JP2610497B2 - 耐衝撃性に優れたポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性に優れたポリオレフィン樹脂組成物

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JP2610497B2 JP63254330A JP25433088A JP2610497B2 JP 2610497 B2 JP2610497 B2 JP 2610497B2 JP 63254330 A JP63254330 A JP 63254330A JP 25433088 A JP25433088 A JP 25433088A JP 2610497 B2 JP2610497 B2 JP 2610497B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐衝撃性に優れたポリオレフィン樹脂組成物
に関し、詳しくは耐熱性、難燃性など熱的性質はもとよ
り耐衝撃性にも優れた無機フィラー高充填ポリオレフィ
ン樹脂組成物に関する。
(従来の技術) ポリオレフィン樹脂は、成形性に富み、しかも機械
的、電気的性質に優れていることから、自動車、建材、
電気または電子部品などとして広く使用されている。し
かし、ポリオレフィン樹脂自体は耐熱性、難燃性などの
熱的性質が劣るという欠点があることから、この熱的性
質を改善するためポリオレフィン樹脂に各種の無機フィ
ラー、例えば炭酸カルシウム、カルシウム・アルミネー
ト水和物、シリカ、タルク、クレーなどを配合すること
が行われている。
しかし、ポリオレフィン樹脂に無機フィラーを配合す
ると耐熱性、難燃性などの熱的性質に改善がみられるも
のの、機械的性質、特に耐衝撃性が低下するという問題
が生じる。特に、耐熱性、難燃性などの熱的性質を大幅
に改善するための無機フィラーを多量に配合した無機フ
ィラー高充填ポリオレフィン樹脂組成物においては、耐
衝撃性が著しく低下する。
このような無機フィラー充填ポリオレフィン樹脂の耐
衝撃性などを改善するため、特開昭51−145552号公報に
はポリオレフィン樹脂に無機フィラーとともに不飽和脂
肪酸アミドを添加した樹脂組成物が開示されている。し
かしながら、この不飽和酸アミドの添加によっては、耐
衝撃性は充分に改善されず、広く実用化されるにはなお
問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記問題点を解決し、無機フィラーを多量に
配合して耐熱性、難燃性などの熱的性質が大幅に改善さ
れ、しかも耐衝撃性に優れた無機フィラー高充填ポリオ
レフィン樹脂組成物を提供することを目的とするもので
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、種々の実験を行った結果、無機フィラ
ーとしてカルシウム・アルミネート水和物を用い、これ
をオレイン酸で被覆してポリオレフィン樹脂に配合する
と、無機フィラーを多量に配合したにも拘らず、耐衝撃
性に優れた無機フィラー高充填ポリオレフィン樹脂組成
物が得られることを知り、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン樹脂100重量部
に対してカルシウム・アルミネート水和物を200〜400重
量部配合してなる樹脂組成物において、該カルシウム・
アルミネート水和物がその100重量部当り0.05〜7重量
部のオレイン酸で被覆されたものであることを特徴とす
る耐衝撃性に優れたポリオレフィン樹脂組成物に関す
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するポリイオレフィン樹脂の代表例とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げること
ができる。
上記カルシウム・アルミネート水和物の粒径について
は、特に制限はなく、一般に使用されている程度の粒径
を有するカルシウム・アルミネート水和物のを使用する
ことができる。通常、平均粒径が1mm以下、好ましくは1
00μm以下のものが使用される。なお、平均粒径が0.1
μm以下の細粒となると、オレイン酸を被覆したとして
も樹脂に均一に分散させるのが困難となる。
本発明におけるカルシウム・アルミネート水和物の配
合量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し200重量部
以上、好ましくは250重量部以上である。なお、この配
合量の上限は、ポリオレフィン樹脂の種類、改質の目
的、樹脂組成物の加工性、製品の使用目的などによって
変わるので一概に特定できないが、配合量が多すぎると
加工性が低下するので400重量部程度以下にするのがよ
い。
カルシウム・アルミネート水和物を上記オレイン酸で
被覆すると、カルシウム・アルミネート水和物を多量に
配合しても耐衝撃性に優れた樹脂組成物が得られる理由
は未だ明らかでないが、オレイン酸の被覆量が少なすぎ
ても、また多すぎても目的とする高い耐衝撃性を得るこ
とはできない。本発明におけるオレイン酸の被覆量は、
カルシウム・アルミネート水和物100重量部に対し0.05
〜7重量部、好ましくは0.5〜7重量部、更に好ましく
は0.7〜5重量部である。0.05重量部未満では、耐衝撃
性改善の効果が認められず、一方7重量部を超えると逆
に耐衝撃性が低下して好ましくない。
カルシウム・アルミネート水和物のオレイン酸による
被覆は種々の方法によって行うことができる。例えば、
フィラーの分散性を容易にするため用いられているシラ
ンカップリング剤による表面処理方法などを適用するこ
とができる。具体的には、揮発性溶媒にオレイン酸を溶
解した溶液中にカルシウム・アルミネート水和物を懸濁
させた後、溶媒を揮発させてカルシウム・アルミネート
水和物にオレイン酸を被覆する方法、カルシウム・アル
ミネート水和物とオレイン酸とをV型ブレンダー、ヘン
シェルミキサーなどの混合機を用いて、必要に応じて加
熱処理をしながら混合して、直接的に接触させて被覆す
る方法などを挙げることができる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、上記のオレイ
ン酸で被覆したカルシウム・アルミネート水和物とポリ
オレフィン樹脂とを、従来公知の方法によって、例えば
一軸または二軸混練機を用いて均一に混合することによ
って調製することができる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、必要に応じ
