JP2606946B2 - Ti‐Wターゲット材およびその製造方法 - Google Patents

Ti‐Wターゲット材およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体テバイスに使用されるバリアメタル
層の形成に用いられるTi−Wターゲット材およびその製
造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年のLSIの高集積化に伴い、Al配線のマイグレーシ
ョン対策としてバリアメタル層が必要となってきた。
バリアメタル層としては、Ti−W薄膜(代表的にはTi
10wt.%−Wの組成を有する。)が多く使用され、その
形成法としてはターゲットをスパッタリングする方法が
採用されている。
本薄膜用Ti−Wターゲット材は、一般にW粉末とTi粉
末とを混合し、ホットプレスすることにより製造されて
いる。
しかしながら、出発原料としてTi粉末を用いた場合、
その酸素含有量が高いことが問題となる。
すなわち、一般にW粉末の場合、99.999%以上の高純
度の粉末を入手することができるが、Tiはそのような高
純度の粉末を得ることが困難である。
これは、Tiが非常に活性であるために酸素と結合しや
すく、例えば高純度スポンジTiを電子ビーム溶解すると
いう高純度プロセスを採用してインゴットを得たとして
も、その後の粉砕工程で容易に酸化して、酸素含有量が
増大するためである。
また、Ti自体の粉砕性が劣るため、粉砕時間が長期化
し、そのため酸素含有量の増大を助長する傾向にある。
この問題を解決したTi−Wターゲット材の製造方法と
して、特開昭63−303017号、あるいは米国特許4,838,93
5号に開示されたものがある。
特開昭63−303017号、米国特許4,838,935号に開示さ
れたTi−Wターゲット材の製造方法は、出発原料として
Ti粉の代りに水素化Ti粉末を使用する点に特徴があり、
この水素化チタン粉末とW粉末とを混合し、生成混合粉
を脱水素後あるいは脱水素しつつホットプレスすること
を特徴とするTi−Wターゲット材の製造方法である。こ
の水素化チタン粉末は、それ自体酸化防止に有効である
とともに、Ti粉末に比べ粉砕性が良好であるため、酸素
ピックアップ量を減ずることができるのである。
特開昭63−303017号には具体的製造方法として、高純
度Ti粉を水素化したのち、Ar雰囲気中でボールミルにて
粉砕し、これと高純度W粉末とをAr雰囲気でV形ミキサ
を用いて混合し、しかるのち600〜700℃の温度範囲で真
空または不活性雰囲気で脱水素処理を施し、その後混合
粉を真空下で1200〜1500℃、250kg/cm2以上、30分〜2
時間の条件でホットプレスする方法が示されており、得
られた焼結体ターゲット材の酸素含有量は、350〜800pp
mとなっている。
米国特許4,838,935号にもほぼ同様な製造方法が示さ
れており、粒径37μm以下(望ましくは20μm以下)の
W粉末と粒径150μm以下(望ましくは100μm以下)の
水素化Ti粉末とを、ツインシェルブレンダー(twin−sh
ell blender)等の公知の混合手段で混合した後、脱水
素処理し、次いで1350〜1550℃、2000〜5000psiの条件
でホットプレス焼結する方法が記載され、酸素含有量を
およそ900ppm以下に制限することを可能としている。
〔発明が解決しようとする課題〕 以上のように、特開昭63−303017号、米国特許4,838,
935号に開示された製造方法は、酸素含有量の少ないタ
ーゲット材を得ることを可能とする有効な技術である。
しかしながら、本発明者は特開昭63−303017号等の製
造方法で製造したターゲット材においても、以下のよう
な問題点を有することを知見した。
すなわち、特開昭63−303017号等の教示にしたがって
製造されたターゲット材を用いて成膜した薄膜に、いわ
