JP2610089B2 - (メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法

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JP2610089B2 JP4832593A JP4832593A JP2610089B2 JP 2610089 B2 JP2610089 B2 JP 2610089B2 JP 4832593 A JP4832593 A JP 4832593A JP 4832593 A JP4832593 A JP 4832593A JP 2610089 B2 JP2610089 B2 JP 2610089B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中和度の低い(メタ)ア
クリル酸(塩)系重合体の製造方法に関し、詳しくは
(メタ)アクリル酸(塩)系単量体を水溶液重合して得
られた重合生成物から水分を効率よく乾燥除去して(メ
タ)アクリル酸(塩)系重合体を製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は優
れた粘着性、増粘性、吸水性および凝集作用を有してお
り、その性能を生かして増粘剤、パップ剤用粘着剤、紙
力増強剤、硬化剤、凝集剤、脱水剤および土壌改良剤と
して広く利用されている。中でもポリ(メタ)アクリル
酸や中和度50モル%以下の(メタ)アクリル酸塩から
なる中和度の低い(メタ)アクリル酸(塩)系重合体
は、前記用途に特に優れた性能を発揮する。また(メ
タ)アクリル酸(塩)系重合体を上記のような用途に使
用する場合、配合の容易さ、取扱性や搬送の便宜等を考
慮して粉末状もしくは粒状の形態で供給されることが多
い。
【0003】(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法
としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、スラ
リー重合法、水溶液重合法等が挙げられるが、これらの
中で最も汎用されているのは水溶液重合法およびスラリ
ー重合法である。
【0004】スラリー重合法によれば、(メタ)アクリ
ル酸(塩)を主体とする重合性単量体およびラジカル重
合開始剤を重合生成物の貧溶媒となる有機溶剤に添加溶
解した溶液を重合することにより、(メタ)アクリル酸
(塩)系重合体が沈澱析出物として得られる。一方水溶
液重合法によれば、(メタ)アクリル酸(塩)を主体と
する重合性単量体の水溶液にラジカル開始剤を添加し必
要により適度に加熱することによって重合反応を行う
と、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が粘着性および
粘性を有する含水物として得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スラリー重合で得られ
た(メタ)アクリル酸(塩)系重合体沈澱物は、減圧乾
燥等により粉末状重合体を得ることができるが、有機溶
剤の除去・回収および防爆のための設備投資が必要であ
ること、重合体中に残留する有機溶剤の安全性といった
問題点があった。また比較的狭い範囲でしか任意の分子
量の重合体を得ることができなかった。
【0006】一方水溶液重合により得られる(メタ)ア
クリル酸(塩)系重合体含水物の場合、中和度が50モ
ル%を越える高中和度のものは、粘着性が小さく且つ成
膜性も小さいため、周知のドラムドライアーや通気式熱
風乾燥機等で比較的簡単に水分除去を行って粉末状重合
体を得ることができる。
【0007】ところが、中和度が50モル%以下である
低中和度の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体含水物
は、非常に粘着性が高いため乾燥後の重合体が乾燥機に
付着して剥離が困難であったり、成膜性があるため水分
の蒸発面である表層部のみが乾燥されて皮張り状態とな
り内部に残った水分の揮散が困難であった。そして内部
の水分を除去しようとして、乾燥途中に粉砕し表面積を
増やそうとすると、重合体のガラス転移温度が低いため
粉砕が容易でなかった。また乾燥温度を過度に高める
と、表層部が過熱状態となって分枝反応や架橋反応等が
起こり水への再溶解性が低下するばかりでなく水不溶解
物が生成し、あるいは分解反応が起こって再溶解後の増
粘作用が貯蔵によって低下するという貯蔵安定性に悪影
