JP2602264B2 - 農業用オレフイン系樹脂フイルム - Google Patents

農業用オレフイン系樹脂フイルム

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JP2602264B2 JP63019492A JP1949288A JP2602264B2 JP 2602264 B2 JP2602264 B2 JP 2602264B2 JP 63019492 A JP63019492 A JP 63019492A JP 1949288 A JP1949288 A JP 1949288A JP 2602264 B2 JP2602264 B2 JP 2602264B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は耐候性に優れた農業用オレフイン系樹脂フイ
ルムに関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は、例えば育苗用フレーム栽培、促成フレーム栽培、ト
ンネル栽培、ハウス栽培などの園芸分野や、水稲育苗用
などの水稲分野などに好適に用いられる、ヒンダードア
ミン系光安定剤を配合して成る耐候性、耐酸性などに優
れた農業用オレフイン系樹脂フイルムに関するものであ
る。
従来の技術 近年、園芸分野においては、育苗用フレーム栽培、促
成フレーム栽培、トンネル栽培、ハウス栽培の普及に伴
い、また水稲分野においては、保護苗代の保温被覆を主
目的とする水稲育苗用に、農業用オレフイン系樹脂フイ
ルムが広く用いられている。
このような農業用オレフイン系樹脂フイルムとして
は、従来、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−α−オレフイン共重合体、ポリプロピレ
ンなどのオレフイン系樹脂や、塩化ビニル樹脂などを素
材とする単層又は多層フイルムが用いられている。
これらの農業用オレフイン系樹脂フイルムは、主とし
て屋外で使用されることから、特に耐久、耐候性が要求
され、そのため、該フイルムには、通常各種の酸化防止
剤と光安定剤とが組み合わされ配合されている。該酸化
防止剤としては、通常ヒンダードフエノール系の一次酸
化防止剤と、リン系や硫黄系の二次酸化防止剤とが併用
されており、また、光安定剤としては、紫外線吸収剤、
クエンチヤー、ヒンダードアミン系光安定剤などが用い
られている。該紫外線吸収剤は、ポリマーへの光エネル
ギーの侵入を阻止する目的で、自体が光エネルギーを吸
収し、無害な熱エネルギーなどに変換してラジカル発生
を抑制する作用を有するものであつて、例えばサリシレ
ート系、ベンゾフエノン系、トリアゾール系、置換アク
リロニトリル系などがある。またクエンチヤーは、それ
自体紫外線を吸収しないが、紫外線により励起された不
純物のエネルギーを奮い、元の基底状態に戻す作用を有
し、このようなものとしてはニツケル錯体系光安定剤が
用いられている。さらに、ヒンダードアミン系光安定剤
は、前記のクエンチヤーと同様にそれ自体紫外線を吸収
しないが、紫外線により発生したラジカルを捕捉して連
鎖反応を阻止する作用を有するものであつて、ピペリジ
ン環を有する各種光安定剤が見い出されており(特開昭
54−95650号公報、同60−36529号公報)、その需要は急
速に伸びている。
ところで、現在市販されている農業用オレフイン系樹
脂フイルムの耐候性については、前記の酸化防止剤と光
安定剤とを適当に組み合わせて配合することにより、か
なり耐候性の良好なものが得られているものの、特にオ
レフイン系樹脂フイルムについては必ずしも耐候性は十
分ではなく、より耐候性の優れた農業用オレフイン系樹
脂フイルムの開発が望まれている。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、このような要望にこたえ、極めて耐候性に
優れたオレフイン系樹脂を素材とする農業用フイルムを
提供することを目的としてなされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明者らは耐候性に優れた農業用オレフイン系樹脂
フイルムを開発するために鋭意研究を重ねた結果、農業
用オレフイン系樹脂に、特定の構造を有する2種のヒン
ダードアミン系光安定剤を所定の割合で配合することに
より、耐候性を著しく向上しうることを見い出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明は、(A)オレフィン系樹脂100重
量部、(B)一般式 (式中のnは1〜3の整数である) で表わされる二価の残基を平均5個以上その分子鎖中に
有する、数平均分子量1500〜3000の高分子脂肪族ヒンダ
ードアミン系光安定剤0.03〜0.5重量部及び(C)エス
テル部分のアルコールから誘導される基として、一般式 (式中のRは低級アルキル基、Aは脂肪族ポリカルボン
酸のカルボキシル基の一部又は全部が除かれた残基、m
