JP2606235Y2 - 差動装置の潤滑構造 - Google Patents

差動装置の潤滑構造

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JP2606235Y2 JP1992078615U JP7861592U JP2606235Y2 JP 2606235 Y2 JP2606235 Y2 JP 2606235Y2 JP 1992078615 U JP1992078615 U JP 1992078615U JP 7861592 U JP7861592 U JP 7861592U JP 2606235 Y2 JP2606235 Y2 JP 2606235Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車に設けられる
差動装置の潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】差動装置には、従来、実開昭61‐28
944号公報で示されるものがある。
【0003】これによれば、デフケースの回転中心を通
る軸心上でこのデフケースの側部に円形孔が形成される
と共にこの円形孔よりも上記デフケースの内部側に上記
円形孔よりも径大の他の円形孔が形成されている。ま
た、同上軸心上に配設されたデフサイドギヤが上記円形
孔に回転自在に嵌入されるギヤ軸と、このギヤ軸の一端
に取り付けられ上記他の円形孔に回転自在に嵌入される
上記ギヤ軸よりも径大のギヤ本体とで構成されている。
【0004】また、上記の場合、円形孔の内周面とギヤ
軸の外周面とは互いに摺接した「摺接部」となってい
て、この「摺接部」は油溝を通して供給される潤滑油で
潤滑されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成では、他の円形孔の内周面とギヤ本体の外周面とは互
いに近接した「近接部」となっているが、この「近接
部」には油溝が存在しないため、この「近接部」を潤滑
油は多量に通過することはできない。
【0006】このため、上記「摺接部」に入り込んだ潤
滑油が、この潤滑油に生じる遠心力で上記「摺接部」よ
りも径方向の外方に位置する上記「近接部」にまで流動
しても、それ以上に流動することはこの「近接部」に阻
まれて、ここに停滞することとなり、よって、潤滑油が
高温化で劣化するなどして、上記「摺接部」における潤
滑が不十分になるおそれがある。
【0007】そこで、上記「摺接部」に対し、強制潤滑
手段により多量の潤滑油を供給して所定の潤滑を確保さ
せるようにすることが考えられるが、この場合には、強
制潤滑手段を設けた分、差動装置の構成が複雑になると
いう問題がある。
【0008】
【考案の目的】この考案は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、デフケースに形成された両円形孔の
内周面と、ギヤ軸とギヤ本体のうち少なくともいずれか
一方の外周面との「摺接部」に対する潤滑が、強制潤滑
手段による潤滑油の供給によらないで、簡単な構成によ
って、より確実にできるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの考案の特徴とするところは、デフケースの回転中
心を通る軸心上で、このデフケースの側部に円形孔を形
成すると共にこの円形孔よりも上記デフケースの内部側
に上記円形孔よりも径大の他の円形孔を形成し、同上軸
心上に配設されたデフサイドギヤを、上記円形孔に回転
自在に嵌入されるギヤ軸と、このギヤ軸の一端に取り付
けられ上記他の円形孔に回転自在に嵌入される上記ギヤ
軸よりも径大のギヤ本体とで構成し、上記円形孔と他の
円形孔の内周面に対し上記ギヤ軸とギヤ本体のうち少な
くともいずれか一方を支承させた差動装置において、
【0010】一端が上記デフケースの側部外方に向って
開口し、他端が同上デフケースの内部に向って延びる第
1油溝を上記円形孔の内周面に形成し、かつ、一端が上
記第1油溝におけるデフケースの内部側端に連通し、他
端が同上デフケースの内部に向って延びる第2油溝を上
記他の円形孔の内周面に形成し、上記第2油溝の他端を
上記軸心の径方向での上記第1油溝よりも外方位置でか
つ上記ギヤ本体の径方向外方に向ってデフケースの内部