響が現れてくるという問題点があった。
【0008】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、水溶液重合により得た低
中和度の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の含水物を
乾燥後の水への再溶解性に悪影響を及ぼすことなく効率
よく乾燥して、増粘作用の貯蔵安定性に優れた(メタ)
アクリル酸(塩)系重合体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る製造方法の構成は、(メタ)アク
リル酸またはその塩からなる(メタ)アクリル酸(塩)
系単量体を水溶液重合したのち重合生成物から水分を除
去して(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を製造するに
当り、重合生成物中に含まれる酸基の中和率を50モル
%以下としたのち、重合生成物をシート上に0.5〜1
0mmの厚みで積載し80〜230℃で加熱乾燥して水
分の分離除去を行ない、得られた中和率50モル%以下
の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を60℃以下に冷
却してからシートより剥離することを、順次実施すると
ころに要旨が存在する。
【0010】
【作用】本発明に係る製造法は、上記の様に中和度が5
0モル%以下である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体
を対象とした水溶液重合を行ない、更に乾燥工程での架
橋反応等による水への再溶解性の低下や増粘性の変化を
防止すると共に、貯蔵安定性に優れた重合体を効率よく
製造する技術を提供するものであり、それによって粘着
剤、増粘剤、凝集剤等としての性能を高めることに成功
したものである。
【0011】本発明に係る(メタ)アクリル酸(塩)系
重合体を構成する主たる単量体は、アクリル酸やメタク
リル酸およびそれらの塩(以下これを(メタ)アクリル
酸(塩)と総称する)であり、該重合体を構成する単量
体中70モル%以上、より好ましくは90モル%以上が
(メタ)アクリル酸(塩)からなる。尚(メタ)アクリ
ル酸(塩)系重合体における塩とは、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩の
ごとく一価の塩を意味するものであり、たとえばカルシ
ウムやアルミニウムのごとく二価もしくは三価以上の多
価金属塩は水溶性に欠けるものであるから、本発明にお
ける塩からは除外される。
【0012】必要により含まれる他の共重合性単量体と
しては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボ
キシル基含有単量体;ビニルスルホン酸、メタリルスル
ホン酸、アリルスルホン酸、3−(メタ)アリロキシ−
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含
有単量体;(メタ)アクリルアミド、第三級ブチル(メ
タ)アクリルアミド等のアミド系単量体;グリセロール
モノ(メタ)アリルエーテル等のアリルエーテル系単量
体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリ
ルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール
(イソプレノール)、グリセロールモノ(メタ)アクリ
レート等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリロニトリ
ル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸
エステル系単量体;酢酸ビニル等のビニル系単量体;ス
チレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸等の
スチレン系単量体等が例示され、これらは必要により一
種または二種以上を(メタ)アクリル酸(塩)と共重合
して用いることができる。
【0013】しかし、これらの共重合性単量体のうち疎
水性単量体は、得られる重合体の水溶性を阻害する傾向
があるので、好ましくは親水性単量体を共重合成分とし
て使用するのがよい。共重合成分として特に好ましいの
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシ
