JP2001033168A - 表面処理方法、並びにそれに用いる装置 - Google Patents

表面処理方法、並びにそれに用いる装置

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JP2001033168A
JP2001033168A JP11204843A JP20484399A JP2001033168A JP 2001033168 A JP2001033168 A JP 2001033168A JP 11204843 A JP11204843 A JP 11204843A JP 20484399 A JP20484399 A JP 20484399A JP 2001033168 A JP2001033168 A JP 2001033168A
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organic solvent
tank
solvent
boiling
work
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JP11204843A
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Mitsutaka Suzuki
光孝 鈴木
Hiroshi Takahashi
浩 高橋
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NEC Tohoku Corp
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NEC Tohoku Corp
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素などの有機溶剤系洗浄液を用いた真
空乾燥工程において、短時間で汚れ残りのない乾燥方法
を提供する。 【解決手段】 有機溶剤系の処理液を用いて目的物の表
面を処理する方法において、該処理に用いる処理槽内に
該目的物を入れ槽内を減圧する工程と、沸騰状態に加熱
した有機溶剤を該処理対象物に接触させ目的物表面に作
用させながら昇温を行なう工程と、更に減圧を行い、該
溶剤を気化蒸発させ乾燥を行なう工程を有することを特
徴とする処理方法、及び前記各工程のための手段を備え
た処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機溶剤を用いた電
子・機械部品等の乾燥、または洗浄及び乾燥に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明が関する電子・機械部品等の目的
物(以下ワークとも呼ぶ。これには洗浄前のものも、洗
浄後の乾燥前のものも含む)の乾燥方法は、短時間でか
つ汚れ残りの無い乾燥をすることが重要な要素の一つと
なっている。
【0003】この目的のため、通常は熱風による乾燥方
法が提案されている。例えば、従来の炭化水素洗浄で
は、洗浄後に仕上げ洗浄と液切りの工程がありその後熱
風乾燥によりワークを乾燥させ洗浄工程を完了している
が、この方法ではワークに付着する洗浄液の汚染物質が
熱乾燥をすることにより凝縮残留してしまうことがあ
り、乾燥方法としては十分とはいえない。
【0004】そこで、新たな方法として真空乾燥法が提
案されている。これは、まずワーク乾燥に用いる乾燥槽
内に洗浄の完了したワークを入れ槽内を減圧した後、熱
平衡状態にある炭化水素系溶剤蒸気を導入し、その溶剤
蒸気がワーク表面で凝縮する相変化を利用した凝縮潜熱
にて昇温を行う。そして、ワーク表面温度が炭化水素系
溶剤蒸気温度に等しくなった時点で更に減圧を行い、溶
剤を気化蒸発させ乾燥を行う方法である。
【0005】例えば特開平9-141216号公報に
は、真空乾燥を用いた洗浄装置が開示されている。
【0006】この技術は真空乾燥方法を用いる洗浄装置
に関する発明で、超音波洗浄、仕上げリンス、真空乾燥
を一連の洗浄動作として説明されている。ここでは本発
明に関係する真空乾燥に関連する部分のみを取り上げ説
明する。(図2参照) 真空乾燥に至る経緯としては、まず、洗浄完了後、蒸気
による仕上げ洗浄を行うため真空弁V1のみを開放し、
