JP2607995B2 - 廃発泡プラスチック等の廃プラスチック材の処理方法および処理装置 - Google Patents

廃発泡プラスチック等の廃プラスチック材の処理方法および処理装置

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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は廃発泡プラスチック、廃
プラスチック等の廃プラスチック材を手等で簡単に粉砕
でき、かつ燃料として使用できるように処理する廃発泡
プラスチック等の廃プラスチック材の処理方法および処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃発泡プラスチック製品や廃プラ
スチック製品は破砕、切断、粉砕等の機器を用いて容積
が小さくなるように加工し、産業廃棄物処理場に埋設処
理している。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】従来の埋設処理では
前処理として廃発泡プラスチック等を破砕、切断、粉砕
等の機器を使用するため、その作業に膨大な電力等のエ
ネルギーが必要で、コスト高になるとともに、振動、騒
音、粉塵等が発生し、作業環境が非常に悪いという欠点
があった。また、産業廃棄物処理場までの輸送費や埋設
費がかかり、処理コストが高くつくという欠点があっ
た。
【0004】本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、
破砕機、切断機、粉砕機等を用いることなく、容易に容
積を小さくすることができるとともに、有害ガスの発生
しない、容易に粉砕でき、取扱いの容易な燃料にできる
廃発泡プラスチック等の廃プラスチック材の処理方法お
よび処理装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は廃発泡プラスチック、廃プラスチック等を
ベルトコンベアーで移送する移送工程と、この移送工程
の途中で移送されてくる廃発泡プラスチック、廃プラス
チック等に110°C〜180゜Cに加熱された植物性
油をふりかけて容積を減少させる減容積化工程と、この
減容積化工程で減容積化された所定量の廃プラスチッ
ク、所定量の植物性油および所定量の水酸化カルシウム
等のアルカリ性の添加剤を入れ、220°C〜300°
Cに加熱混練して化学反応させる加熱混練工程と、この
加熱混練工程後に水中へ投入して冷却し、脆い軽石状に
凝固させる凝固工程とで廃発泡プラスチック等の廃プラ
スチック材の処理方法を構成している。
【0006】
【作用】上記のように構成された廃発泡プラスチック、
廃プラスチック等の廃プラスチック材の処理方法は、減
容積化工程で廃発泡プラスチック、廃プラスチック等に
ふりかけられる加熱された植物性油によって溶解し、小
さくなる。減容積化された廃プラスチックは植物性油と
水酸化カルシウム等のアルカリ性の添加剤が加えられ2
20°C〜300°Cで加熱混練され、化学反応させる
ことにより冷却凝固して燃料にした場合に、有害ガスの
発生がなく、かつ手等で簡単に粉砕できる燃料になる。
【0007】
【本発明の実施例】以下、図面に示す実施例により、本
発明を詳細に説明する。
【0008】図1の本発明の第1の実施例において、1
は廃発泡ブラスチック、廃ブラスチック等の廃プラスチ
ック材をベルトコンベアーで移送する移送工程である。
【0009】2は前記移送工程1の途中で移送されてく
る廃発泡プラスチック、廃ブラスチック等の廃プラスチ
ック材に110°C〜180°Cに加熱された植物性油
をふりかけて容積を減少させる減容積化工程である。
【0010】3は加熱混練工程で、この加熱混練工程3
は前記減容積化工程2で減容積化された廃プラスチック
を50〜85重量パーセントと、てんぷら等で使用した
廃植物性油を10〜30重量パーセントと、水酸化カル
シウム、カセイソーダー、重曹、炭酸水素ナトリウム等
のアルカリ性の添加剤を5〜30重量パーセント入れ、
220°C〜300゜Cに加熱しながら混練して化学反
応させるもので、この加熱混練によって廃プラスチック
に含まれている有害な塩化水素を塩化カルシウム等に変
える。
【0011】4は前記加熱混練工程3で加熱混練されて
化学反応した物質を冷却して凝固させる凝固工程で、こ
の凝固工程4は加熱混練されて化学反応した物質を板状
にして水中へ落下させて凝固させ、燃料とする。この凝
固された燃料は取扱いが容易となる、手で粉砕できる軽
石状になっている。したがって、所定の大きさになった
ままで燃料として使用されたり、あるいは粉砕して粉状
