JP2606215Y2 - チューブ容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば、化粧料あるい
は練り化粧品等を収容した可撓性のあるチューブ容器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、練り化粧品等を収容するチュー
ブ容器としては図６に示すものが知られている。

【０００３】通常このようなチューブ容器にあっては、
合成樹脂で形成した胴部２２の一端を底部（図示せず）
としてシームし、この他端に肩部２７を設け、肩部２７
から注出用の口筒部２４を立設してある。このようなチ
ューブ容器から内容物を取り出すには、チューブ容器胴
部２２を押圧して内容物を押し出す。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、前記従来のチ
ューブ容器では、図７に示すように内容物をほとんどだ
し終わった時点において、内容物が肩部２７の近傍に残
留してしまう。これを取り出すことは容易ではない。す
なわち、肩部２７は通常傘状に広がっており、これを潰
すことはいかに可撓性のある材質で肩部が形成されると
いっても、強度的に不可能だからである。以上のように
前記従来のチューブ容器内には、使用不可能な内容物が
残留してしまい、無駄となっていた。

【０００５】本考案は前記事項に鑑みてなされたもので
あり、チューブ容器内に残留する内容物の量を減らすこ
とが可能なチューブ容器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案による第１のチュ
ーブ容器は、前記課題を解決するため、以下のような構
成とした。

【０００７】すなわち、チューブ容器は、可撓性のある
材質で筒状に形成され、内部を内容物８を収容する内容
物収容部３としたチューブ本体１と、このチューブ本体
１の先端を閉塞する肩部１１と、この肩部１１に設けら
れ、前記内容物８を注出する注出口４ｃを有する口筒部
４とを備える。

【０００８】さらに、前記チューブ本体１は、前記肩部
１１下の胴部外周面に、チューブ本体１の先端から基端
に向かうほど互いに近づく第１及び第２の直線状薄肉部
１２ｂ、１２ｃを有する。

【０００９】本考案による第２のチューブ容器は、前記
課題を解決するため、前記第１のチューブ容器におい
て、前記肩部１１直下の胴部外周面に、前記第１及び第
２の直線状薄肉部１２ｂ、１２ｃの最も離反した端部間
に位置するように、第３の直線状薄肉部１２ｄを有して
いる。そして、これら第１、第２及び第３の直線状薄肉
部１２ｂ、１２ｃ、１２ｄにより実質的に三角形が形成
されてある。

【００１０】ここで、前記第１、第２及び第３の直線状
薄肉部１２ｂ、１２ｃ、１２ｄは、その内部に肉厚がそ
れらが設けられている他の部位の肉厚よりも肉薄に形成
されている。

【００１１】本考案は、以下に示すように、様々な形態
で実施可能である。まず、前記チューブ本体１は、単一
の合成樹脂によるものや、複数の合成樹脂を粘着させて
積層型としたのものや、熱可塑性樹脂フィルムや、金属
箔（例えば、アルミ箔）の両面に熱可塑性樹脂を被覆し
たものや、金属を蒸着加工したフィルム又は紙等の両面
に熱可塑性樹脂で被覆したもの等から形成することがで
きる。

【００１２】また、前記外肩部１１と口筒部４は、合成
樹脂等から形成され、チューブ本体１と接着性の良好な
ものが選ばれる。次に、前記第１、第２及び第３の直線
状薄肉部１２ｂ、１２ｃ、１２ｄは、長さ方向に垂直な
断面が凹状をなすように形成することができる。この場
合、凹部はチューブ本体１の内側と外側のどちらを向い
ていてもよい。

【００１３】また、前記第１及び第２の直線状薄肉部１
２ｂ、１２ｃは、それらを１組として、チューブ本体１
の胴部外周面に左右対称に２カ所設けることが好まし
い。このとき、チューブ本体１の基端がシームされてい
る場合は、シームのある方向と一致するように設けられ
ることが特に好ましい。

【００１４】そして、前記第１、第２及び第３の直線状
薄肉部１２ｂ、１２ｃ、１２ｄにより形成される三角形
は、チューブ本体１の胴部外周面に左右対称に２カ所設
けることが好ましい。このとき、チューブ本体１の基端
がシームされている場合は、シームのある方向と一致す
るように設けられることが特に好ましい。

【００１５】

【作用】内容物収容部３に内容物８が充分に充填されて
いる状態では、チューブ本体１の胴部を先端方向に絞り
込むようにする。この絞り込みにより、注出口４ｃから
内容物８が注出される。

【００１６】そして、内容物収容部３に収容される内容
物８が残り少なくなった状態では、第１及び第２の直線
状薄肉部１２ｂ、１２ｃが近接または接触するように、
チューブ本体１の胴部を幅方向に絞り込むようにする。
この絞り込みにより、チューブ本体１先端部がつぶれ
て、チューブ本体１先端部周辺に残留する内容物８が注
出口４ｃから注出されるようになる。