に開口させ、上記第1油溝の上記一端に潤滑油を供給す
るようにし
【0011】上記第1油溝を上記軸心に沿ってほぼ直線
的に延びるよう形成した点にある。
【0012】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0013】デフケース6の回転中心を通る軸心9上
で、このデフケース6の側部に円形孔11を形成すると
共にこの円形孔11よりも上記デフケース6の内部側に
上記円形孔11よりも径大の他の円形孔28を形成し、
同上軸心9上に配設されたデフサイドギヤ15を、上記
円形孔11に回転自在に嵌入されるギヤ軸16と、この
ギヤ軸16の一端に取り付けられ上記他の円形孔28に
回転自在に嵌入される上記ギヤ軸16よりも径大のギヤ
本体18とで構成し、上記円形孔11と他の円形孔28
の内周面に対し上記ギヤ軸16とギヤ本体18のうち少
なくともいずれか一方を支承させた差動装置において、
【0014】一端が上記デフケース6の側部外方に向っ
て開口し、他端が同上デフケース6の内部に向って延び
る第1油溝30を上記円形孔11の内周面に形成し、か
つ、一端が上記第1油溝30におけるデフケース6の内
部側端に連通し、他端が同上デフケース6の内部に向っ
て延びる第2油溝31を上記他の円形孔28の内周面に
形成し、上記第2油溝31の他端を上記軸心9の径方向
での上記第1油溝30よりも外方位置でかつ上記ギヤ本
体18の径方向外方に向ってデフケース6の内部に開口
させ、上記第1油溝30の上記一端に潤滑油38を供給
するようにしてある。
【0015】このため、駆動側から動力を受けて上記軸
心9回りにデフケース6が回転するとき、上記第2油溝
31内の潤滑油38はその遠心力により、上記第2油溝
31内からギヤ本体18の径方向外方に排出させられる
(図1中矢印B)。そして、この第2油溝31内からの
潤滑油38の排出に伴って、上記円形孔11の内周面に
形成された第1油溝30に対し供給された潤滑油38が
上記第2油溝31側に吸引される(図1中矢印C)。
【0016】よって、上記第1油溝30と第2油溝31
とを潤滑油38が順次流動することとなり、つまり、上
記各円形孔11,28の各内周面と、これに対するギヤ
軸16やギヤ本体18の外周面との間で、潤滑油38の
流動が阻まれるという従来の問題が解決され、このた
め、上記円形孔11と他の円形孔28の内周面と、ギヤ
軸16とギヤ本体18のうち少なくともいずれか一方の
外周面との「摺接部」がより確実に潤滑される。
【0017】そして、上記した潤滑は、潤滑油38に生
じる遠心力で、この潤滑油38が流動するよう第1油溝
30と第2油溝31とを設けたことにより達成されたの
であり、多量に潤滑油38を供給するための強制潤滑手
段は不要である。
【0018】また、上記第1油溝30を上記軸心9に沿
ってほぼ直線的に延びるよう形成してある。
【0019】このため、上記軸心9回りで、デフケース
6が上記第1油溝30を伴い回転するとき、仮に、この
回転が正転から逆転に変化したとしても、この第1油溝
30内の潤滑油38に生じる慣性力が上記軸心9に沿っ
た方向でいずれか一方から他方に変化する、ということ
は回避される。
【0020】よって、自動車の前、後進時など、デフケ
ース6が正逆いずれに回転するとしても、上記第1油溝
30の一端に供給された潤滑油38は、前記したように
第2油溝31側に吸引されて上記第1油溝30を通り第
2油溝31側に向わされるのであり、このため、上記
「摺接部」が確実に潤滑される。
【0021】また、上記したように第1油溝30は軸心
9に沿ってほぼ直線的に延びているため、潤滑油38が
供給される一端から第2油溝31に至る上記第1油溝3
0の長さは、より短くて足り、その分、上記第1油溝3
0内の潤滑油38は無用な圧力損失を生じることなく、
円滑に第2油溝31に向わされる。
【0022】よって、上記した第2油溝31内の潤滑油
38に生じる遠心力が有効に利用されて、上記 摺接部
は更に確実に潤滑される。
【0023】
【実施例】以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。
【0024】図中符号1は自動車用の差動装置で、この
差動装置1は車体に支持されたデフキャリア2を有して