は2以上の整数である) で表わされる脂肪族ポリカルボン酸エステルヒンダード
アミン系光安定剤0.02〜0.1重量部から成り、かつ
(C)成分の含有量が(B)成分の含有量の等量以下で
あることを特徴とする農業用オレフィン系樹脂フィルム
を提供するものである。この一般式(II)におけるAが
三価以上の脂肪族ポリカルボン酸の残基の場合は、その
カルボキシル基の一部がエステル化されずに遊離状カル
ボキシル基として残っていてもよい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の農業用フイルムの素材として用いるオレフイ
ン系樹脂は、オレフインの重合体、2種以上のオレフイ
ンの共重合体、オレフインを主体とするオレフインと他
の単量体との共重合体であり、例えば低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポ
リエチレン、エチレンとブテン1、4−メチルペンテン
−1、オクテン−1などのα−オレフインとの共重合体
(線状低密度ポリエチレン、L−LDPE)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体などを挙げることが
できる。これらのオレフイン系樹脂は1種用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。
また、このフイルムは、これらのオレフイン系樹脂2
種以上から成る積層体であつてもよい。好ましいフイル
ムとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、エチレンとα−オレフインとの共重合体(L−LDP
E)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の中から選ばれ
た少なくとも1種から成る単層体や、これらの樹脂2種
以上から成る積層体が挙げられ、さらに好ましいものと
しては、外層がエチレンとα−オレフインとの共重合体
(L−LDPE)から成り、かつ内層がエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体から成る積層フイルムを挙げることができ
る。該エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、通常酢
酸ビニル単位の含有量が3〜20重量%、好ましくは5〜
15重量%の範囲のものが用いられる。
本発明の農業用オレフイン系樹脂フイルムにおいて
は、耐候性を向上させるために、2種のヒンダードアミ
ン系光安定剤が配合されるが、このヒンダードアミン系
光安定剤としては、(B)成分すなわち前記一般式
(I)で表わされる二価の残基を、平均5個以上その分
子鎖中に有する、数平均分子量1500〜3000の高分子脂肪
族ヒンダードアミン系光安定剤と、(C)成分すなわち
前記一般式(II)で表わされる脂肪族ポリカルボン酸ヒ
ンダードアミン系光安定剤とを組み合わせて用いること
が必要である。
この(B)成分の一般式(I)で表わされる残基は、
通常次に示す構造の一部として含まれている。
又は (式中のnは前記と同じ意味をもつ) この(B)成分としては、例えば以下に示す化合物を
挙げることができる。
化合物I(チバガイギー社製、商品名LS622LD) 化合物II(チバガイギー社製、商品名LS622) 化合物III 化合物IV また、(C)成分としては、例えば以下に示す化合物
を挙げることができる。
化合物V(アデカアーガス社製、商品名LA−62) 化合物VI(アデカアーガス社製、商品名LA−63) 一般に農業用オレフイン系樹脂の耐候性を向上させる
ために、紫外線吸収剤を配合する場合、この配合量を過
度に増大すると、これをフイルムに成形したときブリー
ドアウトを生じ耐候性向上の効果が得られない。したが
つて、耐候性を高くしようとする場合には、紫外線吸収
剤と共にラジカル捕捉作用を示すヒンダードアミン系光
安定剤を用いることが必要とされている。
ところで、このヒンダードアミン系光安定剤(以下HA
LSと略記する)を大別すると、(1)ピペリジン骨格の
窒素原子が活性水素をもつNH型HALS、(2)該窒素原子
にメチル基やエチル基などの低級アルキル基が導入した
N−R型HALS及び(3)該窒素原子に適度に電子供与性
を低下させた置換基、具体的には1〜3個のメチレン鎖
にカルボニル基又はエステル基のついた置換基を有する
HALSに分類することができる。
この中の(1)のNH型HALSとしては、以下に示すもの
が市販されているが、いずれもその化学構造中に活性水
素を含み、反応性、強塩基性を有するため、火山灰、酸
性雨、酸性農薬などの酸性物質と接触すると変色、変質
を生じるという欠点がある。
化合物VII(チバガイギー社製、商品名LS770) 化合物VIII(チバガイギー社製、商品名LS944) 化合物IX(アデカアーガス社製、商品名LA−67) 化合物X(アデカアーガス社製、商品名LA−68) また、前記(2)のNR型HALSは、これらNH型HALSの活