真空ポンプ108によって洗浄槽102を60mmHg
まで減圧した後、真空弁V1を閉じる。次に蒸気導入弁
V8、洗浄液排出弁V5、及び真空弁V7を開放して真
空ポンプ108を駆動する。すると、蒸気発生槽104
で発生した洗浄蒸気が洗浄槽102に導入され、被洗浄
物を蒸気洗浄しつつ一部は液化し、蒸気と共に洗浄液排
出弁V5を通って洗浄液タンクに伝えられる。
【0007】この操作で被洗浄物には同時に自熱乾燥に
必要な熱エネルギーが与えられる。続いて、洗浄液排出
弁V5と真空弁V7とを閉じると共に、真空弁V1を開
放して真空ポンプ108によって洗浄槽を減圧する。す
ると、被洗浄物に付着している洗浄液は、被洗浄物のも
つ自熱だけで瞬時に沸騰乾燥する。
【0008】このように被洗浄物の乾燥は、蒸留蒸気の
熱エネルギーだけを利用した自熱乾燥方式としているの
で、熱風や輻射熱などの危険性の高い乾燥熱とエネルギ
ーが一切不要となり、蒸気圧を利用した高真空乾燥によ
り、あらゆる形状・姿勢の被洗浄物でも高速乾燥するこ
とができるとされ、一応の効果を奏している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この手
法では、炭化水素系溶剤の蒸気による加熱を利用する点
において、ワーク昇温のための熱伝達効率が液体の直接
接触に比べ悪く、またワークの量によってはワーク間の
隙間への熱伝達不足がおこり自熱を高めるための時間が
かかり、結果的に乾燥時間が長くなるという問題をもた
らしている。
【0010】本発明の主な目的の一つは、炭化水素系洗
浄液を用いた洗浄に関する真空乾燥工程において、短時
間で汚れ残りのない乾燥を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、有
機溶剤系の処理液を用いて目的物(ワーク)の表面を処理
する方法において、該処理に用いる処理槽内に該目的物
を入れ槽内を減圧する工程と、沸騰状態に加熱した有機
溶剤を該処理対象物に接触させ目的物表面に作用させな
がら昇温を行なう工程と、更に減圧を行い、該溶剤を気
化蒸発させ乾燥を行なう工程を有することを特徴とする
処理方法についてのものである。
【0012】また、有機溶剤系の処理液を用いて目的物
の表面を処理する装置において、該処理の場であり、密
閉して内部を減圧可能な処理槽と、該処理槽の内部を脱
気減圧する手段と、該処理槽内に沸騰した有機溶剤を供
給し該目的物に接触させ目的物表面に作用させながら昇
温を行なう手段と、を有することを特徴とする処理装置
についてのものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の処理においては別途洗浄
処理されたワークの乾燥を行なうことを主目的とする
が、有機溶剤の種類を工夫し、処理槽内に超音波振動子
を設置することで、未洗浄、あるいは予備洗浄のみ施さ
れた表面に汚れが付着したワークの洗浄をも併せ行なう
ことも可能となっている。
【0014】以下の説明は基本的な乾燥処理についての
ものであるが、洗浄が行なわれる場合も構成や操作自体
に本質的差異はない。
【0015】本発明の特徴は、ワークの真空乾燥時にワ
ーク温度(以後自熱と称する)を高温とするため、真空乾
燥直前に沸騰状態に加熱した有機溶剤をワークに接触さ
せる方式を用いることである。
【0016】これにてワークは瞬時に高温(有機溶剤の
沸騰温度)に達し、ワーク真空乾燥操作時にワーク周囲
の雰囲気の減圧を行うと、炭化水素系溶剤が自熱により
瞬時に沸騰気化しワークから離脱することで乾燥が行わ
れる。
【0017】これは、ワークの昇温手段に従来の有機溶
剤の蒸気によるワーク表面での凝縮潜熱を利用する方法
ではなく、高温の有機溶剤を液体のまま直にワークに接
触させることで自熱乾燥に必要な熱エネルギーをワーク
に効率よく与えられ、ワーク昇温時間の短縮と減圧時の
有機溶剤沸騰気化時間が短くなるという効果があり、全
体的に真空乾燥時間の短縮が行われるものである。
【0018】処理されるワークとしては、特に制限はな
いが、機械・電子部品などで、処理に用いる有機溶剤に
侵されず、かつ表面汚れ成分が疎水性で前記溶剤によく
溶けるものが好ましい。
【0019】具体的には、プレス加工部品及び切削部品
等が挙げられ、特にバスケットにバラ入れした時、ワー
