46.0%,Si−600PPMとな
った。前例と同様にしてcBNのこの焼結体を得た。焼結
体からはhBNは検出されなかった。
比較例1 ほう素のhBNへの添加を省略した他は実施例1と同一
の処理を行なった。
比較例2 けい素のhBNへの添加を省略した他は実施例1と同一
の処理を行なった。
(発明の効果) 実施例で示した如く、本発明によれば極めて高密度な
cBN焼結体が低温ホットプレスで得ることができる。ま
た、比較的低温である1700℃(実施例のホットプレス温
度)で既に生じる可能性があるcBNのhBNへの逆転移が防
がれる。
また、けい素は、粒界物質又は単独相としてはほとん
ど存在しないので、本焼結体の熱伝導性は単結晶に匹敵
するものとなり放熱基板等への応力も可能である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siを含有するほう素リッチな立方晶窒化ほ
    う素の粉末を圧力50kb以上80kb未満、温度約1600℃以上
    2000℃以下の条件下で焼結することを特徴とする立方晶
    窒化ほう素焼結体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59199514A (ja) * 1983-04-26 1984-11-12 Showa Denko Kk 立方晶窒化ほう素の合成法

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