JP3344994B2 - レジスト剥離装置、及びレジスト剥離方法 - Google Patents

レジスト剥離装置、及びレジスト剥離方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体装置製造装
置に係り、特に半導体基板のレジストを剥離するレジス
ト剥離装置及びレジスト剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板(以下、基板と略称する)の
上に形成されたレジスト膜を剥離する半導体製造装置と
しては、処理槽の剥離液中に基板を浸漬するDip(浸
漬)式のレジスト剥離装置や、ステージ上に載置された
基板を回転させつつ剥離液を噴射するスプレー式のレジ
スト剥離装置や、特開平5−304089号公報に開示
された剥離液の蒸気を利用したレジスト剥離装置等が用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記Dip式
のレジスト剥離装置、並びに剥離液の蒸気を利用したレ
ジスト剥離装置では、処理槽内の剥離液が、基板から除
去した不純物によりすぐに汚染される問題があった。そ
して、この不純物が基板へ再付着する問題や、上記不純
物が後続処理する基板を汚染する問題もあった。このた
め、頻繁に剥離液を交換する必要があり、半導体装置の
製造コストが高くなってしまう問題があった。
【0004】また、上記Dip式のレジスト剥離装置、
並びに剥離液の蒸気を利用したレジスト剥離装置には、
通常、処理槽の基板搬入口に蓋が装着されているが、基
板の搬出時や搬入時には蓋を開閉動作させるため、処理
槽からクリーンルームに剥離液の蒸気が漏出し、クリー
ンルーム内の洗浄度が低下してしまう問題があった。こ
の問題は、上記剥離液の蒸気を利用したレジスト剥離装
置において特に顕著である。
【0005】また、基板を搬入または搬出する度に剥離
液の蒸気が漏出するため、その都度剥離液を最初から蒸
気化させる必要があった。すなわち、レジスト剥離装置
の装置性能が低下する問題があった。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたもので、半導体基板の搬出入時に、剥離液の
蒸気の漏出を防止することを目的とする。また、剥離液
の汚染を低減することも目的とする。また、レジスト剥
離装置の装置性能を向上させることも目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】請求項1の発明に係るレジ
スト剥離装置は、レジスト膜が形成された半導体基板が
保持される第1の領域と、剥離液を蒸気化させる第2の
領域とを有する処理槽と、前記処理槽が有する基板搬入
口に形成された第1の開閉蓋と、前記第1の領域と、前
記第2の領域とを開閉する第2の開閉蓋と、前記第2の
領域に前記剥離液を供給する第1の供給配管と、前記第
2の領域に供給された前記剥離液を加熱して蒸気化させ
る加熱部と、前記第1の領域内の前記蒸気化された剥離
液を排気する第1の排気配管と、前記半導体基板から滴
下する使用済みの剥離液を、前記第2の領域で回収する
回収皿と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
【0009】請求項の発明に係るレジスト剥離装置
は、請求項1に記載のレジスト剥離装置において、前記
第2の領域内の前記剥離液を回収する回収配管と、前記
回収配管により回収された前記剥離液を濾過する濾過装
置と、前記濾過装置により濾過された前記剥離液を、前
記第2の領域に供給する第2の供給配管と、を更に備え
ることを特徴とするものである。
【0010】請求項の発明に係るレジスト剥離装置
は、請求項1に記載のレジスト剥離装置において、前記
基板搬入口から前記第1の領域に前記半導体基板を搬入
し、前記第1の領域に前記半導体基板を保持するリフタ
ーを更に備えることを特徴とするものである。
【0011】請求項の発明に係るレジスト剥離装置
は、請求項1に記載のレジスト剥離装置において、前記
第2の領域内の前記蒸気化された剥離液を排気する第2