性水素をアルキル基で置換し、その反応性を減じたもの
であるが、高い塩基性を示すため、前記した欠点を免れ
ることはできない。
さらに、前記(3)のエステル型HALSとしては、次に
示すものが知られているが、このものは耐酸性の点では
ある程度満足しうるものの、耐候性向上の効果が不十分
であるという問題がある。
化合物XI(チバガイギー社製、商品名LS2626) 以上の理由により、本発明においては、これらの化合
物を用いることができず、(B)成分すなわち前記一般
式(I)の残基を分子鎖中に平均5個以上有し、数平均
分子量1500以上の高分子脂肪族ヒンダードアミン系光安
定剤と、(C)成分すなわち前記一般式(II)で表わさ
れる脂肪族ポリカルボン酸エステルヒンダードアミン系
光安定剤との組み合せを用いなければならない。このよ
うに、本発明の(C)成分としては、その1分子中に一
般式 (式中のRは前記と同じ) で表わされる残基を2個以上有する化合物を用いること
が必要であり、この残基を1個だけ有する化合物を用い
た場合は、十分な耐候性が得られない。また、その分子
量については特に制限はないが、相容性及び耐抽出性の
点から数平均分子量800以上のものが好適である。この
分子量が800未満のものでは相容性に劣り、耐候性付与
効果が十分に発揮されないことがある上、耐抽出性が十
分ではない。
本発明のフイルムにおいては、前記(B)成分の光安
定剤の含有量は、該フイルム100重量部に対して、0.03
〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.3重量部の範囲で選ぶ
必要がある。この含有量が0.03重量部未満ではフイルム
の耐酸性及び耐候性が十分ではないし、0.5重量部を超
えると、量の割には効果は向上せず、むしろ経済的に不
利となる。
一方、(C)成分の光安定剤の含有量は、該フイルム
100重量部に対して、0.02〜0.1重量部、好ましくは0.03
〜0.07重量部の範囲で選ばれ、かつ(B)成分の光安定
剤と(C)成分の光安定剤との合計重量に基づき50重量
%以下であることが必要である。この含有量が前記の各
範囲を逸脱すると本発明の効果が十分に発揮されない。
本発明のフイルムには、所望に応じ、前記(B)成分
及び(C)成分の光安定剤以外のヒンダードアミン系光
安定剤を配合することができるか、この場合、配合量は
該フイルム100重量部に対して、0.01重量部以下である
ことが望ましい。また、該フイルムには、通常種々の紫
外線吸収剤及び酸化防止剤が併用される。
前記紫外線吸収剤としては、例えばフエニルサリシレ
ート、4−t−ブチルフエニルサリシレートなどのサリ
シレート系、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエ
ノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフエ
ノンなどのベンゾフエノン系、2(2′−ヒドロキシ−
5′−メチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2(2′
−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフエニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2(2′−ヒド
ロキシ−5′−オクチルフエニル)ベンゾトリアゾー
ル、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチル
フエニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのトリ
アゾール系、2−シアノ−3,3−ジフエニルアクリル酸
エチルなどの置換アクリロニトリル系、2−エチル−
5′−t−ブチル−2′−エトキシ−N,N′−ジフエニ
ロキサルアミドなどのシユウ酸アニリド系、〔2,2′−
チオビス(4−t−オクチルフエノレイト)〕−n−ブ
チルアミンニツケル(II)、〔2,2′−チオビス(4−
t−オクチルフエノレイト)〕−2−エチルヘキシルア
ミンニツケル(II)などのニツケル錯体系クエンチヤー
などを挙げることができる。これらの紫外線吸収剤やク
エンチヤーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
また、前記酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフエノール、n−オクタデシル−
3(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフエ
ニル)プロピオネート、4,4′−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフエノール)、テトラキス〔メチレン