ゆるパーティクルが多数存在することである。
パーティクルの発生原因については明確でない点もあ
るが、発生原因の1つとして、焼結体ターゲットの場
合、粒子同士の結合が弱い部分が存在し、スパッタした
場合にスパッタ時のエネルギーにより当該部分の粒子同
士の結合が切れ、微粒子となって飛散し、これがウェハ
ー上に付着することが掲げられている。その他、粗大Ti
粒の存在が発生原因と考えられる。すなわち、粗大Ti粒
間にW粒が取り込まれており、これをスパッタすると原
子量の軽いTiが選択的にスパッタされる結果、ターゲッ
ト上に残存するW粒が突起状になり、飛散しやすい状態
になるためである。
このパーティクルは数μmの大きさを有するため、数
μm幅の電極、配線を断線させ、LSIの不良原因の1つ
となる。
そこで本発明は、薄膜のパーティクル発生を低減し、
かつ酸素含有量が低くいTi−Wターゲット材およびその
製造方法の提供を課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前記Ti−Wターゲット材の組織を観察
したところ粗大Ti粒およびTi偏析の存在が確認され、粗
大Ti粒等がパーティクルの発生に影響しているのではな
いかと推測した。
そして、さらに検討したところ、粉砕性の良好な水素
化チタンとW粉末とをV型ミキサ等による単なる混合で
はなく、ボールミルのような粉砕と混合を同時に行ない
うる手段を用いて、機械的に粉砕しつつ混合して得られ
た混合粉末を用い、W粒とTi粒を含めたターゲット材の
平均粒径を5μm以下とし、最大Ti粒径を20μm以下に
し、かつTi偏折がなくTiがターゲット材全体に均一に分
散した組織とすればパーティクルを極めて低減できるこ
とを知見し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳述する。
本発明において、水素化チタン粉末を用いるのは、上
述のように粉砕性がTi粉末に比べて良好であることに加
え、低酸素含有量とするのに有効だからである。
水素化チタン粉末は、純度99.99%以上、粒度75μm
以下のものを市販品として購入可能であり、これを使用
すればよい。なお、本発明において高純度水素化チタン
粉末とは純度99.99%以上のものをいう。
この水素化チタン粉末は、高純度Ti粉末を水素化する
ことにより得ることができる。
高純度Ti粉末を得る手段としては、高純度スポンジチ
タンを電子ビーム溶解して、インゴットを作り、これを
旋盤等により粉砕する方法、ハロゲン化物分解法(特に
沃化物分解法)を利用する方法等が掲げられるが、生産
性等も考慮すると前者の方法が望ましい。
高純度Ti粉末の水素化は、水素気流中で約300〜500℃
の温度範囲で所定時間加熱保持することにより達成され
る。ただし、水素のみでは水素化が急激に進行し処理炉
内が負圧となり、危険であるため、不活性ガス(例えば
アルゴン)と水素の混合気流中で実施することが推奨さ
れる。
一方、W粉末はTi粉末よりも高純度(純度99.999%)
かつ微粒(平均粒径50μm以下)のものを容易に入手で
きる。なお、本発明において高純度W粉末とは純99.999
%以上のものをいう。高純度W粉末の製造方法として
は、混式精製法(例えば特開昭60−60425号)、イオン
交換精製(例えば特開昭62−295338号)等が知られてい
る。
次に、本発明においては、以上の水素化チタン粉末と
W粉末は、機械的に粉砕しつつ混合するが、この点が本
願発明の最大の特徴である。
すなわち、特開昭63−303017号に開示されているV形
ミキサ、あるいは米国特許4,838,935号に開示されてい
るツインシェルブレンダーによる混合のみでは、W粉末
(比重19.3)と水素化チタン粉末(同3.7)の比重差の
ため、均一に混合するのは困難であり、水素化チタンが
凝集してしまうケースもあり、そのため均一組織のター
ゲット材を得ることができないが、本願発明のように粉