の排気配管を更に備えることを特徴とするものである。
【0012】請求項の発明に係るレジスト剥離装置
は、請求項1に記載のレジスト剥離装置において、前記
剥離液が、硫酸と、過酸化水素水との混合液であること
を特徴とするものである。
【0013】請求項の発明に係るレジスト剥離装置
は、請求項に記載のレジスト剥離装置において、前記
硫酸と前記過酸化水素水との体積比が1:4程度である
ことを特徴とするものである。
【0014】請求項の発明に係るレジスト剥離装置
は、請求項に記載のレジスト剥離装置において、前記
第1の供給配管が、前記硫酸を供給するための配管と、
前記過酸化水素水を供給するための配管とからなること
を特徴とするものである。
【0015】請求項の発明に係るレジスト剥離方法
は、半導体基板が保持される第1の領域と、この第1の
領域とは開閉蓋により分離される第2の領域とを有する
処理槽において、前記開閉蓋を閉じた状態で、前記第2
の領域にレジスト膜剥離用の剥離液を供給する供給工程
と、前記第2の領域に供給された前記剥離液を蒸気化さ
せる蒸気化工程と、前記第1の領域に前記半導体基板を
搬入して保持する搬入工程と、前記開閉蓋を開けること
により、前記第2の領域で蒸気化された剥離液を前記第
1の領域に供給し、前記半導体基板上に形成されたレジ
スト膜を剥離する剥離工程と、前記剥離工程終了後に前
記開閉蓋を閉じることにより、前記処理槽を前記第1の
領域と、前記第2の領域とに分離する分離工程と、前記
分離工程により分離された前記第1の領域において、前
記蒸気化された剥離液を排気する排気工程と、前記排気
工程により前記第1の領域の剥離液を排気した後、前記
半導体基板を搬出する搬出工程と、を含み、 前記剥離工
程は、前記レジスト膜を剥離するとともに、前記半導体
基板から滴下する使用後の剥離液を回収して廃棄する
とを特徴とするものである。
【0016】請求項の発明に係るレジスト剥離方法
は、請求項に記載のレジスト剥離方法において、前記
供給工程は、前記剥離液として、硫酸と、過酸化水素水
とを供給することを特徴とするものである。
【0017】請求項1の発明に係るレジスト剥離方法
は、請求項に記載のレジスト剥離方法において、前記
供給工程は、前記硫酸と前記過酸化水素水の体積比が
1:4程度となるように、各溶液を供給することを特徴
とするものである。
【0018】請求項1の発明に係るレジスト剥離方法
は、請求項1に記載のレジスト剥離方法において、前
記供給工程は、前記体積比となるように、各溶液を逐次
補充することを特徴とするものである。
【0019】請求項1の発明に係るレジスト剥離方法
は、請求項に記載のレジスト剥離方法において、前記
蒸気化工程は、前記剥離液の液温が110〜130℃に
なるように加熱し、前記剥離液を蒸気化させることを特
徴とするものである。
【0020】請求項1の発明に係るレジスト剥離方法
は、請求項に記載のレジスト剥離方法において、前記
蒸気化工程と、前記搬入工程とを並行して行うことを特
徴とするものである。
【0021】
【0022】請求項1の発明に係るレジスト剥離方法
は、求項に記載のレジスト剥離方法において、前記
分離工程後に、前記第2の領域内の前記剥離液を回収し
て濾過した後に、この濾過した剥離液を前記第2の領域
に再供給する循環濾過工程を更に含むことを特徴とする
ものである。
【0023】請求項1の発明に係るレジスト剥離方法
は、請求項1に記載のレジスト剥離方法において、前
記循環濾過工程と、前記排気工程並びに前記搬出工程と
を並行して行うことを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図中、同一または相当する
部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省
略することがある。図1は、本発明の実施の形態による
レジスト剥離装置、及びレジスト剥離方法を説明するた
めの図である。
【0025】先ず、レジスト剥離装置について説明す
る。図1に示すレジスト剥離装置において、1は処理