いる。このデフキャリア2の左右各側部にはそれぞれ互
いに同軸上に円形の開口3が形成され、各開口3にそれ
ぞれ車軸管4の一端が嵌入固着され、これら各車軸管4
の他端は外側方に延びて、これら各他端にそれぞれ車輪
が支承されている。
【0025】上記デフキャリア2内にデフケース6が収
容されている。このデフケース6の左右各側部にはそれ
ぞれ互いに同軸上に円柱状のボス部7が突設され、これ
ら各ボス部7は、上記開口3と同軸上でこの開口3に嵌
入されている。また、上記各ボス部7は上記開口3の内
周面にそれぞれ軸受8により支承され、これにより、上
記デフケース6は、デフキャリア2に対し上記軸受8,
8の軸心9回りに回転自在に支承され、上記軸心9がデ
フケース6の回転中心となっている。また、上記デフケ
ース6の外面には上記軸心9と同軸上でリングギヤ10
が取り付けられている。また、上記各ボス部7には上記
軸心9上で円形の円形孔11がそれぞれ形成されてい
る。
【0026】上記デフケース6に上記軸心9と直交する
軸心を有するピニオン軸12が取り付けられている。こ
のピニオン軸12に一対のピニオンギヤ13,13がそ
れぞれ回転自在に支承されている。
【0027】上記軸心9上に一対のデフサイドギヤ1
5,15が配設されている。各デフサイドギヤ15は上
記円形孔11に回転自在に嵌入されてこの円形孔11の
内周面に摺接して支承されるギヤ軸16を有し、上記円
形孔11の内周面とギヤ軸16の外周面とが互いに摺接
している部分が「摺接部」とされている。このギヤ軸1
6の一端17はデフケース6内に延びてスプライン軸と
され、この一端17にギヤ本体18が取り付けられて、
このギヤ本体18は上記デフケース6の内部に収容され
ている。また、上記ギヤ軸16の他端には車軸19の一
端が同軸上で一体成形され、この車軸19の他端は上記
車軸管4内を外側方に延びて前記車輪に連結されてい
る。
【0028】上記ギヤ本体18は上記ギヤ軸16の一端
17にスプライン結合したボス部21と、このボス部2
1の上記ピニオンギヤ13側端に一体成形された歯部2
2と、上記ボス部21の軸方向中途部に外嵌された円環
状のワッシャ23とで構成されている。上記ボス部21
はギヤ軸16よりも径大で、歯部22は上記ボス部21
よりも更に径大である。また、この歯部22は上記ピニ
オンギヤ13,13に噛合している。更に、上記ワッシ
ャ23には多数の小孔24が形成されている。
【0029】上記ボス部21の円形孔11側の端面と、
上記デフケース6の内面26との間には軸心9上に環状
空間27が設けられている。上記デフケース6には、上
記軸心9上で上記円形孔11よりも上記デフケース6の
内部側に他の円形孔28が形成され、この他の円形孔2
8は上記円形孔11よりも径大でこの円形孔11に連な
るよう形成されている。そして、上記他の円形孔28内
に上記ボス部21が回転自在に嵌入され、上記ギヤ本体
18のボス部21の外周面が上記他の円形孔28の内周
面に摺接して支承され、この他の円形孔28の内周面と
ギヤ本体18のボス部21の外周面とが互いに摺接して
いる部分が他の「摺接部」とされている。
【0030】また、上記ワッシャ23は歯部22の円形
孔11側の面に摺動可能に接合しており、同上ワッシャ
23の円形孔11側の面は上記デフケース6の内面26
に摺接している。
【0031】上記各円形孔11の内周面にはそれぞれ一
対の第1油溝30,30が形成され、これら第1油溝3
0,30は円形孔11の径方向で対称位置に設けられて
いる。これら各第1油溝30は、上記軸心9に沿ってほ
ぼ直線的に延びるよう形成され、上記各第1油溝30
一端はデフケース6の側部外方に向って開口し、他端は
同上デフケース6の内部に向って延び、上記環状空間2
7に開口している。
【0032】上記デフケース6の内面26の一部である
上記他の円形孔28の内周面に第2油溝31が形成され
ている。より具体的には、この第2油溝31は、前記軸
心9と平行に上記他の円形孔28の内周面に形成される
軸方向溝32と、ワッシャ23と対面する上記デフケー
ス6の内面26に形成される径方向溝33とで構成され
ている。そして、上記軸方向溝32と、径方向溝33の
各一端は互いに連通している。また、上記軸方向溝32
の他端は上記環状空間27を通して上記第1油溝30に