砕も同時に行なわれる混合方法を採用することによりW
粉末と水素化チタン粉末を均一に混合することが可能と
なる。
また、粉砕も同時に行なう混合方法を採用することに
より、水素化チタン粉末とW粉末同士、水素化チタン粉
末粉同士、およびW粉末同士の密着性が非常に良くなる
ため、後の焼結、圧密化過程での反応拡散性が向上す
る。この結果、焼結後の粒子同士の結合が強くなり、パ
ーティクルの発生が抑制されるものと考えられる。
混合粉末の密着性向上は、比較的低温の焼結で高密度
化を可能とするという効果をもたらす。
すなわち、本発明におけるパーティクルの発生抑制効
果は、微細な水素化チタン粉末およびW粉末が均一に粉
砕され、かつ密着性が向上した状態で混合された粉末を
用いることにより、ターゲット材の組織が均一微細とな
り、さらに粒子同士の結合強度が向上したことの相乗効
果によるものと推察される。
本発明のように、水素化チタン粉末とW粉末を機械的
に粉砕しつつ混合することにより、初めてターゲット材
全体の平均粒径5μm以下、最大Ti粒径20μm以下であ
り、かつTi粒子が均一に分散した微細組織のターゲット
材を得ることができる。水素化チタン粉末を平均粒径5
μm以下に予め粉砕しておき、これに平均粒径5μm以
下のW粉末を混合する方法では、それぞれの比重差のた
め均一な混合粉末を得ることができず、その結果水素化
チタンの凝集も生じやすいので、本発明のような均一か
つ微細組織は得られない。
また、粉砕と混合を同時に実施することにより酸素含
有量の点においても利点がある。すなわち、特開昭63−
303017号では水素化チタン粉のみを一旦粉砕した後W粉
末と混合しているのに対し、本発明では粉砕と混合を同
時に行なうため、特開昭63−303017号の方法より汚染の
機会が減り、これにより酸素含有量増大抑制に効果があ
る。
本発明における粉砕と混合を同時に実施する具体的手
段としては、ボールミル、アトライター、振動ミル等の
公知の装置が適用できる。ただし、ここで例示したもの
に限らず、水素化チタン粉末とW粉末を粉砕しつつ混合
できる手段であれば特に限定されない。
以下、ボールミルの場合を例にとって、望ましい粉砕
混合方法について説明する。
使用するボールミルは、汚染防止のため、W板(Ti板
でも可)により、ポット内壁をシールし、使用するボー
ルもW製(Ti製でも可)のものとする。また、粉砕・混
合雰囲気であるが、酸化防止のため、非酸化雰囲気にす
る必要がある。
一例としては、ポットの構造を工夫し、ポット内を真
空排気し、その後Arガスを置換しAr雰囲気で粉砕・混合
する。場合によってはアルコール、アセトン等を用いた
湿式粉砕・混合でも良い。ただし、後工程が増え、汚染
の危険性が発生するので、できれば乾式が望ましい。こ
のような粉砕混合方法により、混合粉のO2含有量を600p
pm以下に抑えることが可能である。ボールミルで粉砕、
混合すると、水素化チタン粉が非常に粉砕性が良いた
め、短時間で容易に微粒化が可能である。混合終了の基
準としては、混合粉末の平均粒径が5μm以下になった
ときとする。それは、前述のように、平均粒径が5μm
を越えるターゲット材では、薄膜にパーティクルが多数
発生するからであり、米国特許4,838,935号に開示され
るように、W 37μm以下、水素化Ti 150μm以下程度の
粒径の粉末を単に混合したのみでは、パーティクルの発
生を低減することはできない。
粉砕・混合条件(投入量、回転数、ボール数等)を最
適にした場合、粉砕時間1hr程度で混合粉末の平均粒径
を5μm以下に粉砕可能である。
以上のように、粉砕、混合された水素化チタン、W粉
末は、次いで脱水素処理に供される。脱水素処理は、Ti
H2→Ti+H2の反応を起させる処理であり、真空中は不活
性ガス雰囲気下において、600〜700℃の温度範囲に加熱
保持することにより実施される。
本発明に限らず、HIP処理する場合には、粉末表面に