槽、2は半導体基板、3は第1の開閉蓋、4は第2の開
閉蓋、5は第1の供給配管、6は加熱部、7は第1の排
気配管、8は回収皿、9は回収配管、10は濾過装置、
11は第1の領域、12は第2の領域、13は基板搬入
口、14は第2の供給配管、15はリフター、16は第
2の排気配管、17は剥離液(液体)を示している。
【0026】処理槽1は、半導体基板2が保持される第
1の領域11と、レジスト膜剥離用の剥離液17を蒸気
化させる第2の領域12とを有し、例えば石英等により
製造された槽である。また、処理槽1は、半導体基板2
を搬入または搬出する基板搬入口13を有している。半
導体基板2は、レジスト膜が形成された基板であり、例
えばシリコン基板、石英基板、セラミックス基板等であ
る。
【0027】第1の開閉蓋3は、基板搬入口13を閉塞
するためのものである。第1の開閉蓋3は、半導体基板
2の搬出時或いは搬入時に開けられる。また、第1の開
閉蓋3は、剥離処理を行う際に閉じられて、処理槽1内
部が密閉される。これにより、剥離処理中に、処理槽1
から剥離液の蒸気が漏出しない。
【0028】第2の開閉蓋4は、第1の領域11と、第
2の領域12とを開閉する蓋である。第2の開閉蓋4
は、半導体基板2の搬出時或いは搬入時に閉じられる。
これにより、処理室1内において、第1の領域11と、
第2の領域12とが分離される。この時、第2の領域1
2において、剥離液17が蒸気化される(後述)。ま
た、第2の開閉蓋4は、剥離処理を行う際に開けられ、
第1の領域11と第2の領域12とが連通する。これに
より、第2の領域12内で蒸気化された剥離液が、第1
の領域11すなわち半導体基板2に供給される。
【0029】第1の供給配管5は、第2の領域12に、
剥離液17を供給するための配管である。詳細には、上
記第1の供給配管5は、上記剥離液17の構成成分であ
る硫酸を供給するための配管51と、同じく構成成分で
ある過酸化水素水を供給するための配管52とによって
構成されている。また、第1の供給配管5は、剥離液1
7を構成する硫酸と過酸化水素水との体積比が1:(3
〜5)、好ましくは1:(3.5〜4.5)、更に好ま
しくは1:4程度となるように、第2の領域12に剥離
液17を供給する。上記体積比は、剥離液17からカロ
酸(H2SO5;ぺルオキソ1硫酸ともいう)を効率良く
生成するための比率である。ここで、上記硫酸の濃度
は、例えば90〜96重量%であり、上記過酸化水素水
の濃度は、例えば30〜35重量%である。また、各配
管51,52にはバルブ(図示省略)が設けられ、その
開閉動作を、図示しない制御部によって制御することに
より、硫酸及び過酸化水素水が上記体積比で第2の領域
12に供給される。
【0030】また、第1の供給配管5から第2の領域1
2に、硫酸と過酸化水素水を上記体積比で供給するの
は、メンテナンス直後の剥離処理、或いは図示しない配
管により汚染された剥離液17を廃棄した直後の剥離処
理においてである。その他の連続処理中等では、後述す
る第2の供給配管14から、濾過により不純物が除去さ
れた剥離液が再供給される。剥離液中の各成分の体積比
が上記範囲内に維持されるように、各配管51,52か
ら硫酸または過酸化水素水が、第2の領域12内の剥離
液17に逐次補充される。
【0031】加熱部6は、第2の領域12に供給された
剥離液17を加熱して、蒸気化させるためのものであ
る。例えば、加熱部6は、上記剥離液17を加熱して蒸
気化させるために、処理槽1を加熱するヒーターであ
る。また、加熱部6は、第2の領域12内の剥離液17
を、その液温が110〜130℃程度になるまで加熱す
る。これにより、過酸化水素水が水と酸素に効率良く分
解される。そして、この酸素と硫酸蒸気から、レジスト
膜の剥離特性に大きく寄与するカロ酸が効率良く生成す
る。
【0032】第1の排気配管7は、第1の領域11に連
通した排気配管であり、第1の領域11内の蒸気化され
た剥離液を、処理槽1の外に排気するためのものであ
る。また、第1の排気配管7は、バルブ(図示省略)を
介して排気ポンプ(図示省略)に接続されている。この
バルブの開閉動作は、図示しない制御部により制御され