クどうし隙間がでるような折り曲げ部品が好ましい。例
えば、コネクター、端子、フロッピーなどリムーバブル
ディスクのシャッター、板バネ、フレーム、シャーシ、
リードフレーム、モータ・コアなどが挙げられる。
【0020】有機溶剤としては低臭気及び皮膚への刺激
が少ない点から炭素数10前後のパラフィン系炭化水素
を主成分とする液が好ましい。例えば市販品では東ソー
(株)のHC-250、HC-370、HC-FX50、H
C-FX70などがある。本方式では、臭気及び皮膚へ
の刺激性を問題としない場合はナフテン系及び芳香族系
炭化水素も使用でき、さらに、グリコールエーテル系溶
剤も使用できる。また、これらの混合物を用いてもよ
い。
【0021】図1により本発明の一実施形態としての真
空乾燥装置の構成を示しながらワーク乾燥方法を説明す
る。
【0022】この装置は、洗浄されたワーク1を入れ乾
燥を行う密閉蓋付きの真空乾燥槽2と、真空乾燥槽2内
の脱気を行う真空ポンプ4と、ワーク1昇温用の有機溶
剤8が入った沸騰槽6、7とを中心的に備えており、こ
の二つの沸騰槽6、7は用途を異にしている。二つの沸
騰槽6、7のうち一つは、真空乾燥槽2内のワーク1に
直接接触させワーク自熱の昇温を行うために使用する有
機溶剤8を加熱し沸騰状態にするためのもので、もう一
つはワーク1に接触後、微量の不純物や汚れ成分が混入
する使用済みの有機溶剤を回収する役目に使用する。
【0023】真空乾燥槽2には真空ポンプ4がバルブ3
を通じて接続している。また槽壁面には大気開放バルブ
20が付き大気に連通している。沸騰槽7と真空乾燥槽
2は溶剤移送管30により接続している。溶剤移送管3
0には真空乾燥槽2へ有機溶剤8を供給するためのポン
プ11とバルブ10が接続している。
【0024】また、真空乾燥槽2の下部には溶剤返送管
31がありバルブ12を通じ沸騰槽6に接続している。
沸騰槽6は真空乾燥槽2と管32でも接続されており、
これは両槽の内部圧力の均等化に利用される。
【0025】沸騰槽6は沸騰槽7と槽上部で連通してお
り、どちらの槽内にも有機溶剤8が溜まっている。この
溶剤8は加熱部9により常に溶剤沸点と槽6、7の内部
圧力とに対応した所定温度で加熱されており、有機溶剤
8の蒸気を常に発生している。
【0026】沸騰槽6はコンデンサ15とバルブ14を
通じて接続しており、またコンデンサ15の先にはエゼ
クタ13を介しセパレータ16が接続されている。沸騰
槽内の有機溶剤はバルブ14を通りコンデンサ15に達
することで熱交換が行われ凝集液化し、エゼクタ13に
より吸引されてセパレータ16に導入される。セパレー
タ16は管33を通じ圧力開放タンク17に接続されて
いる。液化した有機溶剤は一時ここに蓄えられる。
【0027】上述の沸騰槽6から圧力開放タンク17ま
での流れは、有機溶剤の蒸留再生の工程となる。
【0028】圧力開放タンク17は液量コントロール1
8、19に接続され、回収された再生有機溶剤は2つに
分けられる。液量コントロール18、19は各々沸騰槽
6、7と接続されており、沸騰槽内の有機溶剤の液量を
コントロールする。
【0029】次に図1を基に、本実施形態の動作を説明
する。
【0030】洗浄されたワーク1を密閉蓋付きの真空乾
燥槽2に入れ、まずバルブ3を開き真空ポンプ4を作動
させ真空乾燥槽2内を大気圧以下の所定の圧力まで減圧
する。このときの圧力は特に制限はないが、下記の沸騰
槽の圧力よりは十分低くする必要がある。例えば100
mmHg以下であり、より好ましくは60〜80mmHg
である。このときバルブ5、10、12は閉じられてい
る。
【0031】次にバルブ3を閉じバルブ5を開き、エゼ
クタ13にてあらかじめ減圧されている沸騰槽6および
沸騰槽6と槽上部で連通している沸騰槽7と、真空乾燥
槽2を連通させ減圧雰囲気を同一とする。このときの圧
力は有機溶剤の沸騰温度を操作に適した範囲に収めるこ
とが好ましい。例えば150mmHg以下であり、より
好ましくは80〜100mmHgである。また沸騰槽の
初期圧力は連通後の圧力よりやや高め(例えば100〜
150mmHg)とする。
【0032】沸騰槽6、7にはそれぞれに独立してワー
ク加熱用の媒体である有機溶剤8が入っており、加熱機
構9により所定の温度(沸騰槽内雰囲気の圧力にて沸騰
