JP2608938B2 - 波形補間装置 - Google Patents

波形補間装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子楽器等の波形補間装置に関するもので
ある。
従来の技術 近年、電子楽器にはVCF等によるフィルタリングを施
す前にキーボード等で選択された種々の周波数の所定波
形の信号を発振させる発振手段としてディジタル技術を
用いた波形補間方式が導入されている。このような方式
を用いた波形補間装置は例えば特開昭51−9348号公報、
あるいは、特開昭51−14015号公報に詳述されている。
以下図面を参照しながら上述の波形補間装置について
説明する。
第5図は従来の波形補間装置の構成を示すものであ
る。
第5図において、1はアドレス発生部、2と3及び4
は波形メモリ、9は補間演算部、6は入力に応じた0〜
1の間の補間係数を出力する関数部、10及び13は加算
器、11は減算器、12は乗算器である。
以上のように構成された波形補間装置について、以下
その動作について説明する。
アドレス発生部1は、波形合成出力をしたい楽器音の
音の高さ、いわゆる音高P[Hz]に比例した大きさのア
ドレスインクリメント成分aをサンプリング周波数Fs
[Hz]に同期した累積加算をすることによってアドレス
を算出しパラレルアドレス信号として出力する。
この時、(1)式の関係が成立する。
但し、Nは波形メモリ2と3及び4に記憶される一周
期波形の構成データの語長を表すものとする。
(1)式より,aが0.5,1.0,2.0と変化するにつれてP
は1オクターブずつ高くなることがわかる。ここで、ア
ドレスインクリメント成分aを小数としたが、これを11
Bitからなる正整数表示の小数扱いデータとして新たに
アドレスインクリメント成分Sとする。また、アドレス
発生部1のアドレスAを20Bitからなるデータとして、
アドレスインクリメント成分SとアドレスAの最小Bit
(LSB)を同位桁として累積加算するものとし、さら
に、語調N=1024(波形アドレス10Bit)の一周期波形
をアドレスAによって繰り返し読み出すものとするとき
これらのデータの関係は第6図のように表される。この
時(1)式は、(2)式のように変形することができ
る。
(2)式においてSを任意に与えることによって出力楽
音の音高Pを制御することが可能となるが第6図に示し
たアドレス整数部Aiだけが波形アドレスを変化させるこ
とが可能であり、アドレス小数部Amのみが変化しても波
形アドレスは変化しないので、いわゆるジッタと呼ばれ
る雑音が発生する原因となり、これを軽減するために第
5図のような波形補間装置が提案されている。
この装置においてアドレス発生部1がアドレスAを出
力すると、そのアドレス整数部Aiは波形メモリ2へ、ま
た加算器10によって1だけインクリメントされたアドレ
ス整数部が波形メモリ3へ入力される。入力されたアド
レス整数部に対応した波形アドレスの波形データXとY
とが各々波形メモリ2と3とから出力される。この時、
波形メモリ2と3とは、物理的に異なったメモリである
必要はなく波形メモリ4に対して順次に入力されるアド
レス整数部に対して順次に波形データXと波形データY
とが出力されるようにしてもよい。
即ち、波形メモリ2と3に記憶されている波形データ
は同一の波形であり、波形データXとYとは、時間的に
連続する波形データである。従って波形メモリ2に記憶
した波形データを時分割的に読み出すようにしてもよ
い。その場合には波形データXとYとは連続するアドレ
スに記憶されていることとなる。
波形データXとYとは、減算器11によって減算され
て、その出力(Y−X)は、乗算器12によって関数部6
から出力される補間係数Hと乗算された後に加算器13に
よって波形データAと加算され、補間波形データDとし
て出力される。以上によって、(3)式が達成されるこ
とになる。
D=(Y−X)・H+X …(3) 但し、補間係数Hは0から1までの値をとるものとす
る。
このような補間係数Hを出力する関数部6は、例え
ば、アドレス小数部Amを変数とする関数を演算するよう
にしてもよいし、或は、アドレス小数部Amをアドレス入
力とする補間係数メモリの対応するアドレスに補間係数
を記憶させておき、これを読み出すようにしてもよい。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成では補間すべき波形
データがどの様な波形データであっても一律に同じ補間
係数を関数部が発生するようにしているために、波形デ
ータによっては波形歪が非常に大きくなるという問題点
を有していた。
本発明は、上記問題点に鑑みて、補間すべき波形デー
タがどのような波形データであっても波形歪を軽減する
ことの出来る波形補間装置を提供するものである。
課題を解決するための手段 この目的を達成するために、本発明の波形補間装置
は、出力すべき音高に対応して変化するアドレスを出力
するアドレス発生部と、波形データと前記波形データに
対応する補間関数選択データとを記憶する波形メモリ
と、前記アドレスの整数部に従って前記波形メモリから
読み出される補間関数選択データと前記アドレスの小数
部とに対応して補間係数値を出力する補間係数メモリ
と、前記アドレスの整数部に従って前記波形メモリから
読み出される時間的に連続した2つの波形データと前記
補間係数値とから出力すべき補間波形データを演算出力
する補間演算部とから構成される。
作用 この構成によって、補間演算部では、アドレス発生部
から出力される音高に対応して更新されるアドレスの整
数部の値によって補間すべき2つの波形データが決定さ
れる。そしてアドレス発生部より読み出されるアドレス
には補間関数選択データが含まれ、それにより選択され
た補間関数は補間係数メモリに与えられる。補間係数メ
モリでは、選択データによって指定された補間関数と、
アドレス発生部から出力されるアドレスの小数部とから
決定した補間係数を出力する。補間演算部では、2つの