ル基含有単量体である。
【0014】したがって、高レベルの水溶性を有する重
合体を得るため、全単量体中に占める(メタ)アクリル
酸(塩)の量を70モル%以上とし他の共重合性単量体
の量を30モル%以下に抑えるのがよい。
【0015】また本発明においては、(メタ)アクリル
酸(塩)系重合体の中和度は50モル%以下とする必要
があり、水溶液重合に供する(メタ)アクリル酸(塩)
系単量体の中和度を50モル%以下としておいたり、水
溶液重合で得られる重合生成物中に含まれる酸基の中和
度を50モル%以下となる程度に酸基の中和を行ったり
する。中和度が50モル%を越える高中和度の(メタ)
アクリル酸(塩)系重合体の含水物では、本発明で得ら
れる低中和度の重合体に比べて粘着剤としての性能に劣
った重合体しか得られない。また成膜性も小さいため本
発明で規定する製造法を採用せずとも容易に水分除去し
て重合体を得ることができるので、本発明を採用する意
味が小さくなる。
【0016】中でも中和度が30モル%以下、更には1
0モル%以下、より更には0%の重合体が本法により好
ましく適用できる。
【0017】本発明における(メタ)アクリル酸(塩)
系重合体は水溶液重合によって得られる。水溶液重合
は、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体の水溶液中に水
溶性ラジカル重合開始剤を混合し、必要により適宜加熱
して重合することで行われ、水溶液中の重合体濃度およ
び重合体の分子量に応じて粘稠な水溶液や含水ゲル状の
重合生成物が得られる。水溶液重合を用いると、スラリ
ー重合法における有機溶剤の除去および安全性といった
負担を軽減できると共に、広い範囲で任意の分子量の重
合体を得ることが可能である。また本発明の効果を妨げ
ない範囲であれば、エタノールやメタノール等の水溶性
有機溶媒を水溶液中に少量添加することは差し支えな
い。
【0018】本発明で用いられる水溶性ラジカル重合開
始剤としては、水に溶解し熱または光によってラジカル
を生じるものであれば特に制限なく、例えばアゾビス−
2−アミジノプロパン2塩酸塩、アゾビス−2−メチル
−プロピオンアミド2水和物等のアゾ系化合物;過硫酸
アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酸化
物と亜硫酸塩やアミン類に代表される還元剤と組み合わ
せてなるレドックス開始剤等が挙げられる。中でもアゾ
系化合物は、貯蔵安定性により優れた(メタ)アクリル
酸(塩)系重合体が得られるので好ましい。
【0019】水溶液重合で得られる重合生成物は、前記
した通り重合生成物中に含まれる酸基の中和率を50モ
ル%以下にしたのち、シート上に積載されて加熱乾燥で
水分除去を行って、目的とする低中和度の(メタ)アク
リル酸(塩)系重合体となる。
【0020】本発明に用いられるシートは、例えばポリ
四フッ化エチレン、ポリ三フッ化エチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート等の撥水性を有する樹脂など
を、シート状、フィルム状およびエンドレスベルト状等
に加工した物を用いることができ、必要に応じて重合生
成物の流出や脱落を防止するため側板を設けてもよく、
要は重合生成物をその上方に支持し得るものであればど
の様なものでもかまわない。また前記樹脂のみからなる
シートでも良いが、ステンレス等の金属材料に撥水性を
与える樹脂などをコーティングしたり、ガラス繊維布に
撥水性樹脂を含浸させたものであってもよく、要は積載
される重合生成物が強固に接着しない程度の撥水性表面
を備えたシートになっていればよい。
【0021】このシートに用いられる樹脂としては、乾
燥条件で溶融可塑化しない程度の耐熱性を有していれば
良いが、好ましくは130℃以上より好ましくは250
℃以上の耐熱性を示すものがよく、具体的にはポリ四フ
ッ化エチレン(テフロン)等が挙げられる。シートの耐
熱性が高いほど乾燥時の加熱温度を高くすることがで
き、乾燥効率を高めることができる。
【0022】本発明において重合生成物は前記シート上
に厚み0.5〜10mmの範囲となるように積載される
が、好ましくは1〜5mmが良い。積載厚みが0.5m
m未満になると、表層部の水分蒸発による皮張り等の問
題はなくなるが、積載するのが難しくなるばかりでな
く、乾燥して得られる重合体の単位重量当りのシート接
触面積が大きくなりすぎて重合体の剥離が困難になる。