吸着されているガス成分を除去する等の目的のため、粉
末をHIP缶内に充填後、加熱しつつ真空排気するという
手段を一般的に採用しているが、本発明においては、こ
の工程に脱水素処理の意義をも持たせているものであ
る。したがって、本発明において加圧焼結としてHIP処
理を採用する場合、脱水素処理工程を新たに設ける必要
がないという利点がある。
脱水素処理された混合粉末は、次いで加圧焼結され
る。
加圧焼結の具体的手段としては、熱間静水圧プレス
(以下HIP)またはホットプレスが適用できる。
HIP処理を適用する場合、ボールミル等で粉砕、混合
された粉末は、圧密用封入缶(いわゆるHIP缶)内に充
填される。その後、HIP缶を真空排気しながら、600〜70
0℃に加熱し、脱水素処理(TiH2→Ti+H2)を行なう。
脱水素処理終了後HIP缶は封止され、HIP処理に供され
る。HIP処理は、このように封止された缶内で加圧、焼
結が進行するため、加圧、焼結過程での酸化等の汚染を
防止できるという利点をも有する。
HIP処理条件としては、HIP温度1150〜1350℃、HIP圧
力1000atm以上、保持時間1hr以上が望ましい。
HIP温度を1150℃以上とするのは、これ未満の温度で
は、十分な密度の焼結体を得ることが困難であり、一
方、1350℃以下とするのは、これを越える温度ではHIP
缶が破損されるおそれがあるからである。HIP温度の好
ましい範囲は、1200〜1300℃である。
HIP圧力を1000atm以上とするのは、やはりこれ未満の
圧力では、十分な密度の焼結体を得ることが困難だから
である。
HIP時間は、HIP温度、HIP圧力により変化させるが、
前記温度、圧力では1時間以上の保持時間で、99.9%以
上のほぼ真密度の焼結体を得ることができる。
HIP処理終了後は、HIP缶を除去し、機械加工により所
望寸法のターゲット材を得る。
次にホットプレスを適用する場合について説明する。
ホットプレスにおいては、脱水素処理された粉末をダ
イケースに充填した後、後述の条件で加圧焼結するか、
または例えば特開昭63−303017号に開示されるように、
脱水素処理しつつ加圧焼結するというように、2つの手
段のいずれかを採用することができる。
ホットプレス条件は、温度1200〜1450℃、圧力250kg/
cm2以上、時間30分以上とすることが望まれる。
温度を1200℃以上とするのは、これ未満では十分な焼
結密度を得ることが困難であるからであり、1450℃以下
とするのはこれを越えると酸化の問題および結晶粒粗大
化の問題が生じてくるからである。望ましくは1250〜14
00℃である。
圧力を250kg/cm2以上とするには、これ未満ではやは
り十分な焼結密度を得ることが困難だからである。圧力
は高いほど望ましく、装置の能力が許す限り高圧力を採
用することが望ましい。
時間は、温度、圧力により変動するが、前記温度圧力
では、30分以上の保持時間とすることにより、99.9%以
上のほぼ真密度の焼結体を得ることができる。
ただし、ホットプレスにより焼結する場合、HIPと同
等の高焼結密度を得るためには、焼結温度をHIPと比べ5
0〜100℃程度高くする必要があり、このため、特に大型
のターゲット材の場合はHIPによるターゲット材と比較
して若干組織が粗くなる傾向にある。
以上のように、HIPまたはホットプレスにより得られ
た焼結体は、混合粉末の平均粒径を5μm以下にしてお
り、かつW粉との拡散性が良いため、20μm以上のTi粒
は観察されない。W粒に関しても比較的低温で加圧焼結
をするため、粒成長はなくターゲット材全体の平均粒径
で5μm以下である。さらに、Tiの偏析も存在しない。
また、上述したようにボールミル等の混合により、W
粉末と水素化チタン粉末とが機械的に粉砕混合され密着
性が良いため焼結時の拡散性が良く、粒子同士の結合力
も高い。さらに、比較的低温で容易に密度比99.9%以上
の高密度化が達成される。