る。剥離処理(後述)が終了して上記第2の開閉蓋4が
閉じられた後、第1の排気配管7によって、第1の領域
11内の蒸気化された剥離液、すなわち剥離処理後に第
1の領域11に残存する剥離液の蒸気が排気される。
【0033】回収皿8は、半導体基板2から滴下する処
理済の剥離液を回収するためのものであり、半導体基板
2の下で、且つ第2の領域12に設けられている。ま
た、回収皿8は、回収した剥離液を処理槽1の外に廃棄
するための配管81を有している。すなわち、回収皿8
によって回収された使用済みの剥離液は、配管81を通
して処理槽1の外に廃棄される。
【0034】回収配管9は、第2の領域12に溜まって
いる液体の剥離液17を、回収するためのものである。
また、回収配管9により回収された剥離液17は、濾過
装置10に送られる。濾過装置10は、回収配管9によ
り回収された剥離液17から不純物を除去するための装
置である。また、濾過装置10によって不純物が除去さ
れた剥離液は、第2の供給配管14に送られる。第2の
供給配管14は、濾過装置10により不純物が除去され
た剥離液を、処理槽1の第2の領域12に供給するため
の配管である。
【0035】リフター15は、半導体基板2を処理槽1
の第1の領域11に搬入、または第1の領域11から半
導体基板2を搬出するためのものである。また、リフタ
ー15は、第1の領域11に搬入した半導体基板2を、
剥離処理中、第1の領域11に保持する。
【0036】第2の排気配管16は、第2の領域12に
連通した排気配管であり、第2の領域12内の蒸気化さ
れた剥離液を、処理槽1の外に排気するためのものであ
る。また、第2の排気配管15は、バルブ(図示省略)
を介して排気ポンプ(図示省略)に接続されている。こ
のバルブの開閉動作は、図示しない制御部により制御さ
れる。当該レジスト剥離装置のメンテナンス時等におい
て、第2の開閉蓋4が閉じられた状態で、第2の領域1
2内の蒸気化された剥離液が第2の排気配管16により
除去される。また、同領域12内の液体の剥離液17
は、上記回収配管9によって回収される。また、剥離液
17の汚れがひどい場合には、剥離液17は、図示しな
い廃棄用の配管によって処理槽1の外に廃棄される。
【0037】以上説明したレジスト剥離装置を要約する
と、処理槽1は、レジスト膜が形成された半導体基板2
が保持される第1の領域11と、レジスト膜剥離用の剥
離液17を蒸気化させる第2の領域12と、半導体基板
2を搬入または搬出するための基板搬入口13とを有す
る。そして、基板搬入口13に第1の開閉蓋3が形成さ
れ、処理槽1内に第1の領域11と第2の領域12とを
開閉する第2の開閉蓋4が形成されている。
【0038】また、第1の供給配管5により第2の領域
12に剥離液17が供給され、供給された剥離液17は
加熱部6により加熱されて蒸気化される。剥離液17の
蒸気化は、第2の開閉蓋4を閉じた状態で行われる。そ
して、半導体基板2が第1の領域11に搬入された後、
第2の開閉蓋4が開けられて、蒸気化された剥離液が第
1の領域11に供給され、剥離処理が行われる。また、
剥離処理が終了して第2の開閉蓋4が閉じられると、第
1の排気配管7により第1の領域11内の蒸気化された
剥離液が排気される。その後、半導体基板2がリフター
15により搬出される。
【0039】また、回収皿8により半導体基板2から滴
下する使用済みの剥離液を回収し、回収した剥離液を配
管81を通して処理槽1の外に廃棄する。
【0040】また、上記レジスト剥離装置は、回収配管
9により回収した液体の剥離液17から濾過装置10に
よって不純物を除去した後、この剥離液を第2の供給配
管14により第2の領域12に供給する循環濾過システ
ムを有する。
【0041】次に、上記レジスト剥離装置を用いたレジ
スト剥離方法について説明する。
【0042】先ず、処理槽1内の第2の開閉蓋4を閉じ
て、第1の領域11と第2の領域12とを分離した状態
で、第1の供給配管5から第2の領域12に剥離液17
を供給する。より詳細には、剥離液17の構成成分であ
る硫酸と過酸化水素水の体積比が1:4程度になるよう