逆に10mmを超えると、表層部が皮張り状態になって
積載された重合生成物の乾燥効率が著しく低下してしま
う。また無理に水分除去すると水への再溶解性や貯蔵安
定性に劣った重合体となってしまう。
【0023】本発明における乾燥時の加熱温度は80〜
230℃の範囲で実施されるが、好ましくは130〜2
30℃の範囲である。80℃未満では皮張りの問題は起
こりにくくなるが、乾燥に要する時間は長くなり乾燥効
率が低下するため好ましくない。230℃より高い温度
では乾燥効率は高くなるが、分枝反応や架橋反応が起こ
るため水不溶解物が生成したり、重合体の貯蔵安定性が
低下するので好ましくない。
【0024】加熱方法は、シート上に積載された重合生
成物を上方から直接加熱する方法、下方からシートを加
熱し伝導伝熱によって重合生成物を加熱する方法、およ
び両者を併用する方法等いずれの方法を用いてもよい
が、下方から加熱する方法を必須とすることが好まし
い。この理由として、下方から加熱すると、水分は重合
生成物の下方(シート側)から順次表層側へ移行しつつ
揮発していくので、表面で皮張りを起こしにくいためで
ある。加熱の手段としては、上方からの加熱では熱風、
赤外線、遠赤外線、マイクロ波等の非接触型の加熱方法
が適用可能であり、下方からの加熱では熱媒、蒸気、電
気等の熱源を利用したプレートヒーターや、熱風、赤外
線、遠赤外線、マイクロ波等の接触型や非接触型を問わ
ず適用が可能である。
【0025】本発明で重合生成物をシート上に積載する
に際し、重合生成物の積載厚さは前記した通りである
が、シート上への積載面積は任意であり、シート上の全
面に積載してもよく、シート上の一部には積載せず隙間
を開けて積載してもよい。しかし、乾燥効率や得られる
重合体の再溶解性等の面から、重合生成物の積載面積が
乾燥有効面積の80%以下好ましくは50〜80%の範
囲となるように、シート上に重合生成物を積載しない部
分をできるだけ均一に設けておくのが好ましい。重合物
の積載方法は任意であるが、シート上に重合生成物を積
載しない部分をできるだけ均一に設けるには、重合生成
物を筋状に積載することが好ましい。具体的には単一ま
たは複数の首振りノズルや固定された複数のノズルによ
る積載方法を適用することができる。
【0026】本発明における乾燥有効面積とは、単位乾
燥時間当りのシート上の加熱される面積を示し、例えば
プレートヒーターによってシートを加熱する場合のプレ
ートヒーターに接していない部分は乾燥有効面積に相当
しない。隙間をあけずに重合生成物をシート上に積載す
ると、乾燥途中に膨れた重合生成物が重なった状態で乾
燥するため乾燥効率が低下してしまう。この様な膨れ
は、加熱温度が比較的低温では問題ないが、高くなるほ
ど起こり易いので、加熱温度を160℃以上にする場合
には、重合生成物の積載面積を乾燥有効面積の80%以
下にすることが好ましい。また積載部分の厚さはできる
だけ均一にすることが乾燥効率を上げる上で好ましい。
【0027】上記の加熱乾燥によって得られる重合体
は、ガラス転移温度が低いため乾燥温度では可塑化して
おり、そのままでは剥離および取扱いにおいて著しく支
障をきたすため、60℃以下に冷却してからシートより
剥離する必要がある。冷却方法としては冷水等を利用し
た冷却板の接触による冷却、冷風による冷却等が用いら
れ、接触型や非接触型および上方や下方あるいは両方か
らの冷却を自由に行うことができる。
【0028】本発明においては上記の条件を任意に組み
合わせて乾燥することが可能であるが、生産性を考慮す
る上で乾燥効率が100(g/m2・hr)以上の条件で
乾燥することが好ましく、更には300(g/m2・h
r)以上の条件であればより好ましい。乾燥後に得られ
る重合体中の水分は10重量%以下が好ましく、5重量
%以下が更に好ましい。水分が10重量%以上では乾燥
が不十分であり、粘着性が高いのでシートから剥離する
ことが難しく、後工程で破砕を行って粉末化することが
困難になる。
【0029】シートより剥離して得られる重合体は、線
状やシート状もしくはフィルム状として得られ、これは
用途によってはそのままで適当な大きさに裁断して製品
化することもできるが、水への再溶解性を高める上で
は、これらを破砕して粉末化し必要により分級して製品
化することもできる。
【0030】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例によって制限を受けるもので
はない。なお、下記実施例に採用した物性試験法は以下
の通りである。