する温度)まで加熱されている。
【0033】この温度は有機溶剤の種類や沸騰槽内雰囲
気の圧力により変化するが、110℃以上とするのが好
ましく、より好ましくは120〜140℃である。
【0034】沸騰槽7内の有機溶剤8は、バルブ10、
12を開けた後ポンプ11にて溶剤供給管30を通じて
真空乾燥槽2に供給され、ノズル21から噴射され真空
乾燥槽2内のワーク1と接触することでワーク1の表面
温度を上げる。
【0035】ワーク1に接触した後飛散し真空乾燥槽2
底部に流入した有機溶剤は、バルブ12を開くことで沸
騰槽6に回収される。
【0036】ワーク1はこの操作を繰り返すことで沸騰
状態まで加熱されている有機溶剤の液温まで短時間で昇
温され高い自熱を得ることとなる。
【0037】このときの温度は圧力の関係より前記沸騰
槽における温度より若干低くなる。例えば90℃とする
のが好ましく、より好ましくは100℃以上である。
【0038】またワーク1の汚れに対し溶解力・剥離力
をもつ溶剤を使用した場合には先の洗浄工程で落ちきれ
なかった汚れ等も溶剤の溶解力・剥離力により除去され
る。有機溶剤8によるワーク1の昇温が完了した後にワ
ーク1表面に残った有機溶剤分は、バルブ5、バルブ1
0、バルブ12を閉じ、バルブ3を開き真空ポンプ4に
てさらに減圧を行うと、ワーク1のもつ自熱だけで瞬時
に沸騰乾燥が行われる。
【0039】これは、有機溶剤は大気圧下での加熱した
場合の沸点に比べ減圧下では比較的低沸点で沸騰させる
ことができる性質に加え、あらかじめ有機溶剤を媒体と
した加熱も行うことでワークの自熱を高め、短時間で減
圧雰囲気での沸点まで到達する環境をつくっているため
である。
【0040】有機溶剤8の入っている沸騰槽6、7は沸
騰している有機溶剤8の蒸気レベルでの行き来ができる
ように槽上部で連通しており、この槽で気化した有機溶
剤8は通常バルブ14を開とし、バルブ5、バルブ1
0、バルブ15を閉とした状態でコンデンサ15、セパ
レータ16に導かれ、熱交換により冷却液化され、圧力
が大気圧雰囲気となっている圧力開放タンク17に供給
される。なお、コンデンサ及びセパレータの操作圧力は
沸騰槽の圧力と同じになる。
【0041】圧力開放タンク17内の有機溶剤は、各沸
騰槽6、7に通じる液量コントロール18、19にて液
量が調節され、各槽に必要量が逐一供給されることとな
る。沸騰槽7には再生された有機溶剤8のみが蓄積さ
れ、沸騰槽6には真空乾燥槽2から回収され使用済み有
機溶剤と液量調節の時に限り液量コントロール18より
有機溶剤が供給される。この一連の流れは有機溶剤の蒸
留再生のルートとなる。
【0042】以上の構成において、ワークの自熱乾燥時
に必要な熱エネルギーの供給に、沸騰槽7から加熱した
有機溶剤8を液体のまま直接ワーク1に接触(シャワー
方式、スプレー方式等利用)させることとしているた
め、従来の溶剤蒸気によるワーク1表面での凝縮潜熱を
利用した方法と比べ熱効率が良好で自熱乾燥に必要な熱
エネルギーをワーク1に効率よく与えられることになる
ため、短時間でワーク自熱を高温とすることができ(昇
温時間の短縮)、真空乾燥時にワークに付着する溶剤が
瞬時に沸騰乾燥するため、全体的な乾燥工程に費やす時
間が短くなるという効果が得られる。
【0043】また、上述の熱伝達に利用する有機溶剤の
貯蔵箇所に二つの沸騰槽を用意し、一つは使用済み有機
溶剤の回収専用に用い、もう一つは蒸留再生し清浄度の
高い有機溶剤貯蔵に用い、蒸留再生した溶剤のみを真空
乾燥槽内のワークに供給する構成となっているため、溶
剤清浄度劣化による乾燥完了後にワーク表面に発生する
不純残留物の発生がない。
【0044】従って、乾燥ムラや溶剤汚れによる乾燥シ
ミの無い真空乾燥を短時間で行えるという効果がもたら
される。
【0045】本実施形態において、ワークの乾燥を主目
的とする場合は有機溶剤系洗浄液は必ずしもワークに付
着する汚れを除去できる能力を持つ必要はなく、特に限
定はしないが洗浄部にてワークに付着した洗浄液を置換
でき、ワークに対して悪影響を及ぼす性質の無い液であ
れば他の有機溶剤を使用しても良い。
【0046】一方、ワークの汚れに対し溶解力・剥離力
をもつ溶剤を使用した場合は、その性能にもよるが、十
分な洗浄能力をもつ場合、処理するワークは洗浄済みの
