JP2607827Y2 - 油圧プレス機械 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本考案は金型を水平方向へ移動さ
せてワークに対して相対的な移動位置決めを行い、ワー
クに対して油圧の作用によりプレス加工を行う金型移動
式の油圧プレス機械に関する。 【０００２】 【従来の技術】金型移動式の油圧プレス機械について説
明すると、フレームには、金型を備えた金型ヘッド、こ
の金型を昇降作動させる油圧シリンダを備えたシリンダ
ヘッドが例えば水平方向へ移動可能に設けてある。上記
油圧シリンダは、曲げ変形可能な油圧ホースを介して油
圧源に接続してある。 【０００３】上記構成により、金型ヘッドを水平方向へ
移動させることにより金型をワークに対して相対的に水
平方向へ移動位置決めを行う。また金型ヘッドの移動に
対応して、シリンダヘッドを水平方向へ移動させること
により、油圧シリンダを金型に対応する位置に移動位置
決めする。そして、油圧シリンダの作動により金型を下
降させることにより、ワークに対して所望のプレス加工
を行うことができる 【０００４】 【考案が解決しようとする課題】しかし、従来の金型移
動式の油圧プレス機械においては、金型の水平方向の移
動に対応して、シリンダヘッド、油圧シリンダが水平方
向へ移動するため、油圧ホースも適宜曲げ変形しつつ移
動する。したがって、油圧ホースが移動量に対応して長
くなり、コストが高くなると共に油圧ホースに大きなス
ペースがとられる。また、油圧ホースが曲げ変形可能と
いえ、油圧ホースの切れ等の損傷による油洩れのおそれ
がある。 【０００５】そこで、本考案は、上記の問題点を解決す
ることができる油圧プレス機械を提供することを目的と
する。 【０００６】 【課題を解決するための手段】前述のごとき従来の問題
点を解決するため、本考案においては、フレームに、金
型を備えた金型ヘッドと、この金型を金型ヘッドに対し
て昇降させる油圧シリンダを備えたシリンダヘッドをそ
れぞれ水平方向へ移動可能に設け、この油圧シリンダに
Ｔ型継手の基部を接続し、このＴ型継手の一端及び他端
に可動油圧スリーブをＴ型継手に対して出没する水平方
向へ移動自在にそれぞれ接続し、各可動油圧スリーブに
固定油圧スリーブを可動油圧スリーブに対して出没する
水平方向へ相対的に移動自在にそれぞれ接続し、各固定
油圧スリーブを上記フレームに対して水平方向へ移動不
能にそれぞれ構成し、一方の可動油圧スリーブを油圧ホ
ースを介して油圧源に接続してなることを特徴とする。 【０００７】なお、金型ヘッドとシリンダヘッドを一体
的に設けても差し支えない。 【０００８】 【作用】前記の手段において、金型ヘッドを水平方向へ
移動させて、金型を水平方向の所定位置に移動位置決め
する。また、シリンダヘッドを水平方向へ移動させて、
油圧シリンダと金型を上下に対向させる。このとき、一
対の可動油圧スリーブがＴ型継手に対して出没する水平
方向へ移動し、一対の固定油圧スリーブが可動油圧スリ
ーブに対して出没する方向へ相対的に移動することによ
り、一対の固定油圧スリーブがフレームに対して水平方
向へ移動することなく、Ｔ型継手をシリンダヘッドと一
体的に水平方向へ移動させることができる。換言すれ
ば、一対の固定油圧スリーブをフレームに対して固定し
た状態の下で、Ｔ型継手をシリンダヘッドと一体的に水
平方向へ移動させることができる。 【０００９】そして、油圧シリンダ内に油圧源から油圧
ホース、油圧スリーブを介して供給することにより、油
圧シリンダを作動させ金型を下降させ、上下に対向した
一対の金型の間に位置したワークに対して所望のプレス
加工を行う。 【００１０】 【実施例】以下、本実施例に係る考案について図面を参
照して説明する。 【００１１】図３を参照するに、本実施例に係る油圧プ
レス機械１における本体フレーム３は、上下に対向した
上部フレーム５と下部フレーム７を備えてブリッジ型に
構成してある。 【００１２】上記上部フレーム５には左右方向（図３に
おいて左右方向）へ延伸した上部ガイドレール９が設け
てあり、上部ガイドレール９には上部金型１１を備えた
上部金型ヘッド１３がガイドナット１５を介して左右方
向へ移動自在に設けてある。上記上部金型１１は昇降可
能であり、打ち抜き加工、成形加工等のプレス加工の種
類に応じて上部金型ヘッド１３に対して着脱することが
できる。 【００１３】上記上部金型ヘッド１３を左右方向へ移動
させるため、上部フレーム５には金型ヘッド用サーボモ
ータ１７に接続しかつ左右方向へ延伸した上部ボールね
じ１９が軸受２１を介して回転可能に設けてあり、上部