−3(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフ
エニル)プロピオネート〕メタン、トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイ
ト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフエニル)ブタン、4,4′−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフエノール)、2,2′
−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフエノー
ル)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフエノール)などのヒンダードフエノール系、ジス
テアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチ
ル−3,3′−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3′
−チオジプロピオネートなどのイオウ系、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスフアイト、ジフエニルイソ
オクチルホスフアイト、ジフエニルイソデシルホスフア
イト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフエニル)−
4,4−ビフエニレンジホスフアイト、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフエニル)ホスフアイト、トリスノニルフエ
ニルホスフアイト、4,4−ブチリデンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフエニル−ジ−トリデシル)ホスフア
イトなどのリン系などを挙げることができる。これらの
酸化防止剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
さらに、本発明のフイルムには、農業用合成樹脂フイ
ルムに従来慣用されている他の添加剤、例えば防曇剤、
防霧剤(シロキサン系又はフツ素系界面活性剤)、ブロ
ツキング防止剤、保温剤、顔料などを添加することがで
きる。防曇剤の添加量は、該フイルム100重量部に対し
て通常0.1〜6重量部、好ましくは0.5〜3重量部の範囲
で選ばれる。また前記添加剤は、2層積層フイルムの場
合には、外層、内層それぞれに添加してもよいし、内層
だけに添加してもよく、3層積層フイルムの場合には、
中間層のみ、中間層と内層の2層に、あるいは3層すべ
てに添加してもよい。
本発明の農業用オレフイン系樹脂フイルムの製造方法
については特に制限はなく、一般的なT−ダイキヤスト
押出法、インフレーシヨン押出成形法、共押出成形法、
ラミネート成形法、コーテイング成形法など、通常用い
られている成形法の中から任意の方法を用いることがで
きるが、特にインフレーシヨン押出成形法及び共押出イ
ンフレーシヨン成形法が好適である。インフレーシヨン
成形法の場合には、ブロー比は通常1.2〜3、好ましく
は1.5〜2.5の範囲で選ばれる。
発明の効果 本発明の農業用オレフイン系樹脂フイルムは、オレフ
イン系樹脂を素材とし、これに構造の異なる2種のヒン
ダードアミン系光安定剤を配合したものであつて、耐候
性、耐酸性などに優れており、例えば育苗用フレーム栽
培、促成フレーム栽培、トンネル栽培、ハウス栽培など
の園芸分野や、水稲育苗用などの水稲分野などに好適に
用いられる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によつてなんら限定されるものでは
ない。
なお、フイルムの各物性は次のようにして求めた。
(1) WOM あらかじめ、0.5重量%の中性洗剤を含有する60℃の
温水中に、10日間浸せきした試料をWOMにセツトし、50
時間ごとに取り出して引張試験を行つた。引張伸びがオ
リジナルの50%に低下した時間を使用限界時間とする。
(2) 酸による変色度 屋外曝露中の試料に、火山灰(桜島)1重量部と0.6N
塩酸1重量部との混合物を、1回/1週間塗布して変色状
況を、次の基準に従つて評価した。なお、試験期間は昭
和61年4月〜61年10月である。
5:ほとんど変色が認められない。
4:わずかに変色 3:薄茶色に変色 2:茶色に変色 1:全体にわたり濃褐色に変色 実施例1〜6、比較例1〜13 サンテツクFD2206〔旭化成工業(株)製、低密度ポリ
エチレン、MI=0.6、ρ=0.92〕100重量部に対し、別表
に示す量の各HALS、チヌビン326(チバガイギー社製,
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)0.2重量部、イル