ものだけでなく未洗浄もしくは予備洗浄のみの汚れた状
態のものでもよい。すなわち、本実施形態は乾燥のみな
らず、真空乾燥槽2をそのまま真空洗浄乾燥槽とし、前
記と同一の操作で洗浄をも同時に行なうことができる。
【0047】この目的にかなう有機溶剤としては前記東
ソー(株)のHC-FX50が挙げられ、これは洗浄能力
に優れるため未洗浄または洗浄不十分のワークに対して
用いることができる。また、前記ナフテン系及び芳香族
系炭化水素も使用でき、フラックス等の洗浄に関しては
グリコールエーテル系洗浄剤も使用できる。また、これ
らの混合物を用いてもよい。
【0048】また、真空洗浄乾燥槽に超音波振動子を設
置することで、更なる清浄度を確保することができる。
周波数出力の例としては、28kHz 1kWのものが挙
げられる。
【0049】
【実施例】[実施例1]前述の実施形態によるワーク乾燥
の一例について述べる。
【0050】前記図1において、バルブ5、10、12
を閉じた状態で、洗浄され実用上汚れがない状態のワー
ク1として、20mm角のステンレスプレス加工部品を
15kgを幅300mm×長さ400mm×高さ200m
mのバスケットに入れたものを、密閉蓋付きの真空乾燥
槽2(材質:SUS304、幅366mm×奥行き470
mm×高さ465mm)に入れ、まずバルブ3を開き真
空ポンプ4を作動させ真空乾燥槽2内を60mmHg程
度になるまで減圧した。
【0051】次にバルブ3を閉じバルブ5を開き、エゼ
クタ13にてあらかじめ100〜150mmHgにまで
減圧されている沸騰槽6(材質:SUS304、内径φ3
00mm×長さ800mm)および沸騰槽6と槽上部で
連通している沸騰槽7(材質寸法は沸騰槽6に同じ)と、
真空乾燥槽2を連通させ減圧雰囲気を同一とした。この
ときの減圧雰囲気は100mmHg程度であった。
【0052】ワーク加熱用の媒体である有機溶剤8とし
ては、パラフィン系炭化水素として、東ソー(株)HC-
250を用い、あらかじめ沸騰槽6に20〜30L、7
に20〜30L入れておき、加熱機構9にて130〜1
40℃になるまで加熱した。加熱機構9としては、熱媒
オイルとして日本石油(株) ハイサームシリーズを用い
た熱交換ヒーターを用い、熱媒の加熱にはジャスト(株)
のLAGSUSプラグヒーター(電気ヒーター、10〜
15kW)を用いた。
【0053】続いてバルブ10、12を開けた後、沸騰
槽7内の炭化水素系溶剤8をポンプ11にて溶剤供給管
30を通じて真空乾燥槽2に供給し、ノズル21よりシ
ャワー方式で噴射し真空乾燥槽2内のワーク1に接触さ
せることで、ワーク1の表面温度を100〜115℃ま
で上昇させた。昇温には約3分を要した。
【0054】ワーク1に接触した後飛散し真空乾燥槽2
底部に流入した有機溶剤は、バルブ12を開くことによ
り沸騰槽6に回収した。
【0055】有機溶剤8はワーク1の汚れに対し溶解力
・剥離力をもつため、先の洗浄工程で落ちきれなかった
汚れ等も溶剤の溶解力・剥離力により除去された。
【0056】有機溶剤8によるワーク1の昇温が完了し
た後にワーク1表面に残った有機溶剤分は、バルブ5、
バルブ10、バルブ12を閉じ、バルブ3を開き真空ポ
ンプ4にてさらに減圧を行うことにより、ワーク1のも
つ自熱だけで瞬時に沸騰乾燥が行われた。
【0057】沸騰槽6、7で気化した有機溶剤8はバル
ブ14を開とし、バルブ5、バルブ10、バルブ12を
閉とした状態でコンデンサ15にて100〜150mm
Hg、60〜80℃、さらにセパレータ16に導き、3
0〜40℃にまで熱交換により冷却液化し、圧力が大気
圧雰囲気となっている圧力開放タンク17に供給した。
【0058】圧力開放タンク17内の有機溶剤は、各沸
騰槽6、7に通じる液量コントロール18、19にて液
量が調節され、各槽に必要量が逐一供給された。
【0059】沸騰槽7には再生された有機溶剤8のみが
蓄積され、沸騰槽6には真空乾燥槽2から回収され使用
済み有機溶剤と液量調節の時に限り液量コントロール1
8より有機溶剤が供給された。この一連の流れは有機溶
剤の蒸留再生のルートとなっていた。
【0060】以上の構成において、ワークの自熱乾燥時
に必要な熱エネルギーの供給に、有機溶剤を液体のまま
接触させることとしているため、従来の蒸気を利用した
方法に比べ熱エネルギーが効率よくワークに与えられ