金型ヘッド１３はこの上部ボールねじ１９に螺合したナ
ット部材２３を一体的に備えている。 【００１４】同様に、上記下部フレーム７には左右方向
へ延伸した下部ガイドレール２５が設けてあり、下部ガ
イドレール２５には下部金型２７を備えた下部金型ヘッ
ド２９がガイドナット３１を介して左右方向へ移動自在
に設けてある。上記下部金型２７は上部金型１１と協働
してワークＷに対してプレス加工を行うものであり、下
部金型ヘッド２９に対して着脱可能である。 【００１５】上記下部金型ヘッド２９を左右方向へ移動
させるため、下部フレーム７には左右方向へ延伸した下
部ボールねじ３３が軸受３５を介して回転可能に設けて
あり、下部金型ヘッド２９はこの下部ボールねじ３３に
螺合したナット部材３７が一体的に備えてある。そし
て、上部ボールねじ１９と下部ボールねじ３３を同期し
て回転させるため、上部ボールねじ１９と下部ボールね
じ３３はプーリ３９，４１、タイミングルト４３を介し
て連動連結してある。 【００１６】図１、図２、図３を参照するに、上記上部
フレーム５には左右方向へ延伸した上部ガイド部材４５
が設けてあり、この上部ガイド部材４５には上部金型１
１を昇降させる上部油圧シリンダ４７を備えた上部シリ
ンダヘッド４９がガイドナット５１を介して左右方向へ
移動自在に設けてある。なお、上部油圧シリンダ４７に
おけるピストン５３には上部金型１１を打圧するラム５
５が一体的に設けてある。上部シリンダヘッド４９を左
右方向へ移動させるため、上部フレーム５にはシリンダ
ヘッド用サーボモータ（図示省略）に接続しかつ左右方
向（図１、図２、図３において左右方向）へ延伸した上
部ボールねじ５７が回転可能に設けてあり、上部シリン
ダヘッド４９は上部ボールねじ５７に螺合したナット部
材５９を備えている。 【００１７】同様に、前記下部フレーム７には左右方向
へ延伸した下部ガイド部材６１が設けてあり、この下部
ガイド６１には下部金型２７を昇降させる下部油圧シリ
ンダ６３を備えた下部シリンダヘッド６５が左右方向へ
移動可能に設けてある。そして、下部シリンダヘッド６
５は、上部ボールねじ５７に連動連結した下部ボールね
じ（図示省略）、ナット部材（図示省略）の作用により
上部金ヘッド４９で同期して左右方向へ移動することが
できる。 【００１８】上記上部油圧シリンダ４７を作動させる油
圧回路装置６７について図１、図２を参照して説明する
と、上部油圧シリンダ４７は上下に上側油圧室、下側油
圧室を備えており、上側油圧室にはＴ型継手６９の基部
６９ａが接続してあり、このＴ型継手６９の一端６９ｂ
及び他端６９ｃには可動油圧スリーブ７１がそれぞれ左
右方向へ移動自在に接続されている。各可動スリーブ７
１がＴ型継手６９から離脱しないようにするため、各可
動スリーブ７１の先端には離脱防止用のフランジ７３が
一体的に設けてあり、Ｔ型継手６９の端部６９ｂ，６９
ｃ及び各可動油圧スリーブ７１のフランジ７３にはＯリ
ング７５が介在してある。なお、Ｔ型継手６９には上部
フレーム５に設けたガイド部材７６に左右方向へ移動自
在に支持されている。 【００１９】各可動油圧スリーブ７１には固定油圧スリ
ーブ７７がそれぞれ左右方向へ相対的に移動自在に接続
されており、固定油圧スリーブ７７が可動油圧スリーブ
７１から離脱しないようにするため、各固定油圧スリー
ブ７７の基端には離脱防止用のフランジ７９が設けてあ
る。各固定油圧スリーフ７７の先端部は上部フレーム５
の適宜位置に支持ブラケット８１を介して固定してあ
り、一方の固定油圧スリーブ７７は曲げ変形可能な油圧
ホース８３を介して油圧源（図示省略）に接続してあ
る。なお、可動油圧スリーブ７１の先端部及び固定油圧
スリーブ７７のフランジ７９にはＯリング８５が介在し
てある。 【００２０】上述のＴ型継手６９、油圧スリーブ７１，
７７等と同様の構成のＴ型継手、油圧スリーブ等は上部
油圧シリンダ４７における下側油圧室、下部油圧シリン
ダ６３における上側油圧室、下側油圧室に接続してあ
る。 【００２１】前述の構成に基づいて本実施例の作用につ
いて説明する。 【００２２】金型ヘッド用サーボモータ１７の駆動によ
り金型ヘッド用の上部ボールねじ１９、下部ボールねじ
３３を同期して回転させる。これによって、上部金型ヘ
ッド１３、下部金型ヘッド２９を左右方向へ移動させ
て、上部金型ヘッド１３と下部金型ヘッド２９の間に位
置するワークに対して相対的な左右方向の移動位置決め
を行うことができる。また、シリンダヘッド用サーボモ
ータの駆動によりシリンヘッド用の上部ボールねじ５
７、下部ボールねじを同期して回転させる。これによっ