に、配管51から硫酸を、配管52から過酸化水素水を
第2の領域12に供給する。そして、上記第2の領域1
2に供給された剥離液17の液温が110〜130℃程
度になるまで、加熱部6により処理槽1を加熱して、剥
離液17を蒸気化させる。
【0043】次に、処理室1の基板搬入口13に形成さ
れた第1の開閉蓋3を開けて、リフター14によって半
導体基板2を第1の領域11に搬入する。そして、リフ
ター14をそのままにして第1の開閉蓋3を閉じて、半
導体基板2を第1の領域11に保持する。この時、第1
の開閉蓋3により、処理槽1内は密閉される。
【0044】次いで、第2の開閉蓋4を開けて、第2の
領域12で蒸気化された剥離液を第1の領域11に供給
する。これにより、第1の領域11において、半導体基
板2上に形成されたレジスト膜が剥離される。この剥離
処理の時間は、1〜10分であり、一般的には2〜3分
程度である。この時、半導体基板2から滴下する使用済
みの剥離液、すなわちレジスト膜等の不純物を含む剥離
液を回収皿8により回収し、回収した剥離液を配管81
を通して処理槽1の外に廃棄する。
【0045】そして、前記レジスト膜の剥離処理を終了
した後、第2の開閉蓋4を閉じて、第1の領域11と第
2の領域12とを分離する。
【0046】続いて、第1の領域11内の蒸気化された
剥離液、すなわち第1の領域11に残存する剥離液の蒸
気を、第1の排気配管7により処理槽1の外に排気す
る。
【0047】次に、第1の開閉蓋3を開けるとともに、
基板搬入口13から半導体基板2をリフター14によっ
て搬出する。その後、搬出された半導体基板2は、図示
しない洗浄装置において、水洗処理される。
【0048】そして、後続処理される半導体基板2が、
基板搬入口13から第1の領域11にリフター15によ
り搬入される。
【0049】以上説明したように、本発明の実施の形態
によるレジスト剥離装置、及びレジスト剥離方法は、半
導体基板2上のレジスト膜を、蒸気化された剥離液を用
いて剥離した後、第2の開閉蓋4を閉じて、半導体基板
2が保持される第1の領域11と、剥離液17を蒸気化
させる第2の領域12とを分離する。そして、第1の領
域11内に残存する剥離液の蒸気を、第1の排気配管7
により処理槽1の外に排気した後、半導体基板2を搬出
する。その後、後続処理する半導体基板2を搬入する。
【0050】従って、半導体基板2の搬出時または搬入
時に、処理槽1から剥離液の蒸気の漏出を防止できる。
これにより、クリーンルームの洗浄度の低下を防止でき
る。
【0051】また、レジスト膜を剥離する際、半導体基
板2から滴下する使用済みの剥離液を回収皿8により回
収して廃棄するようにしたので、剥離液の汚染を最低限
に抑えることができる。これにより、剥離液の交換頻度
を低減させることができ、半導体装置の製造コストを抑
えることができる。
【0052】また、第2の領域12内の液体の剥離液1
7を回収し、その回収した剥離液17から不純物を濾過
装置10によって除去して、この不純物が除去された剥
離液を第2の供給配管13によって第2の領域12に供
給するようにした。すなわち、剥離液の循環濾過を行う
ようにした。これにより、剥離液17の汚染を更に低減
でき、剥離液17の交換頻度を更に低減できる。従っ
て、半導体装置の製造コストを抑えることができる。
【0053】また、第1の領域11内の残存蒸気を排気
する間、並びに半導体基板2を搬出入する間に、それら
と並行して、第2の領域12において、後続の剥離処理
用に剥離液17を蒸気化させる。これにより、半導体基
板2を搬入した後すぐに剥離処理を行うことができる。
従って、処理時間を短縮することができ、スループット
が向上する。すなわち、レジスト剥離装置の装置性能を
向上させることができる。
【0054】また、剥離液17中の硫酸と過酸化水素水
の体積比を1:4程度とした。また、この剥離液17の
加熱温度を、110〜130℃とした。これにより、レ
ジスト膜の剥離処理に好適なカロ酸を効率良く生成する
ことができ、優れた剥離性能が得られる。
【0055】なお、本実施の形態においては、処理槽1