【0031】積載面積の乾燥有効面積に対する比率(積
載面積率と略記)(%):{(A)/(B*C*0.1
*D)}*100 (ただしAは重合体含水溶液の積載重量(g/hr)、
Bは乾燥有効面積(cm2/hr)、Cは塗布厚み(m
m)、Dは重合生成物の比重をそれぞれ示す) 乾燥効率(g/m2・hr):乾燥有効面積1m2*1hr当り
得られる乾燥重合体の重量 重合体中の水分(wt%):乾燥重合体を粉砕して得た
粉末約1gをシャーレーに厚みが約1mm以下になるよ
うに積載し、105℃で180分乾燥を行なった後の重
量減により水分を求める。
【0032】重合体の貯蔵安定性:乾燥直後の重合体粉
末を再溶解したときの10重量%水溶液粘度(A)と、
重合体粉末を60℃で30日貯蔵した後に再溶解したと
きの10重量%水溶液粘度(B)を測定し、B/Aから
貯蔵安定性を評価する。(数値が1に近いほど良好) 重合体の水への溶解性:10重量%水溶液を室温で3時
間放置したときの不溶物の有無から溶解性を評価する。
【0033】
【重合例1】温度計、窒素導入管、攪拌機および還流冷
却器を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水11
94gを仕込み、100℃まで昇温した。次に1重量%
2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン2塩酸塩水
溶液70gと30重量%アクリル酸水溶液2666gを
60分にわたって常圧下、沸点温度にて連続的に滴下
し、攪拌下重合反応を行なった。さらに1重量%2,
2’−アゾビス−2−アミジノプロパン2塩酸塩水溶液
70gを60分間常圧下、沸点温度にて連続的に滴下
し、滴下終了後、系の沸点温度でさらに30分間攪拌し
重合反応を完了し、固形分20重量%のポリアクリル酸
水溶液(重合生成物P1)を得た。
【0034】
【重合例2】温度計、窒素導入管、攪拌機および還流冷
却器を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水20
34gを仕込み、100℃まで昇温した。次に10重量
%2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン2塩酸塩
水溶液70gと80重量%アクリル酸水溶液1600g
を120分にわたって常圧下、沸点温度にて連続的に滴
下し、重合反応を行なった。更に48重量%水酸化ナト
リウム水溶液296gを20分間常圧下、沸点温度にて
連続的に滴下し、滴下終了後、系の沸点温度でさらに3
0分間攪拌し重合反応を完了し、固形分34重量%で中
和率30モル%のポリアクリル酸塩水溶液(重合生成物
P2)を得た。
【0035】
【重合例3】温度計、窒素導入管、攪拌機および還流冷
却器を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水82
0gと無水マレイン酸466gを仕込み、100℃まで
昇温した。次に10重量%2,2’−アゾビス−2−ア
ミジノプロパン2塩酸塩水溶液500gと80重量%ア
クリル酸水溶液1714gを120分にわたって常圧
下、沸点温度にて連続的に滴下し、重合反応を行なっ
た。滴下終了後、系の沸点温度でさらに30分間攪拌し
重合反応を完了し、固形分56重量%のポリアクリル酸
マレイン酸共重合体水溶液(重合生成物P3)を得た。
【0036】
【重合例4】温度計、窒素導入管、攪拌機および還流冷
却器を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水12
24gを仕込み、100℃まで昇温した。次に2重量%
過硫酸ナトリウム水溶液40gと30重量%アクリル酸
水溶液2666gを60分にわたって常圧下、沸点温度
にて連続的に滴下し、重合反応を行なった。さらに2重
量%過硫酸ナトリウム水溶液70gを15分間常圧下、
沸点温度にて連続的に滴下し、滴下終了後、系の沸点温
度でさらに30分間攪拌し重合反応を完了し、固形分2
0重量%のポリアクリル酸水溶液(重合生成物P4)を
得た。
【0037】
【重合例5】温度計、窒素導入管、攪拌機および還流冷
却器を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに2
00gのメタクリル酸および水780gを仕込み、攪拌
しながら窒素ガスを吹き込み水溶液中に溶存している酸
素を除去した後、20重量%2,2’−アゾビス−2−
アミジノプロパン2塩酸塩20gを投入し、60℃の恒