て、上部シリンダヘッド４９、下部シリンダヘッド６５
を左右方向へ移動させて、上部金型１１と上部油圧シリ
ンダ４７、下部金型２７と下部油圧シリンダ６３をそれ
ぞれ上下に対向させることができる。このとき、一対の
可動油圧スリーブ７１がＴ型継手６９に対して出没する
左右方向へ移動し、一対の固定油圧スリーブ７７が可動
油圧スリーブ７１に対して出没する左右方向へ相対的に
移動することにより、一対の固定油圧スリーブ７７が上
部フレーム５に対して左右方向へ移動することなく、Ｔ
型継手６９を上部シリンダヘッド４９と一体的に左右方
向へ移動させることができる。換言すれば、一対の固定
油圧スリーブ７７を上部フレーム５に対して固定した状
態の下で、Ｔ型継手６９を上部シリンダヘッド４９と一
体的に左右方向へ移動させることができる。 【００２３】以上のごとき本実施例によれば、一対の固
定油圧スリーブ７７が上部フレーム５に対して左右方向
へ移動することなく、Ｔ型継手６９を上部シリンダヘッ
ド４９と一体的に左右方向へ移動させることができるた
め、上部シリンダヘッド４９が左右方向へ移動すると
き、油圧ホース８３は左右方向へ移動したりすることが
ない。したがって、油圧ホース８３が長くなることを極
力押えて低コスト化が図れ、油圧ホース８３によって大
きなスペースがとられることもない。更に、油圧ホース
８３の切れ等の損傷による油洩れのおそれがなく、作業
能率向上の効果を奏する。 【００２４】また、一対の固定油圧スリーブ７７を上部
フレーム５に対して固定した状態の下で、Ｔ型継手６９
を左右方向へ移動させることができるため、上部シリン
ダヘッド４９が左右方向へ移動するとき、油圧スリーブ
（一対の可動油圧スリーブ７７及び一対の固定油圧スリ
ーブ７１）、Ｔ型継手６９の合わせた容積はほぼ一定に
保って、油圧スリーブ７７，７１内及びＴ型継手６９内
の油圧の変動を押えることができる。そのため、移動に
伴い上部シリンダヘッド４９に作用する抵抗を抑制し
て、上部シリンダヘッド４９の移動を高速かつ滑らかに
行うことができる。 【００２５】 【考案の効果】以上のごとき実施例の説明により理解さ
れるように、一対の固定油圧スリーブがフレームに対し
て水平方向へ移動することなく、Ｔ型継手をシリンダヘ
ッドと一体的に水平方向へ移動させることができるた
め、シリンダヘッドが水平方向へ移動するとき、油圧ホ
ースは水平方向へ移動したりすることがない。したがっ
て、油圧ホースが長くなることを極力押えて低コスト化
が図れ、油圧ホースによって大きなスペースがとられる
こともない。更に、油圧ホースの切れ等の損傷による油
洩れのおそれがなく、作業能率向上の効果を奏する。 【００２６】また、一対の固定油圧スリーブをフレーム
に対して固定した状態の下で、Ｔ型継手を水平方向へ移
動させることができるため、シリンダヘッドが水平方向
へ移動するとき、油圧スリーブ（一対の可動油圧スリー
ブ及び一対の固定油圧スリーブ）、Ｔ型継手の合わせた
容積はほぼ一定に保って、油圧スリーブ内及びＴ型継手
内の油圧の変動を押えてることができる。そのため、移
動に伴いシリンダヘッドに作用する抵抗を抑制して、シ
リンダヘッドの移動を高速かつ滑らかに行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】本実施例の要部である油圧回路装置の正面図で
ある。 【図２】上記油圧回路装置の平面図である。 【図３】油圧プレス機械の正面図である。 【符号の説明】 １ 油圧プレス機械 ５ 上部フレーム １１ 上部金型 １３ 上部金型ヘッド ４７ 上部油圧シリンダ ４９ 上部シリンダヘッド ６９ Ｔ型継手 ７７ 固定油圧スリーブ ８３ 油圧ホース

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 フレームに、金型を備えた金型ヘッド
   と、この金型を金型ヘッドに対して昇降させる油圧シリ
   ンダを備えたシリンダヘッドをそれぞれ水平方向へ移動
   可能に設け、この油圧シリンダにＴ型継手の基部を接続
   し、このＴ型継手の一端及び他端に可動油圧スリーブを
   Ｔ型継手に対して出没する水平方向へ移動自在にそれぞ
   れ接続し、各可動油圧スリーブに固定油圧スリーブを可
   動油圧スリーブに対して出没する水平方向へ相対的に移
   動自在にそれぞれ接続し、各固定油圧スリーブを上記フ
   レームに対して水平方向へ移動不能にそれぞれ構成し、
   一方の固定油圧スリーブを油圧ホースを介して油圧源に
   接続してなることを特徴とする油圧プレス機械。