JP2610441B2 - ワークの乾燥方法 - Google Patents

ワークの乾燥方法

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重則 土田
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スピ−ドファムクリ−ンシステム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、半導体ウエハ、光ディスク、磁気ディスク
などのワークを洗浄後に乾燥させるための方法に関する
ものである。
[従来技術とその問題点] 従来、半導体ウエハ、光ディスク、磁気ディスクなど
のワークを対象とする精密洗浄の分野においては、該ワ
ークを洗剤や超音波等により洗浄しあと乾燥させる方法
として、有機溶剤を使用する方法が一般に利用されてい
た。これは、洗浄が終ったワークを純水で十分にすすい
だあと、付着した水をアルコールで置換し、更にフロン
で置換することにより、該フロンの揮発性を利用して乾
燥させる方法である。
しかしながら、かかる従来の乾燥方法は、フロンに含
まれる塩素化合物がワークに付着し、この付着物が後工
程に悪影響を及ぼし易く、しかも、引火点の低いアルコ
ールを使用しているため、引火の危険性が非常に高く、
さらに、有機溶剤の拡散を防止するための冷却設備や水
分離設備、廃液処理設備等日常の液管理をするための設
備が必要になるなど、精度面や安全衛生面、管理面など
各方面において問題が多かった。
ワークを純水ですすいだ後温風乾燥させる方法もある
が、全体が一様に乾燥しにくいため、乾燥むらによるシ
ミを生じ易く、精密洗浄の分野における乾燥方法として
は適していない。
[発明の開示] 叙上に鑑み、本発明は、精度面や安全管理面などで問
題の多い有機溶剤の代りに、不純物が極めて少なく且つ
取扱いの容易な純水を使用し、不純物の付着や乾燥むら
によるシミの付着等を生じることなく、簡単且つ高精度
にワークを精密乾燥させることのできる乾燥方法を提供
するものである。
即ち、本発明の方法は、乾燥すべきワークを温純水中
に浸漬させて加熱したあと、液面付近の水蒸気を側方に
排出しながら液面から波が立たない速度でゆっくりと引
き上げることにより、該ワークをワーク自身の熱で乾燥
させることを特徴とするものである。
[発明の具体例] 以下、本発明の乾燥方法を第1図に示す原理図に基づ
いて詳細に説明する。
前工程において洗浄されたワーク1は、適宜の搬送手
段によって乾燥室に運ばれ、不純物を取り除いて所定の
温度にまて昇温させた温純水2中に浸漬される。
上記温純水2は、加熱槽4においてヒータ5により所
定の温度に加熱されたあと、ポンプ6によって温純水槽
3に送られるようになっており、また、該温純水槽3で
オーバーフローした温純水2は、還流管路7を通って加
熱槽4に還流するようになっている。なお、8は加熱槽
4でオーバーフローした温純水2を排出する排出管、9
は新しい純水を加熱槽4に供給する供給管を示してい
る。
このときの温純水2の温度は、ワーク1の種類によっ
てその適温が相違するが、通常は、ワーク1に熱変性を
生じさせない範囲内でできるだけ高温にしておくのが望
ましい。また、温純水2へ浸漬するときのワーク1の姿
勢は、それを温純水2から取り出す時に該温純水2がで
きるだけ波立たないようにするため、第2図からも分る
ように、縦向きにしておくのが望ましい。
次に、温純水2中に浸漬された上記ワーク1は、液面
付近の水蒸気を吸引等により矢印で示す如く水平方向に
排出しながら、液面が波立つことなく、且つ該ワーク1
がそれ自身の熱によって引き上げと同時に乾燥し得るよ
うなゆっくりした速度で温純水2から引き上げられる。
これにより該ワーク1は、引き上げられた部分から順次
乾燥していき、その乾燥も一様に行われて乾燥むらによ
るシミが生じない。
ここで、上記ワーク1の引き上げに当って液面付近の
水蒸気を水平方向に排出するのは、引き上げられて一旦
乾燥したワーク1が水蒸気と不規則に接触して再度湿潤
するのを防止するためであり、これによって乾燥むらを
防止することができる。このとき、ワーク1を多数枚同
時に処理することを考えれば、水蒸気を排気する方向
は、液面に水平で且つワーク1の面と平行な方向にする
のが望ましく、こうすることにより、水蒸気とワーク1
との接触をより確実に防ぐことができる。
また、ワーク1を引き上げるとき液面が波立たないよ
うにすることは、液面の位置で波によりワーク1が不規
則に温純水と接触するのを防止し、乾燥を一様に進行さ
せる上で有効である。
かくして、温純水2によるワーク1の精密乾燥が完了
し、該ワーク1は次工程に送られる。
[発明の効果] 上述した本発明の方法によれば、次に列挙するような
効果を期待することができる。
(1)純水を使用しているから、ワークへ不純物が付着
して残るようなことがなく、しかも、有機溶剤を使用す
る場合のような拡散防止のための冷却設備や水分分離設
備、廃液処理設備等が不要であり、さらに人体に対する
毒性を考慮する必要がなく、精度面や安全衛生面、設備
面、管理面などにおいて非常に有利である。
(2)液面付近の水蒸気を側方に排出しながらワークを
引き上げることにより、引き上げられたワークが水蒸気
と接触して再湿潤するのを防止し、再湿潤による乾燥む
らやシミの発生等を確実に防ぐことができる。
特に、この種の乾燥法においては、温純水の温度をで
きるだけ高くした方がワークを短時間のうちに効率良く
乾燥させることができるが、温度を高くするとそれだけ
水蒸気が発生する割合も高くなるため、ワークが再湿潤
する確立も高くなる。本発明においては、水蒸気を側方
に排出することによってワークの再湿潤を防止している
ため、それだけ高温の温純水を使用することが可能とな
り、この結果、温純水の使用温度幅が広がると共に、高
温の温純水の使用によってワークをより効率良く乾燥す
ることができる。
(3)液面が波立たないようにゆっくりした速度でワー
クを温純水から引き上げるようにしたので、液面の位置
でワークが不規則に温純水と接触するのを防止し、該ワ
ークを一様に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の乾燥方法の原理図、第2図は温純水槽
の側断面図である。 1……ワーク、2……温純水。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥すべきワークを温純水中に浸漬させて
    加熱したあと、液面付近の水蒸気を側方に排出しながら
    液面から波が立たない速度でゆっくりと引き上げること
    により、該ワークをワーク自身の熱で乾燥させることを
    特徴とするワークの乾燥方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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