温槽に浸した。水溶液は5分後から増粘し始め、重合開
始後15分後に最高温度79℃を示した。3時間後に固
形分20重量%のポリメタクリル酸水溶液(重合生成物
P5)を得た。
【0038】
【実施例1〜11および比較例1〜3】前記した重合例
1〜5で得られた重合生成物A1〜A5を、下記乾燥法
1〜3に示す方法で重合生成物の積載厚みや積載面積
率、加熱条件や冷却条件を種々変更して乾燥を行ない、
得られた各重合体の物性を評価した。結果を表1〜表3
に一括して示した。
【0039】乾燥法1 図1に示した回転式乾燥装置のような、一対のローラ2
aおよび2bにより回転する耐熱温度260℃のガラス
繊維布にテフロンを含浸させたエンドレスベルト1の下
方から、加熱板4により伝熱加熱および冷却板5により
伝熱冷却する方式の乾燥法を採用した。加熱条件および
冷却条件を表1〜表3に示す様に変更して乾燥を行っ
た。加熱板の長さは100cm、冷却板の長さは20c
mとした。このベルト上に各重合生成物Pを表1〜表3
に示した厚さおよび積載面積率となる様に、重合生成物
供給部3の下端に設けた首振りノズルを用いて供給し、
連続的に乾燥を行った。乾燥後スクレーパ6により剥離
させて各重合体を得た。
【0040】乾燥法2 横方向に熱風を送りながら乾燥するタイプの熱風乾燥機
を使用し、その中の金網上に、重合生成物Pを耐熱温度
260℃のテフロン製シートに表1に示した厚さおよび
積載面積率で塗布してから載置し、表1に示す条件で熱
風乾燥および冷風冷却を行なった。冷却後シートから剥
離させて重合物を得た。
【0041】乾燥法3 乾燥法2におけるテフロン製シートの代わりに耐熱温度
135℃のポリカーボネートシートに変更し、加熱・冷
却条件を表1の通りとする以外は、乾燥法2と同様に操
作した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】表1〜表3から明らかなように、本発明の
方法で得られた重合体は、貯蔵安定性や水への再溶解性
に優れ黄変しないものであり、高い乾燥効率で剥離性に
も問題がなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば水への再溶解性、再溶解
後の増粘作用の貯蔵安定性等の全てにおいて非常に優れ
た(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を効率よく製造す
ることができる。そして本発明で得られる重合体は、そ
の優れた増粘作用をいかして、増粘剤、粘着剤、吸水
剤、凝集剤等として幅広く活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で採用した乾燥法1を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ベルト 2a,2b ローラ 3 重合生成物供給部 4 加熱板 5 冷却板 6 スクレーパ P 重合生成物

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸またはその塩からな
    る(メタ)アクリル酸(塩)系単量体を水溶液重合した
    のち重合生成物から水分を除去して(メタ)アクリル酸
    (塩)系重合体を製造するに当り、重合生成物中に含ま
    れる酸基の中和率を50モル%以下としたのち、重合生
    成物をシート上に0.5〜10mmの厚みで積載し80
    〜230℃で加熱乾燥して水分の分離除去を行ない、得
    られた中和率50モル%以下の(メタ)アクリル酸
    (塩)系重合体を60℃以下に冷却してからシートより
    剥離することを特徴とする(メタ)アクリル酸(塩)系
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶液重合する際のラジカル重合開始剤
    として水溶性アゾ系化合物を用いる請求項1記載の(メ
    タ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合生成物の積載面積が乾燥有効面積の
    80%以下となるように、シート上に重合生成物を積載
    しない部分を設けておく請求項1または2記載の(メ
    タ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
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