おけるデフケース6の内部側端に連通し、径方向溝33
の他端は上記デフケース6の内部に向って延びている。
上記径方向溝33の他端は上記軸心9の径方向での上記
第1油溝30よりも外方位置でかつ上記ギヤ本体18の
径方向外方に向ってデフケース6の内部に開口してい
る。
【0033】前記開口3内と、車軸管4内には、上記デ
フケース6のボス部7と軸受8とを外側方から覆う第1
バッフル板35と第2バッフル板36が取り付けられて
いる。また、上記開口3内で、上記ボス部7と、軸受8
および第1バッフル板35で囲まれた空間37に潤滑油
38の供給管39の一端が挿入され、この供給管39の
一端は前記第1油溝30に向って開口している。
【0034】そして、自動車の走行により差動装置1が
作動するときには、前記リングギヤ10がエンジン側か
ら動力を受けて軸心9回りに回転し、これと共にデフケ
ース6、ピニオン軸12、および各ピニオンギヤ13が
軸心9回りに回転する。そして、上記各ピニオンギヤ1
3に噛合している各デフサイドギヤ15が同上軸心9回
りに回転させられて、それぞれ車軸19を介し左右車輪
に互いにほぼ均等にトルク配分がなされる。
【0035】上記自動車の走行に伴い、上記供給管39
から吐出された潤滑油38が第1油溝30内に供給され
る(図1中矢印A)。また、この潤滑油38の一部は軸
受8を潤滑する。なお、この潤滑油38の一部が車軸管
4内を通って車輪側に向おうとすることは第1バッフル
板35と第2バッフル板36によって抑制される。
【0036】また、上記したように軸心9回りにデフケ
ース6が回転するとき、上記第2油溝31内の潤滑油3
8はこの潤滑油38に生じる遠心力により、上記第2油
溝31内からギヤ本体18の径方向外方に排出させられ
る(図1中矢印B)。そして、この第2油溝31内から
の潤滑油38の排出に伴って、上記円形孔11の内周面
に形成された第1油溝30内の潤滑油38が上記第2油
溝31側に吸引される(図1中矢印C)。
【0037】よって、上記第1油溝30を通る潤滑油3
8により、上記円形孔11の内周面と、ギヤ軸16の外
周面とが互いに摺接している「摺接部」がより確実に潤
滑され、また、上記第2油溝31を通る潤滑油38によ
り、上記円形孔11よりも径大な他の円形孔28の内周
面と、この他の円形孔28に嵌入されるギヤ本体18の
外周面とが互いに摺接している他の「摺接部」もより確
実に潤滑される。
【0038】そして、上記第2油溝31からデフケース
6内に排出された潤滑油38はピニオン軸12とピニオ
ンギヤ13との間、およびピニオンギヤ13とデフサイ
ドギヤ15の噛合部を潤滑した後、デフケース6に形成
された開口40を通してデフキャリア2内に送り込まれ
(図1中矢印D)、この潤滑油38は、油圧ポンプ等に
より上記供給管39側に強制的に戻され、以下、上記作
用が繰り返される。
【0039】
【考案の効果】この考案によれば、デフケースの回転中
心を通る軸心上で、このデフケースの側部に円形孔を形
成すると共にこの円形孔よりも上記デフケースの内部側
に上記円形孔よりも径大の他の円形孔を形成し、同上軸
心上に配設されたデフサイドギヤを、上記円形孔に回転
自在に嵌入されるギヤ軸と、このギヤ軸の一端に取り付
けられ上記他の円形孔に回転自在に嵌入される上記ギヤ
軸よりも径大のギヤ本体とで構成し、上記円形孔と他の
円形孔の内周面に対し上記ギヤ軸とギヤ本体のうち少な
くともいずれか一方を支承させた差動装置において、
【0040】一端が上記デフケースの側部外方に向って
開口し、他端が同上デフケースの内部に向って延びる第
1油溝を上記円形孔の内周面に形成し、かつ、一端が上
記第1油溝におけるデフケースの内部側端に連通し、他
端が同上デフケースの内部に向って延びる第2油溝を上
記他の円形孔の内周面に形成し、上記第2油溝の他端を
上記軸心の径方向での上記第1油溝よりも外方位置でか
つ上記ギヤ本体の径方向外方に向ってデフケースの内部
に開口させ、上記第1油溝の上記一端に潤滑油を供給す
るようにしてある。
【0041】このため、上記軸心回りにデフケースが回
転するとき、上記第2油溝内の潤滑油はその遠心力によ
り、上記第2油溝内からギヤ本体の径方向外方に排出さ
せられる。そして、この第2油溝内からの潤滑油の排出