燃料として使用される。
【0012】上記のような方法で処理される廃発泡プラ
スチック、廃ブラスチック等の廃プラスチック材は、図
2ないし図5に示す廃発泡プラスチック、廃ブラスチッ
ク等の廃プラスチック材処理装置5が使用される。
【0013】この廃発泡プラスチック、廃ブラスチック
等の廃プラスチック材処理装置5は、廃発泡プラスチッ
ク、廃ブラスチック等の廃プラスチック材6を移送する
ベルトコンベアー7と、このベルトコンベアー7上に廃
発泡プラスチック、廃ブラスチック等の廃プラスチック
材6を投入する部位を除く部位の上部および両側部を覆
うケース体8と、前記ベルトコンベアー7の下部を覆う
ように前記ケース体8の下部に固定された中央に凹部9
を有する回収槽10と、前記ケース体8の上部に設置さ
れた前記ベルトコンベアー7によって移送されてくる廃
プラスチック材6に110゜C〜180゜Cのてんぷら
油等の廃植物性油11をふりかける植物性油ふりかけ装
置12と、前記回収槽10の凹部9内に溜まった植物性
油を前記植物性油ふりかけ装置12へ供給する植物性油
還流装置13と、前記ベルトコンベアー7によって移送
されてくる減容積化された廃プラスチック6Aが落下収
納されるように該ベルトコンベアー7の先端下部に設置
された加熱混練装置14と、この加熱混練装置14に植
物性油を供給する植物性油供給装置15と、前記加熱混
練装置14に水酸化カルシウム、カセイソーダー、重
曹、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ性の添加剤16を
供給する添加剤供給装置17と、前記加熱混練装置14
で加熱混練され化学反応した物質を冷却凝固させる該加
熱混練装置14の下部に設置された水槽18と、前記植
物性油ふりかけ装置12でふりかけられる植物性油を1
10゜C〜180°Cに加熱する加熱装置19と、前記
加熱混練装置14から排出される、化学反応した物質に
水を散布して有害ガスの発生を除去する水散布装置20
とから構成されている。
【0014】前記植物性ふりかけ装置12は前記ケース
体8の上部に設置された植物性油収納槽21と、この植
物性油収納槽21に形成した、収納され植物性油をオー
バーフロー状態で面シャワー状に落下させる落下口22
と、この落下口22の下部に設置された油散霧羽根23
とから構成されている。
【0015】前記植物性油還流装置13は、前記回収槽
10の凹部9と前記植物性油収納槽21とを連通する供
給パイプ24と、この供給パイプ24に接続された前記
回収槽10の凹部9内に設置された耐熱ポンプ25とか
ら構成されている。
【0016】前記加熱混練装置14は筒状の加熱筒26
と、この加熱筒26内に取付けられた混練スクリュー2
7と、前記加熱筒26の一端上部に取付けられた該加熱
筒26内に減容積化された廃プラスチック6A、添加剤
16および植物性油11が投入されるストック用仕切板
28aを備えるホッパー28と、前記加熱筒26の他端
下部に形成された長溝状の排出口29と、前記混練スク
リュー27を回転駆動させ前記ベルトコンベアー7も駆
動させる駆動装置30と、前記加熱筒26を加熱する加
熱装置31とから構成されている。
【0017】前記水散布装置20は水槽18内に設置さ
れたホンプ32と、このポンプ32の吐出口に接続され
た前記加熱混練装置14の排出口29より排出される化
学反応した物質にシャワー状に散布するノズル33が先
端部に取付けられたパイプ34とから構成されている。
【0018】上記構成の廃発泡プラスチック等の廃プラ
スチック材処理装置5は、駆動装置30を作動させベル
トコンベアー7および混練スクリュー27を駆動させ
る。
【0019】一方、加熱装置19を作動させて植物性油
収納槽21内の植物性油11が110°C〜180゜C
になるように加熱し、植物性油収納槽21、ベルトコン
ベアー7、回収槽10、耐熱ポンプ25、供給パイプ2
4、植物性油収納槽21と環流させる。
【0020】この状態で、ベルトコンベアー7に廃発泡
プラスチック製品や廃プラスチック製品を投入し、移送
し、移送途中で110°C〜180°Cに加熱された植
物性油がふりかけられ溶解して容積が減少された状態と
なり、加熱混練装置14の加熱筒26内へ供給される。
【0021】この加熱筒26内には溶解した廃プラスチ
ック6Aと添加剤16および植物性油11が前述した割
合で供給されるとともに、加熱装置31で220゜C〜
300゜Cに加熱され混練スクリュー27の回転によっ
て混練され、効率よく化学反応される。混練スクリュー
27で十分に混練され化学反応された物質Xは排出口2
9より水槽18内へ落下され、冷却凝固される。排出口