波形データと補間係数とから補間演算によって算出した
補間波形を出力することとなる。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。
第1図は本発明の一実施例における波形補間装置のブ
ロック図を示すものである。
第1図において、5は補間演算部、7は関数発生器、
8は関数セレクタである。なお、1はアドレス発生部、
2と3及び4は波形メモリ、10及び13は加算器、11は減
算器、12は乗算器で、これらは従来例の構成と同じもの
である。
従来例と同様にしてアドレス発生部1から出力される
20Bitからなるアドレス信号Aのアドレス整数部Ai(上
位10Bit)に対応して波形メモリ2の波形アドレスAiか
ら波形データXが出力され、波形メモリ3の波形アドレ
ス(Ai+1)から波形データYが出力される。補間すべ
き2つの波形データXとYとのうち、先行する波形デー
タXには後続する波形データYとの間で使用すべき補間
関数を選択するテーブルフラグが含まれているものとす
る。同様にして波形データYにはこれに後続する波形デ
ータZとの間で使用すべき補間関数を選択するテーブル
フラグが含まれているものとする。1つの波形データ全
体を16Bitとし、そのうち下位4Bitをテーブルフラグと
するときの波形データ構成Bitを第2図に示す。従って
補間演算に使用する波形データは12Bitとなり加算器11
及び13では、波形データXあるいはYの上位12Bitのみ
が加算器や乗算器の演算に使用されるものとする。関数
セレクタ8は波形データXの下位4Bitのみをテーブルフ
ラグとして取り出して、これを関数発生器7へ出力す
る。
関数発生器7は、テーブルフラグによって選択可能な
補間関数の数、即ちテーブルフラグが4Bitのときには16
個の補間関数を発生することが出来る。1個の補間関数
から1個の補間係数を発生するためにアドレス発生部1
から出力されるアドレス信号Aの小数部Am(以下10Bi
t)の上位4Bitにテーブルフラグを付加した14Bitのデー
タを、アドレス入力とする16Kwordの補間係数メモリと
して関数発生器7を構成することが出来る。
関数発生器7は、関数セレクタ8から出力される4Bit
のテーブルフラグとアドレスAの小数部Amとから補間係
数Hを決定し出力する。
補間演算部5は、関数発生器7から出力される補間係
数Hを使用して従来例と同様の動作で波形データXとY
の上位12Bitの値xとyとについて減算器11、加算器13
及び乗算器12によって補間波形を算出し出力する。
関数発生器7で発生可能な補間関数M0からM15の例を
第3図に示す。また、第4図に波形データXと波形デー
タYの上位12Bitの値x,yと、アドレス小数部Am(0、
1、・・・、1023)と、xとyとの間で得たい実線の補
間波形と、補間関数M2およびM3を用いたときの補間波形
とを示す。図から明らかなようにこの場合補間関数とし
てはM2を選択した方が歪が少ないのでテーブルフラグと
しては2が波形データXの下位4Bitに含まれていること
になる。
以上のように本実施例によれば、1つの波形データの
中に実際の波形値とテーブルフラグとを組合せ記憶させ
るようにしたのでテーブルフラグメモリを別途に設ける
必要がなくメモリ効率のよく波形メモリを構成すること
が出来る。更に、記憶させておいたテーブルフラグとア
ドレス小数部とから合成したデータをアドレスとして補
間係数メモリから読み出すだけで、選択した補間関数か
ら出力すべき補間係数を得ることが出来るようにしたの
で補間係数を得るための特別な演算処理を行う必要の無
い波形補間装置を得ることが出来る。
発明の効果 本発明は、補間演算に使用する補間関数を1つに固定
せずに、複数の補間関数の中から補間関数を任意に選択
使用できるようにしたので、波形データ毎にあらかじめ
補間歪の小さな、最適の補間関数の選択用のテーブルフ
ラグを記憶させることができる。こうすれば最適の補間
関数を用いて補間演算が可能な波形補間装置を実現でき
る。また、補間関数メモリに記憶させた補間関数を読み
出して補間演算を実施するようにしたために直線補間以
外の補間関数も直線補間と同じ演算量で実行することが
できるというという格別の効果を発揮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における波形補間装置のブロ
ック図、第2図は波形データ構成図、第3図は補間関数
曲線図、第4図は補間波形関係図、第5図は従来の波形
補間装置のブロック図、第6図は従来例におけるデータ
構成説明図である。 1…アドレス発生部、2,3,4…波形メモリ、5…補間演
算部、7…関数発生器、8…関数セレクタ、10,13…加
算器、11…減算器、12…乗算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 雅浩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 畠中 正彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−239494(JP,A) 特開 昭60−147793(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力すべき音高に対応して変化するアドレ
    スを出力するアドレス発生部と、 波形データと前記波形データに対応する補間関数選択デ
    ータとを記憶する波形メモリと、 前記アドレスの整数部に従って前記波形メモリから読み
    出される補間関数選択データと前記アドレスの小数部と
    に対応して補間係数値を出力する補間係数メモリと、 前記アドレスの整数部に従って前記波形メモリから読み
    出される時間的に連続した2つの波形データと前記補間
    関数値とから出力すべき補間波形データを演算出力する
    補間演算部とから構成される波形補間装置。
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