た。
【0061】また、上述の熱伝達に利用する有機溶剤の
貯蔵箇所に二つの沸騰槽を用意し、一つは使用済み有機
溶剤の回収専用に用い、もう一つは蒸留再生し清浄度の
高い有機溶剤貯蔵に用い、蒸留再生した溶剤のみを真空
乾燥槽内のワークに供給する構成となっているため、溶
剤清浄度劣化による乾燥完了後にワーク表面に発生する
不純残留物の発生がなかった。
【0062】従って、乾燥ムラや溶剤汚れによる乾燥シ
ミの無い真空乾燥を短時間で行えるという効果がもたら
された。
【0063】また、真空乾燥層2に例えば28kHz 1
kWの超音波振動子を設置することで、更なる清浄度が
確保できた。
【0064】[実施例2]実施例1と同様の装置を用い
て、ワーク加熱用の媒体である有機溶剤8として、東ソ
ー(株)HC-FX50を用いた他は同様の実験を行なっ
た。
【0065】真空乾燥槽2及び沸騰槽の減圧は実施例1
と同様である。但し、加熱機構9での加熱温度は120
〜130℃とし、ワーク1の表面温度の上昇は90〜1
05℃までとした。昇温には約2分を要した。
【0066】有機溶剤8の冷却はコンデンサ15にて1
00〜150mmHg、60〜80℃、さらにセパレー
タ16に導き、30〜40℃にまで熱交換により冷却液
化した。
【0067】本実施例の有機溶剤8として用いたHC-
FX50はワーク1の汚れに対し溶解力・剥離力をもつ
ため、実施例1より更に清浄度が向上し、真空乾燥層2
に例えば28kHz 1kWの超音波振動子を設置するこ
とで、更なる清浄度が確保できた。
【0068】[実施例3]実施例1と同様の条件で、ワー
ク1に汚れが表面積あたりで約50mg/cm2残存した状
態のものを適用し、洗浄を同時に行なうことを試みた。
HC-250はワーク1の汚れに対しての溶解力・剥離
力が劣るため、乾燥自体は実施例1および2と同様に達
成されたが、汚れの一部が残存し、乾燥後の汚れは0.
1〜0.5mg/cm2であった。
【0069】[実施例4]実施例2と同様の条件で、ワー
ク1に実施例3と同じ汚れたものを適用した。HC-F
X50はワーク1の汚れに対し溶解力・剥離力をもつた
め、汚れの大部分が溶剤の溶解力・剥離力により除去さ
れ、乾燥後の汚れを20〜30μg/cm2以下に抑えるこ
とができた。
【0070】また、真空乾燥層2に例えば28kHz 1
kWの超音波振動子を設置することで、更なる清浄度が
確保できた。
【0071】
【発明の効果】ワークの自熱乾燥時に必要な熱エネルギ
ーの供給に、有機溶剤を液体のまま接触させることとし
ているため、従来の蒸気を利用した方法に比べ熱エネル
ギーが効率よくワークに与えられた。
【0072】また、上述の熱伝達に利用する有機溶剤の
貯蔵箇所に二つの沸騰槽を用意し、一つは使用済み有機
溶剤の回収専用に用い、もう一つは蒸留再生し清浄度の
高い有機溶剤貯蔵に用い、蒸留再生した溶剤のみを真空
乾燥槽内のワークに供給する構成となっているため、溶
剤清浄度劣化による乾燥完了後にワーク表面に発生する
不純残留物の発生がなかった。
【0073】従って、乾燥ムラや溶剤汚れによる乾燥シ
ミの無い真空乾燥を短時間で行えるという効果がもたら
された。
【0074】また、溶剤に洗浄力の高いものを用いるこ
とで、同様の操作で洗浄機として用いることができ、ワ
ークの洗浄・乾燥を一つの槽で行えることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての真空乾燥・洗浄装
置の構成図を示す。
【図2】従来の真空洗浄機の構成図を示す。
【符号の説明】
1 ワーク 2 真空乾燥槽(洗浄槽) 4 真空ポンプ 3、5、10、12、14 バルブ 6、7 沸騰槽 8 有機溶剤 9 加熱機構 11 ポンプ 13 エゼクタ 15 コンデンサ 16 セパレータ 17 圧力開放タンク 18、19 流量コントロール 20 大気開放バルブ 21 ノズル 30 溶剤移送管 31 溶剤返送管 32 管 33 管 102 洗浄槽 104 蒸気発生槽 108 真空ポンプ V1 真空弁 V5 洗浄液排出弁 V7 真空弁 V8 蒸気導入弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B201 AA48 AB01 AB45 BB03 BB82 BB95 CB01 CC21 CD11 3L113 AA01 AB05 AB10 AC01 AC24 BA34 DA10 4K053 PA03 PA17 QA04 RA04 RA32 RA41 RA57 SA06 SA18 TA13 TA19 XA11 XA15 XA24 XA26 XA45 YA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤系の処理液を用いて目的物の表