29より排出される化学反応された物質Xには水が散布
され、該物質Xより放出される有害ガスと反応させて、
有害ガスの発生を阻止する。
【0022】したがって、有害ガスの発生しない廃発泡
プラスチック、廃プラスチック等の廃プラスチック材6
の処理の場合には、水散布装置20は使用しなくてもよ
い。
【0023】
【本発明の異なる実施例】次に図6ないし図8に示す本
発明の異なる実施例につき説明する。なお、この本発明
の異なる実施例の説明に当って、前記本発明の実施例と
同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略
する。
【0024】図6ないし図8の実施例において、前記本
発明の実施例と主に異なる点は加熱混練装置14Aで、
この加熱混練装置14Aはベルトコンベアー7からホッ
パー28を介して直接加熱筒26内へ減容積化された廃
プラスチック6Aが収納されるとともに、該加熱筒26
内で所定時間加熱混練できるように中央部が中空のリボ
ン状の混練スクリュー27Aを用いた点で、このように
構成された加熱混練装置14Aを用いた廃プラスチック
材処理装置5Aは加熱筒26内にあらかじめ設定された
量の植物性油11を植物性油供給装置15で供給すると
ともに、添加剤16を添加剤供給装置17で供給し、し
かる後、ベルトコンベアー7から所定量の減容化された
廃プラスチック6Aを投入して加熱混練し、化学反応を
行なわせる作業を行なってもよい。なお、35は排出口
29に備えた開閉バルブである。
【0025】また、ベルトコンベアー7から減容積化さ
れた廃プラスチック6Aを加熱筒26内に投入させなが
ら、あるいは所定量投入後あらかじめ設定された植物性
油11と添加剤16とを投入して加熱混練し、化学反応
を行なわせるように処理してもよい。
【0026】なお、前記本発明の実施例では前記植物性
油11を加熱する加熱装置19として回収槽10内の植
物性油11を110゜C〜180゜Cに加熱するものに
ついて説明したが、本発明はこれに限らず、植物性油収
納槽21内の植物性油11を110°C〜180゜Cに
加熱する加熱装置を用いてもよい。なお、加熱装置とし
ては電熱ヒーター、気体や液体の燃焼用バーナー、固型
燃料の燃焼装置等の従来一般に使用されているものが使
用される。
【0027】
【本発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発
明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0028】(1)廃発泡プラスチック、廃プラスチッ
ク等をベルトコンベアーで移送する移送工程と、この移
送工程の途中で移送されてくる廃発泡プラスチック、廃
プラスチック等に110゜C〜180゜Cに加熱された
植物性油をふりかけて容積を減少させる減容積化工程
と、この減容積化工程で減容積化された所定量の廃プラ
スチック、所定量の植物性油および所定量の水酸化カル
シウム等のアルカリ性の添加剤を入れ、220°C〜3
00°Cに加熱混練して化学反応させる加熱混練工程
と、この加熱混練工程後に水中へ投入して冷却し、脆い
軽石状に凝固させる凝固工程とでなるので、ベルトコン
ベアー上の移送される廃発泡スチロール、廃プラスチッ
ク等の廃プラスチック材に110°C〜180°Cに加
熱された植物性油をふりかけて小さな容積に減容積化す
ることができる。したがって、効率よく廃プラスチック
材を減容積化することができる。
【0029】(2)前記(1)によって、110°C〜
180°Cに加熱された植物性油をふりかけるだけであ
るので、構造が簡単で、容易に実施することができる。
【0030】(3)前記(1)によって、減容積化工程
では有害ガスが発生しない110゜C〜180゜Cの加
熱であるので、安全に行なうことができる。
【0031】(4)前記(1)によって、減容積化され
た廃プラスチック、植物性油および水酸化カルシウム等
のアルカリ性の添加剤とを加えて220°C〜300°
Cに加熱混練するので、廃プラスチックが溶解したり、
燃焼する場合に発生する有害成分である塩化水素が添加
剤との化学反応によって除去されるとともに、化学反応
によって凝固した場合に、手で簡単に粉砕できる取扱い
が容易な燃料にできる。したがって、加工が容易で、燃
料として使用しやすい状態にできる。
【0032】(5)請求項2、3も前記(1)〜(4)
と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を示す工程図。
【図2】本発明の処理装置の概略断面図。
【図3】本発明の処理装置の概略平面図。