【００１７】ここで、第３の直線状薄肉部１２ｄが設け
てある場合は、内容物収容部３に収容される内容物８が
さらに残り少なくなった状態では、チューブ本体１の胴
部を幅方向に絞り込みつつ、第３の直線状薄肉部１２ｄ
の中央部を押圧するようにする。この押圧により、肩部
１１がつぶれて、肩部１１周辺に残留する内容物８が注
出口４ｃから注出されるようになる。

【００１８】

【実施例】以下、本考案の２つの実施例について図面を
参照して説明する。なお、これらの実施例は、いずれも
内容物として練り化粧品８を使用する場合の態様であ
る。 （実施例１） 最初に、実施例１の構成を図１、図２及び図３に基づい
て説明する。図１は、実施例１におけるチューブ容器の
斜視図である。図２及び図３は、実施例１のチューブ容
器をつぶした状態を示す斜視図である。図１において、
チューブ容器は、柔軟性のある熱可塑性樹脂により、軸
方向に垂直な断面が楕円状をなす筒状に形成されたチュ
ーブ本体１を有している。

【００１９】このチューブ本体１の基端には、基端を閉
塞する底部シール部２が設けられている。また、このチ
ューブ本体１の先端には、熱可塑性樹脂により形成さ
れ、この先端を閉塞する楕円状の肩部１１が設けられて
いる。この肩部１１とチューブ本体１の胴部との接合面
は楕円状に形成されているが、この接合面は楕円状に限
るものではなく、例えば円形状に形成してもよい。

【００２０】前記チューブ本体１は、チューブ本体１の
先端から基端に向かうほど互いに近づき、その端部が連
結する第１及び第２の直線状薄肉部１２ｂ、１２ｃを、
それぞれ２組ずつ前記肩部１１下の胴部外周面に左右対
称となるように有している。また、チューブ本体１は、
前記肩部１１直下の胴部外周面に、前記第１及び第２の
直線状薄肉部１２ｂ、１２ｃの最も離反した端部を接続
する第３の直線状薄肉部１２ｄを２組有している。そし
て、第１、第２及び第３の直線状薄肉部１２ｂ、１２
ｃ、１２ｄは、底部シール部２が形成される方向がチュ
ーブ本体１の幅方向となるようにしたときに、図３に示
すように、チューブ本体１の胴部外周面の一端と他端に
左右対称の三角形を形成している。さらに、これら第
１、第２及び第３の直線状薄肉部１２ｂ、１２ｃ、１２
ｄの内部の肉厚は、チューブ本体１の肉厚よりも肉薄に
形成されている。

【００２１】前記肩部１１の中央部には、円形の開口部
９が設けられている。この開口部９から合成樹脂で円筒
状に形成された口筒部４が立設されている。前記口筒部
４の先端には、練り化粧品８を注出する注出口４ｃが設
けられている。この注出口４ｃの外周には、雄螺子４ａ
が形成されている。この雄螺子４ａを介して図示してい
ないキャップが螺着される。なお、注出口４ｃの外周面
に凸部を設けるとともにキャップの内周に凹部を設けて
単なる凹凸結合とし、キャップは注出口４ｃにワンタッ
チ式に着脱できるようにしてもよい。

【００２２】なお、本実施例では注出口４ｃを開口部９
よりも径小に形成したが、注出口４ｃを開口部９よりも
径小あるいは同径に形成してもよい。次に、実施例１の
作用を説明する。

【００２３】内容物収容部３に練り化粧品８が充分に充
填されている状態では、チューブ本体１の胴部を先端方
向に絞り込むようにする。この絞り込みにより、練り化
粧品８は、開口部９を通って注出口４ｃから注出される
ようになる。

【００２４】そして、内容物収容部３に収容される練り
化粧品８が残り少なくなった状態では、図２に示すよう
に、第１及び第２の直線状薄肉部１２ｂ、１２ｃが近接
または接触するように、チューブ本体１の胴部を幅方向
に絞り込むようにする。この絞り込みにより、チューブ
本体１先端部がつぶれて、チューブ本体１先端部周辺に
残留する練り化粧品８が注出口４ｃから注出されるよう
になる。

【００２５】次に、内容物収容部３に収容される練り化
粧品８がさらに残り少なくなった状態では、チューブ本
体１の胴部を幅方向に絞り込みつつ、図３に示すよう
に、第３の直線状薄肉部１２ｄの中央部を押圧するよう
にする。この押圧により、肩部１１がつぶれて、肩部１
１周辺に残留する内容物８が注出口４ｃから注出される
ようになる。