内に液体の剥離液17を供給し、供給した剥離液17を
加熱部6により蒸気化させているが、外部に剥離液を蒸
気化させる装置を設けて、その蒸気化された剥離液を処
理槽1内に供給してもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、処理槽内において、半
導体基板が保持される第1の領域と、剥離液を蒸気化さ
せる第2の領域とを、第2の開閉蓋により開閉するよう
にした。そして、剥離処理が終了して第2の開閉蓋を閉
じて第1の領域に残存する剥離液の蒸気を処理槽の外に
排気した後、半導体基板の搬出を行うようにした。その
後、後続処理の半導体基板を搬入するようにした。従っ
て、半導体基板の搬出入時に、処理槽から剥離液の蒸気
の漏出を防止することができる。
【0057】また、回収皿によって半導体基板から滴下
する使用済みの剥離液を回収することにより、剥離液の
汚染を低減できる。また、第2の領域内の剥離液を回収
し、回収した剥離液から不純物を除去した後、再度第2
の領域に供給することにより、剥離液の汚染を更に低減
できる。
【0058】また、剥離液中の硫酸と過酸化水素水の体
積比を1:4程度にすることにより、レジスト剥離性能
が向上する。さらに、剥離液の加熱温度を110〜13
0℃とすることにより、蒸気化された剥離液のレジスト
剥離性能が向上する。
【0059】また、剥離処理後の第1の領域11内の排
気並びに半導体基板の搬出入と、剥離液の蒸気化と、を
並行して行うことができるため、処理時間を短縮でき
る。従って、レジスト剥離装置の装置性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるレジスト剥離装
置、及びレジスト剥離方法を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
1 処理槽、2 半導体基板、3 第1の開閉蓋、4
第2の開閉蓋、5 第1の供給配管、6 加熱部(ヒー
ター)、7 第1の排気配管、8 回収皿、9回収配
管、10 濾過装置、11 第1の領域、12 第2の
領域、13 基板搬入口、14 第2の供給配管、15
リフター、16 第2の排気配管、17剥離液(液
体)、51,52 配管、81 配管。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レジスト膜が形成された半導体基板が保
    持される第1の領域と、剥離液を蒸気化させる第2の領
    域とを有する処理槽と、 前記処理槽が有する基板搬入口に形成された第1の開閉
    蓋と、 前記第1の領域と、前記第2の領域とを開閉する第2の
    開閉蓋と、 前記第2の領域に前記剥離液を供給する第1の供給配管
    と、 前記第2の領域に供給された前記剥離液を加熱して蒸気
    化させる加熱部と、 前記第1の領域内の前記蒸気化された剥離液を排気する
    第1の排気配管と、前記半導体基板から滴下する使用済みの剥離液を、前記
    第2の領域で回収する回収皿と、 を備えることを特徴とするレジスト剥離装置
  2. 【請求項2】 求項1に記載のレジスト剥離装置にお
    いて、 前記第2の領域内の前記剥離液を回収する回収配管と、 前記回収配管により回収された前記剥離液を濾過する濾
    過装置と、 前記濾過装置により濾過された前記剥離液を、前記第2
    の領域に供給する第2の供給配管と、 を更に備えることを特徴とするレジスト剥離装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のレジスト剥離装置にお
    いて、 前記基板搬入口から前記第1の領域に前記半導体基板を
    搬入し、前記第1の領域に前記半導体基板を保持するリ
    フターを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の
    レジスト剥離装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のレジスト剥離装置にお