一方、焼結体の酸素含有量は600ppm以下、代表的には
500ppm前後とすることができる。
本発明において、酸素以外の不純物としてNa、K、Li
等のアルカリ金属元素、およびU、Th等の放射性元素を
低減することが要求される。
そこで本発明においては、アルカリ金属元素を100ppb
以下、放射性元素を1ppb以下に限定することが望まし
い。
〔実施例〕
(実施例1) 高純度W粉末(純度99.999%以上,平均粒径5μm以
下)と高純度水素化チタン粉末(純度99.99%以上,平
均粒径75μm以下)とを水素化チタン10.36wt%になる
ように配合し、W内張りのポットとW製ボールを使用し
た専用ボールミル内に投入する。ポット内を真空排気し
た後、Arガスで置換し非酸化雰囲気にした後、90分間粉
砕しつつ混合を行なった。
混合粉の粒度を確認したところ、20μm以上の水素化
チタン粉末は観察されず、平均粒径は4μmであった。
また、混合粉の酸素含有量を測定したところ、540ppmで
あった。得られた混合粉を内径φ400のHIP缶内に充填
し、5×10-5Torrに真空排気しながら、700℃×24hr加
熱し、脱水素処理を行なった。脱水素後封止し、1250℃
×2hr、1000atmの条件でHIP処理を行なった。得られた
焼結体を機械加工し、φ300のターゲット材を得た。
本ターゲット材の組織写真を第1図に示すが、平均粒
径は4μmであり、20μm以上のTi粒は観察されず微細
組織を有している。また、Tiの偏析も見られず、均一組
織であることがわかる。
また、密度比も99.9%以上であり、ほぼ真密度であっ
た。
酸素含有量は550ppmであり、混合粉の段階での酸素含
有量と大差はなかった 本ターゲット材をスパッタし、成膜したところ、発生
したパーティクル数は50ケ以下/6inch(152.4mm)ウェ
ハーであった。
(実施例2) 高純度W粉末(純度99.999%以上,平均粒径5μm以
下)と高純度水素化チタン粉末(純度99.99%以上,平
均粒径75μm以下)とを水素化チタン10.36wt%になる
ように配合し、W内張りのポットとW製ボールを使用し
た専用ボールミル内に投入する。ポット内を真空排気し
た後、Arガスで置換し非酸化雰囲気にした後、90分間粉
砕しつつ混合を行なった。
混合粉の粒度を確認したところ、20μm以上の水素化
チタン粉末は観察されず、平均粒径は4μmであった。
また、混合粉の酸素含有量を測定したところ、540ppmで
あった。
得られた混合粉末を真空加熱炉へ投入し、700℃×24h
rの条件で脱水素処理した。冷却後、炉から取り出し、
粉末を内径φ400のホットプレス用ダイスに充填し、130
0℃×300kg/cm2×0.5hrの条件でホットプレスした。得
られた焼結体を機械加工しφ300のターゲット材を得
た。
本ターゲット材の組織を観察したところ、実施例1の
HIPで加圧焼結したターゲット材と比較すると若干粒が
大きいものの、平均粒径は4.5μmであり、また20μm
以上のTi粒、Ti偏析も観察されず均一微細な組織を有し
ていた。
また、密度比も99.9%以上であり、ほぼ真密度であっ
た。
酸素含有量は580ppmであり、混合粉の段階での酸素含
有量より若干増加しているものの、実用上問題となるも
のでない。
本ターゲット材をスパッタし、成膜したところ、発生
したパーティクル数は50〜80ケ/6inch(152.4mm)ウェ
ハーであった。
(比較例1) 高純度W粉末(純度99.999%以上,平均粒径5μm以
下)と高純度チタン粉末(純度99.99%以上,平均粒径7
5μm以下)とをTi 10wt%になるように配合し、W内張
りのポットとW製ボールを使用した専用ボールミル内に
投入する。ポット内を真空排気した後、Arガスで置換し
非酸化性雰囲気にした後、90分間粉砕しつつ混合を行な
った。混合粉の粒度を確認したところ、Ti粉末はほとん
ど粉砕されておらず、80%以上が50μm以上であった。