ガノツクスB−225(チバガイギー社製,ヒンダードフ
エノール系酸化防止剤)0.1重量部及びホスレツクスA
−18〔堺化学(株)製,リン系加工助剤〕0.1重量部を
あらかじめ混合し、ペレツト化したものをインフレーシ
ヨン成形装置の90mmシングル押出機に供給し、900φダ
イスからダイス温度190℃、押出量150kg/hr、ブロー比
1.8の条件でインフレーシヨン成形を行い、全厚み0.16m
mで連続的に巻き取つた。
これらのフイルムのWOM及び酸による変色度を求め、
その結果を表に示した。
また、実施例1で得られたフイルムを鹿児島県桜島の
ミカン栽培用ハウスの天井用被覆材として昭和59年11月
より使用開始、昭和60年6月まで使用した。この結果、
被覆使用期間内での破れなどのトラブルは皆無で実用上
問題ないと判断された。なお、使用後取込品の被覆材の
押出方向での伸びは600%でほとんど劣化は見られなか
つた。
なお、表中の化合物I〜XIは、それぞれ前出の(B)
成分及び(C)成分として例示されている化合物I〜XI
である。
実施例6 外層用として、ウルトゼツクス2020L〔三井石油化学
工業(株)製、C6タイプ、低圧法低密度ポリエチレン、
MI=2.1、ρ=0.92、融点120℃〕100重量部に対し、チ
ヌビン622LD(化合物I)0.1重量部、LA−62(化合物
V)0.05重量部、チヌビン326 0.2重量部、イルガノツ
クスB−225 0.2重量部及びリン系加工助剤0.1重量部
を混合し、ペレツト化した。
一方、内層用として、NUC855〔日本ユニカー(株)
製、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル単
位含量10重量%、MI=1.5、ρ=0.93、融点102℃〕100
重量部に対し、チヌビン622LD(化合物I)0.1重量部、
LA−62(化合物V)0.05重量部、チヌビン326 0.2重量
部、イルガノツクスB−225 0.2重量部、リン系加工助
剤0.1重量部、ソルビタン脂肪酸エステル0.75重量部、
グリセリン脂肪酸エステル0.25重量部及びブロツキング
防止剤微量を混合し、ペレツト化した。
次に、外層用ペレツトを90mmシングル押出機外層用に
供給し、押出機温度を190℃とし、内層用ペレツトを90m
mシングル押出機内層用に供給し、押出機温度を160℃と
し、二層用ダイス(800φ、C.L=1.0mm)からダイス温
度190℃、押出量300kg/hr、ブロー比2.4の条件でインフ
レーシヨン成形を行い、農業用2種2層積層フイルムを
得、連続的に巻取つた。得られたフイルムは、全厚み10
0μm(低圧法低密度ポリエチレン層/エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂層≒50μm/50μm)の2層フイルム
であつた。
この試作フイルムを鹿児島県桜島地区で数個所のミカ
ン栽培用ハウスの天井用降灰対策被覆材として用い、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層側を内側として昭和
60年7月より使用開始し、昭和61年5月、すなわち約10
ケ月後使用状況を確認した。
結果はフイルムの褐変劣化などの変化は確認されず、
透明性、防曇性も支障なく良好であつた。
念のため天井部より試作フイルムの一部を切り取つて
押出方向での伸びを測定したところ700%で伸び残率は
約85%であつた。また、栽培中のミカンには特に異常は
見られなかつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 宣之 埼玉県上尾市愛宕3丁目1番22号 シー アイ化成株式会社技術研究所内 (72)発明者 後藤 宏文 埼玉県上尾市愛宕3丁目1番22号 シー アイ化成株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−43061(JP,A) 特開 昭59−47259(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)オレフィン系樹脂100重量部、
    (B)一般式 (式中のnは1〜3の整数である) で表わされる二価の残基を平均5個以上その分子鎖中に
    有する、数平均分子量1500〜3000の高分子脂肪族ヒンダ
    ードアミン系光安定剤0.03〜0.5重量部及び(C)一般
    (式中のRは低級アルキル基、Aは脂肪族ポリカルボン
    酸のカルボキシル基の一部又は全部が除かれた残基、m
    は2以上の整数である) で表わされる脂肪族ポリカルボン酸エステルヒンダード
    アミン系光安定剤0.02〜0.1重量部から成り、かつ
    (C)成分の含有量が(B)成分の含有量の等量以下で
    あることを特徴とする農業用オレフィン系樹脂フィル
    ム。
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