本発明の効果を損なわない範囲内において、この種組成
物に一般に用いられている配合剤、例えば酸化防止剤な
ども添加することができる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、耐熱性、難燃
性などの熱的性質に優れ、また耐衝撃性にも優れている
ことから、このような性質が要求される製品、例えば自
動車、建材、電気または電子部品などの製品に広く使用
することができる。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。
実施例1 カルシウム・アルミネート水和物(商品名:NCA103、
日本軽金属(株)製、平均粒径:3μm)とオレイン酸と
を第1表に示す割合にてV型ブレンダーに直接仕込ん
で、攪拌、混合し、カルシウム・アルミネート水和物を
オレイン酸で被覆した。
このようにして得られた不飽和脂肪酸被覆無機フィラ
ー300重量部をポリプロピレン樹脂(商品名:チッソK40
17、チッソ(株)製)100重量部に配合し、シリンダー
温度200℃に調整した押出混練機で混練し、ペレットを
製造した。このペレットを射出成形機(IS100EN−3AV、
東芝機械(株)製)を用いて射出圧100kg/cm2、保圧9
0、金型温度60℃の条件下で射出成形して板状片を成形
した。この板状片からシャルピー衝撃強度測定用試験片
を作成し、シャルピー衝撃強度をJIS−K113の方法によ
って測定した。結果を第1表に示す。
比較例1、2 実施例1において、不飽和脂肪酸としてオレイン酸の
代わにリノール酸(比較例1)またはリノレン酸(比較
例2)をそれぞれ第1表に示す割合にて使用した以外は
実施例1と同様にして板状片を作成し、このシャルピー
衝撃強度を測定した。結果を第1表に示す。
比較例3 実施例1において、無機フィラーとしてカルシウム・
アルミネート水和物の代わりに炭酸カルシウム(商品
名:P−30、白石カルシウム(株)製、平均粒径:4μm)
を用い、オレイン酸を第1表に示す割合にて配合した以
外は実施例1と同様にして板状片を作成し、そのシャル
ピー衝撃強度を測定した。結果を第1表に示す。
比較例4〜9 実施例1において、不飽和脂肪酸による被覆を行わず
(比較例4)、あるいは不飽和脂肪酸の代わりにステア
リン酸(比較例5)、シランカップリング剤A171、A187
(商品名、日本ユニカー(株)製)、(比較例6、
7)、チタネートカップリング剤TTS(商品名、味の素
(株)製)(比較例8)またはオレイン酸アミド(比較
例6)を用い、第1表に示す割合にて配合した以外は実
施例1と同様にして板状片を作成し、そのシャルビー衝
撃強度を測定した。結果を第1表に示す。
比較例10、11 比較例3において、不飽和脂肪酸の代わりにステアリ
ン酸(比較例10)またはオレイン酸アミド(比較例11)
を用い、第1表に示す割合にて配合した以外は比較例3
と同様にして板状片を作成し、そのシャルピー衝撃強度
を測定した。結果を第1表に示す。
比較例12 実施例1においてオレイン酸の使用量を15重量部に変
更した以外は実施例1と同様にして板状片を作成し、そ
のシャルピー衝撃強度を測定した。結果を第1表に示
す。
第1表の結果から、オレイン酸を被覆したカルシウム
・アルミネート水和物を用いたカルシウム・アルミネー
ト水和物高充填ポリオレフィン樹脂組成物は、シャルピ
ー強度が高いことが判る。これに対し、オレイン酸で被
覆しなかったカルシウム・アルミネート水和物あるいは
不飽和樹脂酸以外の飽和樹脂酸あるいは不飽和樹脂酸ア
ミドで被覆したカルシウム・アルミネート水和物を使用
すると、得られるカルシウム・アルミネート水和物高充
填ポリオレフィン樹脂組成物はシャルピー強度が低いこ
とが判る。また、オレイン酸の使用量が多すぎるとシャ
ルピー衝撃強度が低下する。
(発明の効果) 本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、カルシウム・
アルミネート水和物を多量に配合して耐熱性、難燃性な
どの熱的性質を著しく改善した無機フィラー高充填ポリ
オレフィン樹脂組成物であり、通常多量のカルシウム・
アルミネート水和物を配合すると耐衝撃性が低下する
が、本発明においてはカルシウム・アルミネート水和物
をオレイン酸で被覆して使用することによって、熱的性
質および耐熱衝撃性がともに優れたポリオレフィン樹脂
組成物が得られる。
従って、本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、この
ような性質が要求される製品、例えば自動車、建材、電
気または電子部品などの製品に広く使用することがで
き、工業的価値が極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 勝巳 静岡県静岡市瀬名200―239 (56)参考文献 特開 昭51−69550(JP,A) 特開 昭50−60544(JP,A) 特開 昭62−218450(JP,A) 特開 昭61−221263(JP,A) 特開 昭63−39939(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂100重量部に対しカル
    シウム・アルミネート水和物を200〜400重量部配合して
    なる樹脂組成物において、該カルシウム・アルミネート
    水和物がその100重量部当り0.05〜7重量部のオレイン
    酸で被覆されたものであることを特徴とする耐衝撃性に
    優れたポリオレフィン樹脂組成物。
JP63254330A 1988-10-08 1988-10-08 耐衝撃性に優れたポリオレフィン樹脂組成物 Expired - Fee Related JP2610497B2 (ja)

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JPS5843421B2 (ja) * 1974-12-14 1983-09-27 旭化成株式会社 ネツカソセイダンセイタイソセイブツ
JPS61221263A (ja) * 1985-03-27 1986-10-01 Fujikura Ltd 高充填樹脂組成物
JPS62218450A (ja) * 1986-03-18 1987-09-25 Sumitomo Chem Co Ltd 高絶縁性樹脂組成物

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