また、Tiは非常に酸化し易いため、混合粉酸素含有量は
1320ppmであった。この混合粉を内径φ400のホットプレ
ス用ダイスに充填し、1300℃×300kg/cm2×0.5hrの条件
でホットプレスした。焼結体を所定の形状に機械加工し
ターゲット材とした。
本ターゲット材の組織を観察したところ、50μm以上
の粗大Ti粒が多数存在することが見出された。なお、本
ターゲット材のミクロ組織写真を第2図に示しておく。
また、酸素含有量は1500ppmであった。
本ターゲット材をスパッタし成膜したところ、発生し
たパーティクル数は500〜1000ケ/6inch(152.4mm)ウェ
ハーであった。
(比較例2) 高純度W粉末(純度99.999%以上,平均粒径5μm以
下)と高純度水素化チタン粉末(純度99.99%以上,平
均粒径75μm以下)を予備的に10μm以下まで粉砕した
ものを水素化チタン10.36wt%になるように配合し、V
形ミキサーで混合した。得られた混合粉末を真空加熱炉
へ投入し、700℃×24hrの条件で脱水素処理した。冷却
後、炉から取り出し、粉末を内径φ400のホットプレス
用ダイスに充填し、1300℃×300kg/cm2×0.5hrの条件で
ホットプレスした。焼結体を所定の形状に機械加工して
φ300のターゲット材を得た。ターゲット材とした。
本ターゲット材の組織を観察したところ、50μm以上
の粗大Ti粒が見られる上、Tiの偏析が著しいことがわか
る。なお、本ターゲット材のミクロ組織写真を第3図に
示しておく。
本ターゲット材をスパッタし、成膜したところ、発生
したパーティクル数は500〜1000ケ/6inch(152.4mm)ウ
ェハーであった。
〔発明の効果〕
本発明で得られたTi−Wターゲット材は、均一微細な
均一組織を有し、LSI用のバリアメタル薄膜を形成する
際に、ウェハー上に発生するパーティクル数が著しく少
なく、かつ低酸素であるので半導体装置を製造する上で
極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1にて製造された本発明ターゲット材
の金属ミクロ組織写真(600倍)、第2図および第3図
はそれぞれ本発明以外の方法である比較例1、2で製造
されたターゲット材の金属ミクロ組織写真(ともに600
倍)である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ターゲット材全体の平均粒径5μm以下、
    最大Ti粒径20μm以下であり、かつTi粒子が均一に分散
    した微細組織を有し、酸素含有量が600ppm以下であるこ
    とを特徴とするTi−Wターゲット材。
  2. 【請求項2】密度比が99.9%以上である請求項1記載の
    Ti−Wターゲット材。
  3. 【請求項3】高純度W粉末と高純度水素化Ti粉末とを、
    非酸化性雰囲気で平均粒径5μm以下まで機械的に粉砕
    しつつ混合し、次いで脱水素処理した後、または脱水素
    処理しつつ加圧焼結することを特徴とするTi−Wターゲ
    ット材の製造方法。
  4. 【請求項4】高純度W粉末と高純度水素化チタン粉末と
    を、非酸化性雰囲気で平均粒径5μm以下まで機械的に
    粉砕しつつ混合し、混合粉末を圧密用封入缶内に充填
    し、缶内を真空排気後加熱して脱水素処理し、しかる後
    熱間静水圧プレスにて加圧焼結することを特徴とするTi
    −Wターゲット材の製造方法。
  5. 【請求項5】高純度W粉末と高純度水素化チタン粉末と
    を、非酸化性雰囲気で平均粒径5μm以下まで機械的に
    粉砕しつつ混合し、次いで脱水素処理した後、または脱
    水素処理しつつホットプレスにて加圧焼結することを特
    徴とするTi−Wターゲット材の製造方法。
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