    面を処理する方法において、 該処理に用いる処理槽内に該目的物を入れ槽内を減圧す
    る工程と、 沸騰状態に加熱した有機溶剤を該処理対象物に接触させ
    目的物表面に作用させながら昇温を行なう工程と、 更に減圧を行い、該溶剤を気化蒸発させ乾燥を行う工程
    を有することを特徴とする処理方法。
  2. 【請求項2】 該有機溶剤を減圧下で加熱し沸騰状態に
    加熱する工程と、 気化蒸発した該溶剤の蒸気を回収し凝縮する工程と、 凝縮された該溶剤を貯留し、再び加熱装置に送る工程を
    さらに有する請求項1に記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記処理により前記目的物の乾燥が行な
    われる請求項1または2に記載の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記処理により前記目的物の洗浄及び乾
    燥が行なわれる請求項1または2に記載の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記処理槽内に超音波振動子を設置する
    ことで、目的物表面の更なる清浄度を確保する、請求項
    4に記載の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記有機溶剤として前記目的物表面に残
    存する異物を溶解または剥離可能なものを使用すること
    により、該目的物表面の清浄度を向上する、請求項4ま
    たは5に記載の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記有機溶剤が炭化水素、グリコールエ
    ーテル、またはそれらの混合物である請求項1〜6のい
    ずれかに記載の処理方法。
  8. 【請求項8】 有機溶剤系の処理液を用いて目的物の表
    面を処理する装置において、 該処理の場であり、密閉して内部を減圧可能な処理槽
    と、 該処理槽の内部を脱気減圧する手段と、 該処理槽内に沸騰した有機溶剤を供給し該目的物に接触
    させ目的物表面に作用させながら昇温を行なう手段と、 を有することを特徴とする処理装置。
  9. 【請求項9】 該有機溶剤を減圧下で加熱し沸騰状態に
    加熱する手段を備えた沸騰槽と、 気化蒸発した該溶剤の蒸気及び凝結した該溶剤を回収す
    る手段と、 該回収した溶剤の蒸気を凝縮する手段としての凝縮器
    と、 凝縮された該溶剤を貯留する貯留槽と、 該貯留している溶剤を再び加熱装置である沸騰槽に送る
    手段をさらに有する、請求項7に記載の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記処理槽内に更なる清浄度を確保す
    る手段としての超音波振動子を設置してなる、請求項8
    または9のいずれかに記載の装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256090A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Ulvac Japan Ltd プラスチック成形品の表面処理方法及び装置、並びに蒸着膜の形成されたプラスチック成形品の製造方法
CN111842320A (zh) * 2020-06-09 2020-10-30 上海天粹自动化设备有限公司 一种有机溶剂真空汽相清洗设备及清洗方法
JP6908950B1 (ja) * 2021-03-05 2021-07-28 アクトファイブ株式会社 気化洗浄液回収装置

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