【００２６】このように、実施例１のチューブ容器にお
いては、チューブ本体１先端部周辺に残留する練り化粧
品８だけでなく、肩部１１周辺に残留する練り化粧品８
まで注出することができる。従って、チューブ容器内に
残留する練り化粧品８の量をより減すことが可能とな
る。

【００２７】なお、内容物収容部３内に練り化粧品８を
残したままにしておく場合は、口筒部４にキャップを取
り付けておくことが望ましい。 （実施例２） 次に、実施例２の構成を図４、図５に基づいて説明す
る。図４は、実施例２におけるチューブ容器の斜視図で
ある。図５は、実施例２のチューブ容器をつぶした状態
を示す斜視図である。図４において、チューブ容器は、
実施例１のチューブ容器から第３の直線状薄肉部１１ｄ
が２組取り除かれている他は、前記実施例１と同様に構
成されている。そこで、同一態様部分には同一番号を付
して説明を省略する。

【００２８】次に、実施例２の作用について説明する。
内容物収容部３に練り化粧品８が充分に充填されている
状態では、チューブ本体１の胴部を先端方向に絞り込む
ようにする。この絞り込みにより、練り化粧品８は、開
口部９を通って、注出口４ｃから注出されるようにな
る。

【００２９】そして、内容物収容部３に収容される練り
化粧品８が残り少なくなった状態では、図５に示すよう
に、第１及び第２の直線状薄肉部１２ｂ、１２ｃが近接
または接触するように、チューブ本体１の胴部を幅方向
に絞り込むようにする。この絞り込みにより、チューブ
本体１先端部がつぶれて、チューブ本体１先端部周辺に
残留する練り化粧品８が注出口４ｃから注出されるよう
になる。

【００３０】このように、実施例２のチューブ容器にお
いては、チューブ本体１先端部周辺に残留する練り化粧
品８まで注出することで、チューブ容器内に残留する練
り化粧品８の量を減すことが可能となる。

【００３１】なお、内容物収容部３内に練り化粧品８を
残したままにしておく場合は、口筒部４にキャップを取
り付けておくことが望ましい。

【００３２】

【考案の効果】本考案によれば、チューブ本体に第１、
第２の直線状薄肉部を形成したため、チューブ本体の胴
部を幅方向に絞り込んで、チューブ本体先端部をつぶす
ことができる。従って、チューブ本体先端部周辺に残留
する内容物まで注出することができ、チューブ容器内に
残留する内容物の量を減らすことが可能となる。

【００３３】さらに、チューブ本体に第３の直線状薄肉
部を形成した場合には、第３の直線状薄肉部を押圧して
肩部をつぶすことができる。従って、肩部周辺に残留す
る内容物まで注出することができ、第１、第２の直線状
薄肉部を形成した場合よりも、チューブ容器内に残留す
る内容物の量を減すことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１のチューブ容器の斜視図である。

【図２】実施例１のチューブ容器をつぶした状態を示す
斜視図である。

【図３】実施例１のチューブ容器をつぶした状態を示す
斜視図である。

【図４】実施例２のチューブ容器の斜視図である。

【図５】実施例２のチューブ容器をつぶした状態を示す
斜視図である。

【図６】従来例を示す斜視図である。

【図７】従来例において、内容物が少量になった場合を
示す図である。

【符号の説明】

１・・・・チューブ本体 ３・・・・内容物収容部 ４・・・・口筒部 ４ｃ・・・注出口 ８・・・・内容物 １１・・・肩部 １２ｂ・・第１の直線状薄肉部 １２ｃ・・第２の直線状薄肉部 １２ｄ・・第３の直線状薄肉部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性のある材質で筒状に形成され、内
   部を内容物（８）を収容する内容物収容部（３）とした
   チューブ本体（１）と、 このチューブ本体（１）の先端を閉塞する肩部（１１）
   と、 この肩部（１１）に設けられ、前記内容物（８）を注出
   する注出口（４ｃ）を有する口筒部（４）と、 を有するチューブ容器において、 前記チューブ本体（１）は、前記肩部（１１）下の胴部
   外周面に、チューブ本体（１）の先端から基端に向かう
   ほど互いに近づく第１及び第２の直線状薄肉部（１２
   ｂ、１２ｃ）を有することを特徴とするチューブ容器。
2. 【請求項２】 前記チューブ本体（１）は、前記肩部
   （１１）直下の胴部外周面に、前記第１及び第２の直線
   状薄肉部（１２ｂ、１２ｃ）の最も離反した端部間に位
   置するように、第３の直線状薄肉部（１２ｄ）を有して
   おり、これら第１、第２及び第３の直線状薄肉部（１２
   ｂ、１２ｃ、１２ｄ）により、実質的に三角形が形成さ
   れていることを特徴とする請求項１記載のチューブ容
   器。