    いて、 前記第2の領域内の前記蒸気化された剥離液を排気する
    第2の排気配管を更に備えることを特徴とするレジスト
    剥離装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のレジスト剥離装置にお
    いて、 前記剥離液が、硫酸と、過酸化水素水との混合液である
    ことを特徴とするレジスト剥離装置。
  6. 【請求項6】 請求項に記載のレジスト剥離装置にお
    いて、 前記硫酸と前記過酸化水素水との体積比が1:4程度で
    あることを特徴とするレジスト剥離装置。
  7. 【請求項7】 請求項に記載のレジスト剥離装置にお
    いて、 前記第1の供給配管が、前記硫酸を供給するための配管
    と、前記過酸化水素水を供給するための配管とからなる
    ことを特徴とするレジスト剥離装置。
  8. 【請求項8】 半導体基板が保持される第1の領域と、
    この第1の領域とは開閉蓋により分離される第2の領域
    とを有する処理槽において、前記開閉蓋を閉じた状態
    で、前記第2の領域にレジスト膜剥離用の剥離液を供給
    する供給工程と、 前記第2の領域に供給された前記剥離液を蒸気化させる
    蒸気化工程と、 前記第1の領域に前記半導体基板を搬入して保持する搬
    入工程と、 前記開閉蓋を開けることにより、前記第2の領域で蒸気
    化された剥離液を前記第1の領域に供給し、前記半導体
    基板上に形成されたレジスト膜を剥離する剥離工程と、 前記剥離工程終了後に前記開閉蓋を閉じることにより、
    前記処理槽を前記第1の領域と、前記第2の領域とに分
    離する分離工程と、 前記分離工程により分離された前記第1の領域におい
    て、前記蒸気化された剥離液を排気する排気工程と、 前記排気工程により前記第1の領域の剥離液を排気した
    後、前記半導体基板を搬出する搬出工程と、 を含み、 前記剥離工程は、前記レジスト膜を剥離するとともに、
    前記半導体基板から滴下する使用後の剥離液を回収して
    廃棄する ことを特徴とするレジスト剥離方法。
  9. 【請求項9】 請求項に記載のレジスト剥離方法にお
    いて、 前記供給工程は、前記剥離液として、硫酸と、過酸化水
    素水とを供給することを特徴とするレジスト剥離方法。
  10. 【請求項10】 請求項に記載のレジスト剥離方法に
    おいて、 前記供給工程は、前記硫酸と前記過酸化水素水の体積比
    が1:4程度となるように、各溶液を供給することを特
    徴とするレジスト剥離方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のレジスト剥離方法
    において、 前記供給工程は、前記体積比となるように、各溶液を逐
    次補充することを特徴とするレジスト剥離方法。
  12. 【請求項12】 請求項に記載のレジスト剥離方法に
    おいて、 前記蒸気化工程は、前記剥離液の液温が110〜130
    ℃になるように加熱し、前記剥離液を蒸気化させること
    を特徴とするレジスト剥離方法。
  13. 【請求項13】 請求項に記載のレジスト剥離方法に
    おいて、 前記蒸気化工程と、前記搬入工程とを並行して行うこと
    を特徴とするレジスト剥離方法
  14. 【請求項14】 求項に記載のレジスト剥離方法に
    おいて、 前記分離工程後に、前記第2の領域内の前記剥離液を回
    収して濾過した後に、この濾過した剥離液を前記第2の
    領域に再供給する循環濾過工程を更に含むことを特徴と
    するレジスト剥離方法。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のレジスト剥離方法
    において、 前記循環濾過工程と、前記排気工程並びに前記搬出工程
    とを並行して行うことを特徴とするレジスト剥離方法。
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