【図4】本発明の処理装置の加熱混練装置の説明図。
【図5】本発明の処理装置の水散布装置の説明図。
【図6】本発明の異なる実施例の処理装置の説明図。
【図7】本発明の異なる実施例の加熱混練装置の説明
図。
【図8】本発明の異なる実施例の水散布装置の説明図。
【符号の説明】
1:移送装置、 2:減容積化工程、 3:加熱混練工程、 4:凝固工程、 5、5A:廃プラスチック材処理装置、 6:廃プラスチック材、 7:ベルトコンベアー、 8:ケース体、 9:凹部、 10:回収槽、 11:植物性油、 12:植物性油ふりかけ装置、 13:植物性油還流装置、 14、14A:加熱混練装置、 15:植物性油供給装置、 16:添加剤、 17:添加剤供給装置、 18:水槽、 19:加熱装置、 20:水散布装置、 21:植物性油収納槽、 22:落下口、 23:油散霧羽根、 24:供給パイプ、 25:耐熱ポンプ、 26:加熱筒、 27、27A:混練スクリュー、 28:ホッパー、 29:排出口、 30:駆動装置、 31:加熱装置、 32:ポンプ、 33:ノズル、 34:パイプ、 X:化学反応された物質。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃発泡プラスチック、廃プラスチック等
    をベルトコンベアーで移送する移送工程と、この移送工
    程の途中で移送されてくる廃発泡プラスチック、廃プラ
    スチック等に110°C〜180°Cに加熱された植物
    性油をふりかけて容積を減少させる減容積化工程と、こ
    の減容積化工程で減容積化された所定量の廃プラスチッ
    ク、所定量の植物性油および所定量の水酸化カルシウム
    等のアルカリ性の添加剤を入れ、220゜C〜300°
    Cに加熱混練して化学反応させる加熱混練工程と、この
    加熱混練工程後に水中へ投入して冷却し、脆い軽石状に
    凝固させる凝固工程とを含むことを特徴とする廃発泡プ
    ラスチック等の廃プラスチック材の処理方法。
  2. 【請求項2】 廃発泡プラスチック、廃プラスチック等
    をベルトコンベアーで移送する移送工程と、この移送工
    程の途中で移送されてくる廃発泡プラスチック、廃プラ
    スチック等に110°C〜180°Cに加熱された植物
    性油をふりかけて容積を減少させる減容積化工程と、こ
    の減容積化工程で減容積化された廃プラスチックが50
    〜85重量パーセント、植物性油が10〜30重量パー
    セントおよび水酸化カルシウム等のアルカリ性の添加剤
    が5〜30重量パーセント入れ、220°C〜300゜
    Cに加熱混練して化学反応させる加熱混練工程と、この
    加熱混練工程後に水中へ投入して冷却し、脆い軽石の帯
    状に凝固させる凝固工程とを含むことを特徴とする廃発
    泡プラスチック等の廃プラスチック材の処理方法。
  3. 【請求項3】 廃発泡プラスチック、廃プラスチック等
    を移送するベルトコンベアーと、このベルトコンベアー
    上に廃発泡プラスチック、廃プラスチック等を投入する
    部位を除く部位を覆うように形成されたケース体と、こ
    のケース体の上部に設置された前記ベルトコンベアーで
    移送されてきた廃発泡プラスチック、廃プラスチック等
    に110゜C〜180°Cの植物性油をふりかける植物
    性油ふりかけ装置と、前記ケース体の下部に設置された
    前記植物性油ふりかけ装置でふりかけられた植物性油を
    回収する回収槽と、前記ベルトコンベアーで植物性油を
    ふりかけられ容積が減少した状態で移送されてきた廃プ
    ラスチックが収納されるように、該ベルトコンベアーの
    先端下部に設置された220°C〜300゜Cで加熱混
    練する加熱混練装置と、この加熱混練装置に植物性油を
    供給する植物性油供給装置と、前記加熱混練装置に水酸
    化カルシウム等のアルカリ性の添加剤を供給する添加剤
    供給装置と、前記加熱混練装置から排出される化学反応
    した物質を冷却凝固させる、該加熱混練装置の排出口の
    下部に設置された水槽と、前記回収槽内の植物性油を前
    記植物性油ふりかけ装置へ供給する植物性油環流装置
    と、前記植物性油ふりかけ装置でふりかける植物性油を
    110°C〜180°Cに加熱する加熱装置とからなる
    ことを特徴とする廃発泡プラスチック等の廃プラスチッ
    ク材の処理装置。
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