に伴って、上記円形孔の内周面に形成された第1油溝に
対し供給された潤滑油が上記第2油溝側に吸引される。
【0042】よって、上記第1油溝と第2油溝とを潤滑
油が順次流動することとなり、つまり、上記各円形孔の
各内周面と、これに対するギヤ軸やギヤ本体の外周面と
の間で、潤滑油の流動が阻まれるという従来の問題が解
決され、このため、上記円形孔と他の円形孔の内周面
と、ギヤ軸とギヤ本体のうち少なくともいずれか一方の
外周面との「摺接部」がより確実に潤滑されることとな
る。
【0043】そして、上記した潤滑は、潤滑油に生じる
遠心力で、この潤滑油が流動するよう第1油溝と第2油
溝とを設けたことにより達成されたのであり、多量に潤
滑油を供給するための強制潤滑手段は不要である。よっ
て、上記摺接部に対する上記潤滑は簡単な構成によ
って得られることとなる。
【0044】また、上記第1油溝を上記軸心に沿ってほ
ぼ直線的に延びるよう形成してある。
【0045】このため、上記軸心回りで、デフケースが
上記第1油溝を伴い回転するとき、仮に、この回転が正
転から逆転に変化したとしても、この第1油溝内の潤滑
油に生じる慣性力が上記軸心に沿った方向でいずれか一
方から他方に変化する、ということは回避される。
【0046】よって、自動車の前、後進時など、デフケ
ースが正逆いずれに回転するとして も、上記第1油溝の
一端に供給された潤滑油は、前記したように第2油溝側
に吸引されて上記第1油溝を通り第2油溝側に向わされ
るのであり、このため、上記「摺接部」が確実に潤滑さ
れる。
【0047】また、上記したように第1油溝は軸心に沿
ってほぼ直線的に延びているため、潤滑油が供給される
一端から第2油溝に至る上記第1油溝の長さは、より短
くて足り、その分、上記第1油溝内の潤滑油は無用な圧
力損失を生じることなく、円滑に第2油溝に向わされ
る。
【0048】よって、上記した第2油溝内の潤滑油に生
じる遠心力が有効に利用されて、上記 摺接部 は更に確
実に潤滑される。
【0049】更に、上記したように第1油溝は軸心に沿
ってほぼ直線的に延びているため、形状が簡単であっ
て、その成形が容易にできるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】差動装置の平面断面図である。
【図2】図1の2‐2線矢視断面図である。
【図3】図1の3‐3線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 差動装置 6 デフケース 9 軸心 11 円形孔 15 デフサイドギヤ 16 ギヤ軸 18 ギヤ本体 26 内面 28 他の円形孔 30 第1油溝 31 第2油溝 38 潤滑油 39 供給管

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフケースの回転中心を通る軸心上で、
    このデフケースの側部に円形孔を形成すると共にこの円
    形孔よりも上記デフケースの内部側に上記円形孔よりも
    径大の他の円形孔を形成し、同上軸心上に配設されたデ
    フサイドギヤを、上記円形孔に回転自在に嵌入されるギ
    ヤ軸と、このギヤ軸の一端に取り付けられ上記他の円形
    孔に回転自在に嵌入される上記ギヤ軸よりも径大のギヤ
    本体とで構成し、上記円形孔と他の円形孔の内周面に対
    し上記ギヤ軸とギヤ本体のうち少なくともいずれか一方
    を支承させた差動装置において、 一端が上記デフケースの側部外方に向って開口し、他端
    が同上デフケースの内部に向って延びる第1油溝を上記
    円形孔の内周面に形成し、かつ、一端が上記第1油溝に
    おけるデフケースの内部側端に連通し、他端が同上デフ
    ケースの内部に向って延びる第2油溝を上記他の円形孔
    の内周面に形成し、上記第2油溝の他端を上記軸心の径
    方向での上記第1油溝よりも外方位置でかつ上記ギヤ本
    体の径方向外方に向ってデフケースの内部に開口させ、
    上記第1油溝の上記一端に潤滑油を供給するようにし 上記第1油溝を上記軸心に沿ってほぼ直線的に延びるよ
    う形成し た差動装置の潤滑構造。
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